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別のノードにあるファイルを使用中のノードにコピーするには, COPY コマンドを使用します。たとえば,ノード CHAOS 上の DISK2:[PUBLIC] にあるすべてのファイルの最新バージョンを,省略時のディレクトリに同じ名前でコピーする場合には,次のように入力します。
$ COPY CHAOS::DISK2:[PUBLIC]*.* * |
4.4.5 使用中のノードにあるファイルをリモート・ノードにコピーする
使用中のノードにあるファイルをリモート・ノードにコピーする場合には, COPY コマンドを使用します。システム間でファイルをコピーしようとしたときに,保護違反または DECnet エラー・メッセージが表示された場合には,メールでファイルをコピーするか,または,アクセス制御文字列を使用して回避することができます。
たとえば,省略時のディレクトリにあるすべてのファイルの最新バージョンを,ノード CHAOS 上のディレクトリ DISK2:[STAFF_BACKUP] に同じ名前でコピーする場合には,次のように入力します。
$ COPY *.* CHAOS::DISK2:[STAFF_BACKUP] |
環境が混在する (Extended File Specifications を使用するノードと,使用しないノードが混在する) クラスタ内における,リモート・ノードへのコピー,あるいはそのリモート・ノードからのコピーでは,拡張ファイル名や特殊な文字の処理結果が期待したとおりにならない場合があることに注意してください。詳しくは,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。 |
ファイルが自分のものである場合は,Mail を使用すれば,そのファイルを他のノード上のユーザ・アカウントに送信できます。
メールを使用してファイルを送信する場合,次の制約事項に注意してください。
Mail を使用したファイルの送信については, 第 6 章 を参照してください。
たとえば,次のコマンドは,ファイル FEES.DAT をノード CHAOS の JONES アカウントに送信します。
$ MAIL/SUBJECT="Fee schedule" FEES.DAT CHAOS::JONES |
4.4.7 ファイルをコピーするためのアクセス制御文字列の使用
保護違反を受信した後,ファイルをコピーするには,ファイル指定のノード名の後にアクセス制御文字列を指定できます ( 第 4.1.10 項 を参照)。
次の例では,ユーザは CHAOS ノードに,ユーザ名が SMITH で,パスワードが SPG96PRT であるアカウントを持っています。ユーザは,省略時のディレクトリのすべてのファイルを CHAOS のアカウントにコピーします。
$ COPY *.* CHAOS"SMITH SPG96PRT"::DISK2:[STAFF_BACKUP] |
RENAME コマンドは,ファイルに新しい名前を付けます。また,場合によっては,そのファイルを異なるディレクトリに格納します。ファイルの変更後は,ファイル FEES.DAT;4 は省略時のディレクトリには存在しなくなることに注意してください。 RENAME コマンドを使用するときは,入力位置と出力位置が同じデバイス上になければなりません。
次の例では,ファイル FEES.DAT が新しい名前 RECORDS.DAT に変更され,省略時のディレクトリから [SAVETEXT] ディレクトリに移動されます。
$ RENAME FEES.DAT;4 [SAVETEXT]RECORDS.DAT |
これ以降の節では,OpenVMS 環境でサポートされるツールやコマンドを使用して,ファイルの内容を表示する方法を説明します。
4.5.1 TYPE コマンドの使用
ファイルの内容を画面に表示する場合には, DCL プロンプトに対して TYPE コマンドとファイル名を入力します。省略時の設定では,ファイルの最新バージョンが表示されるので,ファイル指定にバージョン番号を指定する必要はありません。
次の例では,STAFF_VACATIONS.TXT ファイルの最新のバージョンが表示されます。
$ TYPE STAFF_VACATIONS.TXT |
画面上でのテキストのスクロール を一時的に中止するには, Hold Screen キー (VT200 および VT300 シリーズ・ターミナルの F1) を押します。スクロールを再開する場合には,Hold Screen キーをもう一度押します。表示を中止して DCL コマンド・レベルに戻る場合には, Ctrl/Y または Ctrl/O を押します。
TYPE コマンドに /PAGE 修飾子を指定すると,一度に 1 画面分の情報だけを表示することができます。 Return を押せば,次の画面を見ることができます。
/READ_ONLY 修飾子を付けて会話型のテキスト・エディタ (たとえば,EVE や EDT) を起動した場合も,会話形式の編集コマンドを使用して,ファイルの中で移動したり特定の文字シーケンスを検索することができます。 READ_ONLY 修飾子を指定すれば,ファイルの変更ができないので会話型のエディタを終了するときにファイルを誤って変更してしまう恐れがなくなります。 |
リモート・ノードのファイルの内容を表示するには,ファイル指定の中にノード名,ディスク,そしてディレクトリを指定します。
次の例では,COMPANY_HOLIDAYS.TXT ファイル (リモート・ノード CHAOS に存在するファイル) が表示されます。
$ TYPE CHAOS::DISK2:[PUBLIC]COMPANY_HOLIDAYS.TXT |
