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4 PCからのファイルのコピーおよび印刷

この章では,PCからの印刷方法のヒントを提供します。DOSあるいはアプリケーションから印刷するための固有の情報については,DOS Help あるいはアプリケーション・ ドキュメントで提供されている情報を参照してください。

4.1 PCからOpenVMSシステムへのファイルのコピー

PCからOpenVMSシステムにファイルをコピーしてから印刷する場合は,そのファイルは 表 4-1に示すOpenVMSファイル形式のいずれかでなければなりません。

表 4-1 PCファイル交換形式

OpenVMSレコード形式 レコード属性 ファイル作成方法
ストリーム 任意 PATHWORKS COPYコマンドを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式
可変長 なし バイナリ・モードでKERMITを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式
未定義 任意 一部のアプリケーションで作成される,バイナリ・データを含むファイルの場合に使用可能な形式
固定長 なし PATHWORKS Network File Transfer (NFT)ユーティリティを使用し, COPY/IMAGEコマンドを使用してPCからOpenVMSに転送されたファイルの形式

4.2 PCからのバイナリ・ファイルの印刷

バイナリ・データを含むファイル(イメージやフォントなど)を, PATHWORKSを使用してPCから直接印刷する場合には,NET PRINTコマンドではなく,COPY/B コマンドを使用しなければならないことがあります。 たとえば,次のコマンドを使用すると,印刷されないファイルが作成される可能性があります。

      M:\>  NET PRINT file LPT1: /PARAMETERS="DATA_TYPE=PCL"

この場合には,次のコマンドを使用してファイルを印刷してください。

      M:\> NET PRINT LPT1:  /SET /PARAMETERS="DATA_TYPE=PCL"

      M:\> COPY/B font-or-macro-file.dat + data-file.dat LPT1:

NET PRINTコマンドはPATHWORKSバージョン3.0およびバージョン4.0でサポートされます。

4.3 PCあるいはMacintoshシステムで作成されたファイルの印刷

最終的にDECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアを使用して印刷するPostScript ファイルを,PCあるいはMacintoshシステムで作成している場合は, 次の事項に注意してください。

  1. プリンタ固有のコードの使用

    PCおよびMacintoshプリンタ・ドライバは,ドライバを構成したプリンタおよびプリンタ・ オプションに固有のPrintScriptコード(たとえば, プリンタのブランド名,モデル名,使用可能なトレイ,両面印刷が可能かどうか, プリンタ内の使用可能なメモリなど)を作成します。 そのファイルを異なるタイプのプリンタあるいは異なるオプションを持つプリンタに印刷した場合, 正しく印刷されない可能性があります。

    最終的に使用するプリンタおよびプリンタ・オプションに固有なファイルを作成するようにしてください。 そうでない場合は,汎用プリンタ( たとえば,オプションを指定せず,移植性を最適化したPostScript レベル1)を選択して,複数のプリンタ構成にそのファイルを印刷することができるようにしてください( 第6.5 節を参照)。

  2. 固有の機能に対するPostScriptコードの使用

    PCおよびMacintoshアプリケーションおよびプリンタ・ドライバは,ファイル作成時に選択したプリンタ機能に固有のPostScript コード(たとえば, 使用するトレイ,ソートされない部数,片面印刷か両面印刷かなど) を作成します。PostScriptファイルにそのような機能を明示的に指定している場合, それに対応したDCPSパラメータ(たとえば, INPUT_TRAY,OUTPUT_TRAY,SHEET_COUNT,SIDESなど)はそのプリント・ ジョブに影響を与えません。

    アプリケーションおよびプリンタ・ドライバが現在のプリンタ・ジョブに対して省略時の特定の設定値( たとえば,給紙トレイ)を使用できるようになっている場合は,DCPS パラメータを使用して必要な設定を指定してください。 そうでない場合は,アプリケーションおよびプリンタ・ ドライバを使用して特定の機能を指定し,対応するDCPSパラメータを指定しないようにしてください。

