[ 前のページ ]
[ 目次 ]
本付録では,DECwindows使用中に起こり得るよく見られる問題の原因を判定する際に役立つ情報を取り扱っています。
本付録の最初の節では,一般的な障害追跡の方法を説明します。
第B.2
節では,対象分野毎に問題を示します。
本節では,これまでの節で取り上げられた問題の診断および予防に役立つ措置について説明します。
本節で挙げる項目は,あくまでも一般的な障害追跡の方法です。
- システムを再起動した後,サーバ・エラー・ログ・ファイル,
SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOGをチェックし,起こる可能性のある問題を調べます。
サーバ・プロセスは,DECW$SERVER_0という名称で実行されます。
サーバ・プロセスはDECwindowsを起動する度に,
SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOGログ・ファイルを作成します。
問題が起きたら,必ずこのログ・ファイルを調べてエラー・メッセージを探してください。
問題点を報告する場合に備えて,常時このログ・
ファイルの完全な内容を保管しておいてください。
- DECW$LOGINOUTプロセスの終了状態を探す場合は,以下の手順に従ってください。
- DCLコマンドのACCOUNTING/SINCE=TODAYを使用して,SYSTEM
アカウントで実行された一番最近の切り離されたプロセス終了を探します。
- WRITE SYS$OUTPUT F$MESSAGE(%xnnnnnnn)コマンドを発行します。nnnnnnn
は16進数の終了状態です。
- エラー・メッセージが"メッセージ番号NNNNNNN"の場合には,
エラー・メッセージの機能コードを調べ,その機能のメッセージ・
ファイルにSETMESSAGEコマンドを発行します。
たとえば-DWT-メッセージには,以下のコマンドを発行します。
$ SET MESSAGE SYS$MESSAGE:DECW$DWTMSG
- WRITE SYS$OUTPUT F$MESSAGE(%xnnnnnnn)を入力します。
XLIBのメッセージ・ファイルは,SYS$MESSAGE:DECW$XLIBMSGです。
DECWのメッセージ・ファイルは,SYS$MESSAGE:DECW$LOGINMSG,
SYS$MESSAGE:DECW$TRANSPORTMSG,SYS$MESSAGE:DECW$TERMINALMSG
(ただしDECW$LOGINOUTは,DECW$TERMINALMSGの終了状態を生成しません)
のいずれかです。
DECwindowsのログイン・ログ・ファイルを作成する場合は,以下の手順に従ってください。
- sys$manager:decw$private_apps_setup.comが存在しない場合は,sys$manager:decw$private_apps_setup.template
から作成します。
- sys$manager:decw$private_apps_setup.comを編集し,行からコメント文字("!")
を削除します。
$! decw$loginlog == "sys$manager:decw$login.log"
- DECwindowsを,@sys$manager:decw$startupを使用して再起動します。
DECW$LOGINOUTが終了すると,sys$manager:decw$login.logログ・ファイルを作成します。
- セッション起動ダイアログ・ボックスが開始しない場合には,
論理名を定義して,セッション起動プロセス用のログ・ファイルを作成します。SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM
ファイルを編集し,
ログ・ファイルの位置を定義します。このファイルが存在しない場合には,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE
ファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM
にコピーし,COMファイルを編集します。
以下の例のように,DECW$LOGINLOGシンボルを使用してログ・
ファイルの位置を定義します。
$ DECW$LOGINLOG == "SYS$MANAGER:DECW$LOGIN.LOG"
以下のDCLコマンドを使用して,DECwindowsを再起動します。
$ @SYS$MANGER:DECW$STARTUP RESTART
ログ・ファイルに,エラー・メッセージがないかチェックします。
- アカウンティング・ユーティリティを使用して,プロセスに関する情報を入手します。
アカウンティング・ユーティリティの使用について詳しくは,
『OpenVMS
System Management Reference Manual』を参照してください。特権アカウントから次のコマンドを入力し,
「漢字端末エミュレータ」プロセスのアカウンティング・
ログを入手します。
$ ACCOUNTING/SINCE
次のコマンドを入力して,失敗したプロセスの完了状態のテキストを探します。
$ EXIT %x000187DC
終了状態が1であれば,正常に終了しています。終了状態がこれ以外の値であれば,
何らかの問題があると考えられます。000187DCの終了状態を置き換えます。
- セッション・マネージャは,SYS$LOGIN:DECW$SM.LOGログ・ファイルを作成します。
セッションが異常終了した場合,またはセッション中に異常な反応があった場合には,
このファイルの内容を調べてください。
お客様サポート・センターに連絡する場合に備えて,常時このファイルの内容を保管しておいてください。
- DCLコマンド・レベルでは,多くのセッション・マネージャ・
ファイルを実行できます。セッション中に問題が起きたら,以下の実行可能ファイルを実行し,
異なる結果となるかどうか確かめてください。
- SYS$SYSTEM:DECW$PAUSESESSION.EXE (セッションの休止)
- SYS$SYSTEM:DECW$ENDSESSION.EXE (セッションの終了)
- SYS$SYSTEM:DECW$SESSION.EXE (セッション・マネージャのメニュー・
バー)
- SYS$SYSTEM:DECW$WSINIT.EXE (リソール・ファイルの読み込みとワークステーションのカスタマイズ用オプションの設定)
- SYS$SYSTEM:DECW$WSCUST.EXE (ワークステーションのカスタマイズ用ダイアログ・
ボックスの表示)
- クラスタ環境で実行している場合で,あるワークステーションでDECwindows
が実行できないものの,他のワークステーションでは可能な場合には,SYS$SPECIFIC
の[SYSLIB],[SYSMGR],[SYSEXE]の各ディレクトリのDECW$*.*
ファイルをチェックし,見つかったファイルを削除します。
これらのディレクトリには,ユーザが入れない限りはDECW$*.*
ファイルがあってはなりません。インストール・プロシージャが,SYS$SPECIFIC
の各ディレクトリにDEC*.*ファイルを入れることはありません。
また,使用中のシステムのSYSGENパラメータとほかの稼働中のシステムのパラメータとを比較してください。
- あるアカウントで問題が生じていても,同一マシン上のほかのアカウントが問題なく動いている場合には以下をチェックしてください。
- アプリケーションを実行する際に,"ディスプレイをオープンできません"
というエラー・メッセージが表示された場合には,以下のプログラムを実行すれば,
より詳しいエラー・メッセージを得られる場合があります。
$ RUN DECW$EXAMPLES:ICO.EXE
このプログラムは,DECwindowsのインストールの際システム管理者がプログラム・
サポートをインストールしてある場合は,システムに存在します。
存在しない場合には,DECwindowsインストール配布媒体から,
システムにこのプログラムを復元できます。バックアップ・ユーティリティを使って保管セットからファイルを復元する方法については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 漢字端末エミュレータのウィンドウが,跡を残さずに消えてしまい,
理由を調べたい時には,LOGIN.COMファイルに以下のコマンドを挿入します。
$ DEFINE DECW$DECTERM_OUTPUT DECTERM.LOG
現在のセッションを終了し,新しいセッションを開始します。漢字端末エミュレータのウィンドウが実行された時と動かなくなった時には,
追加の出力がDECTERM.LOGファイルに書き込まれます。
- ログ・ファイルのいずれかに16進数のエラー状態(たとえば,
02DBA002)を発見した場合には,以下のDECWMSG.COMファイルを作成し,
エラーをテキスト・メッセージに変換します。
$ SET MESSAGE SYS$MESSAGE:DECW$TRANSPORTMSG
$ WRITE SYS$OUTPUT F$MESSAGE(P1)
$ SET MESSAGE SYS$MESSAGE:DECW$XLIBMSG
