Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


前へ 次へ 目次 索引


IO LOAD (Alpha のみ)

Alpha システムにおいて,入出力ドライバをロードします。 VAX システムでは,SYSGEN の LOAD コマンドを使用してください。

IO LOAD コマンドを実行するには,CMKRNL と SYSLCK の特権が必要です。

注意

システムはほとんどエラー検査を行いませんので, IO LOAD コマンドの発行には十分注意を払ってください。


形式

IO LOAD ファイル指定


パラメータ

ファイル指定

ロードするドライバのファイル名を指定します。このパラメータは省略できません。

修飾子

/LOG=(ALL,DPT)

ロードしたドライバに関する情報を表示するかどうかを制御します。省略時の値は/LOG=ALL です。/LOG=DPT または /LOG=ALL を指定した場合,ドライバ・プロローグ・テーブル (DPT) が表示されます。

説明

IO LOAD コマンドは,入出力ドライバをロードします。 VAX システムでは,SYSGEN の LOAD コマンドを使用してください。IO LOAD コマンドを実行するには, CMKRNL と SYSLCK の特権が必要です。


SYSMAN> IO LOAD/LOG SYS$DKDRIVER
%SYSMAN-I-IOADDRESS, the DPT is located at address 80D5A000

装置 SYS$DKDRIVER をロードし,ドライバ・プロローグ・テーブル (DPT) のアドレスを表示しています。

IO REBUILD (Alphaのみ)

Alphaシステムにおいて,システムを再構成するためのIO AUTOCONFIGUREコマンドを使用する準備として,装置構成テーブルを再構築します。

IO REBUILDコマンドを使用するには,CMKRNL特権が必要です。


形式

IO REBUILD


パラメータ

なし。

修飾子

/VERIFY

SYSMAN はファイル SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT と SYS$SYSTEM:CONFIG.DAT を読み込んで処理しますが,これらのファイルを入出力データベースに適用しません。エラーが発生した場合にはメッセージが表示されます。開発者はこのコマンドを,現在のシステムを変更することなく, SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DAT に加えた新しい変更点をテストするために使用します。

説明

IO REBUILDコマンドは,ファイルSYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DATと SYS$SYSTEM:SYS$CONFIG.DATを読み込んで解析することで,システムの装置構成テーブルを再構築します。

SYS$SYSTEM:SYS$USER_CONFIG.DATファイルの変更点をデバッグする際には,IO REBUILDコマンドと IO AUTOCONFIGUREコマンドを使用して,システムを再ブートしなくてもドライバをロードすることができます。ただし,いったんアダプタのドライバをロードしたら,システムを再ブートしないとドライバの再ロードはできません。



SYSMAN> IO REBUILD
SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE
 

この例の1つ目のコマンドは,装置構成テーブルを再構築します。 2つ目のコマンドは,装置構成テーブルを読み込み,新しく定義されたドライバのドライバをロードします。

IO REPLACE_WWID (Alpha のみ)

このコマンドを使うと,MDR (Modular Data Router) の後ろにある 1 つのテープ装置を同一の FC (Fibre Channel) 論理ユニット番号 (LUN) 位置にある別のテープ装置に交換できます。このコマンドは,必要なファイルとメモリ・データ構造をすべて新しいテープ装置の WWID で更新します。置き換えたドライブの名前は,元のドライブの名前と同じになります。

このコマンドを使用するには,CMKRNL 特権が必要です。これは,MDR の後ろにある FC テープのみに適用されます。

Fibre Channel の詳細については,『Compaq OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。


形式

IO REPLACE_WWID 装置名


パラメータ

装置名

新しいテープ装置の装置名。

修飾子

なし。

説明

たとえば,クラスタの再ブートを行わずに,欠陥のあるテープ装置を新しいテープ装置に交換する必要があり,また,新しいドライブを,これまでのテープ装置と同じ位置で同じ名前のままにする必要があるとします。

このコマンドを使うときには,次のことに注意してください。



SYSMAN> IO REPLACE_WWID $2$MGA1

このコマンドで,新しいテープ装置 $2$MGA1 の WWID で必要なすべてのファイルとメモリ・データ構造が更新されます。

IO SCSI_PATH_VERIFY (Alpha のみ)

Alpha システムにおいて,IO SCSI_PATH_VERIFY サブコマンドは,システム内の SCSI と FC のパスを 1 つずつチェックして,接続された装置が変更されたかどうかを判断します。装置の変更が検出された場合には,その SCSI または FC パスは入出力データベースで切断されます。これによって,IO AUTOCONFIGURE コマンドを使うことで,パスを新しい装置に対して再設定できます。

