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11 インストール・ユーティリティ(INSTALL)

11.1 INSTALLについて

インストール・ユーティリティ(INSTALL)は,既知ファイル・エントリ を作成し,実行可能イメージと共用可能イメージの処理性能を向上させます。 特に,頻繁に実行するイメージ,通常いくつかのプロセスと並行して実行するイメージ, 特殊な特権が必要なイメージに対し,その効果は顕著です。

既知ファイル・エントリが有効であるのは,システムが動作している間だけです。 システムがシャット・ダウンしたり,なんらかの理由で停止したりした場合, システムを再ブートした後,すべての既知イメージをインストールしなおさなければなりません。 このため,INSTALLコマンドを使用したい場合は, サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャに含めてください。 このスタートアップ・コマンド・プロシージャは, SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COMです。

11.2 INSTALL使用法の要約

INSTALLユーティリティは,実行可能イメージと共用可能イメージの性能を高め, 高い特権をイメージに設定し,ユーザが作成したシステム・サービスをサポートします。 インストール済みイメージの名前と属性は,システムによって既知ファイル・ リストに格納されます。

形式

INSTALL   [コマンド]
パラメータ
コマンド

INSTALLコマンドを指定します。このパラメータは省略可能です。コマンドを指定しない場合, プロンプトが表示され,コマンド入力待ち状態となります。

使用法の要約

INSTALLを起動するには,DCLプロンプトに対し,DCLのINSTALLコマンドを次のように入力します。
     $ INSTALL

この結果,次のプロンプトが表示されます。

     INSTALL>

ここでINSTALLコマンドを入力すれば,INSTALL処理を実行できます。

INSTALLユーティリティを終了するには,INSTALL>プロンプトにEXITコマンドを入力するか, またはCtrl/Zを押します。すると,DCLコマンド・レベルに制御が戻ります。

INSTALLコマンドが1つだけであれば,次のように起動コマンドと同じ行に入力することもできます。

     $ INSTALL LIST/FULL SYS$SYSTEM:LOGINOUT
INSTALLのコマンド

この項では,INSTALLのコマンドについて,例を挙げて説明します。次の表は,INSTALL のコマンドの一覧です。

コマンド 機能
ADD CREATEコマンドの同義語。
CREATE 指定したイメージを既知イメージとしてインストールする。
DELETE REMOVEコマンドの同義語。
EXIT INSTALLを終了する。
HELP INSTALLの使用法を説明する。
LIST 指定した既知イメージ, グローバル・セクション,既知イメージのデータ構造のアドレスの記述を表示する。
PURGE /NOPURGE修飾子なしでインストールした既知イメージをすべて削除する。
REMOVE 既知イメージを削除する。
REPLACE 既知イメージを最新バージョンのイメージ・ ファイルと対応づける。または, インストール済みイメージの属性を変更する。

ADD

指定したイメージ・ファイルを既知イメージとしてインストールします。 ADDコマンドはCREATEコマンドの同義語です。

CREATE

指定したイメージ・ファイルを既知イメージとしてインストールします。 CREATEコマンドはADDコマンドの同義語です。

CMKRNL特権が必要です。また,システム・グローバル・セクションを作成するためにSYSGBL 特権が,パーマネント・グローバル・セクションを作成するためにPRMGBL 特権が必要です。

形式

    CREATE   ファイル指定

パラメータ

ファイル指定

既知イメージとしてインストールするイメージのファイルを指定します。/NOTRACEBACK 修飾子を使ってリンクされた既存の実行可能イメージまたは共用可能イメージを指定してください。 装置とディレクトリを指定しない場合,SYS$SYSTEM が使用されます。省略時のファイル・タイプは.EXE です。

省略時の設定では,バージョン番号が最も大きい既存ファイルが使用されます。 ただし,別のバージョンを指定することもできます。他のバージョンが存在する場合でも, 既知ファイルにおけるイメージ検索は,指定したバージョンですべて行えます。

修飾子

/ACCOUNTING
/NOACCOUNTING(省略時の設定)
DCLのSET ACCOUNTING/DISABLE=IMAGEコマンドを使用して,イメージ会計処理が禁止されている場合でも, 指定したイメージのイメージ・レベルの会計処理を許可します。 イメージ会計処理がローカル・ノードで許可された場合には, すべてのイメージが記録され,/NOACCOUNTING修飾子は効果がありません。

