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9 OpenVMS Registryサーバの管理

9.1 コマンド・ラインからのOpenVMS Registry サーバの管理

OpenVMS Registryにはサーバ管理ユーティリティがあり,OpenVMS DCL プロンプトからOpenVMS Registry情報の更新と表示を行うことができます。また,必要なシステム特権があれば, このユーティリティを使用して,OpenVMS Registryデータベース全体をファイルにバックアップしたり, ファイルから復元することができます。

OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元の詳細については, 第9.2 節と,この章のコマンド参照の節のCREATE SNAPSHOT,EXPORT, IMPORTコマンドを参照してください。

OpenVMS Registryサーバ管理ユーティリティを起動するには, 次のいずれかのコマンドを入力します。

     $ RUN SYS$SYSTEM:REG$CP

または

     $ MCR REG$CP


注意
OpenVMS Registryデータベースにアクセスするには, クラスタまたはスタンドアロン・ システムでOpenVMS Registryサーバをあらかじめ稼動しておかなければなりません。

表 9-1は,OpenVMS Registry サーバ管理ユーティリティのコマンドを示しています。

表 9-1 OpenVMS Registryサーバ管理ユーティリティのコマンド

コマンド 識別子 動作
CREATE DATABASE SYSPRV 新しいOpenVMS Registryデータベース・ファイルを作成する。
CREATE KEY REG$UPDATE 1つ以上のキーをOpenVMS Registryデータベースに作成する。
CREATE SNAPSHOT SYSPRV OpenVMS Registryデータベース・ ファイルの即時バックアップを作成する。
CREATE VALUE REG$UPDATE キーのデータ・ コンポーネントを指定する。
DELETE KEY REG$UPDATE OpenVMS Registryデータベースから1つ以上のキーを削除する。
DELETE VALUE REG$UPDATE 指定されたキーから1つ以上の値を削除する。
EXPORT REG$LOOKUP OpenVMS Registryをテキスト形式でエクスポートする。
IMPORT REG$UPDATE レジストリ・ データベースのテキスト形式バージョンをOpenVMS Registry形式にインポートする。
LIST KEY REG$LOOKUP 指定されたキーのすべてのサブキー情報を表示する。
LIST VALUE REG$LOOKUP 指定されたキーのすべての値を表示する。
MODIFY KEY REG$UPDATE 指定されたキーの情報を変更する。
MODIFY VALUE REG$UPDATE 指定された値の情報を変更する。
MODIFY TREE REG$UPDATE 指定されたキーとそのサブキーの情報を変更する。
SEARCH KEY REG$LOOKUP 指定されたキーと一致するすべてのキーのパス名を表示する。
SEARCH VALUE REG$LOOKUP 指定された値名と一致するすべてのキーのパス名を表示する。
SHOW COUNTERS REG$PERFORMANCE カウンタ情報を表示する。
SHOW FILE REG$PERFORMANCE OpenVMS Registryデータベース・ ファイルの統計情報を表示する。
SHOW INTERNAL REG$PERFORMANCE 内部値( 共用ライブリで使用)を表示する。
START MONITOR REG$PERFORMANCE 監視機能を有効にする。
STOP MONITOR REG$PERFORMANCE 監視機能を無効にする。
ZERO COUNTERS REG$PERFORMANCE 監視カウンタをリセットする。


注意
SYSPRV特権が与えられているユーザは, 表 9-1に示したすべてのコマンドを実行できます。 ユーザにSYSPRV特権が与えられていない場合のみ,OpenVMS Registry 識別子を指定しなければなりません。

ユーザにREG$UPDATE 識別子を与えると,ユーザは表 9-1 に示したコマンドの他に, 次のコマンドも実行できるようになります。


LIST KEY
LIST VALUE
SEARCH KEY
SEARCH VALUE

9.2 OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元

REG$CP サーバ管理ユーティリティには,OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元を行うための2 つのコマンドがあります。

