OpenVMS
DCL ディクショナリ


前へ 次へ 目次 索引



SHOW ERROR

エラーが発生したすべての装置について,そのエラー回数を表示します。

形式

SHOW ERROR

修飾子

/EXACT

/PAGE=SAVE および /SEARCH 修飾子とともに使用し,大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH 修飾子を指定せずに /EXACT 修飾子を指定した場合, "Find キー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FULL

エラーが発生しなかった装置も含めて,すべての装置のエラー回数を表示します (エラー回数は,0または0以上の値です)。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVE および /SEARCH 修飾子とともに使用し,一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE, および UNDERLINE を指定できます。省略時の設定は BOLD です。

/OUTPUT[=ファイル指定]

/OUTPUT=SYS$OUTPUT (省略時の設定)

コマンドの出力先のファイルを指定します。省略時には,論理名 SYS$OUTPUT が割り当てられた装置に出力されます。

/OUTPUT 修飾子に部分的なファイル指定 ( たとえばディレクトリだけ ) を指定した場合には,SHOW という省略時のファイル名と,.LIS という省略時のファイル・タイプが使用されます。ファイル指定をするときに,ワイルドカード文字は使用できません。

/NOOUTPUT 修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]

/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] n ページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE 修飾子を指定すると最大 5 画面(最大 255 カラムまで)分の履歴を保存できます。ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132 カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE 修飾子は /OUTPUT 修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE 修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。文字列にスペース文字等を入れたい場合は,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時に Find(E1) キーを押すと,検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/WRAP

/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE 修飾子とともに使用し,画面の幅より長い行を改行表示するかどうかを指定します。 /WRAP 修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP 修飾子を指定した場合,はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。


#1

$ SHOW ERROR
Device                          Error Count
PNA0:                                   2
$1$DGA22: (AJAM PGA, ALPHAB)            1
$11$DUA1915: (HSJ018, HSJ019)          14

エラーが発生したすべての装置のエラー回数を表示します。


SHOW INTRUSION

侵入データベースの内容を表示します。

SECURITY 特権が必要です。


形式

SHOW INTRUSION


説明

OpenVMS システムは,さまざまな失敗の理由 ( 無効パスワード,失効アカウント,不明な利用者名 ) による特定のソースからのログイン失敗についての情報を,侵入データベースに保管します。機密保護管理者は,SHOW INTRUSION コマンドを使用して侵入データベースの内容を表示すると,不法侵入の可能性を特定できます。

侵入データベースのエントリの形式は,次のとおりです。


Intrusion      Type      Count      Expiration      Source 

各エントリのフィールドには,次の情報が提供されます。

フィールド 説明
Intrusion 侵入のクラス。OpenVMSシステムの回避処置は,侵入のクラスに依存します。
Type ログイン失敗回数のしきい値で定義した侵入の重大度
Count 特定のソースに関連したログイン失敗回数
Expiration OpenVMS がログイン失敗をカウントしなくなる絶対時刻。システム・パラメータ LGI_BRK_TMO は, OpenVMS システムがログイン失敗を追跡する時間を制御します。
Source ログイン失敗のソース。このフィールドが提供する情報は,侵入のクラスに依存します。

侵入データベースでは,オペレーティング・システムがソースに従ってログイン失敗を分類します。システム侵入には,次の 4 つのクラスがあります。

侵入クラス 説明
NETWORK 有効なユーザ名を使用した遠隔ノードからのログイン失敗
TERMINAL ある端末からのログイン失敗
TERM_USER 有効なユーザ名を使用したある端末からのログイン失敗
USERNAME 独立プロセスを作成しようとするログイン失敗

侵入のクラスにより,エントリのソース・フィールドに入る情報のタイプが決まります。ソース・フィールドに入る情報は,次の形式のいずれかです。

侵入クラス 形式
NETWORK ノード::ユーザ名
TERMINAL 端末:
TERM_USER 端末:ユーザ名
USERNAME ユーザ名

機密保護管理者が取ることができる回避処置のタイプは,提供された情報のタイプに基づきます。この情報の使用方法についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

