OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


前へ 次へ 目次 索引


SHOW VC

PEDRIVER 仮想サーキット・データを表示します。それぞれの VC はチャネルの集合を構成するローカル・システムと遠隔システムの間の SCACP 通信パスです。

使い方に関する注意

SHOW CHANNEL コマンドまたは SHOW VC コマンドを使用すると,ノード名を表示でき,これは単に遠隔ノードの名前を示します。


形式

SHOW VC ノード名


パラメータ

ノード名[,...]

特定のノードを含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。

修飾子

/ALL

すべての VC データを含めます。

/COUNTERS

VC カウンタ・データを含めます。

/EXCLUDE=(ノード名[,...])

特定のノードを除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。

SHOW CHANNEL コマンドまたは SHOW VC コマンドを使用すると,VC 名を表示でき,これは単に遠隔ノードの名前を示します。

/INTERVAL

/COUNTERS の表示に対して,最後に SHOW コマンドを実行した後で変化したカウンタを表示します。

/n

n 番目のページを表示します。複数ページ表示で特定のページを選択するには,表示するページの番号を指定します。

/OUTPUT=ファイル指定

指定したファイルを作成し,そこに出力します。

/SDA

SDA 形式で表示される VC データを含めます。

/SUMMARY

VC 要約データを含めます。これは,/ALL,/COUNTERS,/SDA の修飾子が指定されていない場合の省略時の設定です。

#1

SCACP> SHOW VC

次に似た出力を生成します。


SYS999 PEA0 VC Summary 31-JAN-2001 10:59:08.74: 
 
Remote        Total         Channels ECS MaxPkt  ReXmt  XmtWindow  Xmt     Total    
 Node  State Errors Xmt:TMO Open ECS Pri  Size TMO(uSec) Cur Max Options Pkts(S+R)  
 ----  ----- ------ ------- ---- --- ---  ---- --------- --- --- ------- ---------  
NODE17 Open       7     1346  13   1   0  7460  453639.7   7  31            10040  
NODE22 Open       0 Infinite  13   1   0  1426 3000000.0   1   8                5  
 
   .
   .
   .

#2

SCACP> SHOW VC/ALL

次に似た出力を生成します。


SYS999 PEA0 VC Summary 31-JAN-2001 10:59:11.26: 
 
Remote        Total         Channels ECS MaxPkt  ReXmt  XmtWindow  Xmt     Total    
 Node  State Errors Xmt:TMO Open ECS Pri  Size TMO(uSec) Cur Max Options Pkts(S+R)  
 ----  ----- ------ ------- ---- --- ---  ---- --------- --- --- ------- ---------  
NODE17 Open       7     1346  13   1   0  7460  453639.7   7  31            10040  
NODE22 Open       0 Infinite  13   1   0  1426 3000000.0   1   8                5  
   .
   .
   .

#3

SCACP> SHOW VC/COUNTERS NODE10

名前 (遠隔ノード名) が NODE10 で始まるすべての VC に対して, VC カウンタを表示します。

#4

SCACP> SHOW VC/COUNTERS/INTERVAL
SCACP> SPAWN WAIT 0:0:10
SCACP> SHOW VC/COUNTERS/INTERVAL

最初のコマンドは,最後の SHOW コマンド以降に変わった VC カウンタを表示します。 SPAWN コマンドは DCL WAIT コマンドに対して 10 秒の遅延を挿入するように命令します。 2 番目の SHOW CHANNEL コマンドは,10 秒後のカウンタを表示します。

SPAWN

現在のプロセスのサブプロセスを作成します。 SPAWN コマンドは,サブプロセスのコンテキストを現在のプロセスからコピーします。

形式

SPAWN [コマンド文字列]


パラメータ

コマンド文字列

作成されたサブプロセスのコンテキストで実行されるコマンドの文字列。このコマンド文字列が実行された後,制御は SCACP に戻ります。

修飾子

なし。


SCACP> SPAWN SHOW TIME
24-AUG-2000 15:22:39
SCACP>

現在のプロセスのサブプロセスを作成して,時刻を表示します。

START LAN_DEVICE

指定した LAN 装置の使用を開始するように PEDRIVER に指示します。 LAN 装置で PEDRIVER を起動させるオリジナルの (また,今もサポートされている) 手段は SYS$EXAMPLES:LAVC$START_BUS です。

形式

START LAN_DEVICE LAN 装置名


パラメータ

LAN 装置名[,...]

特定の LAN 装置を含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。

使い方に関する注意


修飾子

/EXCLUDE=(LAN 装置名[,...])