9.2.1 OpenVMS Registryデータベースのスナップショットの作成

OpenVMS Registryデータベースのスナップショットを作成するには, 次の操作を行います。

  1. REGISTRY_SERVER プロセスがクラスタ内で動作していることを確認します。

  2. SYSPRV特権が与えられているアカウントから次のコマンドを入力します。
         $ MCR REG$CP
         REG> CREATE SNAPSHOT
    

    この操作で作成されるスナップショットは,次の2つのファイルで構成されます。 これらのファイルは指定したディレクトリに格納されます。

         REGISTRY$LOCAL_MACHINE.RSS
         REGISTRY$USERS.RSS
    

9.2.2 OpenVMS Registryデータベースのスナップショットの復元

OpenVMS Registryデータベースのスナップショットを復元するには, 次の操作を行います。

  1. クラスタ内のすべてのノードでREGISTRY_ SERVER プロセスをシャットダウンします( OpenVMS Registryのシャットダウンの詳細については, 第8.4節を参照してください)。

  2. OpenVMS Registryスナップショット・ ファイルがSYS$REGISTRY ディレクトリにあることを確認します。

    OpenVMS Registryスナップショット・ファイルが SYS$REGISTRY ディレクトリにない場合は,OpenVMS Registryスナップショット・ ファイルを SYS$REGISTRY ディレクトリにコピーします。

  3. 次のように,OpenVMS Registryスナップショット・ ファイルの名前を変更します。
         $ RENAME REGISTRY$LOCAL_MACHINE.RSS REGISTRY$LOCAL_MACHINE.REG
         $ RENAME REGISTRY$USERS.RSS REGISTRY$USERS.REG
    

  4. REGISTRY_SERVER プロセスを再起動します( OpenVMS Registry を手動で起動する方法については, 第8.3.1項を参照してください) 。


重要
前回スナップショットを作成してからこの復元処理を実行するまでの間に,OpenVMS Registry データベースに書き込まれた情報は失われます。

9.3 OpenVMS Registryサーバ管理ユーティリティの構文

この後のコマンドの説明では,OpenVMS Registryの各コマンドをアルファベット順に説明します。


注意
ここで説明するどのコマンドでも, key-nameパラメータは,キーの完全なパスを指定する文字列であり, 次のいずれかのエントリ・ポイントから始まります。
HKEY_LOCAL_MACHINE
HKEY_USERS
HKEY_CLASSES_ROOT

また,REG$_HKEY_LOCAL_MACHINEREG$_HKEY_ USERSREG$_HKEY_CLASSES_ROOT という文字列も指定できます。

どのサーバ管理コマンドでも,リンクは追従されていません(リンクの詳細については, 第7.2.1.3項を参照してください)。

キーと値の名前で大文字と小文字を区別するには,キーと値を引用符で囲みます( たとえば,"value" )。


CREATE DATABASE

基本的なOpenVMS Registryデータベース・ファイルを, SYS$REGISTRY 論理名で指定される場所に作成します。 このコマンドは空のデータベースを作成し,定義済みキーをロードします。

このコマンドを入力したときに,データベース・ファイルがすでに存在する場合は, 既存のファイルに上書きされません。ファイルがすでに存在することを示す警告が表示されます。 新しいOpenVMS Registryデータベースを作成する場合は,最初にデータベース・ ファイルの以前のすべてのバージョンを削除しなければなりません。OpenVMS Registry データベース・ファイルを削除すると,OpenVMS Registry に格納されているすべてのキー, サブキー,値が失われます。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。

次の表はOpenVMS Registryデータベースのファイルを示しています。

ファイル 説明
REGISTRY$ROOT.DAT データベースのルート
REGISTRY$USERS.REG HKEY_USERS ツリー
REGISTRY$LOCAL_MACHINE.REG HKEY_LOCAL_MACHINE ツリー
REGISTRY$MASTER.RLG マスタ・コミット・ログ・ファイル
REGISTRY$REPLY.RLG OpenVMS Registryデータベースに対する変更要求を追跡するログ・ ファイル

フォーマット

    CREATE DATABASE

パラメータ

なし

修飾子

なし

         REG> CREATE DATABASE
    

    データベース・ファイルが消失したり,削除されたときに,基本のOpenVMS Registry データベース・ファイルを再作成します。


CREATE KEY

1つ以上のキーをOpenVMS Registryデータベースに作成します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    CREATE KEY   key-name [,...]

