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9 PCLファイルの印刷

9.1 PCLファイルの印刷方法

PCLファイルは次のいずれかの方法で印刷されます。

  1. PCLトランスレータ

    DCPS-Plusには,PCL4データを含むファイルのトランスレータが含まれており, 弊社のPostScriptプリンタはHewlett-Packard LaserJet IID プリンタをエミュレートすることができます。DCPSは,PCL5,PCL6, HPGLプリンティング言語は変換しません。DECprint SupervisorソフトウェアがPCLファイルを自動的に検出しない場合には,DATA_TYPE パラメータを使用してデータ・ タイプを明示的に指定することができます。次の例を参照してください。

         $ PRINT/PARAMETERS=DATA_TYPE=PCL MYFILE.PRN
    

  2. ネイティブPCLモード

    一部のPostScriptプリンタにはPCLモードがあり, DECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアはこのモードを使用することができます。 プリンタがPCLモードをサポートしていて, ユーザがファイルのPostScriptへの変換を要求するパラメータを指定しない場合, ジョブは自動的にPCLモードで印刷されます。 これをネイティブPCLモードと呼びます。

    プリンタがネイティブPCL5をサポートしていて,HPGLファイルが適切なPCL5 エスケープ・シーケンスで囲まれている場合は,そのHPGLファイルをプリンタに送信することができます。

    この方法でPCLファイルを印刷する場合には,DCPS-Plusライセンスは必要ありません。

図 9-1に,DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアがPCLファイルを処理する方法を示しています。

図 9-1 DCPSのPCLファイルの処理方法

9.2 ネイティブPCLモードでのファイルの処理

プリンタ固有の機能を犠牲にすることなく,プリンタでネイティブPCLモードを利用するために,DECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアは次のような動作をします。

  1. プリント・ジョブに関する初期情報(ジョブおよびファイル・ フラグ・ページを含む)をPostScriptモードで印刷します。

  2. プリンタをPCLモードに変更する制御シーケンスをプリンタに送信します。

  3. PCLファイルをプリンタに直接送信し,そのファイルを印刷します。

  4. プリンタをPostScriptモードに戻し,トレーラ・ページを印刷します。

プリント・ジョブにPostScriptセットアップ・モジュールとPCLセットアップ・ モジュールの両方を含めることができますが,その効果は変換されたプリント・ ジョブに応じて異なります。PostScriptセットアップ・モジュールの大部分の設定はPCL 印刷に影響を与えません。PCLセットアッブ・ モジュールの設定は,それがプリント・ジョブ・ファイルに含まれているかのように, 出力に影響します。

セットアップ・モジュールは/SETUPを使用して明示的に起動することができます。 また,/FORMやキューの省略時の設定を使用することにより,暗黙のうちに起動することもできます。

9.2.1 ネイティブPCLモードでサポートされるプリンタ

次のプリンタはネイティブPCLモードをサポートしています。

ネイティブPCLモードでサポートされるプリンタの一覧については, 『日本語DECprint Supervisor Version 1.6 for OpenVMSソフトウェア仕様書』を参照してください。


[1] プリンタが自動センス・モードの場合にサポートされます。
[2] プリンタがPostScriptモードの場合にサポートされます。

9.2.2 ネイティブPCLの使用を禁止するPRINT パラメータ

ネイティブPCLモードでサポートされるプリンタにPCLファイルを印刷する場合は, プリント・ジョブで特殊なPostScript処理を要求しないかぎり, ファイルはプリンタに直接送信されます。プリント・ジョブに次のPRINT パラメータの1つあるいは複数が含まれている場合は,PCLファイルをネイティブPCL モードのプリンタに直接印刷することはできません。


/PARAMETERS=LAYUP_DEFINITION
/PARAMETERS=NUMBER_UP
/PARAMETERS=SHEET_COUNT (1よりも大きな値)
/PARAMETERS=PAGE_LIMIT (開始ページが1よりも大きな場合, あるいは最終ページを指定した場合)

9.3 PCLトランスレータを使用したファイルの処理

次の方法を使用すると,Hewlett-Packard Laserjetプリンタのフロント・ パネルの設定をエミュレートすることができます。

9.3.1 PRINTパラメータを使用したPCLプリント・ ジョブの変更

表 9-1に,PCLプリント・ ジョブを変更するために使用することができるPRINT パラメータを示します。

表 9-1 PCLフロント・パネル設定をエミュレートするPRINT パラメータ

LaserJet IIDフロント・パネル選択 PRINTパラメータ 参照項目
#copies /PARAMETERS=SHEET_COUNT 第2.5節
duplex /PARAMETERS=SIDES[1] 第2.3節
orientation /PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION[1] 第2.4節
tray selection /PARAMETERS=INPUT_TRAY 第5.1節
paper size /PARAMETERS=SHEET_SIZE 第12.4節
manual feed /PARAMETERS=INPUT_TRAY 第5.1節

