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この章では日本語OpenVMS Alphaバージョン7.2-1 および日本語OpenVMS VAXバージョン7.2の制限事項を説明します。
DCLを含む大部分のアプリケーションは,ファイル名に日本語が使用されることを予期して設計されていません。 特にSuper DEC漢字コードセットによって日本語ファイル名にアクセスする場合, ユーザの期待とは異なる結果が得られる場合があるだけでなく, アプリケーションがエラーを起こしたり, 異常終了する場合があります。
ユーザはこれらの制限事項を理解した上で,必要に応じて日本語ファイル名を使うようにしてください。
日本語OpenVMS V7.2-1の日本語ファイル名は,標準版OpenVMS V7.2-1の提供するExtended File Specification の機能である,Unicodeファイル名を利用しています。Unicode ファイル名は,新しいボリューム構造であるODS-5 でのみサポートされているため,日本語ファイル名もまたODS-5ボリュームでのみサポートされます。
日本語OpenVMS V7.2-1では,標準版OpenVMS V7.2-1のDCLコマンドで日本語ファイル名が完全に正常に動作することを保証しません。 一部のDCLコマンドでは日本語ファイル名が正しく表示されないなどの問題が発生する場合があります。
日本語OpenVMS V7.2-1では,プロセス生成時にはファイル名コンバータは無効になります。 従ってサブプロセス等で日本語ファイル名を使用する場合には,JSY$CONTROL ユーティリティを用いるなどして,ファイル名コンバータを有効にしてください。
なお,この仕様は将来のバージョンでは変更される可能性があります。
ファイル名コンバータの有効/無効は,プロセス単位に設定されます。したがって, マルチスレッド環境で不用意にコンバータを切り換えると他のスレッドの動作に影響を与えます。 特にRMSによるファイル・アクセスの実行中に切り換えを行うと, 予期せぬ障害が発生する場合があります。
ファイル名コンバータの切り換えは,必ずスレッド間の同期をとってから行ってください。
RMSファイル名コンバータを有効にした場合,$CVT_FILENAMEシステムサービスは正常に動作しません。$CVT_FILENAME システムサービスを使用する場合には,RMS ファイル名コンバータを無効にしてください。
この制限は日本語OpenVMSの将来のバージョンで解決されます。
標準版OpenVMS V7.2-1と日本語OpenVMS V7.2-1が提供する各種ユーティリティのうち, 日本語ファイル名をサポートすると明記されているものでも, 半角カナの含まれているファイル名を表示すると,半角カナ以降のカラムがずれる等の現象が発生しますが, これは日本語OpenVMS V7.2の制限です。
$QIOなどのRMS以外のAPIでは,ファイル名としてSuper DEC漢字コードセットを使用することはできません。 これらのAPIで使用できるファイル名については『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。
日本語OpenVMS V7.2-1では,以下の文字はファイル名として使用できません。
以下の文字はISO Latin-1文字とみなされるため,ファイル名にこれらの文字が含まれる場合は, ファイル名が正しく日本語に変換されません。
文字 | SDK | Unicode |
---|---|---|
´ | A1AD | 00B4 |
¨ | A1AF | 00A8 |
± | A1DE | 00B1 |
× | A1DF | 00D7 |
÷ | A1E0 | 00F7 |
° | A1EB | 00B0 |
§ | A1F8 | 00A7 |
¶ | A2F9 | 00B6 |
日本語OpenVMS V7.2-1が提供する日本語ユーティリティでは,一部を除いて長いファイル名は使用できません。Super DEC 漢字コードセットを用いて日本語のファイル名を使用する場合は, ファイル指定に最大42文字の漢字を含めることができます。
JMAILユーティリティとJEVE/XTPUエディタは,ファイル名に最大72文字の漢字を含めることができます。
以下の日本語ユーティリティでは,日本語ファイル名が使用できることを保証しません。
以下のファイルを日本語ファイル名に変更することはできません。
フォントの入出力に用いるプリロード・ファイルのファイル名に日本語を使用できません。 他のファイル(フォント・データベース等)には, 日本語ファイル名はサポートされません。
プロファイルのファイル名に日本語を使用できません。
