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START/QUEUE

指定したキューを初期化した後に,起動または再起動します。このコマンドを使用すれば,指定したキューのオプションも変更できます。 /QUEUE修飾子は必須です。

キューへの管理(M)アクセス権が必要です。


形式

START/QUEUE キュー名[:]


パラメータ

キュー名[:]

起動または再起動するキュー名を指定します。

説明

START/QUEUE コマンドは,終了または一時停止していたキューを再起動します。 START/QUEUE コマンドを使用する場合は,その前に INITIALIZE/QUEUE コマンドを使用してキューを作成しなければなりません。キューの作成と起動を同時に行うには, INITIALIZE/QUEUE/START コマンドを使用します。

指定したキューが自動起動キューである場合, START/QUEUE コマンドは,そのキューの自動起動を有効にします。 自動起動キューを実行できるすべてのノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドで自動起動を有効にすると,キューはジョブの処理を開始します。

INITIALIZE/QUEUE コマンドで使用できるほとんどの修飾子は, START/QUEUE コマンドでも指定できます。 START/QUEUE 修飾子の省略時の設定は,キューを初期化する時に指定した修飾子によって異なります。たとえば,INITIALIZE/QUEUE での /JOB_LIMIT の省略時の設定の値は 1 です。ただし,変更するキューをジョブの制限値を 3 にして初期化した場合, START/QUEUE コマンドで /JOB_LIMIT 修飾子を指定しなければ,そのキューのジョブの制限値は 3 のままになります。

START/QUEUE コマンドの修飾子で指定した値またはオプションは,キューを初期化する時に指定した修飾子の値またはオプションを上書きします。

START/QUEUE コマンドを実行したときに指定したキューが実行中である場合,システムはエラー・メッセージを返します。実行中のキューのオプションを変更するには,SET QUEUE コマンドを使用します。 SET QUEUE コマンドで変更できないキュー・オプションを変更する場合は,次の手順に従ってください。

  1. STOP/QUEUE/NEXT コマンドでキューを終了します。

  2. START/QUEUE コマンドまたは INITIALIZE/QUEUE/START コマンドに,希望するオプションに合わせて適切な修飾子を指定してキューを再起動します。

/TOP_OF_FILE,/BACKWARD,/FORWARD,/SEARCH,/ALIGN,および /NEXT 修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ有効です。これらの修飾子は,終了しているキューやバッチ・キューには適用されません。 /NEXT を除く 5 つの修飾子のうち 2 つ以上を指定した場合,プリント・シンビオントは,次の順序でこれらの修飾子を処理します。

  1. /TOP_OF_FILE

  2. /BACKWARD

  3. /FORWARD

  4. /SEARCH

  5. /ALIGN


修飾子

/ALIGN[=(オプション[,...])]

アラインメント・ページをプリントして,プリント用紙の位置調整を行いやすくします。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

位置調整が終了した後,START/QUEUE コマンドを再入力してキューを再起動するまで,キューは一時停止状態になります。プリントは,位置調整を始めた箇所から再開します。つまり,位置調整のためにプリントしたページの分あともどりします。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

MASK 英文字を x に,数字を 9 に置き換えて,入力データをマスクするように指定します。英数字以外の文字はマスクされません。マスク文字を使用すると,機密情報がそのままプリントされないようにできます。MASK オプションを省略した場合は,データは変更されずにそのままプリントされます。
n プリントするアラインメント・ページ数を指定します。n の値は 1 〜 20 です。省略時の設定では,1 ページ分のアラインメント・データがプリントされます。

/AUTOSTART_ON=(ノード::[装置][,...])

キューを自動起動実行キューとして指定し,キューを置くことができるノード,またはノードと装置を指定します。出力キューには,ノード および 装置 の両方を指定しなければなりません。バッチ・キューの場合は,ノードだけを指定します。

OpenVMS Cluster では,キューが実行できる 2 つ以上のノード ( またはノードと装置 ) を,ノードがキューを要求する優先順序で指定できます。これによって,キューを実行しているノードがクラスタから離れると,別のノードにそのキューをフェールオーバできます。

自動起動キューの場合,START/QUEUE コマンドは,キューの自動起動を有効にします。自動起動キューを実行できるノードに対して ENABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドを実行すると,キューはジョブの処理を開始します。