$ WRITE SYS$OUTPUT F$MESSAGE(P1)
たとえば,
$ @DECWMSG %X02DBA002
%DECW-E-CNXABORT, connection aborted
%NONAME-E-NOMSG, Message number 02DBA002
この例では,NONAME-E-NOMSGメッセージは,02DBA002がDECW$XLIBMSG.EXE
ファイルに見つからないという意味です。したがって02DBA002
状態は,"DECW-E-CNXABORT, connection aborted"と翻訳されます。
- 効率を高め割当関連の問題を防止するために,フィードバック付きのAUTOGEN
を定期的に実行してください。AUTOGENはハードウェア構成を評価し,
平均的な作業負荷を推定してシステムを調整します。AUTOGEN
の詳細については,『OpenVMS System Management Reference Manual』を参照してください。
第A.1節および第A.2節に,UAF
限界およびシステム・パラメータの適切な設定値の表があります。
本節では,よく見られる問題を以下のように分けて示します。
- 「セッション起動」ダイアログ・ボックス
- ライセンス
- ファイルビュー
- ウィンドウ・マネージャ
- フォントのアクセス
- ネットワークのアクセス
- アプリケーションの使用
- セッション・マネージャ
- 漢字端末エミュレータ・アプリケーション・ウィンドウ
- X端末
- 他社のワークステーション
- Xサーバ
- キーボード,モニタ,ポインタ
それぞれのトピック表題のあとに,1つまたは複数の問題例が太字のイタリック
で記載されています。各問題例のあとに,考えられる原因と対処法の簡単なリストがあります。
インストール後にシステムを再起動しても,「セッション起動」ダイアログ・
ボックスが表示されない。
- SYS$SPECIFICの[SYSLIB],[SYSMGR],[SYSEXE]の各ディレクトリを調べ,DECW$*.*
ファイルが見つかった場合にはこれを削除します。DECW$*.*
ファイルは,ユーザがこのファイルをこれらのディレクトリに入れない限り,
これらのディレクトリにあってはなりません。
インストール・プロシージャは,DECW$*.*ファイルをSYS$SPECIFIC
ディレクトリに入れません。
- DECwidnowsのすべての共有可能イメージの保護コードが,
world readとworld execute(W:RE)に設定されていることを確かめます。
これは,DECwindowsファイルのインストールの際に使用される省略時設定の保護コードです。DECwindows
に備わっているファイルのリストについては,
『DECwindows Motif for OpenVMSインストレーション・ガイド』を参照してください。DCL
コマンドのSET FILE/PROTECTION
またはSETPROTECTIONを使用する保護コードの設定については,
『VMS DCL Dictionary』を参照してください。
下記のコマンドは,ファイル保護の問題を発見するのに役立つことがあります。
これらのコマンドは,特権アカウントから実行してください。
$ SET AUDIT/ALARM/ENABLE=FILE=FAILURE
$ REPLY/ENABLE=SECURITY
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
最初のコマンドは,ファイルのアクセスの失敗をオペレータ・ログ・
ファイルに記録します。次のコマンドは,OPCOMにセキュリティ違反メッセージを画面に表示するよう要求します。
最後のコマンドは,DECwindows Motif
を再起動します。
監査の詳細については,『VMS
DCL Dictionary』, 『OpenVMS System Management Reference Manual』,
『Guide to VMS System
Security』を参照してください。
- SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOGサーバ・エラー・ログ・
ファイルに,エラー・メッセージがあるかどうか調べます。これで問題についてもっと詳しくわかることがあります。
- SYS$MANAGER:NETSERVER.LOGファイルに,DECnetトランスポートの問題に関係あるメッセージがあるかどうか調べます。NETSERVER.LOG
ファイルに含まれるエラー・メッセージについては,
『VMS Networking
Manual』を参照してください。
- 問題の診断に役立つ情報については,第B.1節を参照してください。
新しいセッションを起動しようとすると,ダイアログ・ボックスに"
このソフトウェア製品に有効なライセンスはありません"と表示される。
- 使用中のワークステーションのライセンスが無効です。新しいライセンスが入手可能であれば,
最低限の起動を使用する会話型起動を実行し,
オペレーティング・システムを再起動してください。(
最低限の起動を使用する会話型起動の実行については,
使用中のVAXコンピュータのインストールおよびオペレーション・
ガイドを参照してください。)コンソールでログインし,LICENSE
DISABLEコマンドを発行して,期限の切れたライセンスを無効にします。
ライセンス管理機能(LMF:License Management Facility)を使用して,
新しいライセンスを登録します。LMF使用についての詳細は,
『VMS License Management
Utility Manual』を参照してください。
ファイル・ビューを開始すると,使用中のディレクトリが存在しないというメッセージが表示される。
- システム管理者がユーザーのディレクトリを最近移動した場合は,
以下の手順に従って,ファイルビューに新しいディレクトリ指定を使用するよう指示します。
- ファイルビュー・アプリケーションを開始します。
- 新しいディレクトリ指定を入力します。
- ファイルビューの「オプション」メニューから,「起動時保管」(
ファイルビュー)を選択します。
ウィンドウのアイコン化ができない。ウィンドウの上にコマンド・
ボタンがない。
- Motifウィンドウ・マネージャが停止しています。以下のオプションのいずれかを選択し,Motif
ウィンドウ・マネージャ・プログラムを再起動します。
- 以下のコマンドを使用して,Motifウィンドウ・マネージャを再起動します。
$ SET DISPLAY/CREATE/TRANSPORT=LOCAL
$ RUN SYS$SYSTEM:DECW$MWM
ホストをそのワークステーションに設定し,漢字端末エミュレータ・
ウィンドウ,ファイルビューのDCLコマンド・ウィンドウやその他のノードから,
これらのコマンドを入力します。ほかの操作でウィンドウを使用することはできなくなります。
- セッション・マネージャの「オプション」メニューから「メニュー」ダイアログ・
ボックスを使用し,ウィンドウ・
マネージャのメニュー項目をセッション・マネージャの「アプリケーション」メニューに追加します。
メニューにメニュー項目を追加する方法については,
『VMS DECwindows Motif User's Guide』を参照してください。
使用中のプログラムが,フォントにアクセスすることも見つけることもできない。
- フォントが誤ったディレクトリに入っています。レーヤード・
プロダクトのフォントが,以下に挙げるディスク・ディレクトリのいずれかにあることを確かめます。
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_COMMON]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_CURSOR16]
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_CURSOR32]
USER_75DPIディレクトリは,75-dpiモニタに表示されるフォント用, USER_100DPI
ディレクトリは,100-dpiモニタに表示されるフォント用, USER_COMMON
ディレクトリは,75-dpiおよび100-dpiのいずれかのモニタで表示されるフォント用です。USER_CURSOR16
ディレクトリは16-x-16
ピクセルのカーソル用で, USER_CURSOR32ディレクトリは32-x-32
ピクセルのカーソル用です。
- フォント・ディレクトリ・ファイルが更新されていません。
フォント・ディレクトリを更新するには,特権アカウントから以下のコマンドを入力します。
$ @SYS$UPDATE:DECW$MKFONTDIR
このコマンドは,すべてのレイヤード・プロダクトのフォント用に新しいフォント・
ディレクトリを作成し,DECwidnowsがインストールされると自動的に実行されます。
独自のフォントを使用するレーヤード製品に関しては,
このコマンドが実行されないこともあります。
- 他社のフォントが使用されています。以下から対処法を選択します。
