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BACKUP のセーブ,復元,コピー,比較,リストの各動作で指定できる修飾子とそれらの組み合わせ方を,図で示します。
図 G-1 セーブ処理に使用するコマンド修飾子
図 G-2 セーブ処理に使用するファイル選択修飾子
図 G-3 セーブ処理に使用する出力セーブ・セット修飾子
図 G-4 復元処理に使用するコマンド修飾子
図 G-5 復元処理に使用する入力セーブ・セット修飾子
図 G-6 復元処理に使用する出力ファイル修飾子
図 G-7 コピー処理に使用するコマンド修飾子
図 G-8 コピー処理に使用する入力ファイル選択修飾子
図 G-9 コピー処理に使用する出力ファイル修飾子
図 G-10 比較処理に使用するコマンド修飾子
図 G-11 比較処理に使用する入力ファイル選択修飾子
図 G-12 比較処理に使用する入力セーブ・セット修飾子
この付録では,MONITOR で使用するレコードの形式について説明します。
最新の MONITOR レコード形式の入手については,コンパックの担当者にお問い合せください。 |
MONITOR で記録要求を実行すると,バイナリ性能データが MONITOR 記録ファイルに書き込まれます。この書き込みは,各要求対象クラスの収集時間間隔ごとに行われます。レコードの内容は,指定した性能クラスに対してあらかじめ指定したデータ集合です。
記録ファイルは,MONITOR 要求を実行したときに作成され,要求が終了するとクローズされます。このファイルを使用すれば,データをフォーマッティングしてターミナル上に表示したり,要約ファイルを作成したり,別の特性を持たせた記録ファイルを新たに記録したりすることができます。
この項で扱うレコード形式は,今後の OpenVMS リリースで断りなく変更される場合があります。 |
MONITOR 記録ファイルは,可変長レコードで構成される OpenVMS RMS 順編成ファイルです。ファイル内の最初のレコードは,1 バイトのタイプ・フィールドです。その他のフィールドの長さと形式は,レコードの種類によって異なります。レコード・タイプには,次の 3 つがあります。
カスタマ制御レコードは,記録ファイルのどこにでも格納することができます。このレコードは,MONITOR で作成されることはないので,MONITOR で記録ファイルを読み込んだときには無視されます。
カスタマ制御レコード以外で記録ファイルの最初に格納されるのは,コンパック制御レコードです。現在,ファイル・ヘッダ・レコード,システム情報レコード,レコード RMS ファイル名レコードの 3 種類のコンパック制御レコードがあります。ノード遷移レコードも制御レコードですが,このレコードのファイル内における記憶位置は,任意です。
コンパック制御レコードの後に,クラス・レコードが続きます。クラス・レコードは,指定の性能クラスに関するデータを格納します。通常,レコード対象クラスの収集間隔ごとに書き込まれます。ただし,1 回の収集間隔で 1 つのクラスのデータを取り出すためにいくつものクラス・レコードが必要である場合は,この限りではありません。こういった状況は,最大レコード・サイズを超えるほど多数のプロセスが存在する場合の PROCESSES クラスで発生する可能性があります。
各レコード・タイプには,一意の番号が割り当てられています。レコード・タイプ番号 0 〜 127 はクラス・レコード, 128 〜 191 はコンパック制御レコード,192 〜 255 はカスタマ制御レコードに予約されています。
MONITOR が作成するレコード・タイプは,現在 26 個です。次の表は,MONITOR レコード・タイプとその番号,対応するクラス・タイプの一覧です。MONITOR クラス・タイプについては, 付録 H.4.1 項 を参照してください。
レコード・タイプ | タイプ番号 | クラス・タイプ |
---|---|---|
ファイル・ヘッダ | 128 | |
システム情報 | 129 | |
ノード遷移 | 130 | |
RMS ファイル名 | 131 | |
PROCESSES クラス | 0 | コンポーネント |
STATES クラス | 1 | システム |
MODES クラス | 2 | コンポーネント |
PAGE クラス | 3 | システム |
IO クラス | 4 | システム |
FCP クラス | 5 | システム |
POOL クラス 1 | 6 | システム |
LOCK クラス | 7 | システム |