パラメータ

key-name[,...]
作成するキーの名前を指定します。キーをカンマで区切って指定すると, 複数のキーを作成できます。

修飾子

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を行うことを指定します。

/VOLATILE=level
/NONVOLATILE (デフォルト)
新しいキーが揮発性であるかどうかを指定します。OpenVMS RegistryをスタンドアロンOpenVMSシステムで実行している場合は, システムのリブート時に揮発性キーは失われます。OpenVMS RegistryをOpenVMSクラスタで実行してる場合は, クラスタ内のすべてのノードがリブートされるときに,揮発性キーは失われます。

levelの値は次のとおりです。

/CACHE_ACTION=value
新しいキーのキャッシュ属性を指定します。valueはWRITEBEHIND ( デフォルト)またはWRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む) のいずれかです。

/CLASS_NAME=string
キーのクラス名を指定します。

/SECPOLICY=policy
キーのセキュリティ・ポリシーを定義します。現在使用できるポリシーは NT_40 だけです。

/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。

リンクを削除するには,次のように入力します。

     /LINK=(TYPE=NONE,NAME="")

         REG> CREATE KEY/CACHE_ACTION=WRITEBEHIND HKEY_USERS\GUEST, HKEY_USERS\SYSTEM
    

    GUEST キーとSYSTEM キーをHKEY_ USERS エントリ・ポイントの下に作成します。キーはライトバック属性で作成されます。


CREATE SNAPSHOT

OpenVMS Registryデータベースのスナップショットを作成します。 つまり,キャッシュされているすべてのOpenVMS Registryキーまたは値がディスクに書き込まれ,OpenVMS Registry データベース・ ファイルのコピーが作成されます。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。

フォーマット

    CREATE SNAPSHOT

パラメータ

なし

修飾子

/DESTINATION=file-spec
スナップショット・ファイルを書き込むかどうかを制御します。デフォルト設定では, スナップショットはSYS$REGISTRY 論理名によって指定される場所に作成されます。

/DESTINATION修飾子に有効なディレクトリを指定しなかった場合は, スナップショット・ファイルはOpenVMS Registryサーバを起動したディレクトリに作成されます。

/VERSIONS=number
保存するスナップショット・ファイルのバージョン数を指定します。

         REG> CREATE SNAPSHOT/DESTINATION=SYS$REGISTRY/VERSION=3
    

    OpenVMS Registryデータベースのスナップショットを SYS$REGISTRY ディレクトリに作成します。OpenVMS Registry データベースのスナップショット・ ファイルのバージョン数が3より多くなる場合は,最も古いバージョンが削除されます( purge/keep=3 コマンドと同じ) 。


CREATE VALUE

指定されたキーのデータ・コンポーネントを指定します。値が存在しない場合は, 値が作成されます。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    CREATE VALUE   key-name

パラメータ

key-name
値を設定するキーの名前を指定します。

修飾子

/FLAGS=flag
データ・フラグ値を指定します。これはアプリケーションに依存する64 ビット・フラグであり,10進数の場合は0x,16進数の場合は%Xを先頭に付けて指定します。

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
値をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

/DATA=value
値は次のいずれかです。

/NAME=string
新しい値の名前を指定します。

/TYPE_CODE=type
新しい値のタイプを指定します。タイプ値は次のいずれかでなければなりません。

/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。

リンクを削除するには,次のように入力します。

     /LINK=(TYPE=NONE,NAME="")

         REG> CREATE VALUE/DATA=COSMOS/TYPE=SZ/NAME=COMPUTERNAME HKEY_LOCAL_MACHINE\NODE
    

    HKEY_LOCAL_MACHINE\NODE キーの値 COMPUTERNAME を作成し,そのタイプを SZ に設定し,データ値をCOSMOS に設定します。


DELETE KEY

指定されたキーをOpenVMS Registryデータベースから削除します。 キーにサブキーがある場合,そのキーは削除されません。


重要
キーを削除すると,シンボリック・ リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクがある場合でも, 指定したキーが削除されるからです。


注意
OpenVMS Registryデータベースの定義済みキーは予約キーであり, 削除することはできません。このようなキーとしては, HKEY_USERHKEY_LOCAL_ MACHINEHKEY_CLASSES_ROOT があります。全キーの一覧については, 第7.3節を参照してください。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    DELETE KEY   key-path key-name