/EXECUTE_ONLY
/NOEXECUTE_ONLY(省略時の設定)
/EXECUTE_ONLY修飾子は,メイン・プログラム専用です。ユーザが実行アクセス権を持っていて読み込みアクセス権を持っていない共用可能イメージを起動できます。 プログラムが参照する共用可能イメージはすべて, インストールされている必要があります。OpenVMS RMSは,エグゼクティブ・ モードまたはカーネル・モードで使用する保護論理名を使用します。

/TRACEBACK修飾子でリンクされた実行可能イメージには,この修飾子は指定できません。

/HEADER_RESIDENT
/NOHEADER_RESIDENT
永久常駐ヘッダを持つ既知イメージとしてファイルをインストールします( ネイティブ・モード・イメージ専用)。常駐ヘッダがインストールされたイメージは, 暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/LOG
/NOLOG(省略時の設定)
新しく追加した既知ファイル・エントリを,インストール時に作成されたグローバル・ セクションとともにリストします。

/OPEN
/NOOPEN
永久的にオープン状態である既知イメージとしてファイルをインストールします。

/PRIVILEGED[=(特権名[,...])]
/NOPRIVILEGED[=(特権名[,...])]
指定した特権を持つ既知イメージとして,ファイルをインストールします。 イメージがシステム・ボリューム上に置かれていないと,イメージは暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/PRIVILEGED修飾子は,実行可能イメージ専用です。

この修飾子は,/TRACEBACK修飾子とリンクする実行可能イメージには使用できません。

次の表に示した特権名のうちの1つ以上を指定できます。

ACNT ALLSPOOL ALTPRI
AUDIT BUGCHK BYPASS
CMEXEC CMKRNL DIAGNOSE
DOWNGRADE EXQUOTA GROUP
GRPNAM GRPPRV IMPERSONATE
IMPORT LOG_IO MOUNT
NETMBX OPER PFNMAP
PHY_IO PRMCEB PRMGBL
PRMMBX PSWAPM READALL
SECURITY SETPRV SHARE
SHMEM SYSGBL SYSLCK
SYSNAM SYSPRV TMPMBX
UPGRADE VOLPRO WORLD

/PROTECTED
/NOPROTECTED(省略時の設定)
ユーザ・モードとスーパバイザ・モードの書き込みアクセスから保護される既知イメージとして, ファイルをインストールします。このイメージに書き込むためには, エグゼクティブ・モードまたは カーネル・ モードが必要です。特権付き共用可能イメージとなるユーザ作成サービスを実現する場合は,/PROTECTED 修飾子を/SHARE修飾子と併用します。

/PURGE (省略時の設定)
/NOPURGE
イメージをPURGE処理で削除できることを指定します。/NOPURGEを指定した場合には,REMOVE 処理を使用してイメージを削除します。

/RESIDENT[=([NO]CODE,[NO]DATA)]
Alphaシステムでは,イメージ・コード・セクションや読み込み専用データ・ セクションを粒度ヒント領域に格納し,その他のイメージ・セクションはプロセス空間の中に置いたまま圧縮します。/RESIDENT 修飾子を指定しないと, コードとデータのどちらも常駐としてインストールされません。/RESIDENT 修飾子をキーワード引数なしで指定すると,コードが常駐としてインストールされ, データは常駐としてインストールされません。

イメージは/SECTION_BINDING=(CODE,DATA)修飾子を使ってリンクする必要があります。 常駐のコードまたはデータ付きでインストールされたイメージは, 暗黙のうちにヘッダ常駐で,共用としてインストールされます。

/SHARED[=[NO]ADDRESS_DATA]
/NOSHARED
ファイルを共用既知イメージとしてインストールし,共用可能なイメージ・ セクションのためのグローバル・セクションを作成します。共用としてインストールされたイメージは, 暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/SHARED修飾子でADDRESS_DATAキーワードを使用する場合は,P1スペース・ アドレスは共用可能イメージのために割り当てられます。イメージが起動され,CPU とI/Oタイムを減少しているときではなく,イメージがインストールされたときに, 割り当てられたアドレスについて,INSTALLユーティリティはアドレス・ データ・セクションの内容を判断することができます。 グローバル・セクションは,アドレス・データ・イメージ・セクションへの共用アクセスを許可するために作成されます。

