[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]
Monitorユーティリティ(MONITOR)は,オペレーティング・システムの性能に関する情報を取り出すシステム管理ツールです。 各種のシステム単位の性能データ( システム入出力統計,ページ管理統計,プロセッサ・モードにおける経過時間など) をさまざまな時間間隔で監視し,多様な形式で出力できます。
特定のクラスの情報を監視するには,情報クラスのクラス名をMONITORのコマンド行に指定します。 たとえばページ管理統計を監視する場合,クラス名PAGE を指定します。指定したクラスにおけるシステム性能データが収集され, 次のいずれかの形式で出力されます。
次の形式でコマンドを入力するたびに,指定したすべての性能データ・クラスについて,1 つのMONITOR要求が出されます。
MONITOR [/修飾子[,...]]クラス名[,...] [/修飾子[,...]]
クラス名は,指定した順序に関わりなく,次の順序で処理されます。
修飾子を使用することにより,実行中システムからシステム性能データを収集したり, 以前に記録ファイルに記録したデータをプレイバックしたりできます。 プレイバックしたデータを表示,要約することはもちろん,再記録して記録ファイルのデータ量を削減することもできます。
Monitorユーティリティは,オペレーティング・システムの性能に関する情報を出力するシステム管理ツールです。
$ MONITOR MONITOR>
システムの監視を開始するには,MONITORのMONITORコマンドを使用します。
一般に,それぞれのMONITOR要求は,/ENDING修飾子によって指定した時刻または暗黙に示される時刻まで実行されます。MONITOR を終了するには, MONITOR>プロンプトに対してEXITコマンドを入力するか,またはCtrl/Zを押します。 ユーティリティを終了せずにMONITOR要求だけを終了する場合は,Ctrl/C を押します。
MONITORで収集された情報は通常,ASCIIスクリーン・イメージとして表示されます。 オプションの/DISPLAY修飾子を使用すれば,情報を格納するディスク・ ファイルを指定できます。ファイル指定を省略した場合には, 出力はSYS$OUTPUTに送られます。/DISPLAY修飾子についての説明は, MONITORのMONITORコマンドを参照してください。
また,コマンド・レベルからDCLのMONITORコマンドを入力し,必要な修飾子とパラメータを入力することにより,MONITOR 要求を開始することも可能です。 しかし,システム資源を無駄にしないという意味では, MONITOR>プロンプトに対して要求を開始する方が適切でしょう。
この節では,MONITORのコマンドについて,例を挙げて説明します。クラス名をパラメータとして指定するコマンドの場合(ALL_CLASSES 以外),各クラスの表示例を示し, 内容について簡単に説明します。
感嘆符(!)は,コメント文字として認識されます。したがって,MONITOR への入力として指定するコマンド・ファイルに行単位や1行未満のコメントを入力できます。
MONITORでは,レートとは,1秒間にできごとが発生する回数を示します。 たとえば,ページ・フォルト・レートは,1秒間にページ・フォルトが発生した回数を示します。
次の表はこの節で説明するコマンドを示しています。
コマンド | 説明 |
---|---|
CONVERT | バージョン5.0以前のMONITORで記録されたファイルを現在の形式に変換する。 |
EXECUTE (@) | ファイルに保存されている一連のMONITORコマンドを実行する。 |
EXIT | MONITOR を終了し,制御をコマンド・レベルに戻す。 |
HELP | MONITORに関する情報を表示する。 |
INITIALIZE | SET DEFAULTコマンドによって変更されたパラメータと修飾子の初期設定を再設定する。 |
MONITOR | 指定した情報のクラスに対して, 統計情報の監視を開始する。 |
SET DEFAULT | MONITORコマンドに対して,省略時のコマンド修飾子, クラス名パラメータ,クラス名修飾子を設定する。 |
SHOW DEFAULT | SET DEFAULTコマンドで設定した省略時の設定を表示する。 |
CONVERTコマンドは,バージョン5.0より前のMONITOR記録ファイルを現在の形式に変換します。
CONVERT ファイル指定
MONITOR> CONVERT 24MAY_MONITOR.DAT/OUTPUT=24MAY_NEWMON.DAT24_MAY_MONITOR.DATというファイルを現在の形式に変換し,24MAY_ NEWMON.DATという出力ファイルを指定しています。
EXECUTEコマンドまたはアットマーク(@)は,ファイルに格納されている一連のMONITOR コマンドを実行します。
EXECUTE (@) ファイル指定
ファイル実行後,コマンドはターミナルから取り出されます。
MONITOR> EXECUTE INQMEM.MON . . . MONITOR> MONITOR /RECORDファイルINQMEM.MONの内容は,次のとおりです。
! This file sets defaults for a memory management inquiry using ! INTERVAL=5, PAGE, IO, and PROCESSES/TOPFAULT ! . . . SET DEFAULT /INTERVAL=5 PAGE, IO, PROCESSES/TOPFAULT
メモリ管理調査に使用する省略時の値がファイルINQMEM.MONに定義されており, このファイルをEXECUTEコマンドで実行しています。次のMONITORコマンドは, これらの省略時の値と/RECORD修飾子を使用して,5秒間隔でクラスを表示し記録しています。
ファイルINQMEM.MONを実行するときの省略時の値は,明示的に変更するか, またはユーティリティを終了するまで有効です。
EXITコマンドは,MONITORユーティリティを終了し,制御をコマンド・レベルに戻します。
EXIT
HELPコマンドは,MONITORに関する情報を表示します。
HELP [コマンド]
MONITOR> HELP MONITOR INITIALIZE The INITIALIZE command reestablishes initial default settings for parameters and qualifiers previously altered by the SET DEFAULT command.INITIALIZEコマンドに関するヘルプ情報を要求しています。
INITIALIZEコマンドは,SET DEFAULTコマンドによって変更されたパラメータと修飾子の値を省略時の初期設定に戻します。
INITIALIZE
MONITORコマンドは,指定された情報クラスの統計情報の収集を開始します。
MONITOR [/コマンド修飾子[,...]] クラス名[,...] [/クラス名修飾 子[,...]]
次のパラメータを1つ以上指定しなければなりません。
ALL_CLASSES | すべてのクラスの統計情報 |
CLUSTER | クラスタ全体の性能に関する統計情報 |
DECNET | DECnet for OpenVMSに関する統計情報 |
DISK | ディスク入出力に関する統計情報 |
DLOCK | 分散ロック管理に関する統計情報 |
FCP | ファイル制御プリミティブに関する統計情報 |
FILE_SYSTEM_ CACHE | ファイル・システム・キャッシュに関する統計情報 |
IO | システム入出力に関する統計情報 |
LOCK | ロック管理に関する統計情報 |
MODES | 各プロセッサ・モードで使用された時間 |
MSCP_SERVER | MSCPサーバに関する統計情報 |
PAGE | ページ管理に関する統計情報 |
PROCESSES | すべてのプロセスに関する統計情報 |
RMS | レコード管理サービスに関する統計情報 |
SCS | システム通信サービスに関する統計情報 |
STATES | 各スケジューラ状態のプロセスの数 |
SYSTEM | 他のクラスからの統計情報の要約 |
TRANSACTION | DECdtm サービスに関する統計情報 |
VBS (VAX のみ) | 仮想バランス・スロットに関する統計情報 |
VECTOR | スケジューリングされたベクタ・ プロセッサの使用状況 |
実行中のシステムを監視するときに,/BEGINNING修飾子を指定しなかった場合には, 監視はMONITORコマンドを入力したときに開始されます。しかし, 入力記録ファイルのデータをプレイバックするために/INPUT修飾子を指定した場合には,/BEGINNING 修飾子の省略時の設定は入力ファイルに記録されている開始時刻になります。/BEGINNING を使用して時刻を指定し, 同時に記録ファイルをプレイバックする場合には,MONITORは,ファイルに指定されている開始時刻と修飾子によって指定された開始時刻のうち, 遅い方の時刻を選択します。リモート・ノードを監視する場合の開始時刻は, ローカル・ノードの時刻によって決定されます。
実行中のシステムを監視する要求で将来の時刻を指定した場合には, MONITORは情報メッセージを出力し,指定された時刻になるまで,要求を出したプロセスはハイバネート状態になります。 バッチ・ジョブでMONITOR を実行する場合には,この機能を使用すると便利です。
/BY_NODE修飾子は,マルチファイル要約のデータを表示する場合に使用します。 入力ファイルを1つだけ指定した場合には,MONITORは/BY_NODE修飾子を無視します。 これは,マルチファイル要約が実行されないからです。
/BY_NODE修飾子は/SUMMARY修飾子と組み合わせて指定しなければなりません。 要求された各クラスに対して,AVERAGE statistics per nodeが1つずつ表示されます。
省略時の設定では,マルチファイル要約には,各入力ファイルで要求された各ノードに対して,AVERAGE 統計情報が1つずつ表示されます。
/COMMENT修飾子を指定できるのは,/RECORD修飾子も指定した場合だけです。( コマンド行に/RECORD修飾子を指定しなかった場合には,/COMMENT修飾子は無視されます。) この修飾子を指定しなかった場合や,/NOCOMMENT 修飾子を指定した場合には,省略時の設定により,60個の空白の文字列が記録ファイルに格納されます。
コメントを格納した記録ファイルをプレイバックすると,そのコメントは, 表示またはシングル・ファイル要約の見出しに含まれます。しかし,/SUMMARY 修飾子または/ALL修飾子も使用しない限り,CLUSTERクラスのプレイバックでコメントは表示されません。
オプションのファイル指定を省略した場合には,出力はSYS$OUTPUTに書き込まれます。
省略時の設定では,出力は表示されます。しかし,マルチファイル要約を要求した場合には, 出力は表示されません。
実行中のシステムを監視するときに,/ENDING修飾子を省略した場合には, 監視は,Ctrl/CまたはCtrl/Zを使用して要求を終了するまで継続されます。 また,入力記録ファイルのデータをプレイバックするために/INPUT 修飾子を指定した場合には,/ENDING修飾子の省略時の設定は,入力ファイルに記録されている終了時刻になります。/ENDING 修飾子に時刻を指定し, 記録ファイルをプレイバックする場合には,修飾子によって指定された終了時刻とファイルに格納されている終了時刻のうち, 早い方の時刻が選択されます。 ライブ要求の場合には,ローカル・ノードの時刻をもとに終了時時刻が決定されます。
Ctrl/CまたはCtrl/Zを使用すれば,/ENDING修飾子の値とは無関係に要求を中断できます。 非会話型プロセス(つまり,バッチ・ジョブまたは独立プロセスまたはサブプロセス) で実行中の要求を中断するには,適切なDCL コマンドを使用してプロセスを終了します。
現在使用中の共用記録ファイルにデータを書き込む場合には,ファイルにアクセスする他のユーザもできるだけ最新のデータを検索できるように, 短い間隔を指定してください。間隔が短くなればなるほど,記録中にシステム障害が発生したときに失われるデータは少なくなります。
複数の入力ファイルを使用する場合には,/SUMMARY修飾子を使用しなければなりません。 マルチファイル要約でMONITORが受け付ける最大ファイル数は5000 です。マルチファイル要約要求では,CLUSTERクラスとPROCESSES クラスは無視されます。コマンド行にこれらのクラスだけしか指定しなかった場合には, これらのクラスは認識されず,"no classes specified"というエラー・ メッセージが表示されます。
複数の入力ファイルを指定するときに,ファイル指定の一部(名前またはタイプ) を省略した場合には,前のファイル指定の対応する部分が使用されます。
ファイル・タイプを省略し,入力ファイル・リストにファイル・タイプをそれまで指定していない場合には, 省略時のファイル・タイプは.DATになります。 ファイル指定を省略した場合には,MONITORは省略時のファイル名としてMONITOR.DAT を割り当てます。現在のデバイスとディレクトリの省略時の設定は適用されます。