[1] データ・ファイルに記述されている命令は,このPRINTパラメータを無効とすることができます。

9.3.1.1 PAGE_SIZEパラメータの使用

ページ・サイズは,/PARAMETERS=PAGE_SIZEパラメータを使用して選択することができます。PCL ファイルに対しては次のページ・サイズがサポートされます。


7_envelopeあるいはMonarch
A4
A3
Business_envelopeあるいはCOM10
C5_envelope
DL_envelope
Executive
Letter (A)
Legal
Ledger (B)

上記以外のページ・サイズを指定した場合には,PCLトランスレータはサポートするサイズのうち, 指定されたサイズに最も近いサイズを選択します。


注意
PCLファイル内のページ・サイズ・ コマンドは,PRINTパラメータに指定したページ・サイズよりも優先されます。 変換されるファイルに適用されるPostScriptセットアップ・モジュールを作成し, ページ・サイズ・オペレータを再定義することで,印刷時にそのオペレータを無効とすることができます。 セットアップ・モジュールの作成についての詳細は, 第9.3.3項を参照してください。

9.3.1.2 ネイティブPCLで無視されるPRINT パラメータ

サポートされるプリンタのネイティブPCL機能を使用してPCLファイルを印刷する場合,DCPS は次のPRINTパラメータを無効とします。


INPUT_TRAY
OUTPUT_TRAY
PAGE_ORIENTATION
PAGE_SIZE
SHEET_SIZE
SIDES

この場合,プリンタの省略時の設定が有効となります。出力するファイルあるいはセットアップ・ モジュールに適切なPCLエスケープ・シーケンスを挿入することにより,PCL プリンタのトレイ選択を操作することができます。

あるいは,ホスト上でPostScriptに強制的に変換することにより,上記のパラメータがジョブに有効となるようにすることができます。 強制的に変換するには,PAGE_LIMIT あるいはNUMBER_UPなどの変換を強制的に行うDCPS 機能を使用します。

9.3.2 エスケープ・シーケンスを使用したPCL プリント・ジョブの変更

フロント・パネル・モード・エスケープ・シーケンスの形式は次のとおりです。

エスケープ・シーケンスの形式:

     ESC     !     `     value     P

10進数の値:

     027     033   096             080


注意
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。 しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。

フロント・パネル設定は,次の操作で指定します。

  1. value を1に設定してフロント・パネル・モード・エスケープ・ シーケンスを指定することにより,フロント・パネル・モードを有効に設定します。

  2. プリント属性を設定するためにPCLエスケープ・シーケンスを入力します。

  3. value を0に設定してフロント・パネル・モード・エスケープ・ シーケンスを指定することにより,フロント・パネル・モードを無効に設定します。

フロント・パネル・モードはPCLリセット・エスケープ・シーケンス(ESC E)によって禁止することもできます。

PCLエスケープ・シーケンスを指定して,次のプリント属性を設定することができます。

PCLエスケープ・シーケンスを使用すれば,主フォントと副フォントの両方を指定することができます。 省略時のフォントを選択するためのフロント・ パネル・モード・エスケープ・シーケンスに両方のフォント・タイプのエスケープ・ シーケンスを指定することができます。

たとえば,ピッチを16.66文字/インチ(cpi)に設定し,シンボル・セットをISO 17 Spanish に設定するPCLエスケープ・シーケンスを有効にするためのフロント・ パネル・モード・コマンド形式は次のとおりです。

     ESC ! ` 1 P ESC (s16.66H ESC (2S ESC ! ` 0 P


注意
この形式では,わかりやすくするためにコマンドの要素間にスペースを表示しています。 しかし,実際のコマンドにはスペースを入力しないでください。

このコマンドには次のエスケープ・シーケンスが含まれています。

9.3.3 セットアップ・モジュールの使用

セットアップ・モジュールを作成するには,次の手順に従ってください。

  1. 必要なエスケープ・シーケンスあるいはPostScriptオペレータを含むセットアップ・ モジュールを作成します。

  2. このセットアップ・モジュールをPCL装置制御ライブラリに登録するように, システム管理者に依頼します。

  3. セットアップ・モジュールとファイルを指定してファイルを印刷します。 次の例を参照してください。
         $ PRINT/QUEUE=PS$A14/PARAMETERS=DATA_TYPE=PCL/SETUP=module-namee file.DAT
    