/WRITABLE
/NOWRITABLE
/SHARED修飾子も指定している場合,書き込み可能な既知イメージとしてファイルをインストールします。/WRITABLE 修飾子は,共用可能で書き込み可能なイメージ・ セクションのイメージにのみ適用されます。/SHARED 修飾子を指定しない場合は,/WRITABLE修飾子は自動的に打ち消されます。

  1. INSTALL> CREATE/OPEN/SHARED WRKD$:[MAIN]STATSHR
    
    イメージ・ファイルSTATSHRを,永久的にオープン状態の共用既知イメージとしてインストールしています。

  2. INSTALL> CREATE/OPEN/PRIVILEGED=(GROUP,GRPNAM) GRPCOMM
    
    イメージ・ファイルGRPCOMMを,永久的にオープン状態のGROUP特権とGRPNAM 特権を持つ既知イメージとしてインストールしています。

    GRPCOMMを実行している間,GRPCOMMを実行するプロセスにはすべて, GROUP特権とGRPNAM特権が許可されます。GRPCOMMのフルネームは, SYS$SYSTEM:GRPCOMM.EXEと仮定しています。

  3. INSTALL> CREATE/LOG GRPCOMM
    
    イメージ・ファイルGRPCOMMを既知イメージとしてインストールし,追加した既知ファイル・ エントリを表示しています。

  4. INSTALL> CREATE/SHARED=ADDRESS_DATA WRKD$:[MAIN]INFOSHR
    
    INFOSHRファイルを共用既知イメージとしてインストールし,コード・セクションと読み込み専用データ・ セクションのために,共用グローバル・ セクションを作成します。コマンドにADDRESS_DATAキーワードが含まれているので, アドレス・データは共用グローバル・セクションとして作成されます。

DELETE

既知イメージを削除します。DELETEコマンドはREMOVEコマンドの同義語です。

EXIT

INSTALLを終了し,制御をDCLコマンド・レベルに戻します。Ctrl/Zを押してもINSTALL を終了できます。

形式

    EXIT

HELP

INSTALLの使用方法に関する情報を表示します。

形式

    HELP   [コマンド]

パラメータ

コマンド

ヘルプ情報を表示するコマンド名を指定します。コマンド名を省略すると, コマンド・リストが表示されます。プロンプトに対してコマンド名を入力できます。

  1. INSTALL> HELP
    
    INSTALLトピック・リストとTopic?プロンプトを表示しています。リスト内のトピックをプロンプトに入力できます。

  2. INSTALL> HELP LIST
         LIST
    
           For display of a one-line description of the specified known image, or if
           no file is specified, then for all known images.  Use with /FULL to obtain
           a multiline description.
    
           Format:         LIST [file-spec] /qualifier
    
                   QUALIFIER COMBINATION   BEHAVIOR
    
                   LIST [file-spec]        List the known image for file-spec
                   LIST                    List all entries
    
           Additional information available:
    
           Qualifiers
           /FULL      /GLOBAL    /STRUCTURE    /SUMMARY)
    
    LISTコマンドのヘルプ情報を表示しています。

LIST

指定した既知イメージの記述を表示します。ファイルを指定しない場合は, すべての既知イメージの記述が表示されます。

形式

    LIST   [ファイル指定]

パラメータ

ファイル指定

既知イメージとしてインストールされているイメージのファイルを指定します。 ファイルを指定しない場合,既知イメージがすべて表示されます。

説明

LISTコマンドで/FULL修飾子を使用すれば,既知イメージ・データベースの調整に便利な情報を表示できます。 たとえば,エントリ・アクセス回数が多いイメージがある場合, そのイメージを/OPENでインストールするとシステムの性能を改善できる可能性があります。 また,/SHAREDを使用してグローバル・ セクションを利用しても,性能面の向上が図れるでしょう。 グローバル・セクションとグローバル・ページ,インストールするイメージのサイズの予測方法については, 『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。