- フォント・ソースをビットマップ配布フォーマット(BDF:Bitmap Distribution Format)
で入手します。FONTコマンドを使用して,
フォントをコンパイルします。FONTコマンドの詳しい説明は,
『VMS
DECwindows Xlib Programming Volume』を参照してください。
VAXシステムでは,結果として作成される*.DECW$FONTファイルを,SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI]
,あるいはSYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI]
のいずれかの適切なディレクトリにコピーします。
AXPシステムでは,結果として作成される*.PCFファイルを,SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI]
または,
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI]のいずれかの適切なディレクトリにコピーします。
次に,以下のコマンドを使用して新しいフォント・ディレクトリを作成します。
$ @SYS$UPDATE:DECW$MKFONTDIR
新しいフォントを使用するには,現在のセッションを終了して新しいセッションを開始する必要があります。
- 標準のフォント名の代わりに,ファイル名が使用されています。
- 6x10のフォントのような固定幅のフォントには,
DECW$EXAMPLES:DECW$FONT_ALIAS_
FILENAMES.DATファイルを,
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_COMMON]ディレクトリにコピーします。
変更を有効にするには,現在のセッションを終了して新しいセッションを開始する必要があります。
- プログラムを変更し,標準フォント名を使用できるようにします。DECwindows
の標準フォント名については,
『VMS DECwindows
Xlib Programming Volume』を参照してください。
- プログラムでCharterやLucidaフォントが必要で,しかもこれらがシステムに存在しない場合には,DECwindows
にある別名フォント・
ファイルを使用して,既存のDECwindowsフォント名に別名を与えます。
75-dpiモニタ用には,以下のファイルをSYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI]
ディレクトリにコピーします。
DECW$EXAMPLES:DECW$FONT_ALIAS_CHARTER.DAT
DECW$EXAMPLES:DECW$FONT_ALIAS_LUCIDA.DAT
100-dpiモニタ用には,以下のファイルをSYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI]
ディレクトリにコピーします。
DECW$EXAMPLES:DECW$FONT_ALIAS_CHARTER_100DPI.DAT
DECW$EXAMPLES:DECW$FONT_ALIAS_LUCIDA_100DPI.DAT
- 他社のフォント名に既存のDECwindowsフォント名の別名を与えます。
他社のフォントは,ISO Latin-1フォントでなければなりません。DECW$FONT_ALIAS.DAT
ファイルを,
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_75DPI]ディレクトリか,
SYS$COMMON:[SYSFONT.DECW.USER_100DPI]ディレクトリに作成します。
ディレクトリの選択は,この他社のフォントが75
dpiか100 dpiであるかによります。別名フォント・ファイルのフォーマットは,
以下のとおりです。
alias-font-name actual-font-name
フォント名に埋め込まれたスペースがある場合には,フォント名を二重引用符(")
で囲みます。alias-font-
name値は他社のフォント名, actual-font-
nameはDECwindowsのフォント名です。DECwindowsのフォント名については,
『VMS DECwindows Xlib Programming Volume』を参照してください。
スペーシングとフォントが画面0では正常だが,画面1では正常ではない。
- 密度の異なるモニタを使用している可能性があります。
次の例のように, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_
SETUP.COMファイルを編集し,dpi値が両方の画面で同一になるよう,DECW$MONITOR_DENSITY
を定義します。
$ DECW$MONITOR_DENSITY == "100,100"
このファイルがない場合には,
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATEファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM
にコピーして,COMファイルを編集します。
以下のコマンドを入力し,ディスプレイ・サーバを再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
このコマンドは,すべてのアプリケーションを停止し,DECwindows
を再起動します。両方の画面に同じdip値が使用されているはずです。
クラスタ内のすべてのワークステーションにも,再起動の際に同様の処置がとられます。
私用サーバ・セットアップ・ファイルの詳細と,
クラスタ内の特定のワークステーションを変更する方法については,
第3章を参照してください。
日本語OpenVMSワークステーションで文字を構成できない。
- LK201キーボードを使用している場合には,文字構成(Compose Character
)キーはALTキーとして機能します。文字構成キーを押したままスペース・
バーを押します。構成インディケータが点灯します。
ここで文字構成シーケンスを入力します。
- LK401キーボードを使用している場合には,以下のオプションの一つを選択します。
- セッション・マネージャの「オプション」メニューをプル・
ダウンし,「キーボードの設定」メニュー項目を選択します。
ダイアログ・ボックスが表示されます。「キーボード・タイプ」のリストからLK401
を選択して「了解」をクリックします。
- 以下の例のように,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_
SETUP.COMファイルを使用して,サーバにLK401キーボードを省略時設定とするよう指示します。
$ DECW$DEFAULT_KEYBOARD_MAP == "US_LK401AA"
このファイルがない場合には,
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATEファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM
にコピーします。
このCOMファイルに次の行を追加します。
$ DECW$DEFAULT_KEYBOARD_MAP == "US_LK401AA"
実行例については,第3.1節を参照してください。
以下のコマンドを入力し,DECwindowsサーバを再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
このコマンドはすべてのアプリケーションを中止し,
DECwindowsを再起動します。するとサーバは,キーボードをLK401
キーボードとして扱います。クラスタ内のすべてのワークステーションにも,
再起動の際に同様の処置がとられます。
私用サーバのセットアップ・ファイルについての詳細と,クラスタ内の特定のワークステーションの変更方法については,
第3章を参照してください。
矢印キーが,アプリケーション上で作動せず,マウス・ポインタを移動する。
- Shift+Ctrl+F3を押して,疑似マウス・モードに入っているならば,Shift+Ctrl+F3
を押して,疑似マウス・モードから出る必要があります。
- いずれかのマウス・ボタンをクリックし,疑似マウス・モードから出ます。
疑似マウス・モードを出ないと,疑似マウス・モードのダイアログ・
ボックスを消せない。
- 疑似マウス・モードを出ずにダイアログ・ボックスを消すには,
疑似マウス・モードのダイアログ・ボックスの「了解」ボタンにカーソルをもってゆき,Return
キーを押します。
画面の上方が黒くなり,テキスト・メッセージが見える。
- Ctrl+F2を押してコンソール表示モードに入っている場合は,Ctrl+F2
キーを押してコンソール表示モードを出なければなりません。
- OPCOMがコンソールにメッセージを書いた場合には,
Ctrl+F2キーを押してコンソール表示モードを出るか,もしくはコンソールのOPCOM
メッセージを無効にします。
OPCOMメッセージを無効にするには,特権アカウントにログインし,