この修飾子を省略した場合には,性能データは実行中のシステムから収集されます。
収集イベント,記録イベント,表示イベントはMONITOR要求で発生します。 これらのイベントの頻度を制御するには,/INTERVAL修飾子を使用します。 収集イベントは,要求されたすべてのクラスのデータをオペレーティング・ システムまたは前に記録されているファイルから収集します。記録イベントは, 要求されたすべてのクラスのデータを記録ファイルに書き込みます。 表示イベントは,シングル・クラスに対して,MONITOR要求が開始されてからそのクラスに対して収集されたデータをもとに, スクリーン・ イメージを作成します。
ライブ収集要求の場合には,収集イベントの後に必ず記録イベントが続きます( 要求された場合)。収集イベントと記録イベントの頻度は, /INTERVAL修飾子によって制御され,この修飾子は,2つのイベントの組み合わせがそれぞれ発生する間隔を秒数で指定します。 表示イベントは収集/ 記録イベントとは非同期的に発生し,/VIEWING_TIME修飾子によって制御されます。
プレイバック要求の場合には,収集イベントは,前にデータが記録されている入力ファイルから新しい間隔が検出されるだびに発生します。 ライブ収集の場合と異なり, その後に記録イベント(要求された場合)が必ずしも続くわけではありません。 発生頻度は/INTERVAL修飾子によって管理されます。/INTERVAL 修飾子の値は,入力ファイルの作成時に指定した/INTERVAL 修飾子の値をもとに解釈されます。新しい値は元の値の整数倍でなければなりません。 記録イベントは,元の間隔の整数倍である間隔が入力ファイルから検出されるたびに起動されます。 プレイバック要求の場合には, 表示イベント(要求された場合)の発生は,記録イベントと正確に同じ方法で示され(/INTERVAL 修飾子を使用して),記録イベントのすぐ後に続きます( どちらも指定された場合)。表示イメージが画面に表示されている実際の長さは,/VIEWING_TIME 修飾子によって指定されますが,ライブ収集の場合と異なり, 表示イベントを通知するためにこの修飾子が使用されるわけではありません。 次の表は,どの修飾子によってさまざまなMONITOR イベントが起動されるかを示しています。
イベント | ライブ収集修飾子 | プレイバック修飾子 |
---|---|---|
収集 | /INTERVAL | 元の/INTERVALの値(ファイルから) |
記録 | /INTERVAL | /INTERVAL |
表示 | /VIEWING_TIME | /INTERVAL |
ライブ要求の場合,収集間隔は,1つの収集イベントの最後から次のイベントが開始されるまでの秒数として定義されます。 収集イベントには,指定されたすべてのノードでの要求されたすべてのクラスの収集が含まれます。( 複数ノード要求の場合には,新しいイベントを開始する前に,すべてのノードで収集イベントが終了しなければなりません。) したがって, 1つの収集イベントを開始してから次のイベントを開始するまでに経過する時間は,/INTERVAL の値に収集のために必要な時間を加算した値です。 一部の要求,特に多くのクラスを含む要求や,PROCESSESクラス,RMSクラス,CLUSTER クラス,SYSTEMクラスを含む要求の場合には,収集時間がかなり長くなる可能性があります。
/INPUT要求の場合には,省略時の間隔は入力記録ファイルに指定した値になります。 実行中のシステムを監視する場合の省略時の設定は,どのクラスの場合も3 秒ですが,ALL_CLASSES,CLUSTER,およびSYSTEMの場合は6秒です。
OpenVMS Clusterでの遠隔監視は,異なるバージョンのOpenVMSを実行しているノード間で互換性がない場合があります。 次の表に,遠隔監視に関するバージョン間の互換性を示します。
OpenVMS AlphaおよびVAX バージョン6.0およびそれ以降 | OpenVMS Alphaバージョン 1.5とVAXバージョン5. n | |
---|---|---|
OpenVMS AlphaおよびVAX バージョン6.0およびそれ以降 | あり | なし |
OpenVMS Alphaバージョン1.5とVAXバージョン5. n | なし | あり |
互換性のない遠隔ノードからデータを得るには,データを遠隔ノードに記録しておいてから,MONITOR プレイバック機能を使用してローカル・ ノード上のデータを確認します。『OpenVMSシステム管理者マニュアル』に遠隔監視に関する説明があります。 複数のシステム・クラスのノード名を複数指定すると,MONITOR は各ノードについてクラスを1つずつ表示します。たとえば, MONITOR/NODE=(NODE_A, NODE_B) STATES, MODESというコマンドを使用した場合は,NODE_A とNODE_BのSTATESデータが作成され,その後,MODESデータが作成されます。
OpenVMSバージョン5.0以前のMONITORを使用して作成した記録ファイルは, 現在の形式に変換しなければ,現在のMONITORバージョンでプレイバックできません。
指定したクラス名修飾子とは無関係に,出力には,要求されたすべてのクラスのすべてのデータが含まれます。 マルチファイル要約を要求した場合には, 記録ファイル出力は作成されません。
要約ファイルは監視操作の最後に作成され,要求された各クラスに対して1 ページ以上の出力が格納されます。各ページの形式は表示出力の形式によく似ており, クラス名修飾子によって決定されます。他の修飾子が指定されていないすべてのクラス名に対しては,/ALL 修飾子が適用されます。
実行中のシステムを監視する場合には,/VIEWING_TIMEの省略時の値は/INTERVAL の値になります。/INPUTを指定し,記録ファイルを使用する場合には,/VIEWING_TIME の省略時の値は3秒です。
しかし,実際の表示時間は,MONITORをローカル・システムで実行しているのか, リモート・ノードで実行しているのかに応じて異なります。(この場合, リモートとは,SET HOSTコマンドを使用して別のノードをアクセスすることを示します。) リモート・アクセスの場合には,画面表示に必要な時間も表示時間に含まれますが, ローカル・アクセスの場合には, この時間は含まれません。したがって,MONITORをリモート・システムで実行する場合には, 表示時間として省略時の3秒より長い時間を使用してください。 リモート・アクセスにとって適切な値は,ターミナルの転送速度に応じて異なります。9600 ボーのターミナル・ラインの場合には,6 秒が妥当な表示時間です。
PROCESSES表示の場合,1画面分のデータを表示した後,次の1画面分のデータを表示するまでの時間も, この修飾子で制御されます。
MONITOR ALL_CLASSESコマンドは,CLUSTERクラスとRMSクラスを除き,他のすべてのクラスの統計情報の収集を開始します。
MONITOR ALL_CLASSES
省略時の時間間隔は6秒です。
MONITOR ALL_CLASSESコマンドでは,記録ファイルにどのクラスの性能データを格納するかを指定する必要がないため, 記録ファイルのプレイバックに非常に便利です。 省略時の修飾子を変更するには,ALL_CLASSESの後に修飾子とクラス名を指定します。
MONITOR> MONITOR/INPUT=SYS$MANAGER:LOADBAL.DAT ALL_CLASSES,PROCESSES/TOPCPU記録ファイルSYS$MANAGER:LOADBAL.DATのプレイバックを起動しています。 ファイルに格納されているすべてのデータが表示されます。
MONITOR CLUSTERコマンドは,CLUSTER統計クラスの監視を起動します。クラスタ単位のCPU ,メモリ,ディスク,ロッキング動作が表示されます。
MONITOR CLUSTER
要求がアクティブである間にクラスタに入ったノードは認識されないので, そのデータは収集されません。
CLUSTERクラスと他のクラスを1つの要求で指定することはできません。
マルチファイル要約要求では,CLUSTERクラスとPROCESSESクラスは無視されます。 これらのクラスだけをコマンド行に指定した場合には,MONITOR はこれらのクラスを認識せず,"no classes specified"というエラー・メッセージを表示します。
CLUSTERクラスのデータ項目は,次のとおりです。
クラスタ構成では,MSCPサーバ・ソフトウェアにより,ローカル・ノード上のHSC ディスクを他のノードが使用できるようになります。ノードが別のVAX ノードを経由してディスクにアクセスする場合(MSCPサーバにより) ,遠隔アクセスを使用します。ノードがローカル・ノード上のディスクまたはHSC ディスクにアクセスする場合,直接アクセスを使用します。
装置名の後の"R"は,遠隔アクセスを使用してノードが要求した入出力動作を表していることを示します。
装置名の後に"R"がない場合,直接アクセスによってノードが実行した入出力動作を表していることを示します。 遠隔要求をMSCPサーバが代行して実行した入出力動作が含まれる場合もあります。
次の2種類の形式を,クラス名修飾子で指定できます。
MONITOR_SERVERプロセスに関するクラスタ管理者への注意
ユーザがMONITOR CLUSTERコマンドを入力した場合,MONITORはイメージSYS$SYSTEM:VPM.EXE を起動します。このイメージは,各アクティブ・クラスタ・ ノード上にMONITOR_SERVERというプロセスを作成します。ユーザがMONITOR CLUSTER コマンドまたはMONITORクラス名 という形式のコマンドで/NODE 修飾子を指定した場合,MONITORは指定したノード上にだけプロセスを作成します。 サーバ・プロセスは,遠隔ノードからデータを収集し, ローカル・ノードに表示したり記録したりします。正確かつ迅速にデータを収集するため, サーバ・プロセスは優先順位15で起動されます。 サーバ・プロセスが消費する資源はごくわずかであるため,システム性能にはほとんど影響がありません。
省略時の設定では,MONITOR_SERVERプロセスは,システムのDECnetアカウントで起動されます。 このアカウントは,ブート時に実行されるコマンド・ プロシージャNETCONFIG.COMで作成されます。このアカウントが存在していない場合は,NETCONFIG.COM を実行してこのアカウントを作成するか, またはサーバ・プロセスを起動できる別のアカウントを指定してください。
別のアカウントでサーバ・プロセスを起動する場合,次のコマンド群を使用してDECnet データベースに既知オブジェクト51としてVPMを定義し,このオブジェクトをアカウントに対応づけます。
$ SET PROCESS/PRIVILEGE=SYSPRV $ RUN SYS$SYSTEM:NCP NCP> DEFINE OBJECT VPM NUMBER 51 - _ FILE SYS$SYSTEM:VPM.EXE - _ PROXY NONE - _ ACCOUNT account - _ USER user-id - _ PASSWORD password NCP> SET OBJECT VPM NUMBER 51 - _ FILE SYS$SYSTEM:VPM.EXE - _ PROXY NONE - _ ACCOUNT account - _ USERNAME user-id - _ PASSWORD password NCP> EXIT $ SET PROCESS/PRIVILEGE=NOSYSPRV
各サーバ・プロセスについて,MONITORはローカル・ノード上にログ・ファイルを作成します。 エラー・メッセージなど,サーバ接続動作に関する情報は, このログ・ファイルに書き込まれます。エラー・メッセージが書き込まれるのは, エラーが発生したときだけです。システムの運用期間全体において,1 つのバージョンのログ・ファイルが維持されます。省略時のファイルは,SYS$COMMON:[SYSMGR]VPM$ ノード名LOGです。ノード名は, MONITOR_SERVERプロセスを起動したノードを示します。
省略時の値を変更するには,該当するノード上のシステム論理名テーブルのエグゼクティブ・ モード論理名VPM$LOG_FILEを再定義します。たとえば, サーバ・エラー・ログ・データをファイルWRKD:[MONSERVER]VPM_ ERRORS.LOGに書き込むには,VPM$LOG_FILEを次のように定義します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE VPM$LOG_FILE - _$ WRKD:[MONSERVER]VPM_ERRORS.LOG
クラスタ上のすべてのMONITOR_SERVERプロセスに関するデータを1つのファイルに格納するには, 各メンバ・システム上の論理名に同じ値を設定します。 ログ・ファイルは共用順編成ファイルとして作成されるので,複数のサーバ・ プロセスがログ・ファイルに同時にアクセスできます。
