OpenVMS
システム管理者マニュアル


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Alpha システムの場合,次の手順に従って,WRITEBOOT ユーティリティを使用します。

  1. 次のコマンドを入力して,WRITEBOOT ユーティリティを起動する。


    $ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
    


    ブート・ブロックの VAX 部分を書き込むか尋ねてくる。


    Update VAX portion of boot block (default is Y): 
    

  2. NO を入力する。

  3. 次のプロンプトが表示される。


    Update Alpha portion of boot block (default is Y): 
    


    Reterun キーを押すと,省略時の設定で Y になる。

  4. Alpha ブートストラップ・イメージの指定を求める次のプロンプトが表示される。


    Enter Alpha boot file: 
    


    Alpha システムの場合,APB.EXE が省略時のブートストラップ・イメージである。次の形式で応答する。


    装置: [VMS$COMMON.SYSEXE]APB.EXE; 
    


    装置には,システム・ディスクの装置名を指定する。

  5. 指定した情報がシステム・ディスクのブート・ブロック (ブロック 0) に書き込まれる。

VAX と Alpha のどちらのシステムの場合でも, WRITEBOOT ユーティリティは,次のエラー・メッセージを表示することがあります。


VAX システムの場合,次のように入力すると,システム・ディスクにブート・ブロックを書き込みます。


$ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
Target system device (and boot file if not VMB.EXE):? DUA0:[VMS$COMMON.SYSEXE]VMB.EXE
Enter VBN of boot file code (default is one):[Return]
Enter load address of primary bootstrap in HEX (default is 200): [Return]

Alpha システムの場合,次のように入力すると,システム・ディスクにブート・ブロックを書き込みます。


$ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
Update VAX portion of boot block (default is Y): N
Update Alpha portion of boot block (default is Y): [Return]
Enter Alpha boot file: DUA0:[VMS$COMMON.SYSEXE]APB.EXE;

4.8 システムのシャットダウン

オペレーティング・システムには,次のシャットダウン・プロシージャが用意されています。

プロシージャ 目的 参照箇所
SHUTDOWN.COM 通常のシャットダウン・プロシージャ。このプロシージャでは,ログインの禁止,バッチと出力キューの停止,ボリュームのディスマウント,ユーザ・プロセスの停止など,ハウスキーピングを行いながらシステムをシャットダウンする。 第 4.8.1 項
OPCCRASH.EXE 緊急のシステム・シャットダウン・プログラム。 SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウンができない場合, OPCCRASH 緊急シャットダウン・プログラムを実行する。 第 4.8.5 項
コンソール・コマンドを使用したシャットダウン 緊急シャットダウン・コマンド。コンソール・シャットダウン・コマンドは, OPCCRASH.EXE が失敗したときだけ使用する。 第 4.8.6 項

4.8.1 SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン

SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM は,通常時にシステムをシャットダウンするときに使用するプロシージャです。シャットダウン・イベントの順序については, 第 4.8.2 項 を参照してください。

SHUTDOWN.COM は変更しないでください。シャットダウン中にサイト別の操作を行う方法については, 第 4.8.3 項 を参照してください。

通常,シャットダウンは,省略時の設定ですべての特権を持つ SYSTEM アカウントから行います。 SHUTDOWN.COM を実行するには,SETPRV 特権,または次のすべての特権が必要です。

AUDIT
CMKRNL
EXQUOTA
LOG_IO
NETMBX
OPER
SECURITY
SYSNAM
SYSPRV
TMPMBX
WORLD

SHUTDOWN.COM が次のメッセージを表示するまでの間であれば, Ctrl/Y を押すことによって,問題なくシステム・シャットダウンをキャンセルできます。


%SHUTDOWN-I-SITESHUT, The site-specific shutdown procedure will now be invoked. 