修飾子

/FULL
指定した既知イメージについて,アクセス数,同時アクセス数,作成したグローバル・ セクション数などの記述を複数行表示します。/FULL 修飾子を/GLOBAL修飾子と併用すると,グローバル・セクション情報以外に, 現在の所有者と保護コード,アクセス制御エントリも表示されます。

/GLOBAL
指定した共用イメージのグローバル・セクションをリストします。 ファイルを指定しない場合には,すべてのグローバル・セクションをリストします。 特定のイメージをサポートするために,グローバル・セクションがINSTALL によって作成される場合には,そのイメージも識別します。

/RESIDENT
個々の常駐イメージの説明を表示します。

/STRUCTURE
既知イメージのデータ構造のアドレスをリストします。

/SUMMARY
/SUMMARY修飾子を/GLOBAL修飾子と併用すると,ローカル・メモリと共用メモリのグローバル・ セクションについて,システムにおけるグローバル・ セクションとグローバル・ページの使用状況を表示します。

  1. INSTALL> LIST
    
    すべての既知イメージの記述を1行ずつ表示しています。内容は,既知イメージのファイル指定と属性です。
         SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSEXE>.EXE
            ANALIMDMP;1 【1】              Prv 【2】
            AUTHORIZE;1                    Prv
            CDU;1            Open Hdr      Prv
            DCL;1            Open Hdr Shar          Lnkbl
            FAL;1            Open Hdr Shar
            INSTALL;1                      Prv
            LOGINOUT;1       Open Hdr Shar Prv
            MAIL;1           Open Hdr Shar
            MAIL_SERVER;1    Open Hdr Shar Prv
            REQUEST;1                      Prv
            SET;1            Open Hdr Shar Prv
            SETAUDIT;1                     Prv
            SETP0;1          Open Hdr Shar Prv
            SETRIGHTS;1                    Prv
            SHOW;1           Open Hdr Shar Prv
            SHWCLSTR;1       Open Hdr Shar Prv
            SUBMIT;1         Open Hdr Shar Prv
            SYSMAN;1                       Prv
    
         SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSLIB>.EXE
            ANALIMDMPSHR;1                 Prv
            CONVSHR;1
            DCLTABLES;1      Open Hdr Shar          Lnkbl
         .
         .
         .
            LIBOTS;1         Open Hdr Shar          Lnkbl        Resid
            LIBRTL;1         Open Hdr Shar          Lnkbl        Resid
            MAILSHR;1        Open Hdr Shar          Lnkbl
         .
         .
         .
    
    【1】
    既知イメージのファイル指定
    【2】
    次の既知イメージ属性

    属性 意味
    ACNT イメージ会計情報が許可されている(/ACCOUNTING)
    + CMODE イメージは,VAX-11 RSXリンカによって設定された互換性モードである
    HDR イメージ・ ヘッダは,永久的に常駐する(/HEADER_RESIDENT)
    LNKBL イメージは実行可能ではなく, 共用可能(リンク可能)イメージである。OpenVMSリンカによる設定
    NOPURG イメージは,PURGE 処理で削除できない。削除には,DELETE / REMOVE処理を使用する(/NOPURGE)
    OPEN イメージは,永久的にオープンである(/OPEN)
    PROT イメージは,保護コードを持つ(/PROTECTED)
    PRV イメージは,特権を持つ(/PRIVILEGED)
    ++RESID イメージは,常駐する( /RESIDENT)
    SAFE イメージは, 実行中のバージョンのOpenVMSとの互換性を持つものとして登録された特権イメージである。 登録されたイメージの詳細については, 『OpenVMS システム管理者マニュアル(上巻)』を参照。
    SHAR イメージは,共用される( /SHARED)
    WRT イメージは, 書き込み可能である(/WRITABLE)
    XONLY イメージには,実行アクセスだけが許可されている(/EXECUTE_ONLY)

    + VAXのみ

    ++ Alphaのみ

  2. INSTALL> LIST/RESIDENT
    
    すべての常駐イメージの記述を1行ずつ表示するAlphaでのコマンド例です。 内容は,イメージのメモリ記憶位置,コード・セクションのサイズ, およびセクションのタイプです。
          System Resident Sections
    
         SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSLIB>.EXE
            CMA$TIS_SHR;1
    
          Base VA     End VA     Length       Type
    
          80490000    80490A00   00000A00     Resident Code
    
          7FC04000    7FC04A00   00000A00     Linkage
          7FC14000    7FC14200   00000200     Writeable data
          7FC34000    7FC34200   00000200     Writeable data
    
            DECC$SHR;1
    
          Base VA     End VA     Length       Type
    
          80548000    805D1C00   00089C00     Resident Code
          805D2000    805D2400   00000400     Resident Code
    
          7FE34000    7FE4B800   00017800     Linkage
          7FE54000    7FE59A00   00005A00     Writeable data
          7FE64000    7FE64800   00000800     Read-only data
          7FE84000    7FE84200   00000200     Writeable data
          7FE94000    7FE94200   00000200     Demand-zero
          7FEA4000    7FEA7000   00003000     Demand-zero
          7FEB4000    7FEB5800   00001800     Writeable data
    
            DPML$SHR;1
    
          Base VA     End VA     Length       Type
    
          80492000    80547600   000B5600     Resident Code
    
          7FC44000    7FC6FA00   0002BA00     Read-only data
          7FC74000    7FC88200   00014200     Linkage
          7FC94000    7FC94400   00000400     Writeable data
          7FCA4000    7FCCE600   0002A600     Read-only data
          7FD94000    7FD95000   00001000     Writeable data
    
            LIBOTS;1
    
          Base VA     End VA     Length       Type
    
          80482000    8048F600   0000D600     Resident Code
    
          7FBC4000    7FBC6600   00002600     Read-only data
          7FBD4000    7FBD5A00   00001A00     Linkage
          7FBF4000    7FBF4200   00000200     Writeable data
    
            LIBRTL;1
    
          Base VA     End VA     Length       Type
    
          80400000    80481A00   00081A00     Resident Code
    
          7FB54000    7FB64800   00010800     Linkage
          7FB74000    7FB75000   00001000     Writeable data
          7FB84000    7FB8D600   00009600     Read-only data
          7FB94000    7FB94200   00000200     Writeable data
          7FBA4000    7FBA5000   00001000     Demand-zero
          7FBB4000    7FBB5400   00001400     Writeable data
    

  3. INSTALL> LIST/FULL LOGINOUT
    
    既知イメージLOGINOUTの記述を複数行表示しています。
         SYS$DISK:<SYS0.SYSCOMMON.SYSEXE>.EXE
    
             LOGINOUT;3       Open Hdr    Shar Priv
                 Entry access count         = 44 【1】
                 Current / Maximum shared   = 3 / 5 【2】
                 Global section count       = 2 【3】
                 Privileges = CMKRNL SYSNAM TMPMBX EXQUOTA SYSPRV 【4】
    
    【1】
    インストールされてからの既知ファイル・エントリにノードがアクセスした回数。
    【2】
    最初の数字は,既知ファイルの同時アクセスの現在回数です。 次の数字は,ファイルがインストールされてからの最大同時アクセス回数です。 この数字が表示されるのは, イメージを/OPEN修飾子でインストールした場合だけです。
    【3】
    既知ファイルに作成されたグローバル・セクションの数。 この数字が表示されるのは,イメージを/SHARED修飾子でインストールした場合だけです。
    【4】
    特権マスク。特権マスクが表示されるのは, イメージに特権を付けてインストールした場合だけです。

  4. INSTALL> LIST/GLOBAL
    
    この例のコマンドは,共用イメージのすべてのグローバル・セクションを表示します。 特定のイメージに対してINSTALLによって作成されたグローバル・ セクション(接頭辞はINS$)は,そのイメージの名前の後にリストされます。
                               System Global Sections 【1】
    
         DSA1000:<SYS2.SYSCOMMON.SYSLIB>SLS$USSSHR.EXE 【2】
          INS$86D9BFB0_003【3】(14000001)【4】    PRM SYS【5】 Pagcnt/Refcnt=1/1【6】
          INS$86D9BFB0_002    (14000001)          PRM SYS      Pagcnt/Refcnt=3/3
          INS$86D9BFB0_001    (14000001)          PRM SYS      Pagcnt/Refcnt=1/1
            .
            .
            .
         RMS$87A63B00         (00000000) WRT DZRO TMP SYS      Pagcnt/Refcnt=74/74
            .
            .
            .
          671 Global Sections Used, 102138/22862  Global Pages Used/Unused 【7】
    