パラメータ

key-path
キー・パスを指定します。

key-name
削除するキーの名前を指定します。

修飾子

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

         REG> DELETE KEY HKEY_USERS\NODE GUEST
    

    GUEST というキーをOpenVMS Registryデータベースから削除します。


DELETE VALUE

指定されたキーから値を削除します。


重要
値を削除すると,シンボリック・ リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクがある場合でも, 指定された値が削除されるからです。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    DELETE VALUE   key-name value-name

パラメータ

key-name
値を削除するキーの名前を指定します。

value-name
削除する値を指定します。

修飾子

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

         REG> DELETE VALUE HKEY_USERS\GUEST PASSWORD
    

    PASSWORD という値をGUEST キーから削除します。


EXPORT

OpenVMS Registryデータベースの内容はテキスト形式でエクスポートできます。 データベース全体または特定のキーとサブキーだけをエクスポートできます。

エクスポートされるファイルの形式は,Windows NT互換形式またはOpenVMS形式のいずれかとして指定できます。 IMPORTコマンドはWindows NT 4.0 Regedit形式およびOpenVMS Registry 形式の両方をサポートします。

このコマンドを使用するには,REG$LOOKUPライト識別子が必要です。 REG$LOOKUPライト識別子が割り当てられていない場合,REG$LOOKUPライト識別子を必要とするキーをエクスポートするには,SYSPRV 特権が必要です。

フォーマット

    EXPORT   [DATABASE | KEY [key-name [/[NO]SUBKEYS]]] [/LOG]
            [/OUTPUT=file-name] [/FORMAT=[NT | OPENVMS]]

パラメータ

DATABASE
OpenVMS Registryデータベース全体をエクスポートします。

KEY [key-name [/[NO]SUBKEYS]]
OpenVMS Registryの特定のキーをエクスポートします。 そのキーのサブキーもエクスポートできます。 NOSUBKEYSがデフォルトです。

修飾子

/LOG
エクスポートの進行状況を画面に表示します。

/OUTPUT=file-name
エクスポートされたファイルの名前を指定します。デフォルトの出力ファイル名は REGISTRY.TXT です。

/FORMAT=[NT | OPENVMS]
データベースをファイルに書き込むときの形式を指定します。 OPENVMSがデフォルトです。

         REG> EXPORT DATABASE/LOG/OUTPUT=TUES_VERSION.TXT/FORMAT=NT
    

    この例のEXPORT コマンドは,OpenVMS Registryデータベース全体をWindows NT 4.0 Regedit 形式でTUES_ VERSION.TXT ファイルに書き込み,エクスポートの進行状況を画面に表示します。


IMPORT

(EXPORTコマンドで作成された)テキスト形式のファイルをOpenVMS Registryデータベースにインポートします。

また,(「レジストリ」メニューの「Export Registry File...」オプションを選択することで) Windows NT 4.0 RegeditによってエクスポートされたWindows NT データもOpenVMS Registryデータベースにインポートできます。


Windows NTバイナリ値の変換
Windows NTバイナリ値( 構成データなど)は,OpenVMSでバイナリ値がサポートされない場合でも,OpenVMS Registry

データベースにインポートできます。 サポートされないバイナリ値をインポートし,変換した場合は, そのことを示すメッセージが表示されます。


このコマンドを使用するには,REG$UPDATEライト識別子が必要です。 REG$UPDATEライト識別子が割り当てられていない場合,REG$LOOKUPまたはREG$UPDATE ライト識別子を必要とするキーをインポートするには,SYSPRV 特権が必要です。

次の表は,ライト識別子と特権がキーのインポートとエクスポートにどのような影響を与えるかを示しています。

与えられている特権と識別子: Windows NTからエクスポートできる要素: OpenVMS Registryにインポートできる要素:
特権なしライト識別子なし HKEY_LOCAL_ MACHINE\SECURITY を除き,Advanced Server for OpenVMSで作成されたすべてのキー なし
REG$LOOKUP Advanced Server for OpenVMSで作成されたすべてのキー なし
REG$UPDATE Advanced Server for OpenVMSで作成されたすべてのキー Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー
SYSPRV Advanced Server for OpenVMSで作成されたすべてのキー Advanced Server for OpenVMSで作成されたすべてのキー

フォーマット

    IMPORT   [/LOG] [/INPUT=file-name]

