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一部のPostScriptプリンタには複数の排紙トレイがあります。
使用しているプリンタで使用できる排紙トレイを表示するには, HELP PRINT_PARAMETER OUTPUT_TRAYコマンドを入力し,そのプリンタを説明する項目を選択してください。
これらのプリンタで印刷されるプリント・ジョブの排紙トレイは, PRINTコマンドにOUTPUT_TRAYパラメータを指定することにより選択することができます。
次の例を参照してください。
$ PRINT /PARAMETERS=OUTPUT_TRAY=SIDE MYFILE.PS |
サポートされない排紙トレイを選択した場合には,プリント・ジョブは印刷されますが,別の排紙トレイに出力され,次のメッセージが表示されます。
TRAYSUBST, Output will be delivered to the output-tray tray on printer-name |
あるいは,プリント・ジョブが終了し,次のメッセージが表示されます。
NOOUTTRAY, OUTPUT_TRAY, tray-name, not supported on printer-name |
一部のプリンタはオプションの排紙トレイを持っています。プリンタで現在使用できないオプションの排紙トレイを指定した場合,類似したトレイが存在している場合はそのトレイに印刷されます。類似したトレイが存在していない場合は,そのジョブは終了し,次のエラー・メッセージが表示されます。
OUTTRAYNOTAVL, No tray-name is installed on printer-name |
プリンタの排紙トレイをマニュアル操作で選択した場合, OUTPUT_TRAY パラメータを使用してトレイを変更することはできません。プリンタ上のコントロール・パネルを使用して排紙トレイを選択しなければなりません。排紙トレイの選択についての詳細は,各プリンタのオペレータ・ガイドを参照してください。
この種のプリンタに対してOUTPUT_TRAYパラメータを指定する場合には,適切な排紙トレイをマニュアル操作で確実に選択してください。排紙トレイをマニュアル操作で選択しなかった場合には,プリント・ジョブは終了し,次のメッセージが表示されます。
OUTTRAYMISMATCH, Printer printer-name output tray setting does not match requested output-tray on printer-name |
章 | 内容 |
---|---|
第 4 章 | PostScript ファイルの印刷 |
第 5 章 | ANSI ファイルの印刷 |
第 6 章 | 日本語ファイルの印刷 |
第 7 章 | DDIF イメージ・ファイルの印刷 |
第 8 章 | PCL ファイルの印刷 |
第 9 章 | Proprinter ファイルの印刷 |
第 10 章 | LIST データ・タイプを使用した印刷 |
第 11 章 | 高度なページ・レイアウトの使用 |
第 12 章 | レイアップの使用 |
第 13 章 | フォームの使用 |
第 14 章 | セットアップ・モジュールの使用 |
第 15 章 | ファイル・セパレータ・ページの指定 |
第 16 章 | フィニッシング・オプションの選択 |
第 17 章 | 問題のデバッグのためのエラー・ハンドラの使用 |
第 18 章 | プリンティング・エラーのトラブルシューティング |
アプリケーションで作成した PostScript ファイルは,プリンタの PostScript インタプリンタの状態を変更します。 DECprint Supervisor ソフトウェアでは,プリント・ジョブ内の各ファイルに対してではなく,プリント・ジョブごとにプリンタの状態をクリアします。したがって,アプリケーションのプロローグやフォントを含むデータ・ファイルなど,最初から同時に印刷する予定のファイルは正しく印刷されます。しかし,相互に無関係な複数のファイルを含むプリント・ジョブでは,ファイルを印刷した後のプリンタの状態が後続のファイルの印刷に悪影響を与える可能性があります。
この結果,PostScriptエラーが発生したり,文書の印刷結果が期待しないものとなる可能性があります。複数のPostScriptファイルを印刷する場合や, PostScriptファイルを2部以上印刷しなければならない場合には,別々のプリント・ジョブとしてキューに登録してください。
4.2 テキストおよび PostScript を含むファイルの印刷
DECprint Supervisor ソフトウェアはファイルの先頭のテキスト・ファイルに続く PostScript データを検出することができます。これは,電子メッセージ・システムで PostScript ファイルを受信した場合など, PostScript ファイルの前にテキストが置かれているものを印刷する際に有用です。
たとえば,ANSI テキストを作成するソフトウェア・ユーティリティでメッセージを受信し,そのメッセージに PostScript ファイルが含まれている場合は,データ・タイプを指定することなくそのファイルを印刷することができます。
4.3 他のオペレーティング・システムで作成されたファイルの印刷
最終的に DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアを使用して印刷する PostScript ファイルを,他のオペレーティング・システムが稼動しているシステムで作成している場合は,次の事項に注意してください。
各 PostScript プリンタには,標準 PostScript 言語として定義されていないオペレータが格納されています。各 PostScript プリンタ固有の PostScript 言語の拡張機能については,各プリンタのマニュアルを参照してください。
PC および Macintosh システムで動作する,市販されている多くのアプリケーションおよびプリンタ・ドライバを使用した場合,プリンタ固有の拡張機能に依存したプリンタ機能を指定することができます ( 第 4.3 節 を参照)。たとえば,特定のプリンタの上段給紙トレイを使用する PostScript ファイルを作成することができます。そのファイルを別のタイプのプリンタに印刷しようとした場合,別のトレイに印刷される可能性や,印刷に失敗する可能性もあります。
4.5 汎用的な PostScript 文書の作成