クラスタを日常的に監視する場合,ブート時にMONITOR_SERVERプロセスを各メンバ・ ノードに作成し,作成したプロセスをシステムの運用期間中維持すれば, サーバのスタートアップ時間を大幅に短縮できます。これを行うには, サイト別スタートアップ・コマンド・ファイルに次のコマンド行を追加します。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE VPM$SERVER_LIVE TRUE $ RUN/DETACH/PAGE_FILE=10000 SYS$SYSTEM:VPM.EXE
上記のコマンドは,会話形式でも随時入力できます。ただし,ALTPRI, NETMBX,PSWAPM,SYSNAM,SYSPRV,TMPMBXの特権が必要です。
MONITOR> MONITOR CLUSTER/ALL表形式によるCLUSTER表示です。OpenVMS Monitor Utility CLUSTER STATISTICS on node CURLEY 29-APR-1998 12:25:13 CPU Busy CUR AVE MIN MAX LARRY 100.00 100.00 100.00 100.00 CURLEY 100.00 99.83 100.00 100.00 MOE 8.52 8.50 8.52 8.52 OpenVMS Monitor Utility CLUSTER STATISTICS on node CURLEY 29-APR-1998 12:25:19 %Memory In Use CUR AVE MIN MAX MOE 88.00 88.00 88.00 88.00 LARRY 78.00 78.00 77.00 78.00 CURLEY 72.00 72.50 72.00 72.00 OpenVMS Monitor Utility CLUSTER STATISTICS on node CURLEY 29-APR-1998 12:25:25 I/O Operation Rate CUR AVE MIN MAX $111$DUA7: (DECEIT) SQMCLUSTERV4 0.48 6.53 0.48 10.41 $111$DUA6: (DECEIT) QUALD 1.93 1.07 0.00 1.93 $111$DUA4: (DECEIT) PAGESWAPDISK 1.44 0.96 0.00 1.44 $111$DUA2: (DECEIT) TSDPERF 0.32 0.53 0.16 1.12 LARRY$DRA3: QUALQUEST 0.00 0.21 0.00 0.64 MOE$DMA1: UVMSQAR 0.00 0.00 0.00 0.00 MOE$DRA5: USER01 0.00 0.00 0.00 0.00 LARRY$DRA4: TIMEDEV 0.00 0.00 0.00 0.00 LARRY$DBB3: REGLIB 0.00 0.00 0.00 0.00 $111$DUA3: (DECEIT) DUMPDISK 0.00 0.00 0.00 0.00 $111$DUA5: (DECEIT) BPMDISK 0.00 0.00 0.00 0.00 $111$DJA8: (DECEIT) ORLEAN 0.00 0.00 0.00 0.00 $111$DJA10: (DECEIT) QMISDATABASE 0.00 0.00 0.00 0.00 $111$DJA9: (DECEIT) MPI$DATA 0.00 0.00 0.00 0.00 OpenVMS Monitor Utility CLUSTER STATISTICS on node CURLEY 29-APR-1998 12:25:56 Tot ENQ/DEQ Rate CUR AVE MIN MAX MOE 7.90 14.92 0.00 43.12 LARRY 20.48 14.64 0.00 46.92 CURLEY 1.93 13.29 0.00 57.30
MONITOR DECNETコマンドは,DECNETクラスの監視を起動します。DECnet for OpenVMSネットワーク動作の情報も対象となります。
MONITOR DECNET
MONITOR> MONITOR DECNET制御パケットを含むネットワーク・パケットの発着量がほぼ同じであり, ネットワーク動作が監視開始以来の平均値より高いレベルにあるが,最高ではないことを示しています。OpenVMS Monitor Utility DECNET STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 22:22:44 CUR AVE MIN MAX Arriving Local Packet Rate 9.54 5.08 0.00 11.25 Departing Local Packet Rate 9.22 4.66 0.00 10.92 Arriving Trans Packet Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Trans Congestion Loss Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Receiver Buff Failure Rate 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR DISKコマンドは,DISK統計クラスの監視を起動します。監視できるディスクの数の上限は, レコード出力については909,表示および要約出力については1817 です。
MONITOR DISK
次の表は/ITEM修飾子のキーワードを示しています。
キーワード | 説明 |
---|---|
ALL | ディスクに対して収集したすべてのデータ項目に関する統計情報を一連の画面に表示することを指定する。 |
OPERATION_RATE | 入出力操作の割合に関する統計情報をディスクごとに表示することを指定する。 |
QUEUE_LENGTH | サービスを受ける入出力要求パケットの数( 現在サービスを受けているものと待機中のもの)をディスクごとに表示することを指定する。 |
システム内のすべてのディスクの処理率を比較することにより,負荷の高いディスクと低いディスクを調べることができます。 ただし, 個々の処理に要した時間は出力されないので,その点を考慮してください。
現在処理中の要求と待ち状態の要求が含まれます。精度を高くするために, この項目は,/INTERVALコマンド修飾子で指定した値には関わらず, 必ず1秒間隔でサンプリングされます。
監視できるディスクの数の上限は,レコード出力については909,表示および要約出力については1817 です。以前のバージョンでは,両方のタイプの出力で上限は799 でした。
次の代表的なクラスタ環境例では,各ディスクを3つの要素で識別しています。
このフィールドは,複数統計表示だけに表示され,単一統計表示や複数要約には表示されません。
クラスタ構成では,MSCPサーバ・ソフトウェアにより,ローカル・ノード上のHSC ディスクを他のノードが使用できるようになります。ノードが別のVAX ノードを経由してディスクにアクセスする場合(MSCPサーバにより) ,遠隔アクセスを使用します。ノードがローカル・ノード上のディスクまたはHSC ディスクにアクセスする場合,直接アクセスを使用します。
装置名の後の"R"は,遠隔アクセスを使用してノードが要求した入出力動作を表していることを示します。
装置名の後に"R"がない場合,直接アクセスによってノードが実行した入出力動作を表していることを示します。 遠隔要求をMSCPサーバが代行して実行した入出力動作が含まれる場合もあります。
MONITOR> MONITOR DISK/ITEM=QUEUE_LENGTH代表的なクラスタ環境の一例です。各ディスクについて,処理待ち状態または処理中の入出力パケット数が表示されています。 装置SAMPLE$DRA2 は,キューの長さが0以外である唯一の装置です。収集間隔設定値に関わらず,MONITOR によってキューの長さは毎秒サンプリングされます。OpenVMS Monitor Utility DISK I/O STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 14:19:56 I/O Request Queue Length CUR AVE MIN MAX SAMPLE$DBA0: SAMPLE09APR 0.00 0.00 0.00 0.00 SAMPLE$DRA2: SAMPLEPAGE 2.00 1.43 0.00 4.00 SAMPLE$DRB1: ACCREG 0.00 0.00 0.00 0.00 $1$DRA5: (MOE) MOE$$PAGE 0.00 0.00 0.00 0.00 $1$DBA3: (CURLEY) UMASTER 0.00 0.00 0.00 0.00 $1$DBA5: (CURLEY) MIDNITE 0.00 0.00 0.00 0.00 $2$DRA7: (LARRY) RES26APR 0.00 0.00 0.00 0.00 $2$DRB6: (LARRY) CLUSTERDUMP1 0.00 0.00 0.00 0.00 $255$DUA4: (SHEMP) RES06AUG 0.00 0.00 0.00 0.00 $255$DUA5: (SHEMP) VMSDOCLIB 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR DLOCKコマンドは,DLOCK (分散ロック管理)統計クラスの監視を起動します。
MONITOR DLOCK
データ項目 | 説明 |
---|---|
New ENQ Rate (Local) | 対象システムが起動し実行する新しいロック(ENQ) 要求の割合 |
New ENQ Rate (Incoming) | 他のシステムが起動し,対象システムが実行する新しいロック要求の割合 |
New ENQ Rate (Outgoing) | 対象システムが起動し, 別のシステムが実行する新しいロック要求の割合 |
Converted ENQ Rate (Local) | 対象システムが起動し実行するロック(ENQ) 変換要求の割合 |
Converted ENQ Rate (Incoming) | 他のシステムが起動し, 対象システムが実行するロック変換要求の割合 |
Converted ENQ Rate (Outgoing) | 対象システムが起動し, 別のシステムが実行するロック変換要求の割合 |
DEQ Rate (Local) | 対象システムが起動し実行するアンロック(DEQ) 要求の割合 |
DEQ Rate (Incoming) | 他のシステムが起動し, 対象システムが実行するアンロック要求の割合 |
DEQ Rate (Outgoing) | 対象システムが起動し, 別のシステムが実行するアンロック要求の割合 |
Blocking AST Rate (Local) | 対象システムが起動し実行するロック・ マネージャ・ブロッキングASTの割合 |
Blocking AST Rate (Incoming) | 他のシステムが起動し, 対象システムが実行するロック・マネージャ・ブロッキングAST の割合 |
Blocking AST Rate (Outgoing) | 対象システムが起動し,別のシステムが実行するロック・ マネージャ・ブロッキングASTの割合 |
Directory Function Rate (Incoming) | 対象ノードが管理しているロックに対する要求の割合 |
Directory Function Rate (Outgoing) | 他のノードが管理しているロックに対する要求の割合 |
Deadlock Message Rate | デッドロック検出に要する発着メッセージの割合 |
MONITOR> MONITOR DLOCK現在のロック管理動作がローカル・ノードで発生していること,ただし, 監視期間中のある時点で相当量の着信動作があったことを示しています。OpenVMS Monitor Utility DISTRIBUTED LOCK MANAGEMENT STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 11:02:20 CUR AVE MIN MAX New ENQ Rate (Local) 15.84 11.59 1.54 26.88 (Incoming) 1.67 2.62 0.11 25.05 (Outgoing) 0.05 0.63 0.00 5.99 Converted ENQ Rate (Local) 23.67 9.13 0.99 41.22 (Incoming) 4.48 5.71 0.00 70.19 (Outgoing) 0.00 1.43 0.00 15.90 DEQ Rate (Local) 15.86 11.58 1.64 26.68 (Incoming) 1.66 2.59 0.00 24.85 (Outgoing) 0.05 0.63 0.00 5.99 Blocking AST Rate (Local) 0.00 0.00 0.00 0.01 (Incoming) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Outgoing) 0.00 0.00 0.00 0.00 Dir Functn Rate (Incoming) 8.00 7.33 4.66 11.00 (Outgoing) 1.00 0.77 0.00 2.66 Deadlock Message Rate 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR FCPコマンドは,ファイル制御プリミティブ統計クラスの監視を起動します。 ファイル制御プリミティブ統計クラスには,ローカル・ノード上のFiles-11 補助制御プロセス(ACP)と拡張QIOプロセッサ(XQP)すべての情報が含まれます。