DECNET クラス | 8 | システム |
予約 | 9 | システム |
予約 | 10 | システム |
FILE_SYSTEM_CACHE クラス | 11 | システム |
DISK クラス | 12 | コンポーネント |
予約 | 13 | コンポーネント |
DLOCK クラス | 14 | システム |
SCS クラス | 15 | コンポーネント |
予約 | 16 | システム |
SYSTEM クラス | 17 | システム |
予約 | 18 | システム |
CLUSTER クラス | 19 | システム |
RMS クラス | 20 | コンポーネント |
MSCP_SERVERクラス | 21 | システム |
TRANSACTIONクラス | 22 | システム |
VECTORクラス | 23 | システム |
VBSクラス | 24 | システム |
予約 | 25 | システム |
RLOCK | 26 | システム |
TIMER | 27 | システム |
以降では,各レコード・タイプ内の各フィールドの内容について説明します。レコード・タイプとレコード・サイズは,10 進値で表します。システム時間は,システム時間形式による 64 ビット値です。
フィールド・オフセット名は,MONITOR では定義されません。ただし,MONITOR の出力レコードを使用して作業する場合には,オフセット名を定義し使用するようにしてください。
次は,フィールド・オフセット名の命名規約です。
MNR_CCC$X_DDDDD |
CCC は,レコード・タイプまたはクラス・ニーモニックです。
X は,次のとおりにデータ項目のサイズを示す 1 文字コードです。
B はバイト
W はワード
L はロングワード
Q はクォドワード
O はオクタワード
T は ASCII 文字列
DDDDD は,データ項目を示す名前です。
以降の表では,レコード・フィールドについて説明しますが,フィールド内容の説明の後に,データ・サイズを括弧で囲んで示します。
H.3 コンパック制御レコード
コンパック制御レコードには,次の 4 つの種類があります。
それぞれのファイルには,そのファイルに格納されるすべてのクラスの性能データに該当する情報を示すヘッダ・レコードが 1 つ含まれます。ヘッダ・レコードは,カスタマ制御ファイルを除き,ファイルにおける最初のレコードでなくてはなりません。
1 ファイル,1 ノードに付き,システム情報レコードが 1 つ格納されます。このレコードはヘッダ・レコードの次に位置し,監視対象システムに関する情報が格納されます。
H.3.1 ファイル・ヘッダ・レコード
ファイル・ヘッダ・レコードのレコード・タイプは 128,サイズは 259 バイトです。ファイル・ヘッダ・レコードの形式を次の図に示します。
図 H-1 ファイル・ヘッダ・レコードの形式
ファイル・ヘッダ・レコードのフィールドの説明を次の表に示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Type | MNR_HDR$B_TYPE | レコード・タイプ識別子 (1 バイト) |
Flags | MNR_HDR$L_FLAGS | 全部で32のフラグ・ビット。下位ビット = ビット 0。フラグはすべて,今後の使用のためコンパックで予約している。(1 ロングワード) |
Beginning Time | MNR_HDR$Q_BEGINNING | 記録を開始するシステム時間 (1 クォドワード) |
Ending Time | MNR_HDR$Q_ENDING | 記録を終了するシステム時間 (1 クォドワード) |
Interval | MNR_HDR$L_INTERVAL | 秒単位による収集間隔。記録要求を実行するときにユーザが指定する。連続する 2 つのタイムスタンプを減算することによって求められる時間間隔値とまったく同じであるとは限らない。 (1 ロングワード) |
Revision Level 0 Classes | MNR_HDR$O_REV0CLSBITS | すべてのクラスを示す 128 ビット文字列。1 のビットは,更新レベルが 0 で,タイプ番号がビット番号と同じであるクラスがファイルに存在することを示す。下位ビット = ビット 0。(1 オクタワード)。OpenVMS VAX バージョン 3.0 のファイルとの互換性をとるため用意されている。 |
Record Count | MNR_HDR$L_RECCT | ファイル内のレコード総数 (1 ロングワード) |