以下のコマンドを入力します。
$ SET TERMINAL/PERMANENT/NOBROADCAST OPA0:
$ DEFINE/USER SYS$COMMAND OPA0:
$ REPLY/DISABLE
このコマンドをSYS$MANAGER:SYSTARTUP_V5.COMファイルに追加すると,
システム再起動後,OPCOMメッセージが無効になります。
ほかのノードに表示されているプログラムが,以下のエラー・
メッセージとともに終了する。
XIO: fatal IO error 65535 on X server "_WSA3:"
after 600 requests (597 known processed) with 0 events remaining.
%XLIB-F-IOERROR, xlib io error
-SYSTEM-F-LINKABORT, network partner aborted logical link
別のノードに表示されているプログラムが,以下のメッセージを出して終了する。
XIO: fatal IO error 65535 on X server "_WSA3:"
after 267 requests (229 known processed) with 0 events remaining.
%XLIB-F-IOERROR, xlib io error
-SYSTEM-F-PATHLOST, path to network partner node lost
- ほかのワークステーションの電源が切られたか,あるいは停止しています。
またはオペレーション・システムがクラッシュしています。
ほかのワークステーションの電源を入れ,再起動する必要があります。
- ネットワークが混雑しているため,プログラムが終了しました。
可能であれば,DE Cnetルーティング用に利用できるもので最高速のCPU
を使用します。ネットワーク構成とルーティング・
ノード要求については,『VMS
Networking Manual』を参照してください。
ほかのノードに表示されていたプログラムが,以下のメッセージを出して終了する。
XIO: fatal IO error 65535 on X server "_WSA3:"
after 259 requests (259 known processed) with 0 events remaining.
%XLIB-F-IOERROR, xlib io error
-SYSTEM-F-THIRDPARTY, network logical link disconnected by a third party
- ほかのワークステーションのユーザが,DECnetをシャットダウンした可能性があります。
ほかのワークステーションでDECnet
ソフトウェアを再起動します。
アプリケーションのウィンドウが表示されるものの,中に何も表示されない。
- アプリケーションが誤ってバッキング・ストアを依頼した上,
エクスポーズ・イベントの処理開始を待っています。以下のオプションから一つを選択し,
バッキング・ストアを無効にします。
- 可能であればプログラムを変更し,アプリケーションがバッキング・
ストアを要求しないようにします。
- SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMファイルを編集し,
バッキング・ストアを無効にします。このファイルがない場合には,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_
SETUP.TEMPLATEファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_
SETUP.COMにコピーし,COMファイルを編集します。クラスタ共通,
または単独ワークステーションの節に以下の行を追加します。
$ DECW$SERVER_DISABLE_BACKING_STORE == "TRUE"
ファイルを終了し,以下のコマンドを入力してサーバを再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
このコマンドはすべてのアプリケーションを停止し,
DECwindowsを再起動します。クラスタ内のほかのワークステーションで実行されているものも含めて,
アプリケーションは再起動の際,
バッキング・ストアを使用しません。
私用サーバのセットアップ・ファイルおよびクラスタ内の特定のワークステーションの変更方法については,
第3章を参照してください。
アプリケーションを実行すると,"ディスプレイをオープンできません"
とのメッセージが表示される。あるいは,アプリケーションはDECnet
トランスポートで実行できても,ローカル・トランスポートでは実行できない。
- グローバル・セクションまたはグローバル・ページの数が不十分と考えられます。
DCLコマンドのSET DISPLAY/CREATE/TRANSPORT=DECNETを入力し,
アプリケーションを実行します。DECnetトランスポートでアプリケーションを実行できるものの,
ローカル・トランスポートでは実行できない場合には,
グローバル・セクションかグローバル・
ページのいずれか,または両方を増加する必要があります。
ローカル・トランスポート(省略時設定)ではグローバル・
セクションとグローバル・ページを使用します。
DECwindowsのアプリケーションそれぞれに対して,最低グローバル・
セクション1個と,グローバル・ページ約300ページが必要です。
以下のようにF$GETSYI字句機能を使用して,未使用のグローバル・
ページとグローバル・セクションの数を確認します。
$ GBLPAGES = F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
$ SHOW SYMBOL GBLPAGES
$ GBLSECT = F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
$ SHOW SYMBOL GBLSECT
F$GETSYI字句機能の使用については,『VMS DCL Dictionary』を参照してください。
SYSGENパラメータ,GBLSECTIONまたはGBLPAGESを増加します。
システム・パラメータの変更については,『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
DEC社提供のコマンド・プロシージャ,SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM
を使用してシステムの正しい値やパラメータを決定します。
AUTOGENはハードウェアの構成を評価し,典型的な作業負荷を推定した上でシステムに調整を加えます。AUTOGEN
の詳細については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- アプリケーションの実行時に,"ディスプレイをオープンできません。"
とのエラー・メッセージが表示される場合,以下のプログラムを実行すると,
より詳しいエラー・メッセージが得られることがあります。
$ RUN DECW$EXAMPLES:ICO.EXE
このプログラムは,DECwindowsのインストールの際,プログラミング・
サポートをインストールした場合に限りシステムに存在します。
システムにこのプログラムが存在しない場合には,DECwindows
インストール配布媒体から復元できます。バックアップ・ユーティリティを使用して保管セットからファイルを復元する方法については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 問題の診断についてさらに詳しくは,第B.1節を参照してください。
一台のワークステーションに,16以上のアプリケーションを表示できない。
- 以下のコマンドを入力して,トランスポートのタイプを確認します。
$ SHOW DISPLAY
- DECnetトランスポートを使用している場合には,DECnet
リンクの最大数を超えてしまった可能性があります。
以下のコマンドを使用して,DECnetリンクの最大数を増やします。
$ RUN SYS$SYSTEM:NCP
NCP> SET EXECUTOR MAXIMUM LINKS 32
NCP> EXIT
- 日本語OpenVMS/ULTRIX接続製品(UCX)トランスポートを使用している場合には,TCP/IP
接続の最大数を超えてしまった可能性があります。
適切な日本語OpenVMS/ULTRIX接続に関するマニュアルを参照してください。
- ローカル・トランスポートを使用している場合には,グローバル・
ページまたはグローバル・セクションの数が不十分です。
SYSGENパラメータ,GBLPAGESまたはGBLSECTIONSを増加します。
システム・パラメータの変更については,『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
グローバル・ページおよびグローバル・セクションの詳細については,
先に触れた「アプリケーションを実行すると.