MONITOR FCP
FCP Call Rate | ファイル・システムが受信したQIO 要求の割合 |
Allocation Rate | ディスク空間を割り付けた呼び出しの割合 |
Create Rate | 新しいファイルの作成率 |
Disk Read Rate | ファイル・ システムによるディスクの読み込み動作率 |
Disk Write Rate | ファイル・システムによるディスクの書き込み動作率 |
Volume Lock Wait Rate | 送信権の争奪によってボリューム同期ロックが待ち状態となった割合。 ファイルの作成,削除,拡張,切り捨て時にXQPが削除したボリューム同期ロック数が表示されます。 |
CPU Tick Rate | ファイル・システムが使用したCPU 時間(10ミリ秒刻み) |
File System Page Fault Rate | ファイル・システムにおけるページ・フォルト発生率 |
Window Turn Rate | ファイル・マップ・ウィンドウ・ミス率 |
File Lookup Rate | ファイル・ディレクトリにおけるファイル名検索動作率 |
File Open Rate | ファイルをオープンした割合 |
Erase Rate | ファイル・システムによる消去動作起動率 |
MONITOR> MONITOR /INTERVAL=10 FCP最後の収集間隔である10秒で,ファイルがオープンされた割合が2.0であることを示しています( 総数は20)。MONITORコマンド入力後の平均率は3.54 ,最高率は5.10,最低率は最後の10秒間の2.0です。OpenVMS Monitor Utility FILE PRIMITIVE STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 16:13:38 CUR AVE MIN MAX FCP Call Rate 4.62 3.80 0.33 7.61 Allocation Rate 0.99 0.24 0.00 0.99 Create Rate 2.31 0.57 0.00 2.31 Disk Read Rate 1.98 2.48 0.33 6.95 Disk Write Rate 3.30 2.39 0.33 5.62 Volume Lock Wait Rate 4.62 3.06 0.00 6.95 CPU Tick Rate 3.63 3.88 0.33 10.26 File Sys Page Fault Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Window Turn Rate 1.98 0.99 0.00 1.98 File Lookup Rate 0.33 1.40 0.00 4.63 File Open Rate 2.00 3.54 2.00 5.10 Erase Rate 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR FILE_SYSTEM_CACHEコマンドは,FILE_SYSTEM_CACHE統計クラスの監視を起動します。
MONITOR FILE_SYSTEM_CACHE
データ項目 | 説明 |
---|---|
Directory FCB Hit% | ディレクトリ・キャッシュにおけるディレクトリ・
ファイル制御ブロック・ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
Directory FCB Attempt Rate | ディレクトリ・ キャッシュ内でディレクトリ・ファイル制御ブロックを検索しようとした割合 |
Directory Data Hit% | ディレクトリ・キャッシュにおけるディレクトリ・データ・
ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
Directory Data Attempt Rate | ディレクトリ・ キャッシュ内でディレクトリ・データを検索しようとした割合 |
File Header Hit% | ファイル・
ヘッダ・キャッシュにおけるファイル・ヘッダ・ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
File Header Attempt Rate | ファイル・ ヘッダ・キャッシュ内でファイル・ヘッダを検索しようとした割合 |
File ID Hit% | ファイル識別子キャッシュにおけるファイル識別子ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
File ID Cache Attempt Rate | ファイル識別子キャッシュ内でファイル識別子を検索しようとした割合 |
Extent Cache Hit% | 拡張キャッシュにおける該当サイズ拡張ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
Extent Cache Attempt Rate | 拡張キャッシュ内で該当サイズ拡張を検索しようとした割合 |
Quota Cache Hit% | クォータ・キャッシュにおけるクォータ・
エントリ・ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
Quota Cache Attempt Rate | クォータ・ キャッシュ内でエントリを検索しようとした割合 |
Bitmap Cache Hit% | ビットマップ・キャッシュにおけるエントリ・
ヒット率
ヒットとミスの合計に対するヒットの比率が表示されます。 |
Bitmap Cache Attempt Rate | ビットマップ・ キャッシュ内でエントリを検索しようとした割合 |
FILE_SYSTEM_CACHEのデータ項目は,Dir FCBを除き,すべてXQPだけに適用されます。Dir FCB 項目は,XQPとODS-1 ACPの両方に適用されます。
MONITOR> MONITOR FILE_SYSTEM_CACHEキャッシュのヒットとミスは,ファイル・システムのキャッシングの効率を反映しています。 通常,キャッシュのサイズがヒット率に影響します。 Attempt Rateは,ヒットとミスの合計であり,Hit%は,正常終了した試みの比率です。OpenVMS Monitor Utility FILE SYSTEM CACHING STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 13:08:53 CUR AVE MIN MAX Dir FCB (Hit %) 100.00 100.00 0.00 100.00 (Attempt Rate) 1.66 0.49 0.00 1.66 Dir Data (Hit %) 100.00 100.00 0.00 100.00 (Attempt Rate) 4.66 1.24 0.00 4.66 File Hdr (Hit %) 66.00 80.00 0.00 100.00 (Attempt Rate) 1.00 0.41 0.00 1.00 File ID (Hit %) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Attempt Rate) 0.00 0.00 0.00 0.00 Extent (Hit %) 0.00 100.00 0.00 100.00 (Attempt Rate) 0.00 0.24 0.00 1.00 Quota (Hit %) 0.00 100.00 0.00 100.00 (Attempt Rate) 0.00 0.16 0.00 0.66 Bitmap (Hit %) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Attempt Rate) 0.00 0.00 0.00 0.00
平均ヒット率は,他のMONITORデータ項目とは異なり,以前のヒット率ではなく, 監視開始後のヒット総数と試み数をもとに計算されます。したがって, より正確な平均値が出力されます。
ディレクトリFCBキャッシュは,ディレクトリ検索を行うたびにチェックされます。 ディレクトリ検索は,ファイルをオープン,作成,削除, 拡張,切り捨てしたときに実行できます。ディレクトリに対応するファイル制御ブロックがキャッシュに存在する場合, ヒットが記録されます。 存在しない場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ディレクトリ・データ・キャッシュは,ファイル検索を行うたびにチェックされます。 ディレクトリ・ルックアップは,ファイルをオープン, 作成,削除,拡張,切り捨てしたときに実行できます。アクセスされているファイルのエントリがディレクトリ・ データ・キャッシュに存在する場合, ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。 ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ファイル・ヘッダ・キャッシュは,ファイルをオープン,クローズ, 作成,削除,拡張,切り捨てしたときにチェックされます。アクセスされているファイルのファイル・ ヘッダがファイル・ヘッダ・キャッシュに存在する場合, ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。 ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ファイル識別子キャッシュは,ファイル作成時に削除され,ファイルの削除時に戻されるファイル識別子のリストです。 ファイル識別子ヒットは, ファイル識別子キャッシュからの削除またはファイル識別子キャッシュへの戻しが正常終了したファイル番号です。 異常終了した場合,ミスが記録されます。 ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
拡張キャッシュは,ファイルを作成,削除,拡張,切り捨てしたときにチェックされます。 ファイルの作成または拡張時に,拡張キャッシュの空間が割り当てられます。 ファイル作成時に充分なサイズが存在する場合, ヒットが記録されます。充分なサイズが存在しない場合やエントリを分割しなければならない場合, 試みが記録されます。ファイル削除時にブロックを戻した結果, 拡張キャッシュが大きくなりすぎなかった場合, ヒットが記録されます。大きくなりすぎた場合,ミスが記録されます。ヒットとミスは, ともに試みとしてカウントされます。
クォータ・チェックが許可されている場合,ファイルを作成,削除,拡張, 切り捨てしたときにクォータ・キャッシュがチェックされます。 希望するエントリ(要求元の識別子と一致する識別子)がクォータ・キャッシュに存在する場合, ヒットが記録されます。存在しない場合,ミスが記録されます。 ヒットとミスは,ともに試みとしてカウントされます。
ビットマップ・キャッシュは,記憶ビットマップ・ファイルから取り出したブロックを格納します。 拡張キャッシュがディスク空間要求に対応できなかった場合に, アクセスされます。値が高い場合,ボリュームがフラグメンテーションされていることを示します。
FILE_SYSTEM_CACHEのデータ項目は,次のとおり,SYSGEN ACP/XQPパラメータと対応します。
FILE_SYSTEM_CACHE項目 | ACP/XQPパラメータ |
---|---|
Dir FCB | ACP_ SYSACC |
ACP_DINDXCACHE | |
Dir Data | ACP_DIRCACHE |
File Hdr | ACP_HDRCACHE |
File ID | ACP_FIDCACHE |
Extent | ACP_EXTCACHE |
ACP_ EXTLIMIT | |
Quota | ACP_ QUOCACHE |
Bitmap | ACP_ MAPCACHE |
ACP/XQPキャッシュ・パラメータを変更する場合には,システムを再ブートしなければ, 変更結果は有効になりません。これらのパラメータについての詳しい説明は, システム・パラメータに関する付録を参照してください。
MONITOR IOコマンドは,入出力クラスの監視を起動します。
MONITOR IO
データ項目 | 説明 |
---|---|
Direct I/O Rate | 直接入出力(ディスクやテープなど) 動作の割合 |
Buffered I/O Rate | バッファード入出力(ターミナルや回線など)動作の割合 |
Mailbox Write Rate | システムが受信したメールボックス書き込み要求の割合 |
Split Transfer Rate | 転送内容が複数の入出力に分割された割合 |
Log Name Translation Rate | 論理名変換の割合 |
File Open Rate | ファイルをオープンした割合 |
