OpenVMS
ユーザーズ・マニュアル


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8.4 コマンドの入力方法

EVE コマンドには,次の 2 つの入力方法があります。

8.4.1 コマンドの入力

コマンドをコマンド行に入力するには,次のようにします。

  1. Do キーを押す。
    カーソルがコマンド・ウィンドウに移動し,EVE がコマンドの入力を要求してくる。

  2. コマンドを入力する。
    コマンドの最初の数文字だけを使用して,コマンド名を省略することもできる。 EVE は,大文字と小文字を区別しない。コマンド行には,FIND コマンドまたは REPLACE コマンドに文字列を指定する場合を除いて,大文字と小文字の任意の組み合わせを使用できる。

  3. Do キーまたは Return キーを押す。
    EVE はコマンドを実行するか,より詳細な情報の入力を要求する。

8.4.2 定義済みキーによる入力方法

定義済みキーを使用して EVE コマンドを入力することもできます。各定義済みキーは,1 つの編集コマンドを実行します。 EVE 関数を実行するためにユーザ独自のキーを定義することもできます。 付録 A.1 節 を参照してください。

EVE では,いくつかのキーが省略時の値として設定されています。 VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルには,次のキーがあらかじめ定義されています。

コントロール・キー・シーケンス,矢印キー,Tab,Return,Delete の各キーは, 3 つのタイプのターミナルで同じように定義されています。

図 8-1 は,VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルの定義済みキーを示しています。

図 8-1 EVEのキー : VT200 シリーズ,VT300 シリーズ,および VT400 シリーズのターミナル


VT100 シリーズ・ターミナルでは,EVE は,ほとんどの数値キーパッド・キー, 4 つの矢印キー,およびコントロール・キーのシーケンスを自動的に定義します。 図 8-2 は, VT100 シリーズ・ターミナルの定義済みキーを示しています。

図 8-2 EVEのキー : VT100 シリーズ・ターミナル


8.5 編集内容のセーブと EVE の終了

編集内容をセーブして EVE を終了するには,次の 3 つの方法があります。

8.5.1 WRITE FILE コマンドの使用

EVE を終了することなく,バッファ内のテキストをファイルに書き出してセーブするには, WRITE FILE コマンドを使用します。バッファがファイルと関連付けられていない場合,EVE は,次のようにファイル名の入力を要求します。


Type filename for buffer Main (press RETURN to not write it): 

バッファの内容をファイルに書き出すには,ファイル名を入力して Return キーを押します。

8.5.2 EXIT コマンドの使用方法

編集したテキストをセーブするには,EXIT コマンドを使用します。 EXIT コマンドは,F10 キー(VT200,VT300,または VT400 の各シリーズのターミナル) またはCtrl/Z を押すことによって実行できます。

現在のバッファを変更した場合は,元のバージョンと同じファイル名と同じファイル・タイプを持ち,バージョン番号が 1 だけ大きい新しいバージョンのファイルが作成されます。たとえば,FUN.DAT;1 というファイルを変更した後にEXIT コマンドを使用すると, FUN.DAT;2 という名前のファイルが作成されます。

8.5.3 QUIT コマンドの使用

編集内容をセーブせずにセッションを終了するには,QUIT コマンドを入力します。編集内容をセーブせずにセッションを終了する場合は, Y を入力してからReturn キーを押します。編集内容をセーブすることにした場合には,N を入力して Return キーを押してから, EXIT コマンドを使用してバッファを終了します。

現在のバッファ以外のバッファを変更した場合には,EVE は,そのバッファの内容をセーブするかどうかを聞いてきます。 Y を入力すると,バージョン番号が 1 だけ大きい既存ファイルの新しいバージョンが作成されます。既存ファイルが存在しない場合は,ファイル名の入力を求めるプロンプトが表示されます。

どのバッファの内容も変更されていない場合には,EXIT と QUIT は同じになります。たとえば,ファイルを編集するのではなく参照するために EVE を使用する場合は, Ctrl/Z を押して終了できます。

次の例では,FUN.DAT という名前のバッファが変更されており, QUIT コマンドが入力されています。


Command: QUIT
Buffer modifications will not be saved, continue quitting (Y or N)?