パラメータ

なし

修飾子

/LOG
インポートの進行状況を画面に表示します。

/INPUT=file-name
インポートするファイルの名前を指定します。デフォルトの入力ファイル名は REGISTRY.TXT です。

         REG> IMPORT/LOG/INPUT=TUES_VERSION.TXT
    

    この例のIMPORT コマンドは,TUES_ VERSION.TXT ファイルをインポートし,インポートの進行状況を画面に表示します。


LIST KEY

指定されたキーの属性を表示します。


注意
シンボリック・リンクはサポートされていません。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$LOOKUP ライト識別子が必要です。

フォーマット

    LIST KEY   key-name

パラメータ

key-name

一覧表示するキーの名前を指定します。

修飾子

/FULL
表示可能なすべての情報,つまり/LAST_WRITE,/CACHE_ACTION, /INFORMATION,/LINK_PATH,/CLASS_NAME修飾子で表示される情報を表示します。

/CACHE_ACTION=value
サブキーのキャッシュ属性を指定します。valueはWRITEBEHIND ( デフォルト)またはWRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む) のいずれかです。

/CLASS_NAME
サブキーのクラス名を表示します。

/INFORMATION
指定されたキーに関する情報(サブキー番号,値番号,サブキー名の最大サイズなどを表示します)。

/LAST_WRITE
サブキーの最終更新日時を表示します。

/LINK_PATH
サブキーのリンク先のキー・パスを表示します。

/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は, デフォルト・ファイル名REGISTRY.LIS が使用されます。

         REG> LIST KEY/FULL HKEY_USERS\GUEST
    
         Key name:            HKEY_USERS\GUEST
         Security policy:     REG$K_POLICY_NT_40
         Volatile:            REG$K_NONE
         Cache:               REG$K_WRITEBEHIND
         Class:               System Authorization
         Link Type:           REG$K_NONE
         Last written:         7-AUG-1998 12:42:08.55
    
         Key information:
           Number of subkeys:             2        Number of values:              0
           Max size of subkey name:      40        Max size of class name:       40
           Max size of value name:        0        Max size of value data:        0
    
         Subkey(s):
    
             Key name:            QUOTAS
             Security policy:     REG$K_POLICY_NT_40
             Volatile:            REG$K_NONE
             Cache:               REG$K_WRITEBEHIND
             Class:               Disk quota
             Link Type:           REG$K_NONE
             Last written:         7-AUG-1998 12:41:19.21
    
             Key information:
               Number of subkeys:             0        Number of values:
         0
               Max size of subkey name:       0        Max size of class name:
         0
               Max size of value name:        0        Max size of value data:
         0
    
             Key name:            IDENTIFIER
             Security policy:     REG$K_POLICY_NT_40
             Volatile:            REG$K_NONE
             Cache:               REG$K_WRITETHRU
             Class:               Disk quota
             Link Type:           REG$K_SYMBOLICLINK
             Link Path:           HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IDENTIFIER\GUEST
             Last written:         7-AUG-1998 12:42:08.55
    
             Key information:
               Number of subkeys:             0        Number of values:
         0
               Max size of subkey name:       0        Max size of class name:
         0
               Max size of value name:        0        Max size of value data:
         0
    

    この例のLIST KEY/FULL コマンドは, GUEST キーの属性と,GUEST のサブキーの名前と属性を表示します。


    注意
    Max sizes 情報には, 文字数ではなくバイト数が表示されます(各文字は4バイト長です)。


LIST VALUE

指定されたキーのすべての値と値の属性を表示します。


注意
シンボリック・リンクはサポートされていません。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$LOOKUP ライト識別子が必要です。

フォーマット

    LIST VALUE   key-name

パラメータ

key-name

列挙するキーの名前を指定します。

修飾子

/FULL
表示可能なすべての情報,つまり/TYPE_CODE,/LINK_PATH,/DATA_ FLAGS,/VALUE_DATA修飾子で表示される情報を表示します。

/TYPE_CODE
値のタイプ・コードを表示します。

/FLAGS
値のデータ・フラグのASCII表現を16進数で表示します。

/LINK_PATH
サブキーのリンク先のキー・パスを表示します。

/DATA
値のASCII表現を16進数で表示します。

/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は, デフォルト・ファイル名REGISTRY.LIS が使用されます。

         REG> LIST VALUE/TYPE_CODE/DATA HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\FORTRAN
    