..」の項を参照してください。
DECwindowsアプリケーションが実行できない。
- SYS$SPECIFICの[SYSLIB],[SYSMGR], [SYSEXE]の各ディレクトリを調べ,DECW$*.*
ファイルが見つかった場合はそれを削除します。
これらのディレクトリには,ユーザが入れない限りDECW$*.*
ファイルがあってはなりません。インストール・プロシージャは,DECW$*.*
ファイルをSYS$SPECIFICディレクトリに入れることはありません。
- 編集したリソール・ファイルが問題の原因となっている可能性があります。
構文エラーやタイプ・エラーはアプリケーションの機能を停止させることがあるため,
リソース・ファイルの編集はできるだけ避けてください。
リソース・ファイル名を以下のように変更します。
$ RENAME SYS$LOGIN:DECW*.DAT SYS$LOGIN:DECW*.OLD_DAT
現在のセッションを終了し,新しいセッションを開始します。
アプリケーションを再度実行してみてください。
- アプリケーションを実行する時に,"ディスプレイをオープンできません。"
とのエラー・メッセージが表示される場合には,
以下のプログラムを実行するとより詳しいエラー・メッセージが得られることがあります。
$ RUN DECW$EXAMPLES:ICO.EXE
DECwindowsのインストール時にプログラミング・サポートをインストールしてあれば,
このプログラムは使用中のシステムにあるはずです。
システムにこのプログラムが存在しない場合は,DECwindows
インストール配布媒体から復元できます。バックアップ・ユーティリティを使用する保管セットからのファイルの復元方法については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- DEC社提供のコマンド・プロシージャ,
SYS$UPDATE:AUTOGEN.COMを使用して,システムの正しい値とパラメータを決定します。AUTOGEN
はハードウェア構成を評価し,
典型的な作業負荷を推定した上でシステムに調整を加えます。AUTOGEN
の詳細については,『OpenVMS System Management Reference Manual』を参照してください。
- 問題の診断に関する詳細は,第B.1節を参照してください。
アプリケーションを実行すると,"クライアントはサーバへのアクセスを許可されていません。"
とのエラー・メッセージが表示される。
- セッション・マネージャの「セキュリティの設定」ボックスを調べ,
ユーザが正しいノード名,ユーザ名,およびトランスポートで許可されていることを確かめます。
- DECnetトランスポートを使用するには,サーバを実行するシステムとアプリケーションを実行するシステムの両方のネットワーク・
ノード・データベースでノード名を定義する必要があります。
ネットワーク制御プログラム(NCP:Network Control Program)
ユーティリティを使用してノード名を定義します。NCP使用の詳細については,
『VMS Network
Control Program Manual』を参照してください。
- TCP/IPトランスポートが,認可用にユーザ名をサーバに渡していません。
所定のノードに対してTCP/IPトランスポートを使用する場合には,
「セキュリティの設定」ボックスの「ユーザ名」入力ボックスにアスタリスク(*)
を使用していることを確認します。
- TCP/IPを使用して,ご自分のシステムにアプリケーションを表示している場合には,
ローカル・ノードであるノード・ゼロ(0)
を認可する必要があります。
- SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOGサーバ・エラー・ログ・
ファイルを調べ,問題に関する詳細を知らせるメッセージを探します。
- SYS$MANAGER:NETSERVER.LOGファイルを調べて,DECnet
トランスポート問題に関係するエラー・メッセージを探します。NETSERVER.LOG
ファイルに入っているエラー・メッセージの詳細は,
『VMS Networking
Manual』を参照してください。
セッション・マネージャからアプリケーションを開始すると,
セッションそのものが終了してしまう。セッションがログアウトし,
新しい「セッション起動」ダイアログ・ボックスが表示される。
- SYS$LOGIN:DECW$SM.LOGファイルを調べ,以下のエラー・メッセージのいずれかがあるかどうか調べます。
X Toolkit Error: Cannot perform calloc
Session Error: %XLIB-E-INSFMEM, insufficient dynamic memory
いずれかのメッセージが見つかった場合には,問題を起こしているアカウントのPGFLQUOTA
値を増やす必要があると考えられます。
認可ユーティリティを使用するユーザ認可ファイル(UAF)値の変更については,
『OpenVMS
System Management Reference Manual』を参照してください。
またSYSGENパラメータのPQL_DPGFLQUOTAの値を増やす必要があるかもしれません。
システム・パラメータの変更については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
DEC社提供のコマンド・プロシージャ,SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM
を使用して,システムの正しい値とパラメータを決定します。
AUTOGENはハードウェア構成を評価し,典型的な作業負荷を推定した上でシステムに調整を加えます。AUTOGEN
の詳細については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 問題の診断に関してさらに詳しくは,第B.1節を参照してください。
「セッション起動」ダイアログ・ボックスがはっきりとした理由もなく消えてしまう。
- "アイドル・プロセス・キラー"が,プロセス_
WSAn:がアイドルだと判断し,これを停止しました。
ワークステーションで,"アイドル・プロセス・キラー"を実行しないでください。
これは,たとえほかのアプリケーションがシステム上で実行されていても,
セッション・マネージャやウィンドウ・
マネージャを終了させる可能性があります。
「セッション起動」ダイアログ・ボックスを再開するには,X
サーバの節の"ワークステーションでセッションを起動できない"
という表題の項の説明に従ってください。
- 使用中のシステム・ディスクがしきい値に達したため,
AUDIT_SERVERプロセスがプロセスを停止あるいは削除しています。
AUDIT_SERVERがしきい値を超えた理由を調べ,システム復元の処置を行います。
これには,会話型起動を行うシステムを再起動して,
起動の指定が最低限必要かもしれません。
ログインしても,セッション・マネージャのメニュー・バーが起動しない。
- SYS$SPECIFICの[SYSLIB],[SYSMGR], [SYSEXE]の各ディレクトリを調べ,DECW$*.*
ファイルが見つかった場合にはそれを削除します。
これらのディレクトリには,ユーザが入れない限りDECW$*.*
ファイルがあってはなりません。インストール・プロシージャは,DECW$*.*
ファイルをSYS$SPECIFICディレクトリに入れることはありません。
- ユーザーの論理名テーブル・リストを再定義してある場合,
論理名テーブル検索リストにDECW$LOGICAL_NAMESが含まれていることを確かめてください。
また,LNM$FILE_DEVにテーブルが入っていることも確かめてください。