Page Fault Rate | すべてのワーキング・ セットのページ・フォルト発生率 |
Page Read Rate | ページ・フォルトの結果, ディスクから読み込まれたページ数 |
Page Read I/O Rate | ページ・フォルトの結果,ディスクに対して実行された読み込み動作率 |
Page Write Rate | ページ・ファイルに書き込まれたページ数 |
Page Write I/O Rate | ページ・ファイルに対する書き込み動作率 |
Inswap Rate | スワップ・ファイルからメモリに読み込まれたワーキング・ セット数 |
Free List Size | 空きページ・リストのページ数 |
Modified List Size | 変更したページ・リストのページ数 |
MONITOR> MONITOR /RECORD IOMONITORコマンド入力後,直接入出力率は現在最高であり,平均を大幅に上回っていることを示しています。Ctrl/C でコマンドを終了しMONITOR PROCESSES/TOPDIOコマンドを入力すると,トップ直接入出力ユーザが表示されます。 入出力監視を改めて開始する場合は,新たなMONITOR要求を定義します。 つまり,最初の要求が継続されるのではなく,平均統計,最小統計, 最大統計は,再初期化されます。ただし,最初の要求では記録を指定しているので, データをプレイバックして再表示や要約に使用することはできます。OpenVMS Monitor Utility I/O SYSTEM STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 22:22:44 CUR AVE MIN MAX Direct I/O Rate 15.33 4.46 0.33 15.33 Buffered I/O Rate 24.91 47.47 24.91 69.00 Mailbox Write Rate 0.00 0.45 0.00 2.95 Split Transfer Rate 1.66 1.56 0.33 3.97 Log Name Translation Rate 13.28 10.75 3.66 27.66 File Open Rate 1.66 1.26 0.33 2.98 Page Fault Rate 24.58 52.31 17.33 178.00 Page Read Rate 12.29 9.00 0.00 26.88 Page Read I/O Rate 2.65 2.43 0.00 6.22 Page Write Rate 0.00 6.69 0.00 58.66 Page Write I/O Rate 0.00 0.27 0.00 1.66 Inswap Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Free List Size 3621.00 3604.09 3392.00 3771.00 Modified List Size 49.00 73.36 4.00 181.00 RECORDING
MONITOR LOCKコマンドは,LOCKクラスの監視を起動します。
MONITOR LOCK
データ項目 | 説明 |
---|---|
New ENQ Rate | 新しいロック(ENQ)要求(変換要求の反対) 率 |
Converted ENQ Rate | ロック(ENQ)変換要求率 |
DEQ Rate | アンロック(DEQ)要求率 |
Blocking AST Rate | ロック・マネージャ・ブロッキングAST の実行要求率 |
ENQs Forced To Wait Rate | 直ちにに許可されず,待ち状態となったロック発生率 |
ENQs Not Queued Rate | 直ちにに許可されず,かつキューに登録しないことが要求されたため, エラー状態となったロック発生率 |
Deadlock Search Rate | デッドロック検索実行率 |
Deadlock Find Rate | デッドロック検出率 |
Total Locks | システム内のロック総数 |
Total Resources | システム内の資源総数 |
MONITOR> MONITOR /RECORD IO MONITOR> MONITOR /INPUT=LOCKSTATS.DAT/SUMMARY/NODISPLAY LOCK/AVERAGE . . . MONITOR> <Ctrl/Z> $ TYPE MONITOR.SUM記録されているデータにもとづき,週日のロック管理サブシステムの平均使用状況を表示しています。OpenVMS Monitor Utility +-----+ LOCK MANAGEMENT STATISTICS | AVE | on node SAMPLE From: 29-APR-1998 08:00:00 +-----+ SUMMARY To: 29-APR-1998 17:00:00 0 5 10 15 20 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ New ENQ Rate 2 |**** Converted ENQ Rate 1 |** | | | | | DEQ Rate 3 |****** Blocking AST Rate | | | | | | ENQs Forced To Wait Rate | ENQs Not Queued Rate | | | | | | Deadlock Search Rate | Deadlock Find Rate | | | | | | Total Locks 3 |****** Total Resources 3 |****** | | | | | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ PLAYBACK SUMMARIZING
MONITOR MODESコマンドは,MODESクラスの監視を起動します。MODESクラスには, 各プロセッサ動作モードに関するデータ項目が含まれます。
MONITOR MODES
複数のCPU識別を指定したときに,その中の1つ以上のCPUが使用不可能な状態の場合,MONITOR はそのことをユーザに通知しません。指定したすべてのCPU 識別が存在しない場合には,引数を指定せずに/CPU修飾子だけが指定されたかのように動作します。
マルチプロセッサ・システムの場合,/NOCPUは,すべてのCPUが各モードで消費した総時間を1 つの画面で表示します。
マルチプロセッサ・システム以外の場合,/CPUはCPU識別子を表示し, /NOCPUはCPU識別子を表示しません。
データ項目 | 説明 |
---|---|
Interrupt Stack (Interrupt State on Alpha systems) | 割り込みスタック消費時間(VAXシステム)またはカーネル・スタックにおける割り込み状態に消費した時間(Alpha システム) |
MP Synchronization | 複数のCPUの同期化に消費した時間( マルチプロセッサ・システム専用) |
Kernel Mode | 割り込み状態ではないカーネル・ モードで消費した時間 |
Executive Mode | エグゼクティブ・モード消費時間 |
Supervisor Mode | スーパバイザ・モード消費時間 |
User Mode | 命令を実行するユーザ・ モードで消費した時間 |
Compatibility Mode | 互換性モード命令の実行に消費した時間( このデータ項目が有効であるのは,VAXシステムだけである) |
Idle Time | 上記のいずれでも消費しなかった時間 |
マルチプロセッサ・システムにおいて,/CPU修飾子を使用せずにMONITOR MODESコマンドを入力して特定のCPUを選択した場合,非マルチプロセッサ・ システムの場合と同じ1つの画面が出力されます。すべてのCPUが各モードで消費した時間の合計が, 統計として表示されます。
MONITOR> MONITOR MODES /PERCENT最後の収集期間において,プロセッサは,ユーザ・コードの実行に72%, エグゼクティブ・モードとカーネル・モードでユーザ要求を処理するためシステム・ コードを実行するのに8%,割り込みスタックの割り込み処理に4% の時間を消費しています。16%はアイドル状態です。OpenVMS RMSコードの実行に消費した時間は, エグゼクティブ・モード時間に含まれ,DCLコードの実行に消費した時間は, スーパバイザ・モード時間に含まれています。OpenVMS Monitor Utility TIME IN PROCESSOR MODES (%) +-----+ on node SAMPLE | CUR | 29-APR-1998 22:52:42 +-----+ 0% 25% 50% 75% 100% + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ Interrupt Stack 4 |* | | | | | MP Synchronization | | | | | | Kernel Mode 6 |** | | | | | Executive Mode 2 | | | | | | Supervisor Mode | | | | | | User Mode 72 |*************************** | | | | | Compatibility Mode | | | | | | Idle Time 16 |****** | | | | | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+
/PERCENT修飾子を指定しなかった場合や,/NOPERCENT修飾子を指定した場合には, モード時間は1秒当りのクロック・ティック率として表示されます。 ただし,1クロック・ティックは10ミリ秒です。ユニプロセッサでは, この値はパーセント値と同じです。
MONITOR> MONITOR MODESマルチプロセッサ・システムに関する出力です。1秒あたりのクロック・ ティック率が表示されています。画面の左上には,ノードSAMPLEにCPUが4 つあり,2つがアクティブであることが示されています。/CPU修飾子が指定されていないので, すべてのCPUが各モードで消費した合計時間が表示されています。OpenVMS Monitor Utility +-----+ TIME IN PROCESSOR MODES | CUR | on node SAMPLE +-----+ 29-APR-1998 15:02:36 Combined for 2 CPUs 0 50 100 150 200 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ Interrupt Stack | | | | | | MP Synchronization | | | | | | Kernel Mode 2 |* | | | | | Executive Mode 1 |* | | | | | Supervisor Mode | | | | | | User Mode 101 |******************** | | | | | Compatibility Mode | | | | | | Idle Time 96 |****************** + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+
MONITOR MSCP_SERVERコマンドは,大容量記憶制御プロトコル(MSCP)サーバ・ クラスの監視を起動します。
MONITOR MSCP_SERVER
データ項目 | 説明 |
---|---|
Server I/O Request Rate | 遠隔プロセッサが入出力転送を要求する割合 |
Read Request Rate | 遠隔プロセッサが読み込み転送を要求する割合 |
Write Request Rate | 遠隔プロセッサが書き込み転送を要求する割合 |
Extra Fragment Rate | サーバが追加フラグメントを供給する割合
バッファに制限があることから,1つの入出力要求に対処するためMSCPサーバが複数の入出力を供給するとき,1 つ以上の追加フラグメントが作成されます。 たとえば,64ブロックの要求1つを16ブロックのフラグメント4 つに分割する場合,MSCPサーバは3つの追加フラグメントを作成します。 |
Fragmented Request Rate | フラグメンテーション要求発生率
フラグメンテーション要求は,バッファに制限があることから,サーバがフラグメンテーションする転送要求です。 たとえば,36ブロックの要求1 つを16ブロックのフラグメント2つと4ブロックのフラグメント1つに分割する場合, サーバは2つの追加フラグメントを作成します。 |
Buffer Wait Rate | サーバで「バッファ待ち」が発生する割合
バッファ待ちは,要求がMSCPバッファ・メモリに対して待ち状態となるときを指します。 |
Request Size Rates | 各種ブロック・サイズにおける要求率を表示するヒストグラム |