侵入データベースには,容疑者および侵入者という 2 つのレベルの侵入エントリがあります。エントリの重大度は,エントリのタイプ・フィールドに表示されます。特定のソースに関連したログイン失敗が発生すると, OpenVMSシステムはログイン失敗を容疑者と分類します。同じソースからの後続のログイン失敗がカウントされます。ログイン失敗回数は,エントリのカウント・フィールドに表示されます。ログイン失敗のカウントを停止する絶対時刻は,エントリの満了フィールドに表示されます。ログイン失敗回数がシステム・パラメータ LGI_BRK_LIM で指定された回数を超えると,エントリは侵入者に分類されます。ただし,LGI_BRK_LIM パラメータを 0 に設定すると,最初のログイン失敗は侵入者に分類されません。結果は,LGI_BRK_LIM パラメータを1に設定した場合と同じです。

エントリが侵入者に分類されると,OpenVMS システムは,その特定のソースからのすべてのログインを禁止して,回避処置を取ります。

回避処置の存続時間は,システム・パラメータ LGI_HID_TIM によって決まります。回避処置を終了する絶対時刻は,エントリの満了フィールドに表示されます。

侵入の検出,防止,および回避処置についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。

侵入データベースのエントリがユーザのエラーによるもので,侵入の試みが原因でないと判断した場合は,DELETE/INTRUSION コマンドを使用すると,侵入データベースからエントリを削除できます。詳細は,DELETE/INTRUSION コマンドを参照してください。


修飾子

/NODE[=(ノード名[,...])]

/NODE 修飾子は,ノード情報をサポートしている各侵入レコードを表紙します。

個々のノードを指定する場合,サポート・ノード情報は,リストされたノードのみ表示します。

/OLD

VAX システムでは,旧版のカーネルモードの侵入データベースの内容を表示します。旧版のデータベースは,バージョン 6.1 以前の OpenVMS VAX で使用されていたものです。ただし,アプリケーションの中には,侵入データベース・アクセス用のシステム・サービスを使用せず,この旧版のデータベースを参照しているものがあるため,引き続き更新されています。アプリケーションによって直接旧版データベースに ( のみ ) 追加されたレコードは /OLD 修飾子を指定しないかぎり検索できません。

/OUTPUT[=ファイル指定]

SHOW INTRUSION コマンドからの出力を,修飾子で指定されるファイルに出力します。省略時の設定では,コマンドからの出力は SYS$OUTPUT に表示されます。

/TYPE=キーワード

侵入データベースから表示される情報のタイプを選択します。指定できるキーワードは,次のとおりです。

ALL すべての侵入エントリ。省略時には,すべてのエントリが表示されます。
SUSPECT すでに発生しているが,侵入者として識別するのに必要なしきいには達していない,ログイン失敗に対するエントリ。
INTRUDER ログイン失敗の発生頻度が非常に高く,回避対策が必要とされるエントリ。


#1

$ SHOW INTRUSION/OUTPUT=INTRUDER.LIS

このコマンドは,侵入データベースに現在含まれているすべてのエントリを, INTRUDER.LIS というファイルに出力します。

#2

$ SHOW INTRUSION/TYPE=INTRUDER
                                                   
Intrusion   Type      Count    Expiration    Source
TERMINAL    INTRUDER    9      10:29:39.16   AV34C2/LC-1-15:
NETWORK     INTRUDER    7      10:47:53.12   NODE22::RONNING

この SHOW INTRUSION コマンドは,現在の侵入データベースに含まれているすべての INTRUDER エントリを表示します。

#3

$ SHOW INTRUSION/NODE
 NETWORK      SUSPECT       5   26-JUL-2001 08:51:25.66  POPEYE::WONG
    Node: TSAVO      Count:    2
    Node: FROGGY     Count:    2
    Node: KITTY      Count:    1

このコマンドは,全てのノードに対して各々の侵入レコードを表示しています。

#4

$ SHOW INTRUSION/NODE=(FROGGY,KITTY)
 NETWORK      SUSPECT       5   26-JUL-2001 08:51:25.66  POPEYE::HAMMER
    Node: FROGGY     Count:    2
    Node: KITTY      Count:    2

このコマンドは, FROGGY ノードおよび KITTY ノードの侵入レコード情報を表示しています。

#5

$ SHOW INTRUSION/NODE=EVMSA
$ 

このコマンドは,EVMSA ノードに侵入レコードがないことを示しています。


前へ 次へ 目次 索引