この修飾子は,/ON 修飾子または /GENERIC 修飾子と同時に使用できません。ただし,/ON 修飾子を指定して既に作成または起動してあったキューに対しては, /AUTOSTART_ON 修飾子を指定できます。これを実行すると, /ON オプションを無効にして,キューは自動起動キューになります。

自動起動キューについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』のキューの管理に関する章を参照してください。

/BACKWARD=n

現在のページより n ページ前からプリント・キューを再起動します。n の省略時の設定の値は 1 です。ページ値を省略すると,プリントは現在のページの上端から再開します。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

注意

START/QUEUE/BACKWARD=n コマンドを使用してプリント・ジョブを再起動する場合,そのプリント・ジョブが Fortran キャリッジ制御を使用し, /NOFEED 修飾子を指定していると,予期しない結果になる可能性があります。特に次のような結果になります。

  • 再起動したジョブのページの位置設定が正しくない可能性があります。出力が n で指定したページの上端から開始されない可能性があります。

  • プリント・ジョブが無意味な情報の後に出力される可能性があります。

/BASE_PRIORITY=n

バッチ実行キューからジョブが開始されるプロセスの,基本優先順位を指定します。省略時の設定では,この修飾子を省略すると,システム生成時に DEFPRI によって設定された基本優先順位と同じ優先順位 ( 通常は 4) でジョブが開始されます。基本優先順位指定子には,0 〜 15の整数値を指定できます。

/BLOCK_LIMIT=([下限,]上限)

/NOBLOCK_LIMIT

出力実行キューで処理できるプリント・ジョブ・サイズを制限します。この修飾子を使用すると,ジョブのサイズによって特定のプリンタを予約できます。パラメータは,最低 1 つ指定しなければなりません。

下限 パラメータは,プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最小のブロック数を示す 10 進数です。下限 値より少ないブロック数のプリント・ジョブがキューに登録されると,キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは,キューのブロックの下限値がジョブのブロック数以下に減少された後に処理されます。

上限 パラメータは,プリント・ジョブに対してキューが受け付ける最大のブロック数を示す 10 進数です。この値を超えるプリント・ジョブがキューに登録されている場合,キューのブロック制限値が変更されるまでジョブは待ち状態になります。ジョブは,キューのブロックの上限値がジョブのブロック数以上に増加された後に処理されます。

ジョブの上限値だけを指定する場合は,括弧を省略できます。たとえば,/BLOCK_LIMIT=1000は,キューの中で 1000 以下のブロックを持つジョブだけが処理されます。ジョブの下限値だけを指定するには,空文字列 ("") を使用して,上限の指定子を示さなければなりません。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(500,"") は,キューの中で 500 以上のブロックを持つジョブはすべて処理されます。下限および上限の両方を指定することもできます。たとえば,/BLOCK_LIMIT=(200,2000) は,キューの中で 200 未満のブロックを持つジョブと,2001 以上のブロックを持つジョブは処理されないことを意味します。

/NOBLOCK_LIMIT 修飾子は,/BLOCK_LIMIT 修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定を取り消します。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

/NOCHARACTERISTICS

実行キューでジョブを処理するための属性を,1つまたは複数指定します。ジョブに指定した属性のすべてをキューが備えていない場合,ジョブは待ち状態のままになります。属性を1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。/CHARACTERISTICS 修飾子を指定するたびに,その前に設定された属性はすべて取り消されます。この修飾子で指定した属性だけが,キューに設定されます。

キューの属性は,それぞれのシステムによって異なります。属性パラメータは,0 〜 127の値,または DEFINE/CHARACTERISTIC コマンドを使用して定義した属性名になります。

/NOCHARACTERISTICS 修飾子は,/CHARACTERISTICS 修飾子を指定してこのキューに設定していた前の設定をすべて取り消します。

/CLOSE

PRINT または SUBMIT コマンドによって,あるいは REQUEUE 操作の結果として,ジョブがキューに登録されないようにします。ジョブを登録可能するには, /OPEN 修飾子を使用します。キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは,キューの状態 ( 一時停止,終了,または止められている ) とは関係ありません。キューがクローズ状態の場合,実行中のジョブは継続されます。キューですでに待ち状態のジョブは,引き続き実行待ちになります。

