OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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速度は,50,75,100,134,150,300,600,1200,1800,2400,3600, 4800,7200,9600,19200,38400,57600,76800,115200 のいずれかを指定します。回線で速度の分割が可能であれば,入力と出力に違う速度を指定できます。 1 つの速度のみを指定した場合は,その速度が入力と出力の両方に使われます。

/TRANSMIT_ACCM=マスク値,...

ACCM (非同期制御文字マップ) の開始を識別します。このマスクは PPP ドライバによって,非同期ポート用の最終送信 ACCM のネゴシエーションに使用されます。マスクは 0x0 〜 0xFFFFFFFF の範囲で指定します。省略時のマスク値は,0xFFFFFFFF,0x0,0x0,0x60000000,0x0,0x0,0x0 です。マスクは下位のロングワードから上位のロングワードの順に並べられます。最後のマスク・ビットが設定されるまでロングワード・マスクを指定してください。残りのロングワードは 0 に設定されます。 8 ロングワードでは,すべての ASCII 文字位置 (0 〜 255) に 1 つのビットがあります。 0x20 〜 0x3F および 0x5E の ASCII 文字は引用符で囲むことはできません。

説明

SET コマンドは,ターミナル装置の通信属性を指定するために使用します。アドレス圧縮,フロー制御,回線速度などの通信属性は,データの送受信方法を決定します。これらの属性は,CONNECT コマンドまたは DIAL_OUT コマンドを起動するとすぐに有効になります。

注意

DCL コマンド行から SET コマンドを起動すると (PPPD SET/MTU=1000 tta0 など), PPPD ユーティリティは,ユーザが接続を行おうとしており,指定した装置で PPP 接続を開始しようとしているのだと判断します。


PPPD> SET/PERMANENT TTA0:
%PPPD-I-CONNECTTERM, converting connection on device _TTA0: to a 
Point-to-Point connection

この例で,SET コマンドは,シリアル・ポート TTA0 を経由したパーマネント・ネットワーク接続を設定しています。

SHOW

特定のターミナルの通信属性を表示します。

形式

SHOW 装置名[:]


パラメータ

装置名[:]

ネットワーク接続を中継する装置の名前を指定します。装置名の形式は ddcu であり,このうち,dd は装置コードを,c はコントローラの指定を, u はユニット番号を示します。 LAN 装置は,ユニット 0 の装置の名前を指定されます。たとえば,LAN 上の最初のターミナル装置は TTA0,2 番目の装置は TTB0 になります。

修飾子

/ADDRESS_COMPRESSION

アドレス圧縮がオンであるか,オフであるかを示します。

/ALL[=BRIEF] (省略時の設定)

/ALL[=LONG]

現在の装置と通信設定をすべて表示します。 BRIEF 形式は画面用の出力です。LONG は,各設定を 1 行ずつ表示します。

/COUNTERS=(キーワード,...)

指定されたカウンタの現在の値を示します。この修飾子では,次のキーワードを 1 つ以上指定できます。

キーワード 説明
ALL すべてのカウンタを表示する。
BAD_FCS_PACKETS 不良フレーム・チェック・シーケンス (FCS) のパケット・カウントを表示する。
DATA_LOST ハードウェアから報告されたロスト文字のカウントを表示する。
DROPPED_CHARACTERS 破棄されたすべての文字のカウントを表示する。
FRAMING_ERRORS フレーミング・エラーのある文字のカウントを表示する。
LONG_PACKETS 現在の MRU (最大受信単位) 設定よりも長いパケットのカウントを表示する。
RECEIVED_PACKETS 受信した合計パケット・カウントを表示する。
RUNT_PACKETS 文字が非常に少ないパケットのカウントを表示する。
TOTAL_CHARACTERS 受信した全文字のカウントを表示する。
TRANSMITTED_PACKETS 転送した合計パケット・カウントを表示する。

/ECHO=(FAILURE=, INTERVAL=)

LCP (リンク制御プロトコル) エコー要求の数と,回線がダウンしたと見なす前に,応答なしで送信する必要のある要求の時間間隔を指定します。

/FCS_SIZE

現在送受信されている FCS のサイズをビット単位で示します。

/FLOW_CONTROL=(キーワード,...)

非同期物理リンク経由で使用されている現在のフロー制御設定を示します。この修飾子では,次のキーワードのうちの 1 つを指定できます。

キーワード 説明
HARDWARE RTS/CTS フロー制御を使用する。この制御を使用している場合,送信される ACCM (非同期制御文字マップ) は,0x0,0x0,0x0,0x60000000 にできる。/MODEM または /COMMSYNCH に設定された回線のみで有効である。
XON_XOFF (省略時の設定) バンド・フロー制御を使う。この制御を使用している場合,最適の送信 ACCM は 0xA0000,0x0,0x0,0x60000000 である。非同期回線のみで有効である。