MONITOR> MONITOR MSCP_SERVERGLOBBOというノードのMSCP統計を作成しています。OpenVMS Monitor Utility MSCP SERVER STATISTICS on node GLOBBO 29-APR-1998 09:51:43 CUR AVE MIN MAX Server I/O Request Rate 0.00 0.71 0.00 6.22 Read Request Rate 0.00 0.54 0.00 6.22 Write Request Rate 0.00 0.16 0.00 6.16 Extra Fragment Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Fragmented Request Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Buffer Wait Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Request Size Rates 1 0.00 0.07 0.00 0.98 (Blocks) 2-3 0.00 0.03 0.00 0.65 4-7 0.00 0.03 0.00 0.65 8-15 0.00 0.10 0.00 1.63 16-31 0.00 0.46 0.00 5.51 32-63 0.00 0.00 0.00 0.00 64+ 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR PAGEコマンドは,PAGEクラスの監視を起動します。
MONITOR PAGE
データ項目 | 説明 |
---|---|
Page Fault Rate | すべてのワーキング・セットのページ・ フォルト率 |
Page Read Rate | ページ・フォルトの結果,ディスクから読み込まれるページ数 |
Page Read I/O Rate | ページ・フォルトの結果,ディスクに対して実行される読み込み動作率 |
Page Write Rate | ページ・ファイルに書き込まれたページ数 |
Page Write I/O Rate | ページ・ファイルに対する書き込み動作率 |
Free List Fault Rate | ページ・フォルトの結果,空きページ・リストから読み込まれたページ数 |
Modified List Fault Rate | ページ・フォルトの結果,変更したページ・リストから読み込まれたページ数 |
Demand Zero Fault Rate | ページ・フォルトの結果,0を埋め込んだページを割り当てた割合 |
Global Valid Fault Rate | プロセスのワーキング・セットではなく物理メモリに存在し, システム単位のグローバル・ページ・テーブルでは有効ページと定義されているページのページ・ フォルト率 |
Writes In Progress Fault Rate | フォルト発生時にディスクに書き込まれていた, 読み込みページ数 |
System Fault Rate | システム空間に存在するページのページ・ フォルト率 |
Free List Size | 空きページ・リストのページ数 |
Modified List Size | 変更したページ・リストのページ数 |
MONITOR> MONITOR PAGE1回の読み込み動作における読み込みページ数は,現在,1秒あたり約3ページであることを示しています(Page Read Rate をPage Read I/O Rateで割る) 。ページ・フォルト率は現在最も高く,大半のページは,ディスクではなくメモリからフォルトしています。OpenVMS Monitor Utility PAGE MANAGEMENT STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 22:22:44 CUR AVE MIN MAX Page Fault Rate 26.82 18.27 9.66 26.82 Page Read Rate 3.97 2.65 1.33 3.97 Page Read I/O Rate 1.32 0.99 0.66 1.32 Page Write Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Page Write I/O Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Free List Fault Rate 13.90 10.96 8.00 13.90 Modified List Fault Rate 5.62 2.99 0.33 5.62 Demand Zero Fault Rate 4.63 2.65 0.66 4.63 Global Valid Fault Rate 1.32 0.66 0.00 1.32 Wrt In Progress Fault Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 System Fault Rate 2.31 1.99 1.66 2.31 Free List Size 3164.00 3176.00 3164.00 3188.00 Modified List Size 155.00 131.00 107.00 155.00
MONITOR PROCESSESコマンドは,PROCESSESクラスの監視を起動します。 PROCESSESクラスには,システム内のすべてのプロセスの情報が含まれます。
マルチファイル要約要求では,CLUSTERクラスとPROCESSESクラスは無視されます。 これらのクラスだけをコマンド行に指定した場合には,MONITOR はこれらのクラスを認識せず,"no classes specified"というエラー・メッセージが表示されます。
MONITOR PROCESSES
PID | システムが設定した16進プロセス識別子 |
STATE | プロセスのスケジューラ状態(STATES コードについては,MONITOR STATESコマンドの項を参照) |
PRI | 基本優先順位に相対する, プロセスの現在の優先順位 |
NAME | プロセス名 |
PAGES | 共用可能ページ数と,現在プロセスが使用している総ページ数 |
DIOCNT | プロセス作成後にプロセスが実行した直接入出力動作数
プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。 |
FAULTS | プロセス作成後のページ・フォルト数
プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。 |
CPU TIME | プロセス作成後にプロセスが使用したCPU
時間
形式は, |
表示の上部左右には,システムを最後にブートした後のシステム内のプロセス数と, 日付と時間が示されます。スワップ・アウトしたプロセスは, その旨記されます。
画面上に一度に表示できる数を超えるプロセスが存在する場合,複数の画面が使用されます。/VIEWING_TIME 修飾子で指定した時間間隔で,画面が切り替わります。5 種類の/TOPバー・グラフ表示には,8名のトップ・ユーザそれぞれについて,PID とプロセス名が表示されます。
他のバー・グラフ表示と同様,トップ・ユーザの表示では,値が近似整数に丸められます。0 以外の値を持つプロセスが,最大8つ表示されます。トップ・ ユーザ・リストに入るためには,プロセスが表示間隔の始めと終わりに存在し, スワップ・インされていなければなりません。この資格条件は, 要約出力のすべての対象期間の始めと終わりにも適用されます。
1つのMONITOR要求で選択できるのは,トップ・ユーザの中の1つまたは通常のPROCESSES 表示です。
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT/INTERVAL=6 PROCESSESPROCS.DATという入力ファイルで作成したPROCESSES表示です。システム内の各プロセスにつき,1 行が表示されます。表示されるのは現在値だけであり, 平均値,最小値,最大値は表示されません。スワップ・アウトされたプロセスの場合, 右側の3つの項目は適用されないので,これらの項目にSWAPPED OUT と表示されます。プレイバックが要求されているので, MONITORデータが記録された時点のシステム使用可能時間が表示されています。Process Count: 20 OpenVMS Monitor Utility Uptime: 1 23:26:10 PROCESSES on node SAMPLE 29-APR-1998 12:39:09 PID STATE PRI NAME PAGES DIOCNT FAULTS CPU TIME 00000081 HIB 16 SWAPPER 0/0 0 0 00:00:15.8 00000102 LEFO 4 SAMPLE1001 87/232 SWAPPED OUT 00000103 COM 4 SAMPLE1101 16/100 7127 51298 00:05:11.0 00000084 HIB 8 ERRFMT 64/174 2750 125 00:00:43.9 00000086 LEF 8 OPCOM 73/272 283 178 00:00:07.7 00000087 HIB 9 JOB_CONTROL 57/293 707 167 00:00:10.5 00000088 HIB 8 CONFIGURE 43/205 22 123 00:00:00.6 0000008A HIB 6 SYMBIONT_0001 5/56 50 617 00:03:15.1 0000008B HIB 8 JNLACP 75/580 15149 4922 00:21:51.1 0000008C HIB 8 NETACP 5/954 11 1057 00:25:06.8 0000008D HIB 5 EVL 7/56 44 34384 00:00:20.5 0000008E HIB 9 REMACP 5/54 13 107 00:00:01.3 00000112 COM 4 SAMPLE1601 45/111 13131 39992 00:06:39.1 0000011E CUR 9 SMITH 89/298 138 830 00:00:07.1
表示不能文字は,ピリオドで表されます。
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT PROCESSES/TOPDIO最後の監視期間における直接入出力ユーザのトップは,1秒あたり25のプロセスSAMPLE091 であることを示しています。OpenVMS Monitor Utility TOP DIRECT I/O RATE PROCESSES on node SAMPLE 29-APR-1998 16:13:38 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 000000C7 SAMPLE0901 25 |********** | | | | | 00000112 SAMPLE1601 17 |****** | | | | | 00000102 SAMPLE1001 14 |***** | | | | | 00000103 SAMPLE1101 12 |**** | | | | | 00000080 NULL 12 |**** | | | | | 0000011E SMITH 4 |* | | | | | 0000008C NETACP 1 | | | | | | | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+
MONITOR RMSコマンドは,特定のファイルについて,OpenVMSレコード管理サービス(OpenVMS RMS) 統計クラスの監視を起動します。
MONITOR RMS
キーワード | 説明 |
---|---|
OPERATIONS | 選択したファイルについて,RMS基本動作統計を表示することを指定する |
DATA_ RATES | 選択したファイルについて,RMSデータ率統計を表示することを指定する |
LOCKING | 選択したファイルについて,RMSロッキング統計を表示することを指定する |
CACHING | 選択したファイルについて,RMS キャッシング統計を表示することを指定する |
MONITOR RMSコマンドは,次の種類のRMS統計を出力します。
基本動作統計のデータ項目は,次のとおりです。
データ率統計のデータ項目は,次のとおりです。
ファイル・ロッキング統計のデータ項目は,次のとおりです。
キャッシング統計のデータ項目は,次のとおりです。
OpenVMS RMS,OpenVMS RMSサービス,ファイル・アプリケーションの詳細については, 『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』,『OpenVMS System Services Reference Manual 』,『Guide to OpenVMS File Applications』を参照してください。