セクション・ファイル,コマンド・ファイル,初期化ファイルのファイル名に日本語を使用できません。 編集するファイルのファイル名には, 最大72文字の日本語を使用できます。
メール・ファイルおよび署名ファイルのファイル名に日本語を使用することはサポートされません。SEND やEXTRACTするファイルのファイル名には, 最大72文字の日本語を使用できます。
ODS-5ディスク上で,ファイル名に全角アルファベットを使用した場合, 全角アルファベットの大文字と小文字が同一視されます。そのため同一の名前で大文字と小文字のファイル名を作成することはできません。 もしそのようなファイル名を作成しようとした場合, 先に作られたファイル名に統一されます。
たとえば,全角アルファベットの小文字のabc.txtという名前のファイルを作ったとします。
$ create abc.txt ^Z
その後に,全角アルファベットの大文字のABC.TXTという名前のファイルを作ろうとします。
$ create ABC.TXT ^Z
しかし,大文字のABC.TXTファイルは先にあった小文字abc.txtと同一視され, ディレクトリには次のように表示されます。
$ dir Directory DISK$ODS5:[TEST] abc.txt;2 abc.txt;1 Total of 2 files.
これは標準版OpenVMSのODS-5ファイル・システムの仕様です。ファイル名が半角か全角かにかかわらず, アルファベットの小文字と大文字は同一視されます。 また,このような同一視は,DIRコマンド等でファイル名を検索する場合にも行なわれます。
例
$ dir ABC.TXT Directory DISK$ODS5:[TEST] abc.txt;2 abc.txt;1 Total of 2 files. $
日本語OpenVMS V7.2-1では,日本語ライブラリ・ルーチンで日本語ファイル名が使用できることを保証しません。
日本語OpenVMS V7.2-1では,Super DEC漢字コードセットを用いてネットワーク上にあるファイルにアクセスすることを保証しません。Super DEC 漢字コードセットを使わずに,ネットワーク上のファイルにアクセスする場合の制限は『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。
『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』に記述された制限事項は, 日本語ファイル名を利用する場合にも当てはまります。ユーザは必ずこれらの制限事項を理解した上で, 日本語ファイル名を使用してください。
DCLのコマンドライン等で漢字を入力している時,全角文字の1バイト目と2 バイト目のあいだに改行位置が来た場合,2行目以降のカラム位置の計算が不正確になります。 そのため,2行目以降でカーソルの移動や文字の挿入や削除などを行うと, 文字化けが発生して正しく編集を行うことができません。
コマンドラインで2行以上にまたがる日本語を入力する場合は,ハイフンを使用して明示的に改行するか, 端末のオートラップを無効にした上でFIP を使用してください。
JMAILユーティリティのEXTRACTやEDITなどのコマンドで,ファイル名を入力する際に_File: プロンプトを表示させてファイル名の入力を行う場合, 半角カナの入力ができません。半角カナを入力しようとすると無視されます。
JMAIL> EXTRACT _File: ハンカクカナ _File: ← 入力が無視されます
ファイル名として半角カナを使用する場合は,EXTRACTやEDITなどのコマンドに続けてファイル名を入力してください。
JMAIL> EXTRACT ハンカクカナ
JMAILユーティリティのJMAIL>プロンプトで,2行以上にまたがるような長い日本語を入力しようとすると,2 行目以降のカラム位置の計算が不正確になります。 そのため,2行目以降でカーソルの移動や文字の挿入や削除などを行うと, 文字化けが発生して正しく編集を行うことができません。
JMAIL>プロンプトで2行以上にまたがる日本語を入力する場合は, FIPを使用してください。
EXTRACTやEDITなどのコマンドで,ファイル名を入力する際に_File:プロンプトを表示させてファイル名の入力を行う場合, 画面右端より長いファイル名を入力しようとすると, 入力が画面に表示されません。
入力は正常に受け付られているので,ファイル名は正しく作成されますが, 画面に表示されないので挿入や削除などができません。
長いファイル名を使用する場合はFIPを使用して,JMAIL>プロンプト上でEXTRACT や EDITなどのコマンドに続けてファイル名を入力してください。
Alpha V6.1