たとえば,次のPostScriptセットアップ・モジュールはトレイ選択エスケープ・ シーケンス(a4tray)を再定義します。PCLファイルにはA4用紙を選択するためのページ・ サイズ・コマンドが登録されています。プリンタでA4 用紙をサポートしない場合には,このファイルを印刷するために, プリンティング・システムがページ・サイズ・コマンドを無視するように設定する必要があります。 このためには次に示すように,A4用紙を選択するためのPostScript オペレータを再定義するPostScriptセットアップ・ モジュールを作成します。

     statusdict begin
     /a4tray {} def
     end

9.3.4 LaserJet IIDプリンタのPCLトランスレータとの違い

PCLトランスレータを使用して印刷するファイルを作成する場合は,アプリケーションからLaserJet IID プリンタを選択してください。LaserJetプリンタの各モデル間には互換性がありません。 したがって,LaserJet IID プリンタ以外のLaserJetモデルを対象に作成されたファイルは正しく印刷されない可能性があります。

PCLトランスレータは次の場合を除き,PCLファイルをLaserJet IIDプリンタと同様に処理します。

PCL言語について説明した解説書はHewlett-Packardから提供されています。LaserJet IID 固有の解説書としては次のものがあります。

『HP LaserJet IID Printer Technical Reference Manual』  HPパーツ番号33447 90905
『HP LaserJet IID Printer User's Manual』  HPパーツ番号33447 90901

DCPS-Plusライセンスがシステムにインストールされている場合には,PCL ファイルはDECprint Supervisorソフトウェアによって自動的に認識されます。この機能は,PCL のリセット・エスケープ・シーケンス(ESC E)から始まるファイルや,DCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DAT または.DAT_DEFAULTファイルにPCL データ・タイプとしてファイル・タイプが指定されているファイルに対して有効です。

9.4 給紙トレイの変更

PCLファイルには,HP LaserJet IIDプリンタでプリンタ給紙トレイを選択するための命令が登録されている可能性があります。 このファイルを別の種類のプリンタで印刷する場合, 指定されている給紙トレイを使用できないときは, プリント・ジョブが異常終了します。このような場合には,適切なPostScript オペレータを再定義するためのPostScriptセットアップ・ モジュールを作成し,選択される給紙トレイを変更することができます。 次の例では,上段給紙トレイに対してトレイ3を選択し,下段給紙トレイに対してトレイ1 を選択するためのPostScriptセットアップ・モジュールを示しています。

     /settoptray {statusdict begin 3 setpapertray end} def
     /setbottomtray {statusdict begin 1 setpapertray end} def

給紙トレイの値はプリンタ固有の値です。PostScriptプリンタの給紙トレイ番号を判断する場合には, 各プリンタ付属のマニュアルを参照してください。

給紙トレイ選択コマンドと,PCLトランスレータがこれらのコマンドを変換した後のPostScript オペレータは表 9-2に示すとおりです。 setpapertray の省略時の値は, 他の値が定義されていないときにトランスレータが使用する値です。別の値を指定したセットアップ・ モジュールが定義されている場合には,省略時の値は無効になります。

表 9-2 PCLからPostScriptへの給紙トレイ・ コマンドの変換

PCLコマンド PostScript拡張オペレータ setpapertrayの省略時の値
Upper tray settoptray 1
Manual input setmanualfeedtray 0
Manual envelope input setmanualfeedtray 0
Lower tray setbottomtray 2
Optional large tray setlcittray 3
Envelope feeder setenvelopefeedertray 3

9.5 PCLプリント・ジョブでのソフト・フォントとマクロの指定

PCLファイルを印刷するためにプリンタにソフト・フォントをロードしておかなければならない場合や, フォームまたはラスタ・グラフィックスを定義するためにマクロが必要な場合には,PCL セットアップ・モジュールを使用してフォントまたはマクロをダウンロードすることができます。

フォントおよびマクロを永続的に定義する必要はありません。セットアップ・ モジュールあるいはファイルにリセット・エスケープ・シーケンスが含まれる場合にかぎり, フォントおよびマクロを永続的に定義する必要があります。