    【1】
    メモリのグローバル・セクションの表示
    【2】
    後に続くグローバル・セクションがINSTALLによって作成されたイメージの名前。
    【3】
    グローバル・セクションの名前。接頭辞は, セクションの作成者を示します。たとえば,接頭辞がINSの場合は, グローバル・セクションがINSTALLによって作成されたことを示します。 数値はセクションのアドレスです。
    【4】
    グローバル・ セクションのバージョン番号(16進数)。共用可能イメージの場合, 上位バイト(CRFSHR_003の01)は,リンク時にプログラマが判断するメジャー識別子であり, 下位バイト(CRFSHR_003の0003E8)はマイナー識別子です。 実行可能イメージの場合は,システムが判断する既知の固有の値です。
    【5】
    グローバル・セクションの属性。

    DZRO グローバル・セクションはデマンド・ ゼロ。
    GRP グループ番号とともに, グループ全体のセクションを示す。これはINSTALL 以外のプログラムによって作成される。
    PRM グローバル・セクションは永久的。
    SYS グローバル・ セクションはシステム単位。
    TMP 一時グローバル・セクションを示す。これはINSTALL 以外のプログラムによって作成される。
    WRT グローバル・セクションは書き込み可能。

    【6】
    セクションのページ数(VAX) またはページレット数(Alpha)と,このグローバル・セクションに現在マッピングされているページ・ テーブル・エントリの数。 グローバル・セクションのマッピングの詳細については,『OpenVMS Programming Concepts Manual』を参照。
    【7】
    作成されたグローバル・ セクションの数,使用中のグローバル・ページ数,ローカル・メモリで未使用のグローバル・ ページ数。算術演算では丸めが行われるため, 作成されたグローバル・セクションの数はSYSGENのGBLSECTIONS パラメータより大きくなることがあります。システム・ヘッダのサイズを計算する場合には,GBLSECTIONS パラメータとSYSMWCNTパラメータの値をプロセス・ ヘッダの固定部のサイズに加算します。その結果を次のページ境界に切り上げます。2 つのSYSGENパラメータの値と,すべてのグローバル・ セクションを作成するためにINSTALLを実行する前に行ったシステム・ ページングの量に応じて,この切り上げ処理によってグローバル・ セクション・テーブルの領域が拡大することがあります。

  5. INSTALL> LIST/GLOBAL/FULL
    
    共用イメージのグローバル・セクション・リストを表示しています。 /FULL修飾子により,所有者と保護コードも表示されます。
           System Global Sections
         NM_MAILSHR_003 (741A6919)              PRM SYS        Pagcnt/Refcnt=10/0
         NM_MAILSHR_002 (741A6919)              PRM SYS        Pagcnt/Refcnt=1/0
         NM_MAILSHR_001 (741A6919)              PRM SYS        Pagcnt/Refcnt=11/0
                        Owner:       [1,4] 【1】
                        Protection:  S:RWED,O:RWED,G:RWED,W:RE 【2】
         .
         .
         .
    
    【1】
    グローバル・セクションの所有者UIC
    【2】
    イメージに許可されるアクセスのタイプ

PURGE

/NOPURGE修飾子を指定しないでインストールしたイメージの既知ファイル・ エントリをすべて削除します。

CMKRNL特権が必要です。また,システム・グローバル・セクションを作成するためにSYSGBL 特権が,パーマネント・グローバル・セクションを作成するためにPRMGBL 特権が必要です。

形式

    PURGE

パラメータ

なし

説明

PURGEコマンドは,/NOPURGE修飾子を指定しないでインストールしたイメージの既知ファイル・ エントリをすべて削除します。

PURGEコマンドを入力した時点でグローバル・セクションにアクセスしているプロセスがある場合, グローバル・セクションはそのプロセスが終了するまで削除されません。 ただし,PURGEコマンドが入力されると同時にグローバル・ セクションが削除対象としてマークされるため,PURGEコマンド入力後, 他のプロセスは削除対象のグローバル・セクションにアクセスできません。