追加テーブルの保護コードがユーザの読み込みアクセスを許可すること,
またテーブルがDECW$LOGICAL_NAMES
の後にリストされていることを確かめてください。
- DECwindowsのすべての共有可能イメージの保護コードがworld read
およびworld execute(W:RE)に設定されていることを確かめてください。
これは,DECwindowsファイルのインストール時に使用される省略時設定の保護コードです。
DECwindowsに備わっているファイルのリストについては,『DECwindows Motif
for OpenVMSインストレーション・ガイド』を参照してください。DCL
コマンドのSET FILE/PROTECTIONまたはSET PROTECTION
を利用する保護の設定については,『VMS DCL Dictionary』を参照してください。
- 編集したリソール・ファイルが問題の原因である可能性があります。
構文エラーやタイプ・エラーはアプリケーションの機能を停止させることがあるため,
リソース・ファイルの編集はできるだけ避けてください。
以下のようにリソース・ファイル名を変更します。
$ RENAME SYS$LOGIN:DECW*.DAT SYS$LOGIN:DECW*.OLD_DAT
現在のセッションを終了し,新しいセッションを開始します。
再度アプリケーションの実行を試みてください。
- プロファイル・ファイルが問題の原因です。
次のようにSYS$LOGIN:*.VUE$DATのファイル名を変更します。
$ RENAME SYS$LOGIN:*.VUE$DAT SYS$LOGIN:*.OLD_VUE$DAT
アプリケーションを再実行してください。
- セッション・マネージャが,DECW$LOGIN.COMファイルかDECW $SYLOGIN.COM
ファイルのコマンドを実行できません。
次のようにSYS$LOGIN:DECW$LOGIN.COMファイルまたはシステム・
ファイルのファイル名を変更します。
$ RENAME SYS$LOGIN:DECW$LOGIN.COM
SYS$LOGIN:DECW$LOGIN.OLD
再度アプリケーションの実行を試みます。
- セッション・マネージャが,LOGIN.COMファイルかSYLOGIN.
COMファイルのコマンドを実行できません。
SYS$LOGIN:LOGIN.COMファイルのファイル名を次のように変更します。
$ RENAME SYS$LOGIN:LOGIN.COM SYS$LOGIN:LOGIN.OLD
アプリケーションを再度実行します。
- 問題の診断に関してさらに詳しくは,第B.1節を参照してください。
漢字端末エミュレータ・ウィンドウに文字が表示されない。
- Ctrl+SキーまたはF1キーを押しました。
Hold Screen(画面保持)インディケータが点灯しているかどうか調べます。
点灯していれば,Ctrl+QキーまたはF1キーを押します。
- DECwindowsサーバが"停止して"います。
ほかのウィンドウを選択して,文字を入力してみます。文字が表示されない場合には,
第B.2.12
項の「画面が停止し...」の項を参照してください。
- 漢字端末エミュレータのコントローラ・プロセスが停止しています。
DCLコマンドのSHOW PROCESSを入力し,DECW$TE_
nnnという名称のプロセスを探します。このプロセスがRWAST
状態であれば,このプロセスが完了するまで待つか,
あるいは新しい端末コントローラ・プロセスを作成します。
新しいコントローラ・プロセスを作成するには,特権アカウントから以下のコマンドを実行します。
$ SET DISPLAY/CREATE/TRANSPORT=LOCAL
$ RUN SYS$SYSTEM:DECW$TERMINAL
端末コントローラを実行しているプロセスはほかの目的に使用できないため,
これらのコマンドを対話形のプライオリティを持つバッチ・
ジョブとして実行することもできます。
アプリケーションの表示が,漢字端末エミュレータ・ウィンドウとVT340
ターミナルで異なる。
- 漢字端末エミュレータは,VT52,VT100,VT200,およびVT320
クラスの端末だけをエミュレートします。
可能であればアプリケーションを変更します。
漢字端末エミュレータのフォントが小さく,読みにくい。
- 漢字端末エミュレータの「オプション」メニューで縮小フォントが指定されている可能性があります。
漢字端末エミュレータの「オプション」メニューをプルダウンし,
「ウィンドウ.. .」メニュー項目を選択します。「拡大フォント」を選択し「了解」をクリックします。
- 75-dpiモニタ用のフォントが,100-dpiモニタで表示されている。
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMファイルを使用し,
サーバに100-dpiフォントを使用するよう指定します。
このファイルがない場合には,
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATEファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM
にコピーします。.COM
ファイルに次の行を追加します。
$ DECW$SERVER_DENSITY == "100"
実行例については,第3.1節を参照してください。
以下のコマンドを入力して,DECwindowsサーバを再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
このコマンドはすべてのアプリケーションを停止し,
DECwindowsを再起動します。すべてのアプリケーションはここで,
大きな100-dpiフォントを使用するようになります。
クラスタ内のすべてのワークステーションも,再起動すると,
100-dpiフォントを使用します。
私用サーバのセットアップ・ファイルの詳細とクラスタ内の特定のワークステーションの変更方法については,
第3章を参照してください。
自動起動で,要求した数の漢字端末エミュレータ・ウィンドウが得られない。
- プロセスに関する情報を得るために,アカウンティング・
ユーティリティを使用します。アカウンティング・ユーティリティの使用については,
『OpenVMS System Management Reference Manual』を参照してください。
特権アカウントから以下のコマンドを入力し,
問題を起こしているアプリケーションのアカウンティング・ログを入手します。
$ ACCOUNTING/SINCE
以下のコマンドを入力し,失敗したプロセスの終了状態のテキストを探します。
$ EXIT %x00000124
終了状態1は正常な終了を意味します。これ以外の終了状態は,問題があったことを意味します。00000124
の終了状態を置き換えます。
プロセスのアカウンティング・ログに,00000124の終了状態(SYSTEM-F-INSFMEM
,ダイナミック・メモリが不足)がある場合には,PAGEDYN
またはNPAGEDYNSYSGENパラメータを増やす必要があります。
このエラー・メッセージは通常,ページ化されていないダイナミック・
メモリが不足していることと, NPAGEDYN SYSGENパラメータを増やす必要があることを意味しています。
しかし,漢字端末エミュレータは時には,
ページ化されたダイナミック・メモリが枯渇していてもこの状態で終了することがあります。
DCLコマンドSHOW MEMORY/FULLを入力し,どのメモリが不足しているか調べます。
「Free」欄には,以下のように,ページ化されていないダイナミック・
メモリまたはページ化されているダイナミック・
メモリの値が低くなっていることがわかるはずです。
Dynamic Memory Usage (bytes): Total Free In Use Largest