Structure Level Identification | MNR_HDR$T_IDENT | MONITOR 記録ファイル構造レベル ID (MON30050) (8 バイト) |
Comment | MNR_HDR$T_COMMENT | ユーザが入力する記録ファイルの説明。説明が終わった後には,ブランク文字が入る。 (60 バイト) |
Comment Length | MNR_HDR$W_COMLEN | ユーザが指定する記録ファイルの説明の実際の長さ (1 ワード) |
Classes | MNR_HDR$O_CLASSBITS | すべてのクラスを示す 128 ビット文字列。1 のビットは,タイプ番号がビット番号と同じクラスがファイルに存在することを示す。下位ビット = ビット 0。 (1 オクタワード) |
Revision Levels | MNR_HDR$T_REVLEVELS | 各クラスの 1 バイトのバイナリ更新レベル番号で構成される 128 バイト文字列。初期状態のクラス更新レベルは,0 である。今後のリリースでレコード定義が変更された場合,更新レベルが 1 高くなるが,必ずしも 1 に限定されない。 |
システム情報レコードのレコード・タイプは 129,サイズは 47 バイトです。システム情報レコードの形式を次の図に示します。
図 H-2 システム情報レコードの形式
システム情報レコード・フィールドの説明を次の表に示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Type | MNR_SYI$B_TYPE | タイプ識別子 (1 バイト) |
Flags | MNR_SYI$W_FLAGS | 全部で16のフラグ・ビット。下位ビット = ビット 0。0 のビットを 1 に設定した場合,データの収集対象ノードは,VAXcluster のメンバである。他のフラグは,今後の使用のためコンパックで予約している。(1 ワード) |
Time Booted | MNR_SYI$Q_BOOTTIME | システムをブートしたシステム時間。ブート時以降の秒数を負の値に変換し,現在のシステム時間に加算して求める。(1 クォドワード) |
Max Process
Cnt |
MNR_SYI$W_MAXPRCCNT | システム・パラメータ MAXPROCESSCNT の値 (1 ワード) |
CPUs | MNR_SYI$B_MPCPUS | CPU の数 (1 バイト) |
Node Name | MNR_SYI$T_NODENAME | 監視対象ノードの名前 (指定された長さの ASCII 文字列。16 バイト) |
Balance Set
Memory (Bal Set Mem) |
MNR_SYI$L_BALSETMEM | メモリを割り当てることができるプロセス・ページ数 (1 ロングワード) |
MPW High
Limit |
MNR_SYI$L_MPWHILIM | システム・パラメータ MPW_HILIMIT の値 (1 ロングワード) |
CPU Type | MNR_SYI$L_CPUTYPE | CPU タイプ・コード。 $PRDEF マクロを指定する。(1 ロングワード) |
Index | MNR_SYI$B_INDEX | いくつかの内部データ構造におけるノード位置を示す。(1 バイト) |
CPU Config | MNR_SYI$L_CPUCONF | マルチプロセッサ内の各 CPU の記憶位置を示すビット・マスク (1 ロングワード) |
VPCPUs | MNR_SYI$B_VPCPUS | 現在のシステム内のベクタ機能付きプロセッサの数 (1 バイト) |
VP Config | MNR_SYI$L_VPCONF | ベクタ機能付きプロセッサを示すビット・マスク (1 ロングワード) |
ノード遷移レコードのレコード・タイプは 130,サイズは 2 バイトです。ノード遷移レコードの形式を次の図に示します。
図 H-3 ノード遷移レコードの形式
ノード遷移レコード・フィールドの説明を次の表に示します。
フィールド | シンボリック・オフセット | 内容 |
---|---|---|
Type | MNR_NTR$B_TYPE | レコード・タイプ識別子。ノードの削除処理を示す。(1 バイト) |
Index | MNR_NTR$B_INDEX | いくつかの内部データ構造におけるノードの位置を示す。(1 バイト) |
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