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OpenVMS RegistryサーバはOpenVMS Registryデータベースを管理します。OpenVMS Registry を使用する前に,OpenVMS Registryサーバを構成しなければなりません。OpenVMS Registry サーバの構成については, 第4.1節を参照してください。
OpenVMS Registryの最新の情報については, 『OpenVMS Connectivity Developer Guide』を参照してください。 このドキュメントはCOM for OpenVMSキットの一部として提供され,OpenVMS Web サイト(http://www.compaq.com/openvms/) のOpenVMSドキュメンテーション領域から入手することもできます。( メインのOpenVMSページでDocumentationリンクをクリックしてください。)
(また,上記ドキュメントの翻訳版『OpenVMSコネクティビティ開発者ガイド』は, 日本語OpenVMS Alpha V7.2-1 のドキュメント・セットに入っています。)
OpenVMS Registryサーバは,OpenVMSバージョン7.2-1システムのインストールの一部としてインストールされます。
OpenVMS Registryを使用する前に,OpenVMS Registryサーバを構成し,OpenVMS Registry データベースに情報を登録しなければなりません。OpenVMS Registry サーバの構成の詳細については, 第4.1 節を参照してください。OpenVMS Registryデータベースへの情報の登録の詳細については,『OpenVMSコネクティビティ開発者ガイド』の「アプリケーションの開発と運用のためのCOM for OpenVMS ユーティリティ」という章の「DCOM$SETUP の実行」を参照してください。
第4.2節で説明するスタートアップ・ プロセスを使用してOpenVMS Registry サーバを初めて起動すると,OpenVMS システムはOpenVMS Registryデータベースを作成します。
OpenVMS Registryには複数の方法でアクセスできます。OpenVMS Registry にアクセスする方法に応じて, 次の製品をインストールしなければなりません。
RegEdt32
を使用してOpenVMS Registry
にアクセスする場合は,
最初にAdvanced Server for OpenVMSをインストールし,
構成して,起動しなければなりません。詳細については,
ドキュメンテーションCD-ROMに格納されているAdvanced Server for OpenVMSのマニュアルを参照してください。
OpenVMS Registryサーバ管理ユーティリティやOpenVMS Registry システム・サービスを使用してOpenVMS Registry にアクセスすることもできます。 これらはOpenVMSバージョン7.2-1でOpenVMS Registryの一部としてインストールされます。
OpenVMS Registry Configurationユーティリティ(REG$CONFIG) は,OpenVMS Registryサーバの状態とOpenVMS Registry データベースの場所に関する情報を提供します。 このユーティリティを使用すると,OpenVMS Registryの論理名とパスを変更できます。
OpenVMS Registry Configurationユーティリティを起動するには, 次のコマンドを入力します。
$ @SYS$MANAGER:REG$CONFIG
次のメニューが表示されます。
--------------------------------------------------------- OpenVMS Registry Configuration Utility ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1 - Configure OpenVMS Registry logical names and directory paths 2 - Display OpenVMS Registry logical names and directory paths 3 - Check the state of the OpenVMS Registry server 4 - Start the OpenVMS Registry server on this node H - Help about this utility [E] - Exit Please enter your choice : ---------------------------------------------------------
オプションを選択するには,オプション番号を入力します。オプションは次のとおりです。
1 - Configure OpenVMS Registry logical names and
directory paths
OpenVMS Registryサーバのスタートアップ値を設定し,OpenVMS Registry データベースの場所を指定できます。
この手順については,第4.1.1 項を参照してください。
2 - Display OpenVMS Registry logical names and
directory paths
このノードのOpenVMS Registryサーバの論理名( スタートアップ値)とOpenVMS Registryデータベースの場所の現在の値を表示します。
3 - Check the state of the OpenVMS Registry
server
OpenVMS Registryサーバの現在の状態を表示します。 次のいずれかが表示されます。
The OpenVMS Registry server is started in the cluster. The OpenVMS Registry server is started on this node. The OpenVMS Registry server is not started.
4 - Start the OpenVMS Registry server on this
node
現在のノードでOpenVMS Registryサーバを起動します。 次のメッセージが表示されます。
The OpenVMS Registry server has successfully started.