Nonpaged Dynamic Memory 931840 49040 882800 27936
Paged Dynamic Memory 949760 0 552800 393792
この場合には,PAGEDYNシステム・パラメータを増やします。
システム・パラメータの詳細については,『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 問題の診断に関しての詳細は,第B.1節を参照してください。
漢字端末エミュレータのアプリケーション・ウィンドウを起動できない。
- アカウンティング・ユーティリティを使用して,プロセスに関する情報を入手します。
アカウンティング・ユーティリティの使用については,
『OpenVMS System Management Reference Manual』を参照してください。
特権アカウントから以下のコマンドを入力し,
漢字端末エミュレータプロセスのアカウンティング・ログを入手します。
$ ACCOUNTING/SINCE
以下のコマンドを入力し,失敗したプロセスの終了状態のテキストを探します。
$ EXIT %x000187DC
終了状態1は正常な終了を意味します。これ以外の終了状態は問題があったことを意味します。000187DC
の終了状態を置き換えます。
アカウンティング・ログに000187DCの終了状態(RMS-F-
EXENQLM,エンキュー割当の超過)がある場合には,問題を起こしているアカウントのENQLM
値を増やす必要があります。認可ユーティリティを使用したユーザ認可ファイル(UAF)
値の変更については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 問題の診断に関してさらに詳しくは,第B.1節を参照してください。
DECW$TE_nnnプロセスのページング・ファイル割当が420
ページ以下になるとDECwindowsが消える。エラー・メッセージは表示されない。
- 漢字端末エミュレータは省略時設定では,500行保管する度に420
ページのページング・ファイル割当を必要とします。
ユーザのUAFレコードのPGFLQUO値を,認可ユーティリティを使用して増やします。
日本語openVMSシステム生成ユーティリティを使用して,PQL_DPGFLQUOTA
システム・パラメータ(省略時設定は8192ページ)
を増やします。
認可ユーティリティを使用するUAF値と,システム・パラメータの変更方法については,
『OpenVMS System Management Reference Manual』を参照してください。
DEC社提供のコマンド・プロシージャ,SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM
を使用して,システムの正しい値とパラメータを決定します。
AUTOGENは,ハードウェア構成を評価し,典型的な作業負荷を推定した上でシステムに調整を加えます。AUTOGEN
の詳細については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
- 漢字端末エミュレータ画面の上方から,保管する行を減らすかまたは消去します。
「オプション」メニューから表示項目を選択し,
「保存〜行」オプションの値を減らします。
プロセスBUFIOCNTが0になると,DECW$TE_nnnがMWAIT
状態に入り,以下のエラーをおこす。
%X2DBC072
%DECW-E--TIMEOUT_CONTROL, Timeout waiting for DECterm controller to start
- 各漢字端末エミュレータの生成には,2つのBUFIOが必要です。
SYSGENパラメータのPQL_MBIOLM(省略時設定は40)を増やします。
システム・パラメータの変更については,『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
DEC社提供のコマンド・プロシージャ,SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM
を使用して,システムの正しい値とパラメータを決定します。
AUTOGENはハードウェア構成を評価し,典型的な作業負荷を推定した上でシステムに調整を加えます。AUTOGEN
の詳細については『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
漢字端末エミュレータ・ウィンドウをいくつか作成してから,
新しいウィンドウの作成を試みると以下のエラーのいずれかが起きる。
%X1000039C
%SYSTEM-F-NOSLOT, no PCB available
- SYSGENパラメータMAXPROCESSCOUNT(省略時設定は32)
を増やします。システム・パラメータの変更については,
『OpenVMS System
Management Reference Manual』を参照してください。
DECwindowsワークステーションから他社のワークステーションに表示できない。
- 他社のワークステーションが,Xウィンドウ・システムを実行していません。
他社のワークステーションが確実に,Xウィンドウ・システムを実行しているようにします。
- ネットワークのソフトウェアに互換性がありません。
DECnetソフトウェアを実行している場合には,他社のワークステーションでもDECnet
を実行しているようにします。
TCP/IPを使用している場合には,日本語OpenVMS/ULTRIX接続ソフトウェア(UCX)
を日本語OpenVMSワークステーションにインストールするか,
あるいは他社製のTCP/IPネットワーキング製品をインストールします。UCX
をDECwindowsで使用するために,
UCX製品認可キー(PAK)は必要ありません。
- ネットワーク・データベースの定義が誤っています。
両方のワークステーション用のDECnetまたはTCP/IPノード名とノード番号定義が,
両方のワークステーションで正しいことを確認します。
- ノード名に英小文字が含まれています。
そのノード名に英大文字の別ノード名を追加するか,または以下の例のようにノード名を二重引用符で囲みます。
$ SET DISPLAY/CREATE/TRANSPORT=TCPIP/NODE="ultrixnode"
- 他社のワークステーションで,アクセス制御が有効になっていません。
他社のワークステーションのマニュアルを参照し,サーバのアクセス制御リストに日本語OpenVMS
ノード名を追加する方法を調べます。
他社のワークステーションからDECwindowsワークステーションに表示できない。
- 他社のワークステーションが,Xウィンドウ・システムを実行していません。
他社のワークステーションが確実に,Xウィンドウ・システムを実行しているようにします。
- ネットワークのソフトウェアに互換性がありません。
DECnetソフトウェアを実行している場合には,他社のワークステーションでもDECnet
を実行していることを確かめます。
TCP/IPを使用している場合には,日本語OpenVMS/ULTRIX接続ソフトウェア(UCX)
を日本語OpenVMSワークステーションにインストールするか,
あるいは,他社製のTCP/IPネットワーキング製品をインストールします。UCX
をDECwindowsで使用するために,
UCX製品認可キー(PAK)は必要ありません。
- ネットワーク・データベースの定義が誤っています。
両方のワークステーション用のDECnetまたはTCP/IPノード名とノード番号定義が,
両方のワークステーションで正しいことを確認します。
- ネットワーク・ソフトウェアが実行されていません。
UCXを使用している場合には,次のようにUCX$UCPループ・