IO SCSI_PATH_VERIFY コマンドを使用するには,CMKRNL 特権が必要です。


形式

IO SCSI_PATH_VERIFY


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

SCSI または FC のインターコネクトのオンライン再設定を行った後,通常は,IO SCSI_PATH_VERIFY コマンドを入力します。このコマンドは,システム内にある SCSI および FC パスそれぞれの装置タイプと装置識別子を読み込みます。装置が入出力データベースに格納されているデータと一致しない場合には,そのパスは入出力データベースで切断されます。 IO SCSI_PATH_VERIFY コマンドの後,通常は IO AUTOCONFIGURE コマンドを入力します。 IO AUTOCONFIGURE は,新しい SCSI や FC の設定に合わせて入出力データベースを更新するコマンドです。


SYSMAN> IO SCSI_PATH_VERIFY
SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE
 

この例の 1 番目のコマンドは,すべての SCSI パスをチェックして,有効ではなくなったパスを切断します。2 番目のコマンドはシステムに物理的に接続されている装置をすべて自動構成します。

IO SET EXCLUDE (Alphaのみ)

Alpha システムでは,装置を自動的に構成するときに使用するパーマネント除外リストを設定します。

形式

IO SET EXCLUDE = (装置名)


パラメータ

(装置名)

自動構成から除外する装置タイプを指定します。パーマネント除外リストに入れる装置を表す有効な装置名またはニーモニックを使用します。ワイルドカードが使用できます。

修飾子

なし

説明

装置の自動構成を行うときに使用するパーマネント除外リストを設定します。


SYSMAN> IO SET EXCLUDE=(DKC500,DKD*)

この例は,DKC500 とすべての DKD 装置について,自動構成を行わないことを指定します。

装置名の指定方法を示す他の例については,/SELECT 修飾子を参照してください。

IO SET PREFIX (Alpha のみ)

Alpha システムにおいて,IOGEN コンフィギュレーション作成モジュール (ICBM) 名の作成に使用する接頭辞リストを設定します。

形式

IO SET PREFIX = (ICBM 接頭辞)


パラメータ

ICBM 接頭辞

ICBM 接頭辞を指定します。ICBM 接頭辞は,IO AUTOCONFIGURE コマンドが ICBM イメージ名を作成するときに使用します。

修飾子

なし

説明

IO SET PREFIX コマンドは,IOGEN コンフィギュレーション作成モジュール (ICBM) 名を作成するときに使用する接頭辞リストを設定します。


SYSMAN> IO SET PREFIX=(SYS$,PSI$,VME_)
 

ICBM 名を作成するときに IO AUTOCONFIGURE が使用する接頭辞名を指定しています。SYS$,PSI$,VME_ の接頭辞が指定されています。

IO SHOW BUS (Alpha のみ)

Alphaシステムにおいて,システムのすべてのバス,ノード番号,バス名,TR番号, CSR基底アドレスを表示します。この情報表示はおもに,コンパックの保守エンジニアが使用します。

VAXシステムでは,SYSGENのSHOW/BUSコマンドを使用してください。


形式

IO SHOW BUS


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW BUSコマンドはすべてのバス,ノード番号,バス名,TR番号,CSR基底アドレスを表示します。この情報が表示されるのはおもに,コンパック社内のエンジニアリングをサポートするためです。 IO SHOW BUSコマンドを使用するには,CMKRNL特権が必要です。



SYSMAN> IO SHOW BUS
_Bus__________Node_TR#__Name____________Base CSR__________ 
LSB           0    1    EV3 4MB        FFFFFFFF86FA0000 
LSB           6    1    MEM            FFFFFFFF86FC4000 
LSB           7    1    MEM            FFFFFFFF86FCA000 
LSB           8    1    IOP            FFFFFFFF86FD0000 
    XZA XMI-SCSI  0    3    XZA-SCSI       0000008001880000 
    XZA XMI-SCSI  1    3    XZA-SCSI       0000008001880000 
    XZA XMI-SCSI  0    4    XZA-SCSI       0000008001900000 
    XZA XMI-SCSI  1    4    XZA-SCSI       0000008001900000 
  XMI           4    2    LAMB           0000008001A00000 
    DEMNA         0    5    Generic XMI    0000008001E80000 
    DEMNA         0    6    Generic XMI    0000008001F00000 