H - Help about this utility
OpenVMS Registry Configurationユーティリティのオプションに関するオンライン・ ヘルプを表示します。
[E] - Exit
OpenVMS Registry Configurationユーティリティを終了します。
Q
はどのプロンプトに対しても入力でき,OpenVMS Registry Configuration
ユーティリティ・メニューに戻ることができます。
論理名を構成している途中で中断すると,確認メッセージが表示された値だけが更新されます。
次の質問が表示されます。
Is this system now a node in a cluster or will this system become part of a cluster? (Y/N/Q):
REG$TO_BE_STARTED
論理名に関する現在の情報が表示され,
値を変更するかどうかが質問されます。
- REG$TO_BE_STARTED - [current value of REG$TO_BE_STARTED] NOTE: Setting this logical to TRUE starts the OpenVMS Registry server automatically when the system boots. Setting this logical to FALSE prevents the OpenVMS Registry server from starting when the system boots and prevents other products from starting the OpenVMS Registry server. If the OpenVMS Registry Server is not started at boot time, but other products that require an OpenVMS Registry server are able to start the OpenVMS Registry server, you do not need to assign a value to this logical. Do you want to change this value? (Y/N/Q) [Y]:
Y
を選択すると,新しい値が求められます。
Enter the new value (TRUE/FALSE/NOVAL/Q):
実行する操作に応じて,次のいずれかの値を入力します。
動作 | 値 |
---|---|
リブート時にOpenVMS Registry を起動する。 他の製品がサーバを起動することを許可する。 | TRUE |
リブート時にOpenVMS Registry サーバを起動しない。 他の製品がサーバを起動することを禁止する。 |
FALSE |
リブート時にOpenVMS Registryサーバを起動しない。 他の製品がサーバを起動することを許可する。( 論理名の割り当てを解除する。) | NOVAL |
この手順を中断し,「OpenVMS Registry Configuration utility」メニューに戻る。 | Q |
In which logical name table do you want the logical defined? (SYSTEM/SYSCLUSTER/CLUSTER/Q) :
実行する動作に応じて,次のいずれかの値を入力します。
動作 | 値 |
---|---|
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$SYSTEM論理名テーブルに追加する。
このテーブルには,システムのすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSTEM
|
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$SYSCLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルにはOpenVMS Cluster
のすべてのプロセスで共有される名前が格納される。
| SYSCLUSTER |
REG$TO_BE_STARTED 論理名をLNM$CLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルはクラスタ単位のすべての論理名テーブルの親テーブルである。
|
CLUSTER |
この手順を中断し, 「OpenVMS Registry Configuration utility」メニューに戻る。 | Q
|
新しい値または更新した値を入力した後,変更が確認され, SYLOGICALS.COMファイルに追加しなければならない行が表示されます。
The logical REG$TO_BE_STARTED has been temporarily defined. Before you reboot the system, you must edit your SYLOGICALS.COM to include the line: DEFINE/TABLE=table-name REG$TO_BE_STARTED value Press [Enter] to continue.
SYS$REGISTRY
論理名に関する現在の情報が表示され,
値を変更するかどうか質問されます。
- SYS$REGISTRY logical - current value of SYS$REGISTRY Note: When the OpenVMS Registry server is started, the system creates an OpenVMS Registry database at this location. If an OpenVMS Registry database already exists on your system, you must redefine the SYS$REGISTRY logical to point to the existing OpenVMS Registry database location. Do you wish to change this value? (Y/N/Q) [Y]:
Y
を選択すると,新しい値が求められます。
Enter the new value for SYS$REGISTRY ("yourvalue"/NOVAL/Q):
実行する動作に応じて,次のいずれかの値を入力します。
動作 | 値 |
---|---|
OpenVMS Registryデータベースの新しい場所または変更した場所を定義する。 | DKA0:[SYS$REGISTRY]などのように,有効なディレクトリ指定を定義する
|
論理名の割り当てを解除する。 | NOVAL
|
この手順を中断し,「OpenVMS Registry Configuration utility 」メニューに戻る。 | Q |
You have entered: value Is this correct? (Y/N/Q) [Y]:
In which logical name table do you want the logical defined? (SYSTEM/SYSCLUSTER/CLUSTER/Q):
実行する動作に応じて,次のいずれかの値を入力します。
動作 | 値 |
---|---|
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$SYSTEM論理名テーブルに追加する。
このテーブルにはシステムのすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSTEM
|
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$SYSCLUSTER
論理名テーブルに追加する。このテーブルにはOpenVMS Cluster
のすべてのプロセスで共用される名前が格納される。
| SYSCLUSTER |
SYS$REGISTRY 論理名をLNM$CLUSTER論理名テーブルに追加する。
このテーブルはクラスタ単位のすべての論理名テーブルの親テーブルである。
| CLUSTER
|
この手順を中断して,「OpenVMS Registry Configuration utility 」メニューに戻る。 | Q |
新しい値または更新した値を入力すると,変更が確認され, SYLOGICALS.COMファイルに追加しなければならない行が表示されます。
The logical SYS$REGISTRY has been temporarily defined. Before you reboot the system, you must edit your SYLOGICALS.COM file to include the line: DEFINE/TABLE=table-name SYS$REGISTRY dir-spec Press [Enter] to continue.