コマンドを使用し,ほかのワークステーションがご利用のワークステーションからの通知に反応することを確かめます。
$ RUN SYS$SYSTEM:UCX$UCP
UCX> LOOP DECW2
DECW2 is alive
UCX> EXIT
"DECW2 is alive"とのメッセージは,UCXが正常に開始されたことを意味します。UCX
が正常に開始されなかった場合には,以下のメッセージと同様のメッセージが表示されます。
$ RUN SYS$SYSTEM:UCX$UCP
UCX> LOOP DECW2
DECW2 does not respond
UCXは,UCX$STARTUPコマンド・ファイルで開始されなければなりません。SYS$MANAGER:SYSTARTUP_V5.COM
ファイルに以下の行を追加します。
@SYS$STARTUP:UCX$STARTUP
UCXは,DECnetが開始されると開始されるはずです。
- ネットワーク専用の日本語OpenVMS DECwindowsのトランスポート・
インタフェースが提供されていません。
他社のTCP/IPネットワーキング製品を使用している場合には,
ファイルSYS$SHARE:DECW_TRANSPORT_nameがあるはずです。
ここでnameは製品名です。
- トランスポート・インタフェースがインストールされていません。
他社のTCP/IPネットワーキング製品を使用している場合には,
以下のコマンドを使用して,DECW_TRANSPORT_
nameファイルをSYS$MANAGER:SYSTARTUP_V5.COMファイルからインストールしなければなりません。
$ INSTALL CREATESYS$SHARE:DECW_TRANSPORT_name -
_$ /OPEN/SHARED/HEADER_RES/PROTECTED
特権アカウントから以下のコマンドを使用して,ファイルがインストールされたことを確認します。
$ INSTALL LIST SYS$SHARE:DECW_TRANSPORT_name
- サーバに接続が聞こえていません。以下のオプションのいずれかを選択します。
- TCP/IPを使用している場合には,
SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMカスタマイズ・ファイルを使用しなければなりません。
このファイルがない場合には,SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATE
ファイルをSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM
にコピーします。
以下の行を.COMファイルに追加します。
DECW$SERVER_TRANSPORTS == "DECNET,LOCAL,TCPIP"
以下のコマンドを使用してサーバを再開します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
このコマンドはすべてのアプリケーションを停止し,
DECwindowsを再起動します。クラスタ内のすべてのワークステーションに,TCP/IP
接続が聞こえるようになります。
私用サーバのセットアップ・ファイルの詳細と,クラスタ内の特定のワークステーションの変更方法については,
第3章を参照してください。
DECwindowsを再起動すると,SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_
ERROR.LOGに以下のメッセージと同様のメッセージが表示されるはずです。
Now attach all known txport images
%DECW-I-ATTACHED, transport DECNET attached to its network
%DECW-I-ATTACHED, transport TCPIP attached to its network
DECW$SERVER_TRANSPORTSにリストした各トランスポート(ローカルを除く)
に対し,メッセージが1つあるはずです。
- 日本語OpenVMSワークステーションでアクセス制御が有効になっていません。
セッション・マネージャの「オプション」メニューをプルダウンし,
「セキュリティ」メニュー項目を選択します。「ノード」入力ボックスに他社のノード名を入力します。DECnet
を使用している場合には,
「ユーザ名」入力ボックスにユーザ名を入力します。
「ユーザ名」入力ボックスにユーザID(UID)を入力し,
追加します。日本語OpenVMS/ULTRIX接続ソフトウェア(UCX)
のTCP/IPを使用している場合には,「ユーザ名」入力ボックスにアスタリスク(*)
を入力し,「トランスポート」入力ボックスにT CPIP
を入力します。他社のTCP/IPを使用している場合には,
その会社が供給するマニュアルに従ってください。
- 注意
- セキュリティ・リストに表示されるノード名はすべて英大文字ですが,
大文字のノード名と小文字のノード名は合致します。
X端末,または他社のワークステーションで,PostScript
イメージを表示できない。
- X端末,または他社のワークステーションが,PostScript拡張表示機能をサポートしていません。
唯一の解決方法は,PostScript拡張表示機能をサポートするX
端末ワークステーションを使用することです。PostScriptコマンドは,
クライアント(アプリケーション)側のライブラリではなく,
サーバの拡張で実行されます。
ワークステーションでセッションを開始できない。キーボードからの入力が画面に表示されない。
- DECwindowsのXサーバが停止しています。
Returnキーを押します。ユーザ名のプロンプトが表示されるはずです。
表示されない場合には,ほかのノードからホストをワークステーションに設定します。
特権アカウントにログインし,
以下のコマンドを使用してサーバを再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART
ここでログアウトします。再度ログインできない場合には,ワークステーションを停止し,
オペレーティング・システムを再起動してください。
システム再起動後,エラー・ログ・ファイルSYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOG
を調べ,考えられる障害を探します。
サーバ・プロセスは,DECW$SERVER_0という名称で実行されます。
このプロセスはDECwindows motifがアクティブになる毎に,SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOG
ログ・
ファイルを作成します。問題が起きたら,必ずこのログ・
ファイルのエラー・メッセージを調べてください。お客様サポート・
センターに連絡する場合に備えて,常にログ・ファイルの完全な内容を保管しておいてください。
画面が停止した可能性があり,キーボードからの入力は画面に表示されず,
またカーソルも点滅しない。
- DECwindowsのXサーバが,PEX,XIE,またはPostScript用の長い演算を実行しています。
以上の3つのサーバ拡張の1つだけを使用している場合であれば,
演算の終了を待ちます。PEX演算は数分かかることがあります。XIE
とPostScriptが数秒以上,サーバを保有することはありません。
- DECwindowsのXサーバがネットワークI/Oを待っている。
30秒間待ちます。DECwindowsのXサーバは,トランスポート・
バッファがいっぱいになってから30秒間待ちます。I/Oがそれでも終了しない場合には,
サーバはクライアントの接続を終了し,
干渉されずに続行します。
- クライアントがXサーバを捕らえています。
[ 前のページ ]
[ 目次 ]