    INSTALL> PURGE
    
    /NOPURGE修飾子を指定してインストールしたイメージ以外のイメージを, すべて削除しています。イメージ・ファイルには影響しません。書き込み可能グローバル・ セクションは,削除されると同時に,既知イメージとしてディスクに書き込まれます。

REMOVE

既知イメージを削除します。REMOVEコマンドは,DELETEコマンドと同じです。

CMKRNL特権が必要です。また,システム・グローバル・セクションを作成するためにSYSGBL 特権が,パーマネント・グローバル・セクションを作成するためにPRMGBL 特権が必要です。

形式

    REMOVE   ファイル指定

パラメータ

ファイル指定

既知イメージのファイル指定を示します。

説明

REMOVEコマンドは,既知ファイル・リストからエントリを削除します。 既知ファイル・リストに格納されているイメージのエントリが削除され, そのイメージのグローバル・セクションが作成されている場合はそれも削除されます。 イメージ・ファイルには影響しません。書き込み可能なグローバル・ セクションは,削除されると同時に,既知イメージとしてディスクに書き込まれます。

REMOVEコマンドを入力した時点でグローバル・セクションにアクセスしているプロセスがある場合, グローバル・セクションはそのプロセスが終了するまで削除されません。 ただし,REMOVEコマンドが入力されると同時にグローバル・ セクションが削除対象としてマークされるため,REMOVEコマンド入力後, 他のプロセスは削除対象のグローバル・セクションにアクセスできません。

    INSTALL> REMOVE GRPCOMM
    
    既知イメージGRPCOMMのエントリを既知イメージ・ファイル・リストから削除しています。

REPLACE

既知イメージ・エントリを,イメージの別のバージョン,または変更された属性に置き換えます。REPLACE コマンドはDELETEコマンドの同義語です。

CMKRNL特権が必要です。また,システム・グローバル・セクションを作成するためにSYSGBL 特権が,パーマネント・グローバル・セクションを作成するためにPRMGBL 特権が必要です。

形式

    REPLACE   ファイル指定

パラメータ

ファイル指定

既知イメージとしてインストールしたイメージのファイルを指定します。

説明

REPLACEコマンドは,既知ファイルを最新の,または指定されたディレクトリに含まれる指定されたバージョンに置き換えます。 ファイル指定パラメータで検索リストが指定された場合には, 別のディレクトリの中の指定されたバージョンに置き換えます。

REPLACEコマンドにより,現在インストールされているイメージの属性を変更できます。REPLACE コマンドでは,新しい修飾子を指定することもできます。 また,CREATEコマンドやADDコマンドでイメージをインストールしたときに設定した修飾子の値を変更することもできます。 修飾子を指定しない場合, 新しいイメージの属性は古いイメージと同じとなります。 REPLACEコマンドがインストールされたイメージ・ファイルを変更しないだけでなく, その属性も変更しない場合,REPLACEコマンドによりグローバル・ セクションの共用が続行されます。

REPLACEコマンドを入力した時点でグローバル・セクションにアクセスしているプロセスがある場合, グローバル・セクションはそのプロセスが終了するまで削除されません。 ただし,REPLACEコマンドが入力されると同時にグローバル・ セクションが削除対象としてマークされるため, REPLACEコマンド入力後,他のプロセスは削除対象のグローバル・セクションにアクセスできません。

修飾子

/ACCOUNTING
/ACCOUNTING(省略時の設定)
DCLのSET ACCOUNTING/DISABLE=IMAGEコマンドを使用して,ローカル・ ノードでイメージ会計処理が禁止されている場合でも,選択したイメージのイメージ・ レベルの会計処理を許可します。イメージ会計処理がローカル・ ノードで許可された場合には,すべてのイメージが記録され,/NOACCOUNTING 修飾子は効果がありません。

/EXECUTE_ONLY
/NOEXECUTE_ONLY(省略時の設定)
/EXECUTE_ONLY修飾子は,メイン・プログラム専用です。ユーザが実行アクセス権を持っていて読み込みアクセス権を持っていない共用可能イメージを起動できます。 プログラムが参照する共用可能イメージはすべて, インストールされている必要があります。OpenVMS RMSは,エグゼクティブ・ モードまたはカーネル・モードで使用する保護論理名を使用します。