アスタリスク (*)・ワイルドカードを使用すると,特定のファイルの全バージョンを表示できます。
たとえば,ディレクトリ [JONES] のファイル LOGIN.COM の全バージョンを表示する場合には,次のように入力します。
$ TYPE [JONES]LOGIN.COM;* |
ディレクトリ [JONES] の中で,STAFF で始まるあらゆるファイル・タイプを持つすべてのファイルの全バージョンを表示する場合には,次のように入力します。
$ TYPE [JONES]STAFF*.*;* |
TYPE コマンド行に 2 つ以上のファイルを指定すると,指定した順序でファイルが表示されます。ワイルドカード文字を使用すると,ファイルはアルファベット順に表示されます。
4.6 ファイルの削除
DELETE コマンドは,ファイルをディレクトリから削除し,そのファイルが占有していたディスク領域を解放して他のファイルが使用できるようにします。 DELETE コマンド使用するときは,各ファイル指定にバージョン番号を指定するか,バージョン番号としてアスタリスク(*)・ワイルドカード文字を指定しなければなりません。
たとえば,ファイル POUND.LIS のバージョン 17 を削除する場合には,次のように入力します。
$ DELETE POUND.LIS;17 |
POUND.LIS のバージョン 16 と 17 を削除する場合には,次のように入力します。
$ DELETE POUND.LIS;16,;17 |
ファイル POUND.LIS のすべてのバージョンを削除する場合には,次のように入力します。
$ DELETE POUND.LIS;* |
ワイルドカード文字で複数のファイルを削除する場合には, /CONFIRM 修飾子を使用して,削除するたびに確認するとよいでしょう。また,削除する場合には,ファイルの名前を表示するとよいでしょう。この場合は,DELETE コマンドと一緒に /LOG 修飾子を指定します。
たとえば,サブディレクトリ [JONES.LICENSES.DOG] のすべてのファイルを削除してよいかどうかを確認する場合には,次のコマンドを入力します。
$ DELETE/CONFIRM *.*;* DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]FEES.DAT;4, delete? [N]: Y DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]FEMALE.LIS;6, delete? [N]: Y DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]MALE.LIS;3, delete? [N]: N DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]POUND.LIS;17, delete? [N]: Y |
次の例では,コマンドを入力すると,ファイルを削除した後でそのファイルの名前が表示されます。
$ DELETE/LOG *.LIS;* _%DELETE-I-FILDEL, DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]FEMALE.LIS;6 deleted (35 blocks) _%DELETE-I-FILDEL, DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]MALE.LIS;3 deleted (5 blocks) _%DELETE-I-FILDEL, DISK1:[JONES.LICENSES.DOG]POUND.LIS;17 deleted (9 blocks) |
PURGE コマンドは,省略時のディレクトリまたは指定されたディレクトリに存在する指定されたファイル (または全ファイル) の最新バージョン以外のバージョンをすべて削除します。ファイルを更新した後でファイルの古いバージョンをパージするようにすると,ディスク上に未使用領域を確保できます。
たとえば,省略時のディレクトリにある各ファイルの 2 つの最新バージョンを残してすべてのバージョンをパージする場合には,次のように入力します。
$ PURGE/KEEP=2 |
これ以降の節では,ファイルを保護する方法を説明します。詳細は,以下を参照してください。
自分以外のユーザがファイルをアクセスできないようにする場合には,保護を設定するか,ファイルのACL を変更します。保護を設定したりファイルの ACL を変更する場合には,ファイルを所有しているか,ファイルの制御アクセス権を持っているか,GRPPRV, SYSPRV,BYPASS,READALL 特権を持っていなければなりません。
4.7.2 ファイル保護の種類
ファイル保護には,省略時の保護と明示的な保護の2種類があります。ファイルを作成すると,そのファイルには通常,親ディレクトリと同じ保護が割り当てられます。これが省略時の保護です。 CREATE/PROTECTIONコマンドを使用してファイルを作成した場合や, SECURITY/PROTECTIONコマンドを使用して既存のファイルの保護を変更する場合には,明示的なファイル保護を使用します。
ファイルを完全に保護するには,そのファイルが存在するディレクトリにも同等の保護またはそれ以上の保護を適用しなければなりません。
4.8 ファイルの印刷
1 つまたは複数のファイルを印刷する場合には,PRINT コマンドを使用します。 PRINT コマンドは,印刷キュー といわれる印刷するジョブのリストに印刷ジョブ (印刷するすべてのファイル) を登録します。 PRINT コマンドに指定されるファイルの省略時のファイル・タイプは, .LIS または最後に明示的に指定されたファイル・タイプになります。システムは,ジョブ名,キュー名,ジョブ番号を表示するとともに,ジョブの状態も示します。