/CPUDEFAULT=時間

バッチ実行キューのジョブに対する省略時の設定の CPU 時間制限値を定義します。時間には,デルタ時間,0,INFINITE,または NONE を指定できます。デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

キューに時間制限値 CPUMAXIMUM が指定されていない場合や,利用者登録ファイル (UAF) に設定された値が CPU 時間制限値に NONE を指定している場合は,値 0 またはキーワード INFINITE を使用すると, CPU 時間の制限をなくすことができます。NONE を指定すると, UAF または SUBMIT コマンドで指定した値 ( 指定している場合 ) が CPU 時間値の省略時の設定になります。CPU 時間値は,システム・パラメータ PQL_MCPULM で指定した値以上でなければなりません。

デルタ時間の指定についての説明は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU 時間制限値の指定についての詳細は,INITIALIZE/QUEUE コマンドの CPU Time Limit Specifications and Actions の表を参照してください。

/CPUMAXIMUM=時間

このバッチ実行キューにあるすべてのジョブに対して,省略時の設定の CPU 時間制限値を定義します。時間には,デルタ時間,0,INFINITE,または NONE を指定できます。デルタ時間には,最高497日まで指定できます。

キューに時間制限値 CPUMAXIMUM が指定されていない場合や, UAF で設定した値が CPU 時間制限値に NONE を指定している場合は,値 0 またはキーワード INFINITE を使用すると,CPU 時間の制限をなくすことができます。NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値 ( 指定している場合 ) が CPU 時間値の省略時の設定になります。 CPU 時間値は,システム・パラメータ PQL_MCPULM で指定した値以上でなければなりません。この時間は,/CPUMAXIMUM 修飾子を使用して設定した CPU 時間制限を超えることはできません。デルタ時間の指定についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。 CPU 時間制限値の指定についての詳細は, INITIALIZE/QUEUE コマンドの CPU Time Limit Specifications and Actions の表を参照してください。

/DEFAULT=(オプション[,...])

/NODEFAULT

PRINT コマンドの特定のオプションの省略時の値を設定します。省略時の設定の値は,オプションのリストで指定します。オプションを 1 つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。 /DEFAULT 識別子を使用してキューのオプションを設定した後は, PRINT コマンドにそのオプションを指定する必要はありません。 PRINT コマンドでこれらのオプションを指定すると, PRINT コマンドを使用して指定した値は,/DEFAULT 修飾子を使用してキューに設定した値を無効にします。

/DEFAULT 修飾子および /GENERIC 修飾子は同時に指定できません。

使用可能なオプションは,次のとおりです。

[NO]BURST[=キーワード] バースト・ページのバーを含む 2 つのファイル・フラグ・ページを,出力の前にプリントするかどうかを制御します。値 ALL ( 省略時の値 ) を指定すると,バースト・ページは,ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値 ONE を指定すると,バースト・ページは,ジョブの最初のファイルの前に 1 度プリントされます。
[NO]FEED ページの最後で,自動的に改ページを行うかどうかを指定します。
[NO]FLAG[=キーワード] ファイル・フラグ・ページを,出力の前にプリントするかどうかを制御します。値 ALL(省略時の設定)を指定すると,フラグ・ページは,ジョブの各ファイルの前にプリントされます。値 ONE を指定すると,フラグ・ページは,ジョブの最初のファイルの前に 1 度プリントされます。
FORM=タイプ 出力実行キューの省略時のプリント形式を指定します。プリント形式を明示的に定義しないでジョブをキューに登録すると,このプリント形式がジョブの処理に使用されます。FORM キーワードによるプリント形式タイプが明示的に指定されていない場合,システムは,プリント形式"DEFAULT"をキューに割り当てます。 /FORM_MOUNTED 修飾子の説明も参照してください。
[NO]TRAILER[=keyword] 出力に続けてファイル・トレーラ・ページをプリントするかどうかを制御します。値 ALL ( 省略時の設定 ) を指定すると,トレーラ・ページは,ジョブの各ファイルの後にプリントされます。値 ONE を指定すると,トレーラ・ページは,ジョブのファイルの最後に 1 度プリントされます。