            Key name:            HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\FORTRAN
            Security policy:     REG$K_POLICY_NT_40
            Volatile:            REG$K_NONE
            Last written:        11-AUG-1998 16:27:55.81
    
            Value(s):
    
              Value name:   Version
              Volatile:     REG$K_NONE
              Type:         REG$K_SZ
              Data:         5.3-50
    
              Value name:   Date Installed
              Volatile:     REG$K_NONE
              Type:         REG$K_SZ
              Data:         04-Jan-1998
    

    この例のLIST VALUE/TYPE_CODE/DATA コマンドは, FORTRAN キーとその値の名前,タイプ,データを表示します。


MODIFY KEY

指定されたキーの属性を変更します。


重要
キーを変更すると,シンボリック・ リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクによって示されるキーではなく, 指定されたキーが変更されるからです。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    MODIFY KEY   key-name

パラメータ

key-name

変更するキーの名前を指定します。

修飾子

/CACHE_ACTION=value
新しいキーのキャッシュ属性を指定します。valueはWRITEBEHIND ( デフォルト)またはWRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む) のいずれかです。

/CLASS_NAME=string
キーの新しいクラス名を指定します。

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

/NEW_NAME=new-key-name
キーの新しい名前を指定します。

/SECPOLICY=policy
キーのセキュリティ・ポリシーを定義します。現在指定できるポリシーは NT_40 だけです。

/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。

リンクを削除するには,次のように入力します。

     /LINK=(TYPE=NONE,NAME="")

         REG> MODIFY KEY/CACHE_ACTION=WRITEBEHIND
         HKEY_USERS\GUEST
    

    GUEST キーのキャッシュ属性を変更します。


MODIFY VALUE

指定された値のデータ・コンポーネントを指定します。このコマンドは既存の値を変更します。


重要
値を変更すると,シンボリック・ リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクによって示される値ではなく, 指定された値が変更されるからです。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    MODIFY VALUE /NAME=string   key-name

パラメータ

key-name

値を設定するキーの名前を指定します。

修飾子

/FLAGS=flag
データ・フラグの値を指定します。これはアプリケーションに依存する64 ビットのフラグであり,0xを先頭に付けた10進数,または%Xを先頭に付けた16 進数として指定します。

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
値情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

/DATA=value
値のデータを指定します。値は次のいずれかです。

/NAME=string
値の名前を指定します。

/TYPE_CODE=type
新しい値のタイプを指定します。タイプは次のいずれかでなければなりません。

/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。

リンクを削除するには,次のように入力します。

     /LINK=(TYPE=NONE,NAME="")

         REG> MODIFY VALUE/DATA=COSMOS/TYPE=SZ/NAME=COMPUTERNAME HKEY_LOCAL_MACHINE\NODE
    

    キーHKEY_LOCAL_MACHINE\NODECOMPUTERNAME という値を作成し,タイプ・コードを SZ に,データ値をCOSMOS に設定します。


MODIFY TREE

指定されたキーとそのサブキーの情報を変更します。


重要
ツリーを変更すると,シンボリック・ リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクによって示されるキーではなく, 指定されたキーとサブキーが変更されるからです。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$UPDATE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    MODIFY TREE   key-name

パラメータ

key-name

変更するキーの名前を指定します。

修飾子

/CACHE_ACTION=value
キーとそのサブキーのキャッシュ属性を指定します。 valueはWRITEBEHIND (デフォルト)またはWRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む)のいずれかです。

/CLASS_NAME=string
指定されたキーとそのすべてのサブキーの新しいクラス名を指定します。

/WRITEBEHIND
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。

/SECPOLICY=policy
キーのセキュリティ・ポリシーを定義します。現在指定できるポリシーは NT_40 だけです。

         REG> MODIFY TREE/CACHE_ACTION=WRITEBEHIND HKEY_USERS\GUEST
    

    GUEST キーとそのすべてのサブキーのキャッシュ属性を変更します。


SEARCH KEY

指定されたキーと一致するすべてのキーのパス名を表示します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$LOOKUP ライト識別子が必要です。

フォーマット

    SEARCH KEY   key-search

パラメータ

key-search

検索するキーの名前を指定します。

修飾子

/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は, デフォルト・ファイル名REGISTRY.LIS が使用されます。