ワークステーションでLK401-JJ,LK421-AJ,LK421-JJ,LK411-JJ,PCXAJ- AA(以上のキーボードはJIS配列になっています)または,LK411AJを使用する場合, 日本語DECwindows Motifのインストレーションが完了するまで, 一部のキーの刻印と実際に入力される文字が一致しません。この様な場合は以下の表を参考にキー入力を行なってください。
入力する文字 | LK401/LK421 JIS配列キーボード上の押すキー [1] | |
---|---|---|
" | * | (Shift + : ) |
& | ' | (Shift + 7 ) |
' | : | |
( | ) | (Shift + 9 ) |
) | (Shift + 0) | |
* | ( | (Shift + 8) |
+ | - ( over bar ) | (Shift + ^ ) |
: | + | (Shift + ;) |
< | ¥(半角) | |
= | ^ | |
> | | | (Shift +¥(半角) ) |
@ | " | (Shift + 2) |
[ | @ | |
\ | ] | |
] | [ | |
^ | & | (Shift + 6) |
_ | = | (Shift + - ) |
` | ESC | |
{ | ` | (Shift + @ ) |
| | } | (Shift + ] ) |
} | { | (Shift + [ ) |
~ | (Shift + ESC ) | |
[1] 7,9,0,8,2,6の数字はテン・キーではなく,メイン・キー最上段の数字キーを押してください。 |
入力する文字 | LK411-JJキーボード上の押すキー [1] | |
---|---|---|
" | * | (Shift + : ) |
& | ' | (Shift + 7 ) |
' | : | |
( | ) | (Shift + 9 ) |
) | (Shift + 0) | |
* | ( | (Shift + 8) |
+ | - ( over bar ) | (Shift + ^ ) |
: | + | (Shift + ;) |
= | ^ | |
@ | " | (Shift + 2) |
[ | @ | |
] | [ | |
^ | & | (Shift + 6) |
_ | = | (Shift + - ) |
{ | ` | (Shift + @ ) |
} | { | (Shift + [ ) |
[1] 7,9,0,8,2,6の数字はテン・キーではなく,メイン・キー最上段の数字キーを押してください。 |
入力する文字 | PCXAJ-AAキーボード上の押すキー [1] | |
---|---|---|
" | * | (Shift + : ) |
& | ' | (Shift + 7 ) |
' | : | |
( | ) | (Shift + 9 ) |
) | ~ | (Shift + 0) |
* | ( | (Shift + 8) |
+ | - ( over bar ) | (Shift + ^ ) |
: | + | (Shift + ;) |
= | ^ | |
@ | " | (Shift + 2) |
[ | @ | |
] | [ | |
^ | & | (Shift + 6) |
_ | = | (Shift + - ) |
` | 全角/半角 | |
{ | ` | (Shift + @ ) |
} | { | (Shift + [ ) |
~ | (Shift +全角/ 半角) | |
[1] 7,9,0,8,2,6の数字はテン・キーではなく,メイン・キー最上段の数字キーを押してください。(Shift + 全角/半角)キーは対応する刻印がありません。 |
入力する文字 | LK411-AJキーボード上の押すキー | |
---|---|---|
` | < | |
~ | > | (Shift+ < ) |
【例】
PCXAJ-AAキーボードを使用して,日本語OpenVMS Alpha オペレーティング・システムをインストールする場合, コマンドを入力する際に : キーを押すかわりに + キーを押してください。
日本語OpenVMS VAX V7.2のインストール時に行なわれるPCSIキット互換用のtransition データの登録が,まれに失敗する場合があります。登録に失敗した場合, 日本語OpenVMS自体は正常に動作しますが,他の日本語プロダクトのインストールができない等の問題が発生します。
transitionデータが正常に登録されたかどうかを調べるには,以下のコマンドを入力します。
$ product show product jvms
transitionデータが正常に登録されている場合は,つぎのように表示されます。