ファイルに BURST オプションを指定すると,[NO]FLAG オプションは,ファイルの前にプリントされる 2 つのフラグ・ページに対して,フラグ・ページの追加または削除を行いません。必須のキュー・オプションの設定についての詳細は,/SEPARATE 修飾子の説明を参照してください。省略時のキュー・オプションの設定についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

/DESCRIPTION=文字列

/NODESCRIPTION

オペレータからのキューについての情報を提供するための,最大 255 文字の文字列を指定します。

文字列中に英小文字,ブランク,またはその他の英数字以外 ( スペースを含む ) の文字列が含まれる場合は,文字列全体を二重引用符 (" ") で囲みます。

/NODESCRIPTION 修飾子は,そのキューに関連する説明をすべて削除します。

/DISABLE_SWAPPING

/NODISABLE_SWAPPING

キューから実行するバッチ・ジョブのメモリへのスワップ・イン,およびメモリからのスワップ・アウトできるかどうかを指定します。

/ENABLE_GENERIC

/NOENABLE_GENERIC

/GENERIC 修飾子にキューの名前を指定していない汎用キューに登録されたファイルを,このキューに移してよいかどうかを指定します。詳細は,/GENERIC修飾子の説明を参照してください。

/FORM_MOUNTED=タイプ

出力実行キュー用にマウントされたプリント形式を指定します。

プリント形式タイプを明示的に指定しない場合,システムは, "DEFAULT" のプリント形式をキューに割り当てます。

マウントされたプリント形式のストックが省略時の設定のプリント形式のストックに一致しない場合は,/DEFAULT=FORM 修飾子に示されるように,プリント形式を明示的に定義しないでこのキューに登録されたジョブはすべて待ち状態になります。そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが,ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式を明示的に指定してジョブがキューに登録され,明示的なプリント形式のストックがマウントされたプリント形式のストックと一致しない場合は,このジョブは待ち状態になります。そしてその状態は,このキューのマウントされたプリント形式のストックが,ジョブに対応したプリント形式のストックと一致するまで続きます。

プリント形式のタイプを指定するには,DEFINE/FORM コマンドで定義した数値またはプリント形式名を使用します。プリント形式のタイプは,それぞれのシステムによって異なります。 /FORM_MOUNTED 修飾子と /GENERIC 修飾子は同時に使用できません。

/FORWARD=n

現在処理中のジョブで現在のファイルのプリントを再開する前に,指定したページ数だけ用紙を送ります。省略時の設定の値は 1 です。ページ値を省略すると,プリントは次のページの上端から再開します。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/GENERIC[=(キュー名[,...])]

/NOGENERIC

汎用キューを指定します。このキューに置かれたジョブを互換性のある実行キューへ移動して処理できることも指定します。 /GENERIC 修飾子には,ターゲット・キューとして,既にある実行キューの名前 ( 複数可 ) を指定することができます。汎用バッチ・キューの場合は,これらのターゲット・キューは,バッチ実行キューでなければなりません。汎用出力キューの場合は,これらのターゲット・キューは,出力実行キューでなければなりませんが,どのようなタイプ ( プリンタ,サーバ,または端末 ) でもかまいません。たとえば,汎用出力キューのターゲットにプリント・キューと端末キューといった種類の違う出力キューを指定したとしても,両方にジョブを転送できます。

汎用キューのターゲット・ノードのリストを変更するには,/GENERIC 修飾子を使用します。キューは,INITIALIZE/QUEUE/GENERIC コマンドを使用して,汎用キューとして初期化されていなければなりません。

/GENERIC 修飾子を使用してターゲット実行キューを指定しない場合,ジョブは,/ENABLE_GENERIC 修飾子で初期化されていて,かつ,汎用キューと同じタイプ(バッチまたは出力)の実行キューのすべてに移動できます。

キューを汎用バッチ・キューまたは出力キューとして定義するには, /GENERIC 修飾子と同時に,/BATCH 修飾子または /DEVICE 修飾子を使用します。汎用キューを作成する際に,/BATCH 修飾子および /DEVICE 修飾子のいずれも指定しないと,省略時の設定により,キューは汎用プリント・キューになります。

