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4 DCPSに影響を与えるその他の制限事項

この章では,日本語DECprint Supervisorに影響を与えることが確認されているその他の問題, ならびにその問題を処理する必須パッチ・キット("ECO") についての情報を提供します。

次のような方法で必須パッチ・キットを入手し,アップデートすることが可能です。

4.1 IP名を指定した場合のシンビオントの中断

AlphaシステムでDIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS V5.0とともにDCPS を使用する場合,DCPSプリント・シンビオントが中断する可能性があります。 次のようなOPCOMメッセージが表示されます。

%%%%%%%%%%%  OPCOM   3-MAR-1999 15:38:25.08  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on FUNYET
Process SYMBIONT_407: %SYSTEM-F-STKOVF, stack overflow, PC=00000000003237A4, PS=0000001B

%%%%%%%%%%%  OPCOM   3-MAR-1999 15:38:25.14  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on FUNYET
%QMAN-E-SYMDEL, unexpected symbiont process termination

%%%%%%%%%%%  OPCOM   3-MAR-1999 15:38:25.17  %%%%%%%%%%%
Message from user SYSTEM on FUNYET
-SYSTEM-F-STKOVF, stack overflow, PC=0000000000000000, PS=00000000

%SYSTEM-F-STKOVF, stack overflow, PC=0000000000032F1C, PS=0000001B

  Improperly handled condition, image exit forced.
    Signal arguments:   Number = 0000000000000003
                        Name   = 0000000000000554
                                 0000000000032F1C
                                 100000000000001B

    Register dump:
    R0  = 0000000000000000  R1  = 0000000000000554  R2  = 0000000000010220
    R3  = 0000000000020018  R4  = 0000000000000000  R5  = 0000000000011588
    R6  = 0000000000000000  R7  = 000000000000000B  R8  = 000000007AF2EFD8
    R9  = 0000000000FB132C  R10 = 000000007AF2F169  R11 = 000000007AF2F5E0
    R12 = 00000000000230D8  R13 = 000000007B022330  R14 = FFFFFFFF8101A7C0
    R15 = 0000000000000554  R16 = 0000000000000554  R17 = 0000000000000000
    R18 = 000000000000000C  R19 = 0000000000000001  R20 = FFFFFFFF83BB0000
    R21 = FFFFFFFDFF7FE000  R22 = FFFFFFFF800D5160  R23 = 000000007FFA1FC0
    R24 = 000000007AF2EFD8  R25 = 0000000000000001  R26 = 0000000000032F1C
    R27 = 000000007B562E00  R28 = 100000000000001B  R29 = 000000007AF2EFA0
    SP  = 000000007AF2EF90  PC  = 0000000000032F1C  PS  = 100000000000001B

この問題は,TCP/IPホスト名がDNSサーバによりアドレスに変換される場合に発生します。 この問題を回避するには,キュー作成時にプリンタのTCP/IP アドレスを使用するか,ローカル・ホスト・ファイルにプリンタのTCP/IP 名を記述するようにします。

この問題はVAXシステムでのTCP/IP Services V5.0では発生しません。また,TCP/IP Services V4.2 以前のバージョンでも発生しません。現在のところ, この問題を解決するパッチあるいはECOは存在しません。

4.2 マルチストリーム・シンビオントでのキュー起動の問題

マルチストリーム・プロセスとして日本語DECprint Supervisorを起動している場合は,Queue Manager 必須アップデートを必ずインストールしなければなりません。

Queue Manager必須アップデート・キットは次のとおりです。

上記のアップデートは,マルチストリーム・シンビオントを起動している特定の環境下でSTART/QUEUE コマンドがハングするという問題を解消します。 キットで提供されているリリース・ノートには,このアップデートによって解消されるすべての問題について記述しています。 このアップデートをインストールした後には, システムをリブートして変更を有効にする必要があります。

このアップデートをインストールしていないと,マルチストリーム・プロセスで起動しているキューをSTOP/QUEUE/RESET を使用して停止した後,直ちにSTART/QUEUE を使用して起動した場合に,ハングする可能性があります。 さらに,次のメッセージがOPCOMに書き込まれることがあります。

     %DCPS-F-STREAMUSE, Request 4 for Stream Id x ignored.
     Not consistent with symbiont state

ハング状態から回復するには,Ctrl/Yを押してDCLプロンプト表示に戻り, 続いて再度STOP/QUEUE/RESETを実行し,数秒待ってから再度キューを起動するようにします。 この問題の回避策は,Queue Managerアップデートをインストールすることです。

4.3 LAT接続および直接接続プリンタのキュー起動の問題

OpenVMS V7.0ターミナル・ドライバに問題があり,DCPSでLAT接続および直接接続プリンタを使用することができない場合があります。 現象としては, 対応するキューを起動することができず,OPCOMに次のようなメッセージが書き込まれます。

     %%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.73 %%%%%%%%%%%
     Message from user SYSTEM on FUNYET
     Queue SYS$PRINT: %DCPS-E-UNSUPPORTED, unsupported operation or
     function

     %%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.74 %%%%%%%%%%%
     Message from user QUEUE_MANAGE on FUNYET
     %QMAN-I-QUENOTSTART, queue SYS$PRINT could not be started on node
     FUNYET

     %%%%%%%%%%% OPCOM 31-OCT-1995 21:53:55.74 %%%%%%%%%%%
     Message from user QUEUE_MANAGE on FUNYET
     -SYSTEM-F-ABORT, abort

この現象は継続して発生する場合もありますし,断続的に発生する場合もあります。 キューの起動を何回か続けて試みると,正しく起動できる場合もあります。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.4 シリアル接続プリンタのI/Oエラー

OpenVMSターミナル・ドライバに問題があり,OpenVMSシステムのシリアル・ ポートに接続したプリンタがI/Oエラーを通知する場合があります。 この問題は,使用しているシリアル・ポートの種類に依存していますが, OpenVMS Alpha V6.2〜V7.0およびOpenVMS VAX V5.5〜V7.0で発生します。

問題は,プリンタのデータ消失防止用のXOFF要求に対して,ターミナル・ ドライバの応答が遅くなる場合があることです。

この問題はOpenVMS Alpha V7.1で解消されました。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.5 不十分なダイナミック・メモリ・エラーによるシンビオントの強制終了

OpenVMS VAX V7.0およびV7.1システムのDECthreadsに問題があり, INSFMEMエラーを発生してDCPSシンビオントが強制終了する場合があります。DCPS シンビオントは毎回,前回よりも多くのメモリを消費し,最終的には利用可能なダイナミック・ メモリよりも多くのメモリを取得しようとして強制終了します。 シンビオントの強制終了が発生する確率は,シンビオントが新たにプリント・ ジョブを処理するたびに増加します。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。

4.6 アクセス違反あるいは不正パラメータ・エラーによるシンビオントの強制終了

1997年5月19日以降,場合によってはCMA (DECthreads)機能に問題があることを示すACCVIO あるいはBADPARAMエラーが発生して,DCPSシンビオントが強制終了する可能性があります。DECthreads 機能に基づくDIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSおよびその他レイヤード製品を含むシステム上のソフトウェアは, この日付以降に障害が発生する可能性があります。

この問題は,デルタ時間が10,000日よりも短いという長年のOpenVMS の制限に関連しています。特に,UNIX基準時間として1970年1月1日を使用しているPOSIX 関連のソフトウェアは,1997年5月19日以降にこの制限を超えます。 デルタ時間の制限については,OpenVMSのWebページ(www.openvms.digital.com) を参照してください。

この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。


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