このメッセージが表示された後で Ctrl/Y を押した場合,すでにシャットダウンされたシステム要素もあるので,手動で回復しなければなりません。たとえば,プロセスの再起動,ディスクのマウント,システムの再ブートなどは手動で行うことになります。

作業方法

  1. システム管理者のアカウント (SYSTEM) か,必要な特権を持つアカウントにログインし,次のコマンドを入力する。


    $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM
    


    このコマンドは,通常のシャットダウン・プロシージャを呼び出す。このプロシージャは,いくつかの質問とメッセージを表示する。省略時の応答が,各質問の最後に括弧に囲まれて表示される。 Return キーを押すと,省略時の応答が選択される。

  2. 次の質問が表示される。


    How many minutes until final shutdown [0]? 
    


    整数を入力する。システム論理名 SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES を定義している場合,入力可能な最小値はその整数値である。たとえば,この論理名を 10 と定義している場合は,最終的なシャットダウン時間として少なくとも 10 分を指定する必要があり,それ以下の時間を指定すると,エラー・メッセージが表示される。値を省略した場合,SHUTDOWN.COM は論理名の値を使用する。

    重要

    省略時の設定ではゼロ (0) 分です。論理名 SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES の定義がなく,かつ値が省略された場合は,最後の質問の応答後ただちにシステムはシャットダウンします。

  3. 次の質問が表示される。


    Reason for shutdown [standalone]: 
    


    システムをシャットダウンする理由を 1 行で入力する。たとえば "Monthly preventive maintenance" と入力する。

  4. 次の質問が表示される。


    Do you want to spin down the disk volumes [No]? 
    


    YES (Y) または NO (N) を入力する。ただし,システム・ディスクを停止することはできない。また多くのディスク,特に SCSI ディスクは停止できない。

  5. 次の質問が表示される。


    Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]? 
    


    サイト別のシャットダウン・プロシージャを呼び出すかどうかを指定する。 SYSHUTDWN.COM にサイト別のコマンドを入力している場合は,Return キーを押す。詳細は 第 4.8.3.2 項 を参照。

  6. 次の質問が表示される。


    Should an automatic system reboot be performed [No]? 
    


    省略時の設定では,システムは自動的な再ブートを行わない。しかし,YES と応答すると,システムは,シャットダウンが終了してから自動的に再ブートを行おうとする。たとえば,SYSMAN または SYSGEN で非動的システム・パラメータ値を変更して,新しい値を有効にするためには,システムを再ブートする必要がある。このような場合は,YES と応答する。

  7. 次の質問が表示される。


    When will the system be rebooted [later]? 
    


    ステップ 6 で YES を入力した場合,この質問に対する省略時の応答は"[shortly via automatic reboot]" となる。
    Return キーを押せば,省略時の値をとる。その他の場合,希望の再ブート時間を任意のフォーマットで入力する。たとえば IMMEDIATELY,IN 10 MINUTES と指定したり, 2 P.M. または 14:00 などの時刻形式で指定することもできる。再びシステムが使用できる時期がはっきりしない場合は, Return を押して "later" を選択する。

  8. プロシージャは,1 つまたは複数のシャットダウン・オプションを指定するよう,次のプロンプトを表示する。ユーザのシステムが OpenVMS Cluster 環境のメンバでない場合,このプロシージャは REBOOT_CHECK と SAVE_FEEDBACK オプションしか表示しない。


    Shutdown options (enter as a comma-separated list): 
     REMOVE_NODE         Remaining nodes in the cluster should adjust quorum 
     CLUSTER_SHUTDOWN    Entire cluster is shutting down 
     REBOOT_CHECK        Check existence of basic system files 
     SAVE_FEEDBACK       Save AUTOGEN feedback information from this boot 
     DISABLE_AUTOSTART   Disable autostart queues 
    Shutdown options [NONE] 
    


    希望のオプションを選択する。次の中から選択すること。

    オプション 説明
    REMOVE_NODE クラスタ内の他のノードの EXPECTED_VOTES システム・パラメータの値を減少させる。このパラメータは,ノードがクラスタに 追加されるたびに自動的に増加される。 REMOVE_NODE を指定しても EXPECTED_VOTES はクォーラム値を下回ることはない。

    このオプションは,シャットダウンするノードが,かなり長い期間クラスタの外にある場合に使用する。

    このオプションを使用する場合,すべてのローカルに接続されたディスクはクラスタ全体でディスマウントされます。このため,ローカルに接続されたディスク上でファイルをオープンした他のノード上のアプリケーションは必ずシャットダウンする必要があります。