/JOB_LIMIT=n

キューから同時に実行できるバッチ・ジョブの数を指定します。 0 〜 255 の値を指定します。

/LIBRARY=ファイル名

/NOLIBRARY

装置制御ライブラリのファイル名を指定します。出力実行キューを初期化する場合には,/LIBRARY 修飾子を使用すると,代わりの装置制御ライブラリを指定できます。/LIBRARY 修飾子のパラメータには,ファイル名だけを指定することができます。システムは常に,そのファイルが SYS$LIBRARY に置かれていて,そのファイル・タイプが .TLB であると仮定します。

/NEXT

現在中断されているプリント・ジョブを強制終了して,キューにある最初の待ち状態のジョブから処理を開始します。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/NO_INITIAL_FF

/NONO_INITIAL_FF (省略時の設定)

キューを起動する時に,プリンタ・デバイスにフォーム・フィードを送るかどうかを指定します。初期フォーム・フィードを抑止するには,/NI_INITIAL_FF 修飾子を指定します。

/NONO_INITIAL_FF 修飾子を指定すると,出力装置にフォーム・フィードが送られ,紙の一番上から印刷が開始されます。

/ON=[ノード::]装置[:] (プリンタ,端末,サーバ・キュー)

/ON=ノード:: (バッチ・キュー)

この実行キューを置くノードまたは装置,あるいはその両方を指定します。バッチ実行キューの場合は,ノード名だけを指定できます。出力実行キューの場合は,ノード名と装置名の両方を指定できます。

ノード名は VAXcluster システムだけで使用されます。このノード名は,キューが実行される VAX コンピュータのシステム・パラメータ SCSNODE によって指定されたノード名と一致していなければなりません。

/ON 修飾子は,/AUTOSTART_ON 修飾子または /GENERIC 修飾子と同時に使用できません。ただし,/AUTOSTART_ON 修飾子を使用して,既に作成または起動していたキューには,/ON 修飾子を指定できます。これを行うと,/AUTOSTART_ON 修飾子が変更され,キューが非自動起動キューになります。

/OPEN

PRINT または SUBMIT コマンドによって,あるいは REQUEUE 操作の結果として,ジョブをキューに登録できます。ジョブがキューに登録されないようにするには, /CLOSE 修飾子を使用します。キューが新しいジョブ・エントリを受け付けるか否かは,キューの状態 ( 一時停止,終了,または止められている ) とは関係ありません。

/OWNER_UIC=uic

そのキューへの管理(M)アクセス権が必要です。

キューの利用者識別コード (UIC) を変更します。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』の説明に従って,標準形式を使用して UIC を指定します。

/PROCESSOR=ファイル名

/NOPROCESSOR

キューが初期化されたファイルのファイル名を変更するには, OPER ( オペレータ ) 特権が必要です。

出力実行キューに標準以外のプリント・シンビオントを指定できます。 /PROCESSOR 修飾子のパラメータには,任意の有効なファイル名を指定することができます。システムは,装置およびディレクトリ名の SYS$SYSTEM とファイル・タイプ .EXE を追加します。出力キューにこの修飾子を使用すると,実行するシンビオント・イメージは SYS$SYSTEM:filename.EXE になります。

省略時の設定では,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXE が,出力実行キューに対応したシンビオント・イメージです。

/NOPROCESSOR 修飾子を指定すると,/PROCESSOR 修飾子を使用して設定した前の設定はすべて取り消され,SYS$SYSTEM:PRTSMB.EXE が使用されます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス],...)

OPER(オペレータ) 特権,またはキューへの制御 (C) および実行 (E) アクセス権が必要です。

キューの保護を指定します。

保護コードを 1 つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。利用者識別コードに基づいた保護によるキュー操作の制御についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

/RAD=n (Alpha のみ)

キューに割り当てられたバッチ・ジョブを実行する RAD 番号を指定します。 RAD 番号に指定できる有効な値は,0 から $GETSYI アイテム・コード SYI$_RAD_MAX_RADS によって戻される値までの正の整数です。

AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。

/RECORD_BLOCKING

/NORECORD_BLOCKING

シンビオントが出力装置へ転送する出力レコードを連結 ( ブロック化 ) できるかどうかを決めます。/NORECORD_BLOCKING 修飾子を指定すると,シンビオントは,入出力要求ごとに各レコードを出力装置に送信します。標準の OpenVMS プリント・シンビオントの場合は,レコードをブロック化すれば,シングル・レコード・モードよりも性能を大幅に向上させることができます。

/RETAIN[=オプション]