MONITOR> MONITOR RMS /ITEM=OPERATIONS /FILE=SYS$COMMON:[SYSEXE]SYSUAF.DATファイルSYSUAF.DATについて,基本動作統計を出力しています。OpenVMS Monitor Utility RMS FILE OPERATIONS on node SAMPLE 29-APR-1998 11:03:06 (Index) _$254$DUA213:[SYS0.SYSEXE]SYSUAF.DAT;2 Active Streams: 17 CUR AVE MIN MAX $GET Call Rate (Seq) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Key) 4.30 2.15 0.00 6.76 (RFA) 0.00 0.00 0.00 0.00 $FIND Call Rate (Seq) 0.00 0.00 0.00 0.0 (Key) 0.00 0.00 0.00 0.00 (RFA) 0.00 0.00 0.00 0.00 $PUT Call Rate (Seq) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Key) 0.20 0.14 0.00 0.30 $READ Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 $WRITE Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 $UPDATE Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 $DELETE Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 $TRUNCATE Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.0 $EXTEND Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 $FLUSH Call Rate 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR SCSコマンドは,SCS (システム通信サービス)クラスの監視を起動します。
MONITOR SCS
キーワード | 説明 |
---|---|
ALL | ディスクについて収集したすべてのデータ項目の統計を連続画面で表示することを指定する |
BUFFER_DESCRIPTOR | 各ノードについて, ローカル・ノードのバッファ・キュー登録記述子率の統計を表示することを指定する |
D_DISCARD | 各ノードについて,データグラム破棄率統計を表示することを指定する |
D_RECEIVE | 各ノードについて, データグラム受信率統計を表示することを指定する |
D_SEND | 各ノードについて,データグラム送信率統計を表示することを指定する |
KB_MAP | 各ノードについて,KBマップ率統計を表示することを指定する |
KB_REQUEST | 各ノードについて,データ要求によるKB要求率統計を表示することを指定する |
KB_SEND | 各ノードについて, データ送信によるKB送信率統計を表示することを指定する |
M_RECEIVE | 各ノードについて, メッセージ受信率統計を表示することを指定する |
M_SEND | 各ノードについて,メッセージ送信率統計を表示することを指定する |
REQUEST_DATA | 各ノードについて,ローカル・ノードが起動したデータ要求率統計を表示することを指定する |
SEND_CREDIT | 各ノードについて,ローカル・ ノードの送信クレジット・キュー登録率統計を表示することを指定する |
SEND_DATA | 各ノードについて, ローカル・ノードが起動したデータ送信率統計を表示することを指定する |
データ項目 | 説明 |
---|---|
Datagram Send Rate | データグラムを別のノードに送信する割合 |
Datagram Receive Rate | データグラムを別のノードから受信する割合 |
Datagram Discard Rate | データグラムを破棄する割合 |
Message Send Rate | シーケンス・メッセージを別のノードに送信する割合
大容量記憶制御プロトコル(MSCP)ディスクとロック・マネージャとの交信を目的として, シーケンス・メッセージをノード間で交換します。 |
Message Receive Rate | シーケンス・メッセージを別のノードから受信する割合
大容量記憶制御プロトコル(MSCP)ディスクとロック・マネージャとの交信を目的として, シーケンス・メッセージをノード間で交換します。 |
Send Data Rate | データ・ ブロック送信をローカル・ノードで起動する割合 |
Kbytes Send Rate | ローカル・ノードでデータ送信を起動した結果としてKB を送信する割合 |
Request Data Rate | データ要求をローカル・ ノードで起動する割合 |
Kbytes Request Rate | ローカル・ノードでデータ要求を起動した結果としてKB を受信する割合 |
Kbytes Map Rate | ブロック転送でKBをマップする割合
ローカル・ノードと遠隔ノードの間におけるデータ転送の大体の割合です。 バッファは,転送を実行する前にマップしなければなりません。マップしたバッファのサイズは,Kbytes Map Rate で表示されます。データ要求またはデータ送信をローカル・ ノードまたは遠隔ノードで起動した場合,Kbytes Map Rate は,2つのノード間で実際に転送したKB数を示します。 |
Send Credit Queued Rate | 接続を送信クレジットのキューに登録する割合
遠隔ノードが設定したバッファがすべて使用されている場合,接続は送信クレジットのキューに登録されます。 |
Buffer Descriptor Queued Rate | 接続をバッファ記述子のキューに登録する割合
ローカル・ノードが設定したバッファ記述子がすべて使用されている場合, 接続はバッファ記述子のキューに登録されます。システム・パラメータSCSBUFFCNT を変更すれば,バッファ記述子の数を増やすことができます。 |
MONITOR> MONITOR SCSクラスタ内の各ノードについて,SCSのKBマップ率統計を表示しています。CURLEY というノードと階層記憶制御装置(HSC) SHEMPとの間のブロック転送マップ動作を示しています。 クラスタ内の各ノードは,SCSノード名で表されています。OpenVMS Monitor Utility SCS STATISTICS on node CURLEY 29-APR-1998 10:21:46 Kbytes Map Rate CUR AVE MIN MAX CURLEY 0.00 0.00 0.00 0.0 MOE 0.00 0.00 0.00 0.00 LARRY 0.00 0.00 0.00 0.00 SHEMP 5.64 3.81 1.98 5.64
MONITOR STATESコマンドは,PROCESS STATESクラスの監視を起動します。 PROCESS STATESクラスは,14種類のスケジューラ状態にあるプロセス数を表示します。
MONITOR STATES
MWAIT | 待ち状態の理由 |
---|---|
MUTEX | Mutual exclusion semaphore |
RWAST | AST wait (wait for system or spcial kernel AST) |
RWBRK | Breakthrough (wait for broadcast message) |
RWCAP | CPU capability required |
RWCLU | Cluster state transition wait |
RWCSV | Cluster server |
RWIMG | Image activation lock |
RWLCK | Lock data base |
RWMBX | Mailbox full |
RWMPB | Modified page writer busy |
RWMPE | Modified page list empty |
RWNPG | Nonpaged dynamic memory |
RWPAG | Paged dynamic memory |
RWPGF | Page file full |
RWQUO | Job quota |
RWSCS | System Communication Services wait |
RWSNP | System snapshot |
RWSWP | Swap file space |
すべてのプロセスの比率としてデータ項目を表示することもできます。
測定を行うときはMONITORが実行しているので,Current Processは常に, MONITORを実行するプロセスです。
性能上の理由により,オペレーティング・システムによるプロセス状態データ構造の使用とプロセス状態データ構造との同期はとりません。 変則的な状態表示がMONITOR で可能であるのはこのためです。
$ MONITOR/INPUT/SUMMARY/NODISPLAY - _$/BEGINNING=29-APR-1998:13:00 - _$/ENDING=29-APR-1998:14:00 STATES/PERCENT/ALL $ TYPE MONITOR.SUMPROCESS STATESの要約を作成し表示しています。MONITOR>プロンプトに1 つのMONITORコマンドを入力する場合には,そのコマンド内でReturnキーを使用できないため,DCL レベルでMONITORコマンドを入力しています。要約対象期間中, 平均として,14.1%のプロセスがスワップ・アウトされています。 要約対象期間は,1 p.m.から2 p.m.までの1時間だけとなっています。 ただし,入力ファイルには,それ以上のデータが格納されていた可能性があります。OpenVMS Monitor Utility PROCESS STATES (%) on node SAMPLE From: 29-APR-1998 13:00:00 SUMMARY To: 29-APR-1998 14:00:00 CUR% AVE% MIN% MAX% Collided Page Wait 0.0 0.0 0.0 0.0 Mutex & Misc Resource Wait 0.0 0.0 0.0 0.0 Common Event Flag Wait 0.0 0.0 0.0 0.0 Page Fault Wait 4.3 1.4 0.0 4.3 Local Event Flag Wait 34.7 31.7 34.7 42.8 Local Evt Flg (Outswapped) 0.0 9.0 0.0 19.4 Hibernate 43.4 40.7 43.4 52.1 Hibernate (Outswapped) 0.0 4.3 0.0 15.4 Suspended 0.0 0.0 0.0 0.0 Suspended (Outswapped) 0.0 0.0 0.0 0.0 Free Page Wait 0.0 0.0 0.0 0.0 Compute 13.0 7.3 4.3 13.0 Compute (Outswapped) 0.0 0.8 0.0 3.2 Current Process 1.0 1.0 1.0 1.0 PLAYBACK SUMMARIZING
MONITOR SYSTEMコマンドは,SYSTEM統計クラスの監視を起動します。 SYSTEM統計クラスは,他のクラスの項目の中で最も重要な項目を表示します。
MONITOR SYSTEM
次の2種類の形式を,クラス名修飾子で指定できます。
2番目の例にあるバー・グラフでは,表形式とは異なる次のデータが表示されます。
トップ・ユーザ・プロセスはすべて,表示間隔の始めと終わりまたは要約対象期間全体の始めと終わりの時点で, スワップ・インされていなければなりません。
下のバー・グラフ(トップ・ユーザ)とそれに対応する上のバー・グラフ( システム全体値)の対象統計と時間間隔が例2のように同じである場合, この2つのグラフを比較検討できます。次のような状況が該当します。
上記以外の場合,トップ・ユーザ統計は必ずCURRENTですが,システム全体統計はCURRENT ,AVERAGE,MAXIMUM,MINIMUMのいずれでもあり得るので, 比較作業を行う場合は注意が必要です。
トップ・ユーザの割合は,2つの連続する画面表示間の時間間隔にもとづいて計算されますが, システム全体の割合は,収集間隔をもとに計算されます。1 つ以上のクラスをSYSTEMクラスと同時に監視する場合や/INTERVAL 値と/VIEWING_TIME値が異なる場合には,両者の時間間隔が異なる可能性があります。
Free List SizeとModified List Size以外の上限値は定数ですが,この2 者の数値は個々のシステムの物理メモリ構成とシステム・パラメータによって異なります。Free List の上限値は,VMSに永久設定するページ数を引いた残りのページ数です。 バランス・セット・メモリとも呼ばれるこの数字は, プロセス,Free List,Modified Listに使用できるページ数です。Modified List の上限値は,MPW_HILIMITシステム・パラメータの値です。 これらの上限値は,MONITOR要求起動時に計算され,その後変更されることはありません。