8.6 カーソルの移動

EVE を使用してファイルを編集する場合,編集を行う場所までカーソルを移動します。テキスト内でより速くかつより効率的にカーソルを移動できれば,それだけ編集必要な時間を節約できます。カーソルの移動には,キーボードまたはコマンドを使用できます。

表 8-1 は,カーソル移動に使用する EVE 編集キーの一覧です。 GOLD キーとの組み合わせについての詳しい説明は,オンライン・ヘルプの「GOLD」というトピックを参照してください。

表 8-1 カーソルを移動させる EVE 編集キー
キーまたは
キー・シーケンス
機能
上向き矢印キー MOVE UP と同じ。カーソルを 1 行上に移動する。 VT100シリーズ・ターミナルでは,KP5 も MOVE UP として定義されている。
下向き矢印キー MOVE DOWN と同じ。カーソルを 1 行下に移動する。 VT100シリーズ・ターミナルでは,KP2 も MOVE DOWN として定義されている。
左向き矢印キー MOVE LEFT と同じ。カーソルを 1 文字左に,つまり1 桁左に移動する。 VT100 シリーズ・ターミナルでは,KP1 も MOVE LEFT として定義されている。
右向き矢印キー MOVE RIGHT と同じ。カーソルを 1 文字右に,つまり1 桁右に移動する。 VT100 シリーズ・ターミナルでは,KP3 も MOVE RIGHT として定義されている。
Ctrl/E または
GOLD 右向き矢印キー
END OF LINE と同じ。カーソルを現在行の行末まで移動する。
Ctrl/H または
GOLD 左向き矢印
START OF LINE と同じ。カーソルを現在行の行頭まで移動する。
GOLD 上向き矢印 TOP と同じ。カーソルを現在のバッファの先頭まで移動する。
GOLD 下向き矢印 BOTTOM と同じ。カーソルを現在のバッファの終わりに移動する。
GOLD Next Screen NEXT WINDOW と同じ。 2 つ以上のウィンドウを使用している場合に,カーソルを画面上の次のウィンドウに移動する。カーソルは,そのウィンドウで最後に置かれていた場所に現れる。
GOLD Prev Screen PREVIOUS WINDOW と同じ。2 つ以上のウィンドウを使用している場合に,カーソルを画面上の前のウィンドウに移動する。カーソルは,そのウィンドウで最後に置かれていた場所に現れる。