    CLUSTER_SHUTDOWN クラスタのシャットダウンの同期をとる。各ノードのシャットダウンが一定のポイントまで進行していないと,シャットダウンは完了しない。

    このオプションは,クラスタ内の各ノードのシャットダウンの同期をとる場合に使用する。

    REBOOT_CHECK シャットダウン完了後,システムの再ブートに必要なファイルが存在するか確認する。

    このプロシージャは,必要なファイルの有無をチェックし,結果をユーザに通知する。処理を続ける前に存在しないファイルを適切な場所にコピーしておく。

    SAVE_FEEDBACK システムが最後にブートされてから集められたそのシステムのフィードバック・データを記録し, AUTOGEN フィードバック・データ・ファイルの新しいバージョンを作成する。このファイルは,AUTOGEN が次回実行されたときに使用される。

    AUTOGEN フィードバック機構の使用方法についての詳細は 第 15.4.1 項 を参照

    DISABLE_AUTOSTART DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドとシステム・シャットダウンの間の時間を指定する。詳細は 第 14.7.1.9 項 を参照



$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN
         SHUTDOWN -- Perform an Orderly System Shutdown
 
How many minutes until final shutdown [0]: 10
Reason for shutdown: [Standalone] MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
Do you want to spin down the disk volumes [No]? [Return]
Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]? [Return]
Should an automatic system reboot be performed [No]? [Return]
When will the system be rebooted [later]? 12:30
Shutdown options (enter as a comma-separated list): 
 REMOVE_NODE         Remaining nodes in the cluster should adjust quorum 
 CLUSTER_SHUTDOWN    Entire cluster is shutting down 
 REBOOT_CHECK        Check existence of basic system files 
 SAVE_FEEDBACK       Save AUTOGEN feedback information from this boot 
 DISABLE_AUTOSTART   Disable autostart queues
Shutdown options [NONE] [Return]
SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:00:00.20
AVALON will shut down in 10 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
%SHUTDOWN-I-OPERATOR, This terminal is now an operator's console.
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:01:00.15  %%%%%%%%%%%
Operator status for operator _AVALON$OPA0:
CENTRAL, PRINTER, TAPES, DISKS, DEVICES, CARDS, NETWORK, OPER1, OPER2,
OPER3, OPER4, OPER5, OPER6, OPER7, OPER8, OPER9, OPER10, OPER11,
OPER12
%SHUTDOWN-I-DISLOGINS, Interactive logins will now be disabled.
%SET-I-INTSET, login interactive limit = 0 current interactive value = 17
%SHUTDOWN-I-SHUTNET, The DECnet network will now be shut down.
SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:05:00.20
AVALON will shut down in 5 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
17 terminals have been notified on AVALON.
SHUTDOWN message on AVALON from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:06:55.28
AVALON will shut down in 3 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:07:12.30  %%%%%%%%%%%
Message from user DECnet on AVALON
DECnet event 2.0, local node state change
From node 2.161 (AVALON), 16-MAY-1998 12:07:22.26
Operator command, Old state = On, New state = Shut
SHUTDOWN message on AVALON user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:08:12.56
AVALON will shut down in 2 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:08:12:30  %%%%%%%%%%%
 
 
 
 
Message from user SYSTEM on AVALON 
 
 
 
 
-SYSTEM-S-NORMAL, normal successful completion
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:08:42.30  %%%%%%%%%%%
Message from user DECNET on AVALON 
DECnet shutting down
%SYSTEM-I-STOPQUEUES, The queues on this node will now be stopped.
SHUTDOWN message on AVALON from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:09:12.56
AVALON will shut down in 1 minute; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:10:00.20
AVALON will shut down in 0 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
17 terminals have been notified on AVALON
%SHUTDOWN-I-SITESHUT, The site-specific shutdown procedure will now be invoked.
%SHUTDOWN-I-STOPUSER, All user processes will now be stopped.
%SHUTDOWN-I-REMOVE, All installed images will now be removed.
%SHUTDOWN-I-DISMOUNT, All volumes will now be dismounted.
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:09:42.30  %%%%%%%%%%%
Message from user System on AVALON 
_AVALON$OPA0:, AVALON shutdown was requested by the operator.
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:10:02.44  %%%%%%%%%%%
Logfile was closed by operator _AVALON$OPA0: 
Logfile was SYS$SYSROOT:[SYSMGR]OPERATOR.LOG;8
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:10:32.20  %%%%%%%%%%%
Operator _AVALON$OPA0: has been disabled, username SYSTEM
        SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE

VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。


USE CONSOLE TO HALT SYSTEM 

このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。 %OPCOM, 16-MAY-2000 12:09:30.00, message from user SYSTEM on AVALON

4.8.2 シャットダウン・イベントの順序

シャットダウンが進行すると,次に示すイベントが順番に発生します。そして,シャットダウン・プロシージャは,イベントごとにメッセージをターミナルに表示します。

  1. SHUTDOWN.COM は,システムのすべてのユーザに対してログアウトを求めるメッセージを時間間隔を狭めながら繰り返しブロードキャストする。

  2. SHUTDOWN.COM は,システム論理名 SHUTDONW$TIME にシャットダウン絶対時刻を定義する。たとえば,SHUTDOWN.COM の実行後,12 時ちょうどに最初の質問に対して 10 と答えた場合,SHUTDOWN.COM は論理名 SHUTDOWN$TIME をその日の 12 時 10 分に設定する。シャットダウンが行われているか,あるいは実際のシャットダウン時間を確認したい場合は, SHOW LOGICAL SHUTDOWN$TIME コマンドを入力する。この機能は,シャットダウン・ブロードキャスト・メッセージを見逃した場合などに便利である。

  3. システム・シャットダウンの遅くとも 6 分前,SHUTDOWN を起動したターミナルはオペレータ・コンソールになる。これにより,SHUTDOWN は以降のすべてのオペレータ以外のログインを無効にする。DECnet ネットワークが動作している場合は,それをシャットダウンする。この時点で,SET HOST コマンドでシステムにログインしたユーザのセッションはなくなる。

  4. シャットダウンの 1 分前,SHUTDOWN.COM はバッチと出力キューを停止し,さらにキュー・マネージャの実行を停止する。

  5. シャットダウン絶対時刻になり,ユーザが要求すれば, SHUTDOWN.COM はサイト別のシャットダウン・コマンド・プロシージャ
    SYS$MANAGER:SYSHUTDWN.COM を起動する。

  6. SHUTDOWN.COM は,残りのすべてのユーザ・プロセスを停止させる。しかし,システム・プロセスの実行は継続される。また,補助制御プロセス (ACP) は,マウントされていたボリュームが最終的にディスマウントされてから,自分を削除する。

  7. マルチプロセッサ・システムの場合,SHUTDOWN.COM は,サブプロセスを停止する。

  8. SHUTDOWN.COM は,インストールされているすべてのイメージを削除する。

  9. SHUTDOWN.COM は,マウントされているすべてのボリュームをディスマウントする。ユーザが要求すれば,ディスクを停止する。SHUTDONW$VERBOSE が定義されていた場合は,ディスマウントされたディスクの一覧が表示される。
    このプロシージャでは,システム・ディスクの停止は行われない。また,クォーラム・ディスクが存在する場合,クォーラム・ディスクのディスマウントや停止も行われない。

  10. SHUTDOWN.COM は,オペレータ・ログ・ファイルをクローズする。

  11. SHUTDOWN.COM は,SYS$SYSTEM:OPCCRASH プログラムを起動して,システムをシャットダウンする。

  12. 必要な制御が行われている場合で自動再ブートの要求があった場合には,システムは再ブートする。自動再ブートを要求するためには,次の質問に YES と答える。


    Should an automatic system reboot be performed [No]? 
    


    自動再ブートの要求がなかった場合は,システム・コンソールには次のようなメッセージが表示される。


    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE 
    


    VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。


    USE CONSOLE TO HALT SYSTEM 
    


    このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。


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