MONITOR> MONITOR SYSTEM/ALL表形式によるSYSTEM表示です。OpenVMS Monitor Utility SYSTEM STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 12:43:28 CUR AVE MIN MAX Interrupt Stack 0.33 0.33 0.33 0.33 MP Synchronization 0.00 0.00 0.00 0.00 Kernel Mode 0.16 0.16 0.16 0.16 Executive Mode 0.00 0.00 0.00 0.00 Supervisor Mode 0.00 0.00 0.00 0.00 User Mode 0.50 0.49 0.50 0.50 Compatibility Mode 0.00 0.00 0.00 0.00 Idle Time 99.00 98.67 99.00 99.00 Process Count 14.00 14.00 14.00 14.00 Page Fault Rate 0.33 0.33 0.33 0.33 Page Read I/O Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Free List Size 4255.00 4255.00 4255.00 4255.00 Modified List Size 105.00 105.00 105.00 105.00 Direct I/O Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Buffered I/O Rate 0.16 0.16 0.16 0.16
MONITOR> MONITOR SYSTEMバー・グラフ形式によるSYSTEM表示です。Node: SAMPLE OpenVMS Monitor Utility 29-APR-1998 12:38:48 Statistic: CURRENT SYSTEM STATISTICS Process States + CPU Busy (100) -+ LEF: 7 LEFO: 0 |**************************| HIB: 11 HIBO: 0 CPU 0 +--------------------------+ 100 COM: 4 COMO: 0 |******** | PFW: 0 Other: +--------------------------+ MWAIT: 0 Cur Top: ASSEM_LIBRTL (34) Total: 23 + Page Fault Rate (25) -+ + Free List Size (4604) -+ |**|*** | |********* | 12K MEMORY 0 +--------------------------+ 100 0 +--------------------------+ |** | |******* | 500 +--------------------------+ + Modified List Size (146) + Cur Top: ASSEM_SYS (11) + Direct I/O Rate (15) -+ + Buffered I/O Rate (0) -+ |****** | | | I/O 0 +--------------------------+ 60 0 +--------------------------+ 150 |**** | | | +--------------------------+ +--------------------------+ Cur Top: ASSEM_SYS (10) Cur Top: Cerb Servant (0)
MONITOR TRANSACTIONコマンドは,TRANSACTIONクラスの監視を起動します。TRANSACTION クラスは,DECdtmサービスによるトランザクションの情報を表示します。
MONITOR TRANSACTION
秒単位の所要時間別に分類されます。終了率の分類は,次のとおりです。
Completion Rate 0-1 | 0〜1秒(1秒未満) で終了したトランザクションの数 |
Completion Rate 1-2 | 1〜2秒で終了したトランザクションの数 |
Completion Rate 2-3 | 2〜3秒で終了したトランザクションの数 |
Completion Rate 3-4 | 3〜4秒で終了したトランザクションの数 |
Completion Rate 4-5 | 4〜5秒で終了したトランザクションの数 |
Completion Rate 5+ | 5秒より多い時間を終了に要したトランザクションの数 |
0.5秒で終了したトランザクションは,Completion Rate 0-1のカテゴリに該当します。
MONITOR> MONITOR TRANSACTION/ALLノードSAMPLEのすべてのトランザクションの状態を表示しています。OpenVMS Monitor Utility DISTRIBUTED TRANSACTION STATISTICS on node SAMPLE 16-JAN-1998 14:52:34 CUR AVE MIN MAX Start Rate 34.76 34.76 34.76 34.76 Prepare Rate 33.77 33.77 33.77 33.77 One Phase Commit Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 Total Commit Rate 35.09 35.09 35.09 35.09 Abort Rate 0.00 0.00 0.00 0.00 End Rate 35.09 35.09 35.09 35.09 Remote Start Rate 31.12 31.12 31.12 31.12 Remote Add Rate 31.45 31.45 31.45 31.45 Completion Rate 0-1 35.09 35.09 35.09 35.09 by Duration 1-2 0.00 0.00 0.00 0.00 in Seconds 2-3 0.00 0.00 0.00 0.00 3-4 0.00 0.00 0.00 0.00 4-5 0.00 0.00 0.00 0.00 5+ 0.00 0.00 0.00 0.00
MONITOR> MONITOR TRANSACTION/MAXIMUMノードSAMPLEのすべてのトランザクションの最大統計値を表示しています。OpenVMS Monitor Utility +-----+ DISTRIBUTED TRANSACTION STATISTICS | MAX | on node SAMPLE +-----+ 16-JAN-1998 14:51:04 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ Start Rate 35 |************** Prepare Rate 37 |************** One Phase Commit Rate | Total Commit Rate 35 |************** Abort Rate | End Rate 35 |************** Remote Start Rate 33 |************* Remote Add Rate 32 |************ | | | | | Completion Rate 0-1 35 |************** by Duration 1-2 | in Seconds 2-3 | 3-4 | 4-5 | 5+ | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+
VAXシステムでは,MONITOR VBSコマンドは仮想バランス・スロット(VBS) の処理に関する情報を表示します。
MONITOR VBS
データ項目 | 説明 |
---|---|
RBS Fault Rate | プロセスが仮想バランス・スロットから実バランス・ スロット(RBS)にフォルトする割合。 |
CPU Utilization | 仮想バランス・スロット機能をサポートするために, オペレーティング・システムが使用したCPU 時間(1秒間に10ミリ秒クロック・ティックの割合) |
どのプロセスが最高のRBSフォルト率であるかを判断するには,MONITOR PROCESSES/TOPRBSコマンドを使用します。
MONITOR> MONITOR VBSこの例はVBSを表形式で表示します。OpenVMS Monitor Utility VIRTUAL BALANCE SLOT STATISTICS on node SAMPLE 29-APR-1998 12:43:28 CUR AVE MIN MAX RBS Fault Rate 4.62 3.80 0.33 7.61 CPU Utilization 0.99 0.24 0.00 0.99
MONITOR VECTORコマンドは,現在設定されている各ベクタ・プロセッサに対して1 つ以上のベクタ消費者をスケジューリングするときに要した1秒あたりの10 ミリ秒クロック・ティック数を表示します。
MONITOR VECTOR
ベクタ消費者は,ベクタが存在するプロセッサのベクタCPUとスカラCPUのいずれかまたは両方を使用できます。 このため,VECTORクラスで出力されるベクタCPU 時間は,ベクタCPUの実際の使用量ではなく,ベクタ消費者がベクタCPU とスカラCPUの両方を予約した期間を意味します。
VECTORクラスのデータ項目はVector Scheduled Rateです。ベクタが存在するCPU それぞれに対してベクタ消費者がスケジューリングされている1秒あたりの10 ミリ秒単位クロック・ティック数が表示されます。
MONITOR> MONITOR VECTORCPU 0,CPU 4という,ベクタが存在するプロセッサ2つが実装された多重処理システムのVECTOR クラス表示です。1秒あたりの10ミリ秒クロック・ ティック数が示されています。最後の収集間隔において,ベクタ消費者は,CPU 0 に1秒あたり平均13ティック分スケジューリングされており,CPU 4 には1秒あたり平均58ティック分スケジューリングされています。OpenVMS Monitor Utility VECTOR PROCESSOR STATISTICS +-----+ on node SAMPLE | CUR | 12-JUN-1998 22:52:42 +-----+ Vector Consumers Scheduled 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ Vector Present CPU ID 0 13|***** Vector Absent CPU ID 1 | Vector Absent CPU ID 2 | Vector Present CPU ID 4 58|********************** | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+
SET DEFAULTコマンドはMONITORコマンドのコマンド修飾子,クラス名パラメータ, クラス名修飾子の省略時の値を設定します。SET DEFAULTコマンドでは, コマンド修飾子は指定したものだけが設定されますが,クラス名パラメータとクラス名修飾子はすべてが設定されます。 修飾子とクラス名はすべて,MONITOR コマンドの場合と同じです。
SET DEFAULT [/修飾子[,...]]クラス名[,...] [/修飾子[,...]]
MONITOR> SET DEFAULT /INTERVAL=10 PAGE/AVERAGE+IO/MAXIMUM /NODE=(LARRY,MOE,CURLEY)MONITORコマンドの省略時のクラスとしてPAGEとIOを選択し,統計表示間隔として10 秒を指定しています。PAGEクラスにはAVERAGE統計を表示し, IOクラスにはMAXIMUM統計を表示することを指定しています。さらに, LARRY,MOE,CURLEYの各ノードでデータを収集することを指定しています。 以上の省略時の値を定義すれば,修飾子やパラメータを指定せずにMONITOR コマンドを実行できます。
SHOW DEFAULTコマンドは,SET DEFAULTコマンドで設定した省略時の値を表示します。
SHOW DEFAULT
MONITOR> SHOW DEFAULTSET DEFAULTコマンドで指定した省略時の値を表示しています。/BEGINNING = current time /INTERVAL = 10 /ENDING = indefinite /VIEWING_TIME = 10 /FLUSH_INTERVAL = 300 /NOINPUT /NORECORD /DISPLAY = SYS$OUTPUT:.; /NOSUMMARY /NOFILENAME /NOCOMMENT Classes: PAGE/AVERAGE IO/MAXIMUM Nodes: LARRY MOE CURLEY
[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]