省略時の設定では,ジョブ名は,PRINT コマンドの最初の(または唯一の) ファイル指定の名前になります。ジョブをキューに登録した後は,ジョブ番号を使用してそのジョブを指定します。ジョブをキューに登録すると,他のジョブがそれ以前にキューに登録されていなくて,プリンタが物理的に印刷を開始できる状態であれば,ジョブが印刷されます。
次の例では,3 つのファイルを含むプリント・ジョブが省略時のプリント・キューである SYS$PRINT に登録されます。
$ PRINT POUND,MALE,FEES.DAT Job POUND (queue SYS$PRINT, entry 202) started on SYS$PRINT |
PRINT コマンドの省略時のファイル・タイプは .LIS であるため,POUND.LIS, MALE.LIS,FEES.DAT ファイルがキューに登録されます。ジョブ名は POUND であり,キュー名は SYS$PRINT であり,ジョブ番号は 202 です。
4.8.1 印刷ジョブの優先順位
印刷キューは,一度に 1 つのジョブしか実行できません。印刷ジョブは,その 優先順位 に従って印刷順がスケジューリングされ,最も高い優先順位を持つジョブが最初に印刷されます。同じ優先順位を持つジョブが 2 つ以上あるときには,普通は最も小さいジョブが最初に印刷されます。優先順位が同じでサイズも等しいジョブが 2 つ以上あるときは,キューへの登録順に印刷されます。優先順位は,システム管理者が決定するか, PRINT コマンドに /PRIORITY 修飾子を入力することによって決定できます。優先順位のスケジューリングについての詳しい説明は,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。
4.8.2 キュー情報の表示
通常,省略時の印刷キュー SYS$PRINT は,ユーザのシステムに固有なスタートアップ・プロシージャの一部として起動されます。次の表は,キューに関する情報を表示するために使用できるコマンドを示しています。
表示対象 | 入力するコマンド |
---|---|
サイトのキュー | SHOW QUEUE |
プリント・ジョブの状態 | SHOW ENTRY |
他のユーザがキューに登録したジョブ | SHOW ENTRY/USERNAME= username |
特定の 1 つ以上のジョブに関する情報 | SHOW ENTRY
job-name
SHOW ENTRY entry-number |
次の例では,SHOW ENTRY コマンドを使用して,キューに登録されているプリント・ジョブに関する情報を表示します。
$ SHOW ENTRY Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 202 POUND JONES 38 Pending On stopped printer queue SYS$PRINT) |
プリント・フォームは次の機能を実行します。
印刷に対する要件が限られている場合には,特殊なフォームを使用する必要はありません。コンパックはすべてのキューに対して,システム全体で有効な省略時のフォーム(DEFAULTという名前)を提供しています。また,システム管理者もプリント・フォームを作成できます。出力を書式化しなければならない場合や,特定のプリント・ジョブで特殊な用紙が必要な場合には,システム管理者にご相談ください。
4.8.4 印刷ジョブの停止
印刷ジョブを停止して,印刷キューからその印刷ジョブを削除する場合には, DELETE/ENTRY コマンドに エントリ番号 パラメータを入力します。
たとえば,エントリ 202 を削除する場合には,次のように入力します。
$ DELETE/ENTRY=202 |
別のシステム上のファイルを印刷するには,そのファイルをリモート・ノードにコピーして,PRINT コマンドに /REMOTE 修飾子を指定します。
次の例では,COMPANY_HOLIDAYS.TXT ファイルがローカル・ノードからリモート・ノード CHAOS にコピーされ,ファイルは印刷のために,CHAOS ノードの省略時のシステム・プリント・キュー (SYS$PRINT) に登録されます。
$ COPY COMPANY_HOLIDAYS.TXT CHAOS"JONES PANDEMONIUM"::DISK2:[JONES]* $ PRINT/REMOTE CHAOS::DISK2:[JONES]COMPANY_HOLIDAYS.TXT |
この例では,アクセス制御文字列は,ユーザ JONES が,ノード CHAOS 上のディレクトリ [JONES] にファイルをコピーする権限を持つことを示しています。ファイル指定の最後のアスタリスク(*)・ワイルドカードは,ファイルをリモート・ノードにコピーする場合に,ファイル名 COMPANY_HOLIDAYS.TXT を使用するようにシステムに指示します。
PRINT コマンドのすべての修飾子が /REMOTE 修飾子と互換性があるとは限りません。たとえば,印刷キューの中にはジョブを特定のキューに登録できないものがあり,ジョブはすべて省略時のシステム印刷キュー (SYS$PRINT) に登録されます。 /REMOTE 修飾子と互換性のある PRINT コマンドの修飾子のリストについては,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』の PRINT コマンドの /REMOTE 修飾子の説明を参照してください。 |
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