/TRACEBACK修飾子でリンクされた実行可能イメージには,この修飾子は指定できません。

/HEADER_RESIDENT
/NOHEADER_RESIDENT
永久常駐ヘッダを持つ既知イメージとしてファイルをインストールします( ネイティブ・モード・イメージ専用)。常駐ヘッダがインストールされたイメージは, 暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/LOG
/NOLOG(省略時の設定)
新しく追加した既知ファイル・エントリを,インストール時に作成されたグローバル・ セクションとともにリストします。

/OPEN
/NOOPEN
永久的にオープン状態である既知イメージとしてファイルをインストールします。

/PRIVILEGED[=(特権名[,...])]
/NOPRIVILEGED[=(特権名[,...])]
指定した特権を持つ既知イメージとして,ファイルをインストールします。 イメージがシステム・ボリューム上に置かれていない場合,イメージは暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/PRIVILEGED修飾子は,実行可能イメージ専用です。

この修飾子は,/TRACEBACK修飾子とリンクする実行可能イメージには使用できません。

特権の種類については,CREATEコマンドの項にある表を参照してください。

/PROTECTED
/NOPROTECTED
ユーザ・モードとスーパバイザ・モードの書き込みアクセスから保護される既知イメージとして, ファイルをインストールします。このイメージに書き込むためには, エグゼクティブ・モードまたはカーネル・モードが必要です。 特権付き共用可能イメージとなるユーザ作成サービスを実現する場合は,/PROTECTED 修飾子を/SHARE修飾子と併用します。

/PURGE(省略時の設定)
/NOPURGE
イメージをPURGE処理で削除できることを指定します。/NOPURGEを指定した場合には,DELETE 処理またはREMOVE処理を使用してイメージを削除します。

/RESIDENT[=([NO]CODE,[NO]DATA)]
Alphaシステムでは,イメージ・コード・セクションや読み込み専用データ・ セクションを粒度ヒント領域に格納し,その他のイメージ・セクションはプロセス空間の中に置いたまま圧縮します。/RESIDENT 修飾子を指定しない場合は, コードとデータのどちらも常駐としてインストールされません。/RESIDENT 修飾子をキーワード引数なしで指定すると,コードが常駐としてインストールされ, データは常駐としてインストールされません。

イメージは/SECTION_BINDING=(CODE,DATA)修飾子を使ってリンクする必要があります。 常駐のコードまたはデータ付きでインストールされたイメージは, 暗黙のうちに/HEADER_RESIDENTと/SHAREDとしてインストールされます。

/SHARED[=[NO]ADDRESS_DATA]
/NOSHARED
ファイルを共用既知イメージとしてインストールし,共用可能なイメージ・ セクションのためのグローバル・セクションを作成します。共用としてインストールされたイメージは, 暗黙のうちにオープンとしてインストールされます。

/SHARED修飾子でADDRESS_DATAキーワードを使用する場合は,P1スペース・ アドレスは共用可能イメージのために割り当てられます。イメージが起動され,CPU とI/Oタイムを減少しているときではなく,イメージがインストールされたときに, 割り当てられたアドレスについて,INSTALLユーティリティはアドレス・ データ・セクションの内容を判断することができます。 グローバル・セクションは,アドレス・データ・イメージ・セクションへの共用アクセスを許可するために作成されます。

/WRITABLE
/NOWRITABLE
/SHARED修飾子も指定している場合,書き込み可能な既知イメージとしてファイルをインストールします。/WRITABLE 修飾子は,共用可能で書き込み可能なイメージ・ セクションのイメージにのみ適用されます。/NOSHARED 修飾子を指定すると,/WRITABLE修飾子は自動的に打ち消されます。

    INSTALL> REPLACE GRPCOMM /ACCOUNTING/NOOPEN
    
    既知イメージGRPCOMMを最新バージョンと置換しています。同時に,イメージ会計情報を許可し,OPEN 属性を削除しています。

    ファイルのフル・ネームは, SYS$SYSTEM:GRPCOMM.EXEと仮定しています。


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