システム管理者はPCLセットアップ・モジュールを登録するための装置制御ライブラリを作成しなければならず, 『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム・ マネージャーズ・ガイド』の説明に従って,そのライブラリをDCPS$STARTUP.COM の検索リストに登録しなければなりません。

PCL装置制御ライブラリからのPCLセットアップ・モジュールは,ANSIおよびPostScript セットアップ・モジュールとは異なる方法で処理されます。 PCLモジュールからのレコードには,最後にキャリッジ制御文字(<CR>, <LF>)が追加されません。これは,PCLセットアップ・モジュールにPCLフォントやラスタ・ グラフィックスなどのバイナリ・データを含むことができるようにするためです。PCL セットアップ・モジュールにキャリッジ制御文字で区切らなければならないテキスト行が含まれる場合には, これらのキャリッジ制御文字はPCL セットアップ・モジュールに明示的に指定しなければなりません。

ソフト・フォントまたはマクロは,次の操作によってプリント・ジョブに指定することができます。

9.5.1 PCLセットアップ・モジュールでのソフト・フォントとマクロの指定

ソフト・フォントまたはマクロをセットアップ・モジュールに指定するには, 次の操作を実行します。

  1. ファイルの先頭でPCLエスケープ・シーケンスを使用してフォントまたはマクロ識別子を指定します。

  2. ファイルの形式がVMS Librarianユーティリティで受け付けられる形式であるかどうかを確認します。 レコード形式は可変長または固定長でなければなりません。

  3. 次のコマンドを使用してPCL装置制御ライブラリにファイルを登録するように, システム管理者に依頼します。
         $ LIBRARY/INSERT/TEXT SYS$LIBRARY:pcl-library-namee font-filenamee
    

フォントまたはマクロを必要とするPCLファイルを印刷するには,次のコマンドを使用します。

     $ PRINT/QUEUE=queue-name/SETUP=font-filenamee data-filenamee.PCL

システム管理者はセットアップ・モジュールをフォーム定義に指定することができます。 この場合,フォーム定義を省略時の設定によりキューに対応付けることができます。 このように設定した場合には,ユーザはPRINT コマンドにデータ・ファイル名とキュー名を指定するだけで十分です。

9.5.2 PCLプリント・ジョブでのフォントおよびマクロ・ ファイルの指定

ソフト・フォントまたはマクロを必要とするファイルは,アプリケーションでデータ・ ファイルにフォントまたはマクロを登録することにより印刷することができます。 また,フォントまたはマクロを登録したファイルとデータ・ ファイルを別々に作成することもできます。PATHWORKSによってサポートされるPC の場合には,次のコマンドをPCで使用することにより, フォントまたはマクロを必要とするデータ・ファイルを印刷することができます。

     M:\ NET PRINT LPTn: /SET /PARAMETERS="DATA_TYPE=PCL"
     COPY/B font-or-macro-file.DAT data-file.DAT LPTn:

9.6 PJLおよびTBCPでの問題を回避するためのPCドライバの設定

最近のプリンティング・プロトコルの拡張により,ネットワーク・プリンティング環境に新しい変数が導入されました。 それは,Hewlett-Packard PJL (Print Job Language)とHewlett-Packard TBCP (Tagged Binary Communication Protocol)です。PCアプリケーションで作成される文書は, ファイル内にこれらのプロトコルを含むことができます。これらのプロトコルは特定の環境では非常に有用である場合もありますが, 文書を作成したプリンタとは異なるプリンタあるいはDCPS で,まれに問題が発生する可能性もあります。PJL およびTBCPについての概要を次に説明し,続いてDCPS での問題を回避するための命令を示します。

9.6.1 PJLおよびTBCPの概要

PJLは,ジョブ・レベルでのプリンタ制御を可能とするコマンド言語です。TBCP は,プリンタのシリアル・ポート,LATポート,パラレル・ポート用の通信プロトコルです。 これは,ファイル内で8ビット・バイナリ・ データを使用することを可能とし,同時に通信およびプリント・ジョブ制御にいくつかの制御文字の使用を可能とするプロトコルです。TBCP をサポートしないプリンタにTBCP を印刷することはできません。また,プリンタのシリアル・ ポート,LATポート,パラレル・ポート以外のポートに印刷することもできません。

DEClaser 5100プリンタは,PJLおよびTBCPをサポートする弊社の最初のプリンタです。 いくつかのHewlett-Packard IIIシリーズ・プリンタはPJLをサポートし, ほとんどのHewlett-Packard IVシリーズ・プリンタはPJLおよびTBCP をサポートしています。PCアプリケーションでこれらのプリンタに印刷するファイルを作成する場合, そのファイルはPJLおよびTBCPを含むことができます。