特定の LAN 装置を除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。

使い方に関する注意

SHOW LAN_DEVICE コマンドを使用すると,装置名を表示できます。



SCACP> START DEVICE EWA

LAN 装置 EWA で PEDRIVER を起動します。

START TRACE

PEDRIVER トレースを開始または再開します。トレース・オプションを設定することもできます。

注意

このコマンドは,弊社のサービス担当および OpenVMS Engineering 部門の使用に限定されています。トレース用コマンド,修飾子,およびその出力は今後のリリースで変更する可能性があります。


形式

START TRACE ノード名


パラメータ

ノード名[,...]

特定のノードとの通信についての情報を含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。各ノード名には,オプションの修飾子を使ってローカルや遠隔の装置名を追加することができます。ローカルと遠隔の装置名が何も指定されない場合,指定されたノードに関連する VC およびすべてのチャネルが含められます。

使い方に関する注意

SHOW CHANNEL コマンドを使用すると,ノード名,およびローカルと遠隔の装置名を表示できます。


修飾子

/AFTER=n

トレース停止条件が満たされた後,n イベント用のトレースを続行してから停止します。 /AFTER を指定しない場合は,トレース停止イベント後はトレースは続行されません。 n には 0 〜 FFFFFFF の値を指定できます。

/DEFAULT

トレース・コンテキストを次のような省略時設定に戻します。


       channelname=* 
       /AFTER=0 
       /EVENT=default settings 
       /STOP 
       /SIZE=512 

/EVENT=(イベント1[,...])

特定のイベントのトレースを許可します。指定にはワイルドカードを使用できます。省略時の設定はイベントのサブセットであり,ほとんどのエラーと状態の変更が含まれます。

/EXCLUDE=(LAN 装置名[,...])

特定の LAN 装置を除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。

/LOCAL_DEVICE=(LAN 装置名[,...])

チャネルのローカル終端を識別する特定の LAN 装置を含めます。 LAN 装置の指定にはワイルドカードを使用できます。

/REMOTE_DEVICE=(LAN 装置名[,...])

チャネルの遠隔終端を識別する特定の LAN 装置を含めます。 LAN 装置の指定にはワイルドカードを使用できます。

/STOP=(イベント[,...])

特定のイベントに対するトレースを停止します。指定にはワイルドカードを使用できます。省略時の設定では,イベントは何も停止しません。

/SIZE=n

各トレース・バッファ用に PEDRIVER が使用する n バイトのトレース・バッファ・サイズを指定します。トレース・バッファのうち 1 つはグローバルな PEDRIVER の使用に, 1 つは選択した各チャネル用に,1 つは選択した各 VC 用になります。 n には 0 〜 FFFFFFF の値を指定できます。

使い方に関する注意


#1

SCACP> START TRACE/EVENT=CC_STATE/SIZE=2000

Trace Channel Control 層の状態を 2000 バイトのトレース・バッファに変更します。

#2

SCACP> START TRACE/EVENT=ALL NODE10,NODE20

NODE10 と NODE20 のみのチャネル用のすべてのイベントをトレースします。

#3

SCACP> START TRACE/LOCAL=EWA/REMOTE=EWB NODE10, 
NODE15/L=F*/R=F*, NODE20

このコマンドは次のコマンドと同じです。


START TRACE NODE10/L=EWA/R=EWB, NODE15/L=F*/R=F*, NODE20/L=EWA/R:EWB 

次のチャネルに対してトレースを開始します。

STOP LAN_DEVICE

PEDRIVER に対して,指定された LAN 装置の使用を停止するように指示します。 LAN 装置で PEDRIVER を停止させるオリジナルの (また,今もサポートされている) 手段は SYS$EXAMPLES:LAVC$STOP_BUS です。

注意

クラスタに通信を提供している装置のみを停止するために STOP LAN_DEVICE または SYS$EXAMPLES:LAVC$STOP_BUS のいずれかを使用する場合,システムは CLUEXIT になります。


形式

STOP LAN_DEVICE LAN 装置名


パラメータ

LAN 装置名[,...]

特定の LAN 装置を含めます。指定にはワイルドカードを使用できます。

使い方に関する注意


修飾子

/EXCLUDE=(LAN 装置名[,...])