/HANGUP

セッションが終了するときに発生するアクションを表示します。

/MAGIC_NUMBER_RETRIES

マジック・ナンバのネゴシエーションを行う際の試行回数を表示します。

/MAXCONFIGURE

ピアが応答していないと見なす前に,肯定応答を受けずに送信された構成要求パケットの数を示します。

/MAXFAILURE

構成肯定応答を送信する前で,かつ,構成が収束していないと見なす前に,送信された構成否定応答の数を表示します。

/MAXTERMINATE

ピアが応答できないと見なす前に,肯定応答を受け取ることなく送信された終了要求パケットの数を示します。

/MRU

回線が受信できる最大のパケットを表示します。

/MTU

回線が送信できる最大のパケットを表示します。

/NETWORK_PROTOCOL

物理リンクで許可されている現在のネットワーク・プロトコルを表示します。

/PASSIVE

この回線がパッシブ回線か,アクティブ回線かを示します。

/PERMANENT

この回線がパーマネント回線か一時的 (非パーマネント) 回線かを示します。

/PROTOCOL_COMPRESSION

プロトコル・フィールドの圧縮状態を示します。

/RECEIVE_ACCM

非同期ポート用の現在の受信 ACCM の値を表示します。

/RESTART_TIMER

要求パケットの送信の時間を計るために使われた時間間隔を表示します。

/SPEED

回線の現在の入力速度と出力速度を示します。

/TRANSMIT_ACCM

非同期ポート用の現在の送信 ACCM の値を表示します。

説明

SHOW コマンドでは,現在のターミナルと通信の設定を表示できます。可能なすべての設定を表示するには,/ALL 修飾子を使用します。


PPPD> SHOW/ALL=BRIEF TTA0:
Line TTA1: is being used for PPP connections 
 
Debug trace:     OFF       Debug mailbox:  
Address comp:    OFF       Max configure:        10  Restart timer:        30 
ASN port name:   ASN13     Max failure:           5 
Echo failure:           0  Max terminate:         2  Receive ACCM:   FFFFFFFF 
Echo intervals:         0  MRU:                1500  Transmit ACCM:  FFFFFFFF 
Flow control:    XON/XOFF  MTU:                1500                  00000000 
Hangup:          DEFAULT   Mode:           ACTIVE                    00000000 
Line type:       TRANSIENT Net protocol:   TCP/IP                    60000000 
Magic retries:          0  Protocol comp:  OFF                       00000000 
Input speed:     DEFAULT   Receive FCS:          16                  00000000 
Output speed:    DEFAULT   Transmit FCS:         16 
 
Counter totals for line TTA0: 
 
Bad FCS packets:                   0   Packets received:                  4 
Data lost (chars):                 0   Packets transmitted:               6 
Dropped chars:                     0   Runt packets:                      0 
Framing errors:                    0   Total chars received:            179 
Long packets:                      0

ポート TTA1 に割り当てられた現在の PPP 属性を表示しています。


第 17 章
POLYCENTER Software Installation ユーティリティ (PRODUCT)

17.1 POLYCENTER Software Installation ユーティリティについて

POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,次のことに使用します。

17.2 POLYCENTER Software Installation ユーティリティの使用法の要約

POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,レイヤード・ソフトウェア製品のインストール,削除,およびその他の操作を実行します。


形式

PRODUCT [サブコマンド製品名 [/修飾子]]


パラメータ

サブコマンド

POLYCENTER Software Installation ユーティリティに実行させる操作を指定します。

製品名

アクティビティを適用する製品の名前を指定します。サブコマンドの中には,このパラメータを必要としないものもあります。 製品名の全体または一部を指定するのに,アスタリスク(*)とパーセント記号(%)のワイルドカード文字を使用することができます。また,製品のリストをカンマ(,)で区切って指定することもできます。

使用法の要約

DCL プロンプトから POLYCENTER Software Installation ユーティリティを使用するには, PRODUCT コマンド,サブコマンド,製品名,およびオプションの修飾子を入力します。次に例を示します。


$ PRODUCT INSTALL COBOL /VERSION=5.3

PRODUCT コマンドはコマンド・プロシージャ・ファイルの中で使用することもできます。

17.3 PRODUCT コマンド

次の表は,PRODUCT コマンドについて説明しています。

コマンド 説明
CONFIGURE 製品構成ファイル(PCF)を作成する。
COPY ソフトウェア製品キットをコピーする。または,別の形式に変換する。
EXTRACT FILE 順編成形式でパッケージされたソフトウェア製品キットから指定されたファイルを検索する。
EXTRACT PDF 順編成形式でパッケージされたソフトウェア製品キットから製品記述ファイル (PDF) を検索する。
EXTRACT PTF 順編成形式でパッケージされたソフトウェア製品キットから製品テキスト・ファイル (PTF) を検索する。
EXTRACT RELEASE_NOTES 順編成形式でパッケージされたソフトウェア製品キットからリリース・ノートを検索する。
FIND 指定されたディレクトリにある製品キットの名前を表示する。
INSTALL 1 つ以上のソフトウェア製品をインストールし,製品データベースを更新する。
LIST 順編成形式でパッケージされた指定の製品キットに格納されているファイルをリストする。
PACKAGE ソフトウェア製品キットを順編成形式または参照形式で作成する。
RECONFIGURE インストール済みの製品の構成を変更し,製品データベースを更新する。
REGISTER PRODUCT まだ製品データベースに登録されていないインストール済みの製品について,その情報を製品データベースに記録する。
REGISTER VOLUME 製品データベースのボリューム・ラベルの変更を記録する。
REMOVE ソフトウェア製品をアンインストールし,製品データベースを更新する。
SHOW HISTORY ソフトウェア製品に対して実行された操作を日付順に表示する。
SHOW OBJECT ソフトウェア製品のインストレーションの際に作成されたオブジェクトに関する情報を表示する。
SHOW PRODUCT インストール済みの製品に関する情報を表示する。
SHOW UTILITY POLYCENTER Software Installationユーティリティに関する情報を表示する。