- SYS$REGISTRY directory - [directory status]
ディレクトリが存在しない場合は,ディレクトリを作成するかどうか質問されます。
!!Caution!! When the OpenVMS Registry server starts, the system creates an OpenVMS Registry database at this location. If you already have an OpenVMS Registry database on your system, you must redefine the SYS$REGISTRY logical to point to that location. Do you wish to create the directory? (Y/N/Q) [Y]:
Y
と入力すると,ディレクトリの作成が確認されます。
The SYS$REGISTRY directory has now been created. Press [Enter] to return to the menu.
OpenVMS Registryを起動する方法は,次のように制御できます。
OpenVMS Registryの起動方法を制御するには, 第4.1節で説明したOpenVMS Registry Configuration ユーティリティを使用します。
特定の条件では,OpenVMS Registryサーバを手動で起動しなければならないことがあります。
このような場合は,SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
コマンド・
プロシージャを使用することをお勧めします。このコマンド・プロシージャを使用すると,
サーバ・プロセス・クォータが必要な最低値に設定されます。
例 4-1は,SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
コマンド・
プロシージャを使用してOpenVMS Registryを起動する例を示しています。
$ @SYS$STARTUP:REG$STARTUP.COM
また,次のコマンドを使用してOpenVMS Registryを手動で起動することもできます。
$ SET SERVER REGISTRY_SERVER/START
OpenVMS Registryサーバは,システム・シャットダウンの一部として自動的にシャットダウンされます。
OpenVMS Registryを手動でシャットダウンする場合は, 次のコマンドを使用します。
$ SET SERVER REGISTRY_SERVER/EXIT
OpenVMS Registryサーバ・コマンドを使用すると,OpenVMS Registry サーバの状態を表示(SHOW) または変更(SET)できます。この節では,OpenVMS Registryサーバ・コマンドについて説明します。
指定されたノードのOpenVMS Registryの現在の状態を表示します。
このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。
SHOW SERVER REGISTRY_SERVER [/MASTER|/CLUSTER|/NODE=(node,...)] [/PAGE]
OpenVMS Registryの状態を変更します。
このコマンドを使用するには,SYSPRV特権が必要です。
SET SERVER REGISTRY_SERVER [/MASTER|/CLUSTER|/NODE=(node,...)] [/START|/RESTART|/EXIT|/ABORT ] [/[NO]LOG ]
OpenVMS Registryの可用性と信頼性を向上するために, 複数のOpenVMS Registryサーバをクラスタ内で実行できます。 ただし,各ノードでは最大1つのサーバを実行できます。OpenVMS Registry サーバをいくつ実行する場合でも,OpenVMS Registry データベースは1 つだけ作成されます。
クラスタ内で複数のOpenVMS Registryサーバを実行する場合,1 つのOpenVMS Registryサーバ・プロセスだけがアクティブになり,OpenVMS Registryデータベースに書き込みを行います。 他のOpenVMS Registry サーバ・プロセスは待機状態になります。
デフォルト設定では,クラスタ内でアクティブな最初のOpenVMS Registryサーバ・ プロセスは,そのプロセスが存在しなくなるか, またはOpenVMS Registryサーバ・ プロセス間の優先順位が変化するまで,アクティブなままです。
OpenVMS Registryサーバ・プロセスの優先順位は,OpenVMS Registry サーバ・プロセスを実行するクラスタ内の各ノードの優先順位値を作成し, 変更することで変更できます。 値を大きくすると,優先順位も高くなります。
例 4-2は,NODENAME1
がクラスタ内でアクティブなOpenVMS Registry
サーバ・プロセスになるように割り当てられた優先順位を示しています。