特定の LAN 装置を除外します。指定にはワイルドカードを使用できます。


SCACP> STOP LAN_DEVICE EWA

LAN 装置 EWA の PEDRIVER を停止します。

STOP TRACE

PEDRIVER トレースを停止します。 SHOW TRACE コマンドを使用すると,それまで記録したトレース・データを読むことができます。

使い方に関する注意

トレース動作を初期設定に戻すには, SET TRACE/DEFAULT コマンドを入力します。

注意

このコマンドは,弊社のサービス担当および OpenVMS Engineering 部門の使用に限定されています。トレース用コマンドとその出力は今後のリリースで変更する可能性があります。


形式

STOP TRACE


パラメータ

なし。

修飾子

なし。


SCACP> STOP TRACE

PEDRIVER トレースを停止します。


第 19 章
Show Cluster ユーティリティ (SHOW CLUSTER)

19.1 SHOW CLUSTER について

OpenVMS のShow Clusterユーティリティ (SHOW CLUSTER) は, OpenVMS Cluster 内のノードを監視し,クラスタの動作と性能に関する情報を表示します。SHOW CLUSTER は,システム通信サービス (SCS) データベース,接続管理データベース,ポート・データベースから情報を収集します。SHOW CLUSTER が

表 19-1 は,SHOW CLUSTER からのデータ出力クラスの一覧です。

表 19-1 SHOW CLUSTER 情報のクラス
クラス 説明
CIRCUITS ローカル・ポート名,遠隔ポートのタイプと番号,サーキット上の接続数,サーキット状態など,システム上の仮想サーキットに関する情報
CLUSTER OpenVMS Cluster を作成した時間,最後にシステムが VMScluster に追加または削除された時間,OpenVMS Cluster クォーラムなど,一般的な OpenVMS Cluster 情報
CONNECTIONS ローカル・プロセスと遠隔プロセスの名前,接続の状態など,仮想サーキットを通して確立する接続の情報
COUNTERS アプリケーション・データグラム数,送受信したアプリケーション・メッセージ数など,接続トラフィックの累積統計
CREDITS 各接続の送信クレジットと受信クレジット
ERRORS 各ポートで発生したエラー数と,これらのポートの再初期化関連情報
LOCAL_PORTS 各ポートの名前,番号,状態,各ポートのキューのエントリ数など,OpenVMS Cluster に対するローカル・システム・インタフェース情報
MEMBERS 各ノードの識別番号,クォーラム状態,接続状態などのノード固有情報
SYSTEMS ノード識別番号,ノード名,ハードウェア・タイプ,ソフトウェア・バージョンなど,OpenVMS Cluster 内のすべてのシステムに関する情報

各クラスは,複数のデータ・フィールドで構成されます。たとえば,CIRCUITS クラスのフィールドは 11 個,ERRORS クラスは 3 個,SYSTEMS クラスは 10 個あります。ADD (フィールド) コマンドの項に,クラスごとのフィールドを一覧しています。

SHOW CLUSTER は,必要に合わせてクラスやフィールドを追加または削除し,必要な情報を表示するようにカスタマイズできます。たとえば,CLUSTER クラスや LOCAL_PORTS クラスに属するフィールドを追加すると,そのクラスの情報を表示する欄が表示に追加されます。

省略時の設定では,SYSTEMS クラスの NODE フィールドと SOFTWARE フィールド,MEMBERS クラスの STATUS フィールドが表示されます。 図 19-1 は,HW_TYPE,VOTES,TRANSITION_TIME のフィールドを省略時の表示に追加した表示のカスタマイズ例です。

図 19-1 SHOW CLUSTER レポート


SHOW CLUSTER は,ほぼ 100 フィールドのデータを網羅しているので, 画面に収まらなくなることがよくあります。このため,表示を制御する,次のメカニズムが用意されています。

SHOW CLUSTER には多くの修飾子とコマンド,1 つの定義可能キーパッドがあり,それらを利用して表示をカスタマイズすることができます。具体的には,ウィンドウの位置を変更したり,ウィンドウの内容をスクロールしたり,表示を更新する間隔を変更したりできます。この章では,SHOW CLUSTER の修飾子とコマンドに関するリファレンス情報を記載します。キーパッドの使用方法については, 付録 I を参照してください。

SHOW CLUSTER コマンドに慣れてくると,自分にとって本当に必要なクラスやフィールドが分かってきます。スタートアップ初期化ファイルを作成すれば,ユーザ独自の省略時のレポート・フォーマットを設定できます。また,SHOW CLUSTER を会話形式で使用する,コマンド・プロシージャの作成やキーパッドの指定もできます。

SHOW CLUSTER の出力をカスタマイズすると,インストレーションに関連するデータだけを表示できます。 SHOW_CLUSTER$INIT:SHOW_CLUSTER.INI という初期化ファイルの作成については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

SHOW CLUSTER のキーパッドをカスタマイズすると,省略時のキーパッドの機能をサイト固有の機能に再定義できます。SHOW CLUSTER のキーパッド・コマンドについては 付録 I を参照してください。


前へ 次へ 目次 索引