CONFIGURE

1 つまたは複数の製品の製品構成ファイル(PCF)を作成します。オプションとして,既存の PCF ファイル内の値を使用して,新しい PCF を作成することもできます。

形式

PRODUCT CONFIGURE 製品名[,...] [/修飾子]


パラメータ

製品名

製品構成ファイルを生成する製品,または製品のリストを指定します。

修飾子

/BASE_SYSTEM=基本システム名

指定したものと基本システムが合致するソフトウェア製品を選択します。基本システム名は,ハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムの両方を識別するものです。基本システム名の AXPVMS という名前は OpenVMS Alpha 製品を, VAXVMS は OpenVMS VAX 製品を, VMSは OpenVMS Alpha と VAX のどちらでも使用される製品を表します。

/CONFIGURATION=(キーワード[,...])

構成の指定方法を定めます。次のキーワードが使用できます。

CURRENT これは省略時のキーワードです。製品が最後にインストールまたは再構成されたときの現在値を含んでいる製品データベースの値を使用します。
PRODUCER ソフトウェア製造業者が,このバージョンの製品に対して指定した値を使用します。
INPUT=PCF名 指定された製品構成ファイルの値を使用します。
OUTPUT=PCF名 指定された製品構成ファイルに構成を書き込みます。ファイル名が指定されなかった場合は,現在のディレクトリに DEFAULT.PCSI$CONFIGURATION という名前のファイルを作成します。

キーワード CURRENT,PRODUCER および INPUT は,同時に使用することはできません。ただし,これらのキーワードは,いずれもキーワード OUTPUT と併用することができます。キーワードを 1 つしか指定しない場合は,括弧を省略することができます。

/HELP

/NOHELP (省略時の設定)

製品オプションの詳細な説明文を表示するかどうかを制御します。製品を初めてインストールしたときには,これらの説明文がオプションを選ぶときに役立ちます。後にインストレーションをやり直すときやアップグレードを行う際には,時間を節約するために短い説明文を選ぶとよいでしょう。

/NOHELPを選択した場合は,プロンプトで次の操作を行うことで,疑問点についての詳細な説明文を表示させることができます。

/KIT_ATTRIBUTES=キーワード([,...])

キット・タイプまたはキット形式,あるいはその両方によってキットを選択します。次のキーワードが使用できます。

FORMAT=
形式タイプ
次のように製品キットの形式を指定します。

REFERENCE 製品ファイルがディレクトリ木構造に存在する参照形式。
SEQUENTIAL 製品ファイルがコンテナ・ファイルである <完全な製品名>.PCSI に格納されている順編成形式。

TYPE=
キット・タイプ
次のように製品キットのタイプを指定します。

FULL レイヤード製品 (アプリケーション) ソフトウェア。
OPERATING_SYSTEM オペレーティング・システム・ソフトウェア。
MANDATORY_UPDATE 現在インストールされているソフトウェアに対する必須の修正。このタイプのキットの機能はパッチ・キットと同一です。
PARTIAL 現在インストールされているソフトウェアに対するアップグレード。このキットをインストールすると,製品のバージョンが変わります。
PATCH 現在インストールされているソフトウェアに対する修正。このキットをインストールしても,製品のバージョンは変わりません。
PLATFORM ソフトウェア製品の統合された集合 (製品群とも呼ぶ)。
TRANSITION インストール済みであっても,製品データベースには記録されていない製品 (VMSINSTAL でインストールされた製品など) についての情報を登録する際に使用します。このキットでは製品マテリアルは提供しません。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

POLYCENTER Software Installation ユーティリティの動作に従ってメッセージを表示します。

/PRODUCER=作成者名

指定された製造業者が製造したソフトウェア製品を選択します。

/REMOTE

/NOREMOTE (省略時の設定)

現在実行されているシステム以外のシステムにある製品データベースを使用します。この修飾子は,主に弊社が提供するコマンド・プロシージャの中で使用されます。この修飾子を誤って使用すると, POLYCENTER Software Installation ユーティリティ・データベースやインストール済みの製品が破壊されるといった問題が発生する可能性があります。また,/REMOTE は CONFIGURE コマンドと SHOW コマンドで役立つ場合もあります。

/REMOTE を使用する場合は,次の論理名が定義されていなくてはなりません。


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