/NORETAIN

ジョブを実行した後に,それらを保持状態でキューに保留します。 /NORETAIN 修飾子を使用すると,そのキューを省略時の設定に再設定できます。使用可能なオプションは,次のとおりです。

ALL 実行後,キューのジョブをすべて保留します。
ERROR 正常に終了できなかったジョブだけを保留します。

PRINT,SUBMIT,または SET ENTRY コマンドに /RETAIN 修飾子を指定すると,ジョブに対するジョブ保持オプションを要求できます。ただし,キューに指定したジョブ保持オプションは,そのキューに要求されたすべてのジョブの保持オプションを無効にします。

/SCHEDULE=[NO]SIZE

出力キューで待ち状態にあるジョブが,ジョブのサイズに基づいてプリント・キューにスケジューリングされるかどうかを指定します。 /SCHEDULE=SIZE 修飾子が有効な場合は,小さいジョブから大きいジョブの順にプリントされます。/SCHEDULE=NOSIZE 修飾子が有効な場合には,ジョブはサイズに関係なく,キューに登録された順序でプリントされます。

キューのいずれかに待ち状態のジョブがあるときにこのコマンドを実行すると,その後のジョブの順序は予測できなくなります。

/SEARCH="検索文字列"

指定した文字列を含むページからプリントを再開するように指定します。文字列の検索は順方向に行われ,現在のページの次のページから開始されます。検索の間,連続するタブとスペースは単一のスペースとみなされ,大文字小文字の区別はありません。検索文字列には 1 〜 63 文字の文字列を指定します。また,文字列全体を二重引用符(" ")で囲みます。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/SEPARATE=(オプション[,...])

/NOSEPARATE

出力実行キューに必須のキュー・オプションまたはジョブ区切りオプションを指定します。ジョブ区切りオプションは,PRINTコマンドでは変更できません。

/SEPARATE 修飾子と /GENERIC 修飾子は同時に使用できません。

ジョブの区切りに関するオプション次のとおりです。

[NO]BURST バースト・ページのバーを含む 2 つのジョブ・フラグ・ページを,各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]FLAG ジョブのフラグ・ページを各ジョブの先頭にプリントするかどうかを指定します。
[NO]TRAILER ジョブのトレーラ・ページを各ジョブの末尾にプリントするかどうかを指定します。
[NO]RESET=(モジュール[,...]) このキューで使用するジョブ・リセット・シーケンスを装置制御ライブラリの中から指定します。指定されたモジュールが装置制御ライブラリから取り出されて,各ジョブの終わりに装置をリセットします。リセット動作はファイル・トレーラの後とジョブ・コントローラの前に行われます。したがって,ジョブの区切りのためのページはすべて,装置がリセット状態においてプリントされることになります。

/SEPARATE=BURST を指定すると,[NO]FLAG 区切りオプションは,ジョブの前にプリントされる 2 つのフラグ・ページに対して,フラグ・ページの追加(または削除)を行いません。

変更できるキュー・オプションの設定についての詳細は, /DEFAULT 修飾子の説明を参照してください。

必須のキュー・オプションの指定についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

/TOP_OF_FILE

出力実行キューが一時停止したときに処理中であったファイルの先頭から,プリントを再開します。この修飾子は,一時停止状態の出力実行キューを再起動する場合にだけ使用します。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セットの省略時の設定の値,つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の設定の値を定義します。この修飾子を指定すると,UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSDEFAULT 修飾子が,実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

Alpha システムの場合はページレット単位 (1 ページレットは 512 バイト) で, VAX の場合はページ単位 (1 ページは 512 バイト) で, n の値を指定します。オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため ( 1 ページの大きさは,CPU によって異なることがあります),Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

値 0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定の値になります。

ワーキング・セットの省略時の設定によるバッチ・ジョブの影響についての詳細は, 表 DCLII-22 を参照してください。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット超過値,つまりジョブが使用できる物理メモリの最大値を定義します。ジョブは,システムに未使用ページが余っている場合にだけ,物理メモリの最大値を使用します。この修飾子を指定すると, UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSEXTENT修飾子が,出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

Alpha システムの場合はページレット単位 (1 ページレットは 512 バイト) で, VAX システムの場合はページ単位 (1 ページは 512 バイト) で, n の値を指定します。オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1 ページの大きさは, CPU によって異なることがあります),Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリの量は指定したものより大きくなることがあります。