  3. プリンタ固有の設定についての仮定

    プリンタの物理的な設定は,プリンタにより,また時間により異なる可能性があります。 たとえば,プリンタの上段のトレイに黄色の用紙が装着されていることを知っていて, 黄色の用紙に印刷したい場合は, 上段給紙トレイに印刷することでPostScriptファイルを作成することができます。 しかし,そのファイルを同一ブランドの同一モデルの別のプリンタに送信した場合, あるいは以前と同一のプリンタであっても後日に送信した場合は, 上段トレイには別の用紙が装着されている可能性があります。

    DCPSで指定することができないプリンタ機能,あるいはアプリケーションおよびプリンタ・ ドライバでも指定することができないプリンタ機能( たとえば,用紙のタイプ)については,ファイルを送信する前に, 印刷を行うプリンタの物理設定が必要とする設定となっていることを確認してください。 そうでない場合は,上記の1および2の項目に示す理由のため, ファイルを再度作成する必要があります。

4.4 Adobe Windowsプリンタ・ドライバを使用した印刷

Adobe Windowsプリンタ・ドライバを使用したPostScript出力ファイルを印刷する場合の改行の問題を避けるには, 次の手順に従ってください。

  1. ドライバのセットアップ・ウィンドウのPSオプション・メニューを選択します。

  2. プロトコル・オプション項目を「なし(AppleTalk)」に変更します。

  3. バイナリ・データ送信機能を無効にします。

4.5 Microsoft Windows PSCRPTドライバを使用した印刷

Microsoft WindowsアプリケーションからMicrosoft PSCRPT.DRVドライバを使用して正しく印刷するには, 次の手順に従ってください。

  1. PostScript文書を印刷する前に,WIN.INIファイルの各[ printer, port]の組み合わせについて,次の変数を入力してください。
         LandscapeOrient=270
         CtrlD=0
    

  2. プリンタ設定の[高度なオプション]というダイアログ・ボックスに次のオプションを設定します。

この手順により,多くのプリンタに印刷可能なPostScript文書を作成することができます。

印刷に失敗したPostScript文書を再作成することができず,印刷に失敗したプリンタで印刷に失敗したPostScript 文書を印刷しなければならない場合は, プリント・ジョブを変更して,認識されないPostScript命令を無視するようにしてください。 プリント・ジョブの変更についての詳細は,第6.6節を参照してください。

4.6 Network Printer Setupユーティリティの使用

Network Printer Setupユーティリティを使用すると,PCユーザはPATHWORKS を経由してDECprint Supervisor for OpenVMSオプションを使用することができます。このユーティリティにより,PATHWORKS サーバがホストしているネットワーク・プリンタ上で, 用紙の片面に2ページあるいは4ページの印刷あるいは複数の部数の印刷などのオプションを設定することができます。

4.6.1 ソフトウェア要件

Network Printer Setupユーティリティは,PATHWORKSバージョン4.0, 5.0,5.1サーバで動作します。

Network Printer Setupユーティリティは,Windows Helpを持つWindowsユーティリティ(PRINTOPT.EXE) およびDOSユーティリティ(PRINTSET.EXE)として提供されています。 このユーティリティのファイルは,次のところに置かれています。

     SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS.NETPRINT]NETPRX11.ZIP

このユーティリティのインストレーションおよび使用法については,同一ディレクトリに置かれているREADME.TXT ファイルの指示に従ってください。


注意
このユーティリティはPATHWORKS ユーザに使用可能ですが,正式なサポート製品ではありません。

4.6.2 Network Printer Setupユーティリティの機能

Network Printer SetupユーティリティはPATHWORKSサーバの省略時のオプション値を設定し, ネットワーク接続されたプリンタに出力されたすべてのジョブに適用されます。 たとえば,このユーティリティを使用して省略時の部数, 省略時の印刷方向,省略時のページ・オプションを設定することができます。

異なるプリンタ接続は,異なる省略時の設定値を持っている可能性があります。 このユーティリティを使用して省略時の設定値を設定した後, Windowsアプリケーションからの直接印刷,DOSアプリケーションからの直接印刷, ネットワーク・プリンタ・ポートへのファイルのコピーのいずれかの方法により, そのプリンタを通常使用するプリンタとして使用してください。

Network Printer Setupユーティリティを使用して指定可能なオプションのいくつかは,DECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアで制御されるPostScriptプリンタだけでサポートされています。 たとえば,NUMBER_UPはDECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアの機能です。


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