$ mcr reg$cp REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME1/DATA=15/TYPE=DWORD REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME2/DATA=10/TYPE=DWORD REG> CREATE VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME3/DATA=5/TYPE=DWORD
例 4-2で,NODENAME1
がシャットダウンされると,OpenVMS Registry
データベースの制御は
NODENAME2
のサーバ・プロセスに渡されます。
例 4-3は,システム管理者が
NODENAME3
の優先順位を20に上げた場合を示しています。
$ mcr reg$cp REG> MODIFY VALUE HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\REGISTRY\PRIORITY - _REG> /NAME=NODENAME3/DATA=20/TYPE=DWORD
例 4-3では,
NODENAME1
のOpenVMS
Registryサーバ・プロセスはスタンバイ・モードになり,
NODENAME3
のOpenVMS
Registryサーバ・プロセスがアクティブになります。
Windows NTシステムからOpenVMS Registryに接続するには, 次の操作を行う必要があります。
Windows NTシステムからOpenVMS Registryデータベースにアクセスする場合は,Windows NT
システムで与えられているすべての特権が与えられます。
たとえば,AdministratorとしてWindows
NTシステムにログインした場合は,OpenVMS
Registryのすべてのキーと値への読み込みと書き込みが可能です。OpenVMS Registry
キーへのアクセスは,Windows
NTユーザ・プロファイル(username
とGroup
メンバシップ)をもとに判断されます。Advanced
Server for OpenVMSを介してOpenVMS
Registryに接続します。キー,値,セキュリティの設定を表示および変更するには,Windows
Regedt32
アプリケーションを使用します。
クォータはOpenVMS Registryデータベースのサイズを制限します。
システムは各OpenVMS
Registryファイルに対して,ルート・キー・データファイルにクォータを割り当てます。
デフォルト設定では,これらのルート・
キーはUSERS
キー(REGISTRY$USERS.REG
)とLOCAL_MACHINE
キー(REGISTRY$LOCAL_
MACHINE.REG
)です。
クォータはファイルに格納される情報のサイズを制限しますが,ファイルがサブツリーの一部の場合でも, 他のファイルに格納される情報のサイズは含まれません。
デフォルト・クォータとファイル固有のクォータは,OpenVMS RegistryのHKEY_LOCAL_
MACHINE\SYSTEM\Registry
キーに格納されます。
ユーザは次の方法で,OpenVMS Registryに直接アクセス( 読み込みと変更)できます。
REG$CP
)の使用
各ユーザが必要とするシステム特権とライツ識別子の詳細については, 『OpenVMSコネクティビティ開発者ガイド』の"OpenVMS セキュリティ・モデル"を参照してください。 必要なシステム特権とライツ識別子を与える方法については, 『OpenVMSコネクティビティ開発者ガイド』の"AUTHORIZE ユーティリティによるOpenVMS Registryへのアクセス・ライトの付与"を参照してください。
キーのセキュリティ属性はWindows NTシステムからだけ変更できます。OpenVMS システムからキーのセキュリティ属性を変更することはできません。OpenVMS はWindows NTセキュリティ属性を作成および管理しません。
OpenVMS Registryにはサーバ管理ユーティリティが含まれており, 必要なシステム特権が与えられていれば,OpenVMS DCLプロンプトからOpenVMS Registryデータベース全体をファイルにバックアップしたり, ファイルから復元することができます。
OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元の詳細については,
『OpenVMSコネクティビティ開発者ガイド』の"OpenVMS Registryデータベースのバックアップと復元"
と,REG$CP
サーバ管理ユーティリティのCREATE
SNAPSHOTコマンドとEXPORTコマンドの説明を参照してください。また,OpenVMS Registry
REG$CP
オンライン・
ヘルプ機能を使用して,CREATE SNAPSHOTコマンドとEXPORTコマンドに関する情報を表示することもできます。
OpenVMS Registryサーバは,バージョンが混在するAlpha クラスタで実行できます。つまり,OpenVMS Registryは,OpenVMSバージョン7.2-1以外のOpenVMS バージョンを使用しているクラスタで実行できます。ただし,OpenVMS RegistryサーバはOpenVMSバージョン7.2-1 を稼動しているノードで実行しなければなりません。
Windows NTと統合するために,OpenVMS RegistryはUnicodeに準拠しています。Unicodeの詳細については, 『OpenVMS V7.2新機能説明書』を参照してください。