本書では日本語OpenVMSのユーザの方々に,日本語のために拡張された 画面管理実行時ライブラリ・ルーチンについて説明します。これらのルーチンは, 日本語OpenVMSのもとで実行されます。本書は,日本語画面管理ルーチン (以下,日本語SMGルーチンと呼ぶ)の使い方を説明し,さらに参照情報を示します。
本書は,実行時ライブラリ・ルーチンを使用するシステム・プログラマと アプリケーション・プログラマを対象にしています。
本書は2つのセクションで構成されています。
第1部は7つの章に分かれています。
| 第1章 | 日本語SMGルーチンを示し,おもなSMG$の構成要素の概要を示します。 |
| 第2章 | 日本語SMGが提供する出力操作について説明します。 |
| 第3章 | 仮想キーボードからの入力を実行するために使用する 日本語SMGルーチンについて説明します。 |
| 第4章 | 日本語SMGの高度な機能について説明します。 |
| 第5章 | フォーリン・ターミナルをサポートする方法について説明します。 |
| 第6章 | 新しいプログラムを開発するために日本語SMG を使用する時の望ましい方法について説明します。 |
| 第7章 | VMS Calling Standardに準拠した言語からSMG$ルーチンを呼び出す例を示します。 |
第2部は日本語SMGリファレンス・セクションです。
| 日本語SMGリファレンス・セクション | 実行時ライブラリの日本語SMGに含まれている各ルーチンの詳細な参照情報です。 この情報は,『OpenVMS Programming Interfaces: Calling a System Routine』に 説明されている形式を使用して示されています。ルーチンの説明はルーチン名の アルファベット順に並べられています。 |
実行時ライブラリ・ルーチンは複数の参照マニュアルに説明されています。 実行時ライブラリの概要と実行時ライブラリ・ルーチンのアクセス方法の説明は, 『OpenVMS Programming Interfaces: Calling a System Routine』 にまとめられています。他のRTLの機能の説明と,各機能に対応するルーチン およびその使い方は,次のマニュアルに説明されています。
OpenVMSプロシージャ呼び出し/条件処理標準規則は 『OpenVMS Programming Interfaces: Calling a System Routine』および 『OpenVMS Calling Standard』に説明されており, 実行時ライブラリ・ルーチンを使用する人にとって役立つ情報がまとめられています。
どの言語を使用するアプリケーション・プログラマも,モジュール方式の プログラミング標準規則と他のカイドラインについて, 『VMS User's Manual』を参照してください。
高級言語プログラマは,各言語の参照マニュアルに示されている 実行時ライブラリ・ルーチンの呼び出しに関する補足情報を参照してください。 補足情報はまた,VMS Calling Standardに準拠した言語に添付されている 言語のユーザ・ガイドにも示されています。
OpenVMSドキュメンテーション・セットに含まれているマニュアルの完全なリスト とその説明については,『Overview of OpenVMS Documentation』を参照してください。
かな漢字変換キーの設定については『ユーザ・キー定義 利用者の手引き』 を参照してください。
本書では以下の表記法を使用します。
| 表記法 | 意味 |
|---|---|
| <Return> | 四角形で囲まれたこの記号は, キーボードのキーを押すことを示します。たとえば,<Return>は Returnキーを押すことを示します。 |
| [Ctrl/x] | [Ctrl/x]の記号は,Ctrlキーを押しながら, 同時にあるキーを押すことを示します。たとえば,[Ctrl/c]はCtrlキーと c文字キーを同時に押します。 |
| <PF1/X> | <PF1/X>の記号は,最初に <PF1>キーを押し,離した後,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを 押すことを示します。 |
| . . . | 例の中で水平反復記号は,次のいずれかを示します。
|
|
. . . | 垂直反復記号は,コード例やコマンド形式から項目が省略されていることを示します。 このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって 重要でないからです。 |
| ( ) | 括弧は,複数のオプションを選択するときに, 選択項目を括弧で囲まなければならないことを示します。 |
| [ ] | 大括弧は,項目が省略可能であることを示します。 |
| { } | 中括弧は,必ず1つを選択しなければならない項目を 囲むために使用します。 |
| 英大文字 | 英大文字は,コマンド,修飾子,パラメータ, ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名, システム特権の短縮形を示します。 |
| 太字 | 太字のテキストは,新しい用語を導入する場合や,
引数,属性,条件の名前を示すために使用します。
また,マニュアルのオンライン・バージョンでユーザ入力を示す場合も, 太字のテキストを使用します。 |
| イタリック体 | イタリック体のテキストは, システム・メッセージやコマンド・ラインの中で,変化する可能性のある 情報を示します。 |
| − | コード例で使用されているハイフンは, 要求に対する追加引数が後続の行に指定されることを示します。 |
| 数字 | 特に示した場合を除き,説明文の内部で使用している数字は すべて10進数です。数値が10進数以外(2進数,8進数,16進数)の場合には, そのことが明記されます。 |
実行時ライブラリ・ルーチンの説明で使用される他の表記法については, 『OpenVMS Programming Interfaces: Calling a System Routine』 を参照してください。
日本語SMGでは次の漢字ターミナルをサポートします。
表 1は,各漢字ターミナルがサポートする文字集合を 表しています。
| 文字集合 | VT80 | VT280シリーズ | VT382F |
|---|---|---|---|
| ASCII文字集合 | ○ | ○ | ○ |
| DEC特殊文字集合 | ○ | ○ | ○ |
| DEC補助文字集合 | ○ | ○ | |
| ローマ字文字集合 | ○ | ○ | ○ |
| JISカタカナ文字集合 | ○ | ○ | ○ |
| DEC漢字文字集合 | ○ | ○ | ○ |
| ISO Latin-1補助文字集合 | ○ |
カラム数は,SMG$PUT_CHARSルーチンがターミナル画面に書き込む ASCII文字単位によってカウントされます。
行数は,SMG$PUT_CHARSルーチンがターミナル画面に書き込む ASCII文字単位によってカウントされます。
値が未定義で,文字集合が認識されない文字ですが,他の属性は ASCII文字と同じです。
プログラムが日本語SMGルーチンを呼び出してデータを書き込む四角い領域です。
このバージョンでは,ビデオ・ターミナルの表示可能な部分を示します。
日本語SMGのこのバージョンでは,ターミナル画面とほぼ同義です。