プリンタ・タイプに依存しない文書を作成する場合は, PostScript ファイルを作成するために使用するアプリケーションが DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアで指定する PRINT パラメータと矛盾していないことを確認してください。できるだけ PostScript 文書が汎用的なものとなるように,オプションの設定を行ってください。
広範囲の各種プリンタで印刷可能である汎用的な文書をアプリケーションで確実に作成するには,給紙トレイや排紙トレイなど,すべてのプリンタ固有のオプションに対して「プリンタの省略時の設定」を選択します。あるいは,汎用プリンタまたは両面印刷機能や複数の給紙トレイを持たないプリンタを選択します。その後,ファイルへの出力を可能とするアプリケーションの機能を選択します。
4.6 識別されない PostScript オペレータ・エラーの解決方法
プリンタで定義されていない PostScript 拡張オペレータを使用したファイルを印刷した場合には,次のエラー・メッセージが出力されます。
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is operator |
operator は,プリンタで識別できない PostScript 拡張オペレータです。
この問題は,次のいずれかの方法で解決することができます。
4.7 PostScript オペレータを制限するためのサンプル・ファイルの使用
DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアでは,一般的に使用される PostScript 拡張オペレータを制限するためのサンプル・ファイルを提供しています。
4.7.1 デスクトップ・プリンタでの PostScript オペレータの制限
デスクトップ・プリンタを使用している場合,印刷に失敗する PostScript オペレータを制限するためのセットアップ・モジュールを作成することができます。次のサンプル・ファイルが DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアで提供されています。
SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]LPS$STATUSDICT.PS |
これは多くの PostScript ルーチンの集合であり,特定の PostScript オペレータに関する問題を解決するルーチンだけを取り出して利用することができます。新たに作成したファイルは,セットアップ・モジュールとして指定することができ,印刷に失敗するファイルとともに印刷することができます。
セットアップ・モジュールについての詳細は,『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』を参照してください。
4.7.2 PrintServer プリンタでの PostScript オペレータの制限
PS_SUPPLEMENT ファイルは PrintServer プリンタにロードでき,多くの識別されない PostScript 拡張オペレータを無視することができるようにするものです。 PrintServer Software V4.2 以降のバージョンでは,このファイルが自動的にプリンタにダウンロードされます。
ANSIまたは ASCII テキスト・ファイルを PostScript プリンタで印刷するためにキューに登録すると,これらのファイルは PostScript に変換されます。 DECprint Supervisor ソフトウェアは,すべてのレベルの ANSI プリンティング・プロトコルに対応するすべての範囲の ANSI エスケープ・シーケンスを識別します。 ANSI に準拠する弊社のプリンティング・プロトコルおよび ANSIトランスレータの機能についての詳細は,『 Digital ANSI-Compliant Printing Protocol Level 3 Programming Reference Manual 』を参照してください。
5.1 プリント・ジョブでの複数のテキスト・ファイルの印刷
ANSI ファイルは他のタイプのファイルと異なる方法で処理されます。プリント・ジョブで複数の ANSI ファイルを印刷する場合には,最初のファイルに登録されているプリンタ・コマンドは 2番目のファイルに渡されません。したがって,ANSIセットアップ・モジュールを使用して印刷属性を渡すか,または各ファイルに印刷属性を登録しておかなければなりません。
5.2 ANSI プリンタのエミュレート
システムで使用するプリンティング・システムが ANSI プリンタから PostScript プリンタに変更された場合には, DECprint Supervisor ソフトウェアを利用することにより, ANSI プリンタ用に作成された ANSI ファイルを新しい PostScript プリンタで印刷することができます。
DECprint Supervisor ソフトウェアでは, ANSI プリンタでの印刷をエミュレートすることにより, ANSI ファイルの印刷を自動的に処理します。 ANSI ファイルの印刷結果を変更したい場合には, 表 5-1 の修飾子を使用することにより,印刷した文書を見やすくすることができます。
以下の要素を変更する場合 | 使用する修飾子 | 結果 |
---|---|---|
通常,テキスト文書の各ページの最後に挿入されるフォームフィード | /NOFEED | 自動的なフォームフィードの挿入は実行されません。 |
各ページのヘッダ行 | /HEADER 1 | 各ページの先頭にファイル名,ページ番号,ファイル作成日を印刷します。 |
マージン,ヘッダ,タブの処理 | /PASSALL | 印刷全体でファイルの状態がそのまま使用され,印刷した文書でマージン,ヘッダ,またはタブのエミュレーションは実行されません。 |
シングル・スペースで印刷した文書 | /SPACE 1 | 各テキスト行の後にブランク行を挿入し,ダブルスペースの出力を作成します。 |
処理中のタブの展開 | /PARAMETERS=[NO]TAB 1 |
タブの処理方法を制御します ( 第 5.3 節 を参照)。 |
印刷のために使用できるフォント | /PARAMETERS=FONTS_USED |
フォント・カートリッジをエミュレートするソフトウェア・フォントを登録した1つ以上のSoftFontモジュールを指定します ( 第 5.4 節 を参照)。 |
キューに対して指定された省略時のフォームによるテキストのフォーマッティング | /FORM | プリント・ジョブに対して要求されるフォーム定義を指定します。 |
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