この例はDEC 7000モデル600から抜粋したものです。それぞれの Alphaシステムで表示内容は異なります。

この表示で使用されている字下げレベルは,システムのアダプタ制御ブロックの階層を示しています。表示される各項目は次のとおりです。

項目のタイトル 意味
Bus バス識別
Node 対応するバス・アレイへの索引; バス・スロット
TR# 指定したデバイスが接続されるアダプタのネクサス番号
Name デバイス名
Base CSR デバイスのCSR基底アドレス

Alpha システムでは,SDA の CLUE CONFIG コマンドを使用して,ハードウェア・アダプタと装置を含む追加情報を表示できます。このコマンドについては,『OpenVMS Alpha System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。

デバイス・ドライバのロードと構成の詳細については,『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』を参照してください。

IO SHOW DEVICE (Alpha のみ)

Alpha システムにおいて,システムにロードされている装置ドライバ,ドライバに接続されている装置,ドライバの入出力データベースを表示します。アドレスはすべて,16 進仮想アドレスです。 VAX システムでは,SYSGEN ユーティリティの SHOW/DEVICEコマンドを使用してください。

形式

IO SHOW DEVICE


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW DEVICE コマンドは,システムにロードされている装置ドライバ,ドライバに接続されている装置,ドライバの入出力データベースを表示します。

IO SHOW DEVICE コマンドは,指定の装置ドライバについて次の情報を表示することを指定します。

Driver ドライバの名前
Dev ドライバに接続されている各装置の名前
DDB 装置の装置データ・ブロックのアドレス
CRB 装置のチャネル要求ブロックのアドレス
IDB 装置の割り込みディスパッチ・ブロックのアドレス
Unit 装置上の各ユニットの番号
UCB 各ユニットのユニット制御ブロックのアドレス

アドレスはすべて,16 進の仮想アドレスです。

SYSMAN の詳細については,『A Comparison of System Management on OpenVMS AXP and OpenVMS VAX』 1 と『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

注意

1 このマニュアルは,アップデートされていませんが, OpenVMS Documentation CD-ROM に含まれています。



SYSMAN> IO SHOW DEVICE

次は,IO SHOW DEVICE コマンドで出力される表示例です。


__Driver________Dev_DDB______CRB______IDB______Unit_UCB_____ 
SYS$FTDRIVER 
                FTA 802CE930 802D1250 802D04C0 
                                                 0 801C3710 
SYS$EUDRIVER 
                EUA 802D0D80 802D1330 802D0D10 
                                                 0 801E35A0 
SYS$DKDRIVER 
                DKI 802D0FB0 802D0F40 802D0E60 
                                                 0 801E2520 
SYS$PKADRIVER 
                PKI 802D1100 802D13A0 802D1090 
                                                 0 801E1210 
SYS$TTDRIVER 
OPERATOR 
NLDRIVER 

SYS$TTDRIVER,OPERATOR,NLDRIVER に対応する装置はありません。

IO SHOW EXCLUDE (Alphaのみ)

Alpha システムでは,装置の自動構成で使用するパーマネント除外リストを表示します。

形式

IO SHOW EXCLUDE


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW EXCLUDE コマンドは,コンソールにパーマネント除外リストを表示します。このリストは装置の自動構成で使用されます。


SYSMAN> IO SHOW EXCLUDE
%SYSMAN-I-IOEXCLUDE, the current permanent exclusion list is: DKC500,DKD*

このコマンドは,装置の自動構成の際に使用されるパーマネント除外リストを表示します。現在のリストは,DKC500 と,すべての DKD 装置を含んでいます。

IO SHOW PREFIX (Alpha のみ)

Alpha システムにおいて,IOGEN コンフィギュレーション作成モジュール (ICBM) 名の作成に使用している現在の接頭辞リストを表示します。

形式

IO SHOW PREFIX


パラメータ

なし

修飾子

なし

説明

IO SHOW PREFIX コマンドは,現在の接頭辞リストをコンソール上に表示します。このリストは,IO AUTOCONFIGURE コマンドが ICBM 名を作成するときに使用します。


SYSMAN> IO SHOW PREFIX
%SYSMAN-I-IOPREFIX, the current prefix list is: SYS$,PSI$,VME_

この例は, ICBM 名を作成するときに IO AUTOCONFIGURE が使用する接頭辞を表示しています。


前へ 次へ 目次 索引