表 8-2 は,カーソル移動に使用する EVE コマンドの一覧です。

表 8-2 EVE のカーソル移動用コマンド
コマンド 機能
BOTTOM カーソルを現在のバッファの終わりに移動する。省略時の設定では,GOLD 下向き矢印が BOTTOM として定義されている。
CHANGE DIRECTION 現在のバッファの方向を変更する。バッファの方向はステータス・ラインに示される。
END OF LINE カーソルを現在行の行末まで移動する。省略時の設定では, Ctrl/E と GOLD 下向き矢印が END OF LINE として定義されている。
FORWARD 省略時の設定である。現在のバッファの方向を順方向(右下方向) に設定する。バッファの方向はステータス・ラインに示される。
GO TO MARK コマンドによってラベルが付けられた場所にカーソルを移動する。
LINE 行番号によって指定された行の先頭にカーソルを移動する。
MARK 見えない現在の位置にマーカを置き,指定された名前とそのマーカを関連づける (マーカ自体は画面に表示されない)。後で,GO TO コマンドを使用して,マークの付いた位置に戻ることができる。
MOVE BY LINE 順方向では,カーソルを現在行の行末まで移動する。カーソルがすでに行末にある場合には,次の行の行末に移動する。逆方向では,カーソルを現在行の先頭に移動する。カーソルがすでに行の先頭にある場合には,前の行の先頭に移動する。 VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルでは, F12 キーが MOVE BY LINE として定義されている。 VT100 シリーズのターミナルでは,キーパッド上のマイナス・キー (-) が MOVE BY LINE として定義されている。
MOVE BY PAGE 現在の方向に応じて,カーソルを前後のページ・ブレーク (改ページ) に移動する。現在の方向にページ・ブレークがない場合には,カーソルはバッファの終わりまたは先頭に移動する。
MOVE BY WORD 順方向では,カーソルを次の単語の先頭に移動する。カーソルがすでに行末にある場合には,次の行の先頭に移動する。逆方向では,カーソルを前の単語の先頭に移動する。カーソルがすでに行の先頭にある場合には,前の行の行末に移動する。
NEXT SCREEN 現在のバッファの中で現在のウィンドウの行数から 1 を引いた行数だけ順方向にスクロールする。たとえば,現在のウィンドウが 12 行の場合,NEXT SCREEN コマンドは,カーソルを順方向に 11 行スクロールする。 VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルでは, E6 キー(Next Screen) が NEXT SCREEN として定義されている。 VT100 シリーズのターミナルでは,キーパッド上の KP0 キーが NEXT SCREEN として定義されている。
NEXT WINDOW または OTHER WINDOW 画面上に次のウィンドウがあれば,カーソルをそのウィンドウに移動する。カーソルは,そのウィンドウで最後に置かれていた場所に現れる。 GOLD Next Screen が NEXT WINDOW として定義されている。
PREVIOUS SCREEN 現在のバッファの中で現在のウィンドウの行数から 1 を引いた行数だけ逆方向にスクロールする。たとえば,現在のウィンドウが 12 行の場合,PREVIOUS SCREEN コマンドは,カーソルを11 行だけ逆方向にスクロールする。 VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルでは, E5 キー (Prev Screen) が PREVIOUS SCREEN として定義されている。 VT100 シリーズのターミナルでは,キーパッド上のピリオド・キー (.) が PREVIOUS SCREEN として定義されている。
PREVIOUS WINDOW 画面上に前のウィンドウがあれば,カーソルをそのウィンドウに移動する。カーソルは,そのウィンドウで最後に置かれていた場所に現れる。 GOLD Prev Screen が PREVIOUS WINDOW として定義されている。
REVERSE 現在のバッファの方向を逆方向,すなわち左上方向に設定する。バッファの方向はステータス・ラインに示される。
SET CURSOR BOUND カーソルがテキストの流れに沿って移動するようにする。カーソルは,バッファの未使用部分には入れない。 EDT,WPS,その他のエディタのカーソル動作と似ている。
SET CURSOR FREE 省略時の設定値である。カーソルをバッファ内のどこにでも置くことができ,その場所にテキストを入力することができる。
SET SCROLL MARGINS カーソルの上下の移動につれて自動的にスクロールを開始する,ウィンドウの最上部または最下部からの距離を設定する。この距離は,行数またはウィンドウ・サイズのパーセンテージで指定する。省略時の設定値は0 である。すなわち,ウィンドウの最上部または最下部を超えなければ,スクロールしない。
SHIFT LEFT EVE の現在のウィンドウを指定の桁数だけ左に移動する。 SHIFT RIGHT コマンドと SHIFT LEFT コマンドを使用すれば,ウィンドウ幅を変更せず,132 桁モードも使用しなくても,長いテキスト行の未表示部分を見ることができる。 SHIFT LEFT コマンドは, SHIFT RIGHT コマンドを使用してウィンドウを右に移動していた場合に,ウィンドウ位置を元に戻すために使用する。
SHIFT RIGHT EVE の現在のウィンドウを指定の桁数だけ右に移動する。 SHIFT RIGHT コマンドと SHIFT LEFT コマンドを使用すれば,ウィンドウ幅を変更しなくても,長いテキスト行の未表示部分を見ることができる。
START OF LINE カーソルを現在の行の先頭に移動する。省略時の設定では,Ctrl/H と GOLD 左向き矢印キーの両方が, START OF LINE として定義されている。
TOP カーソルを現在のバッファの先頭 (左上隅) に移動する。省略時の設定では,GOLD 上向き矢印キーが TOP として定義されている。

操作手順: EVE でのカーソルの移動

次の操作手順は,バッファ内でカーソルを移動する方法を示しています。

  1. EVE を起動し,次のコマンドを使用してバッファ SCHEDULE.DAT を作成する。


    $ EDIT/TPU SCHEDULE.DAT
    


    EVE は,バッファの先頭にカーソルを位置づけ,入力待ちの状態になっている。

  2. 次のテキストを入力する。


    Schedule for 1 July 
    10:00 AM meeting with supervisor 
    Read and review memo from Sally 
    Work on Pascal program
    


    テキストを入力するにつれて [End of file] マーカがバッファ内を下へ移動し,入力したテキストの最後にカーソルが位置づけられる。

  3. TOP コマンドを入力して,カーソルをファイルの先頭に移動する。

  4. Ctrl/E を押して,カーソルを (テキストの最初の行の) 行末に移動する。 Ctrl/E は,DCL 内と同じように働く。

  5. BOTTOM コマンドを入力して,カーソルをバッファの終わりに移動する。

  6. 上向き矢印キーを押して,カーソルを 1 行上,すなわちテキストの 4 行目に移動する。

  7. Change Direction キーを押して,現在のバッファの方向を逆方向に変更する。

  8. Move by Line キーを押して,カーソルを 3 行目の行頭に移動する。

  9. コマンド LINE 1 を入力して,カーソルをバッファの 1 行目の行頭に移動する。

  10. Ctrl/Z を押して EVE を終了する。


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