9.6.2 DECprint Supervisorでの問題の回避

PJLを含むファイルを印刷する場合,DCPSはPJLコードをファイルから分離します。 この処理により,DCPSはPJLを使用してプリンタのプリント・プロトコルを切り替え,PJL をサポートしないプリンタへのこのファイルの印刷を可能とします。

プリンタへの接続方法がシリアルでもLATでもない場合,ファイルはTBCP を使用してはなりません。DCPSはTBCP制御文字を削除することができないからです。

9.6.2.1 PostScriptでの問題の回避

PCアプリケーションでPostScriptファイルを作成している場合は,次のガイド・ ラインを使用してください。

  1. PCで選択したプリンタが実際のプリンタと同一である場合, 唯一の注意すべき点はTBCPを使用するかどうかです。接続方法がシリアルあるいはLAT である場合,TBCPを使用することができます。接続方法がraw TCP/IP あるいはAppleTalkである場合,TBCPを無効としなければなりません。PATHWORKS ユーザはプリンタおよびキューについての詳細情報を利用できないため,TBCP を無効とすることを推奨します。次のいずれかの手順により,TBCP を無効とすることができます。

  2. ファイルの作成後にタイプの異なるプリンタにファイルを印刷する場合は,TBCP およびPJLの両方を無効とすることが最良です。TBCP およびPJLを無効とするには,次のオプションのいずれかを選択します。

9.6.2.2 PCLでの問題

DCPSは,問題を発生する可能性のあるすべてのPJLコマンドをPCLファイルから削除します。PCL レベル5プリンタ用のドライバはPJLを使用して高度な印刷機能( たとえば,RET (解像度拡張ハードウェア)構成,ページ保護, プリント解像度など)を選択しているため,PJLコマンドなしではプリント・ ジョブが期待どおりに印刷されない可能性があります。

さらに,DCPSがプリンタへのPCLの直接印刷をサポートしている場合にかぎり,PCL はプリンタに送信されます。そうでない場合は,PCL (レベル4) トランスレータが使用されます。

PCL出力に問題が発生する場合は,アプリケーションでPostScript出力が可能であればPostScript を作成するようにします。

9.7 ネイティブPCL印刷と自動DATA_TYPE 検出との影響

DATA_TYPE=AUTOMATIC=PCLを使用したジョブは,予測できない結果となる可能性があります。 特に,PostScriptへの切り替えが必要なPCLファイルを印刷する場合は, 完全にPCLとして印刷される可能性があります。次の場合に発生します。

上記のような場合,DCPSはプリンタのPCL言語インタプリタを使用し, PostScriptへの切り替えを行いません。また,DCPSがファイルのデータ・ タイプにPCLを指定して,プリンタによる自動言語検出を無効としているため, プリンタの自動言語検出機能が使用されず,PCL言語からPostScript 言語へのファイルの切り替えを検出することができません。このような場合は, 次のような回避策を使用することができます。

  1. AUTOMATICを使用するようにプリント・キューを設定し,省略時のデータ・ タイプにはANSIを選択するようにします。一般的に,テキストおよびPostScript の両方を含むファイルのテキスト部分は,単純なASCII テキストであり,ANSIおよびPCLトランスレータのいずれでも正しく処理されます。

  2. PCLトランスレータの使用を必要とする修飾子をプリント・ キューに設定することにより(たとえば,省略時のパラメータにPAGE_ LIMITパラメータを指定するなど),すべてのPCLファイルに対してPCL トランスレータが使用されるようにします。ただし,PCLトランスレータはPCL レベル4を変換することに注意してください。DCPSがネイティブPCL モードでの印刷をサポートするプリンタは,PCLレベル5の言語インタプリタを持っています。

9.8 ネイティブPCLモードによるファイルの結合

PCLファイルの印刷にプリンタのPCL言語インタプリタが使用され,ジョブに複数のPCL ファイルが含まれている場合,それらのPCLファイルは結合されます。DCPS は,各ファイルが新しいページから始まることを保証することができません。 あるいは,最初のPCLファイルの最後の行が,次のPCLファイルの最初の行よりも先に印刷されることも保証することができません。 次の場合に,ファイルの結合が発生します。

結合されたPCLファイルの印刷結果に満足できない場合は,次の回避策を使用することができます。


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