値 0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値がワーキング・セットの省略時の設定の値になります。

ワーキング・セット超過値によるバッチ・ジョブの影響についての詳細は, 表 DCLII-22 を参照してください。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブに対して,ワーキング・セット制限値,つまりジョブに対して保証される物理メモリの量を定義します。この修飾子を指定すると,UAF に指定された値は使用されず,修飾子の値が使用されます。

この修飾子は,出力実行キューにも指定できます。その場合,シンビオント・プロセスが作成されるときに, /WSQUOTA修飾子が,出力実行キューのシンビオント・プロセスに対するワーキング・セットの省略時の値を設定します。

OpenVMS Alpha の場合はページレット単位(1 ページレットは 512 バイト)で, OpenVMS VAX の場合はページ単位(1 ページは 512 バイト)で,nの値を指定します。オペレーティング・システムは,この値は,内部でページ単位に切り上げられるため (1 ページの大きさは CPU によって異なることがあります),Alpha システムでは,実際に使用できる物理メモリ量は指定したものより大きくなる可能性があります。

値 0 または NONE を指定すると,UAF または SUBMIT コマンドで指定した値 (指定している場合) がワーキング・セット制限値の省略時の設定になります。

ワーキング・セットの省略時の設定の値,ワーキング・セット制限値,およびワーキング・セット超過値は,UAF システムの各ユーザ・レコードに含まれています。キュー中の各ジョブに対して,またはすべてのジョブに対して,ワーキング・セット値を指定できます。ワーキング・セット・サイズとワーキング・セット制限値を含むさまざまな組み合わせの指定,およびその処理を,表 DCLII-22 に示します。

表 DCLII-22 ワーキング・セットの省略時の設定,超過値,および制限値の決定
SUBMIT
コマンドによって
指定される値
キュー
に指定される値
処理
No No UAF値を使用します。
No Yes キューの値を使用します。
Yes Yes 2つの値のうち小さい方を使用します。
Yes No 指定した値とUAFを比較して,小さい方を使用します。


#1

$ STOP/QUEUE  LPA0
$ START/QUEUE/TOP_OF_FILE  LPA0
 

この例で STOP/QUEUE コマンドは,プリント・キュー LPA0 で現在実行中のジョブを中断して,そのキューを一時停止状態にします。 START/QUEUE コマンドは,そのキューを一時停止状態から解除します。 /TOP_OF_FILE 修飾子を指定しているので,中断されたジョブは,割り込まれた箇所ではなくファイルの先頭からプリントを再開します。

#2

$ INITIALIZE/QUEUE  LPA0
   .
   .
   .
$ START/QUEUE/DEFAULT=FLAG  LPA0
 

この例で INITIALIZE/QUEUE コマンドは,LPA0 という名前のキューを初期化します。その後,START/QUEUE コマンドを使用して,このキューを起動します。 /DEFAULT 修飾子を指定しているので,各ジョブのそれぞれのファイルの先頭にフラグ・ページが付きます。

#3

$ START/QUEUE/DEFAULT=FORM=LN01_PORTRAIT LN01_PRINT

この例で START/QUEUE コマンドは,省略時の設定のプリント形式 LN01_PORTRAIT で LN01_PRINT キューを再起動します。

#4

$ INITIALIZE/QUEUE/START/GENERIC=(A,B)  MYQUEUE
.
.  [new printers X and Y are brought in at a later date]
.
$ STOP/QUEUE/NEXT MYQUEUE
$ START/QUEUE/GENERIC=(X,Y) MYQUEUE
 

この例では,汎用キュー用のターゲット・ノードのリストを変更します。なお,このキューは,以前に汎用キューとして初期化されています。

#5

$ START/QUEUE/RAD=1 BATCHQ1
 
$ SHOW QUEUE/FULL BATCHQ1
Batch queue BATCHQ1, idle, on QUEBID::
 /BASE_PRIORITY=4 /JOB_LIMIT=3 /OWNER=[SYSTEM]
 /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S) /RAD=1

この例は,割り当てられたすべてのジョブを RAD 1 の QUEBID で実行するように BATCHQ1 を変更し,キューが処理のためのジョブを受け入れられるように準備します。


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