         REG> SEARCH KEY HKEY_LOCAL_MACHINE\...\NODE
         HARDWARE\CLUSTER\NODE
         HARDWARE\LOCAL\NODE
         NODE
    

    HKEY_LOCAL_MACHINE\...\NODE と一致するすべてのキー・ パスが表示されます。繰り返し記号(...)ワイルドカードは, HKEY_LOCAL_MACHINE エントリ・ポイントと NODE サブキーの間にサブキーがいくつあってもかまわないことを指定します。 検索で大文字と小文字は区別されません。


SEARCH VALUE

指定された値名と一致するすべての値のパス名を表示します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$LOOKUP ライト識別子が必要です。

フォーマット

    SEARCH VALUE   key-name value-name

パラメータ

key-name

検索するキー・パスの名前を指定します。

value-name

検索する値の名前を指定します。

修飾子

/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は, デフォルトのファイル名REGISTRY.LIS が使用されます。

         REG> SEARCH VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\... *AM%
         HARDWARE\CLUSTER\Name
         HARDWARE\CLUSTER\NODE\Name
         HARDWARE\LOCAL\NODE\Name
         NODE\COMPUTERNAME
    

    HKEY_LOCAL_MACHINE\...\*am% と一致するすべての値の名前が表示されます。 繰り返し記号(...)ワイルドカードは, HKEY_LOCAL_MACHINE エントリ・ポイントと *am% 値名の間にサブキーがいくつあってもかまわないことを指定します。 検索で大文字と小文字は区別されません。


SHOW

OpenVMS Registryサーバの内部統計情報とその他の情報を表示します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$PERFORMANCE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    SHOW COUNTERS/FILE   [name]

    SHOW FILE   [name]

パラメータ

name

ファイルを識別します(/FILE修飾子と組み合わせて使用しなければなりません) 。

修飾子

/FILE
指定されたファイルまたはすべてのファイルのカウンタを表示します。

/PERFORMANCE
パフォーマンス・カウンタを表示します。

/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は, デフォルトのファイル名REGISTRY.LIS が使用されます。

         REG> SHOW COUNTERS/FILE
    

    OpenVMS Registryサーバからの監視情報を表示します。


START MONITORING

OpenVMS Registryサーバ内で監視コンポーネントを起動します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$PERFORMANCE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    START MONITORING/FILE   [name]

    START MONITORING/PERFORMANCE

パラメータ

name

ファイルを指定します(/FILE修飾子と組み合わせて使用しなければなりません) 。

修飾子

/FILE
指定されたファイルまたはすべてのファイルのカウンタ情報の収集を開始します。

/PERFORMANCE
パフォーマンス・カウンタの情報収集を開始します。

         REG> START MONITORING/PERFORMANCE
    

    OpenVMS Registryの監視コンポーネントを有効にします。


STOP

OpenVMS Registryサーバ内で監視コンポーネントを停止します。

このコマンドはOpenVMS Registryサーバ内で監視コンポーネントを停止するときに使用します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$PERFORMANCE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    STOP MONITORING/FILE   [name]

    STOP MONITORING/PERFORMANCE

パラメータ

name

ファイルを指定します(/FILE修飾子と組み合わせて使用しなければなりません) 。

修飾子

/FILE
指定されたファイルまたはすべてのファイルのカウンタ情報の収集を停止します。

/PERFORMANCE
パフォーマンス・カウンタ情報の収集を停止します。

         REG> STOP MONITORING/PERFORMANCE
    

    OpenVMS Registryの監視コンポーネントを無効にします。


ZERO COUNTERS

OpenVMS Registryサーバのカウンタを初期化します。

このコマンドを使用するには,SYSPRV特権または REG$PERFORMANCE ライト識別子が必要です。

フォーマット

    ZERO COUNTERS/FILE   [name]

    ZERO COUNTERS/PERFORMANCE

パラメータ

name

ファイルを指定します(/FILE修飾子と組み合わせて使用しなければなりません) 。

修飾子

/FILE
指定されたファイルまたはすべてのファイルのファイル・カウンタを初期化します。

/PERFORMANCE
すべてのパフォーマンス・カウンタを初期化します。

         REG> ZERO COUNTERS/PERFORMANCE
    

    パフォーマンス・カウンタをリセットします。


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