----------------------------------- ----------- ------------ PRODUCT KIT TYPE STATE ----------------------------------- ----------- ------------ DEC VAXVMS JVMS V7.2 Transition Installed ----------------------------------- ----------- ------------
JVMSと表示されないか,またはエラーが発生した場合は,登録に失敗しています。 失敗していた場合は,transitionデータ・ファイルを日本語OpenVMS VAX V7.2 のキットから取り出して,再度登録してください。次のように入力します。
$ backup /log /select=*.pcsi$description jvms072.a /save <device:[directory]> $ product register product jvms /source=<device:[directory]>
<device:[directory]>には作業用のディレクトリを指定してください。
日本語OpenVMSバージョン7.2およびバージョン7.2-1で日本語DECwindows Motifバージョン1.2-3を使用する場合は,日本語DECwindows Motifバージョン1.2-3 国際化部分に対する修正キットのインストレーションが必須です。 修正キットをインストールしない場合,DECwindows Motifの日本語機能が動作しません。
バージョン7.0以前の日本語OpenVMSでバージョン1.2以前の日本語DECwindows Motif を実行していて,日本語OpenVMSバージョン7.2にアップグレードする場合は, 標準版OpenVMSへのアップグレードの前に,日本語DECwindows V1.2-3 へアップデートしてからこの修正キットをインストールする必要があります。
V7.1
DCLのTYPEやSEARCHコマンド等で/PAGEもしくは/PAGE=SAVEを指定して画面表示を行った場合,Find キーおよび/SEARCH修飾子による日本語検索はできません。 これは,論理名UTIL$SMGSHRを定義した場合でも同様です。
MAILおよびJMAILコマンドには,次に示す制限事項があります。
DEC XTPU等でサポートされているSuper DEC Kanjiコードセットを使用した半角カナを含むメッセージを正しく入力/ 表示することはできません。
VAX V6.1
日本語OpenVMS VAXバージョン6.1では,JMAILまたはMAILでEDTを用いて日本語を表示することはできません。
また,JTPUに代わってXTPUがサポートされました。これに伴ってJMAIL, MAILからJTPUを使うことができなくなりました。代わりにXTPUをご使用ください。JMAIL ,MAILでXTPUを使用するには次のようにします。
JMAIL> SET EDITOR XTPU MAIL> SET EDITOR XTPU
V7.0
MAIL,JMAILでDDIF形式などのコンパウンド・ドキュメント・ファイルを送信したり, 受信したファイルをEXTRACT/FOREIGNコマンドで取り出すことができません。MAIL ,JMAILでコンパウンド・ドキュメントを取り扱う場合は,MAIL/OLD あるいはJMAIL/OLDコマンドでメール・ユーテリティを起動してください。
V7.0
JMAILのREADサブコマンドなどで/PAGE=SAVEを指定し画面操作モードに入った時,FIND キーを入力しても検索文字列に日本語文字列を入力することができません。 日本語文字列を検索するにはJMAILのSEARCH /JAPANESEサブコマンドを用いてください。
V7.0
JMAILのREPLY/LAST/EDITで最後に発信したメールを編集して送信する機能が動作しません。REPLY/LAST を使ってメールを編集せずに送信するか, SEND/LAST/EDITで代用してください。
日本語OpenVMSの以下の機能では半角カタカナと漢字が混在したデータを扱えますが, これら以外の機能では扱うことができません。
Super DEC漢字コード・セットの概要および上記機能における半角カタカナサポートの内容については『日本語OpenVMS 概説書』および各々の機能のマニュアルを参照してください。
JDICEDITやDEC XTPU/日本語EVEなどで,以下のような記号を含んだ単語を個人辞書に登録する場合, いくつかの制限事項がありますので注意してください。
全角の"*"は,かな漢字変換内部で特殊記号として使用しているため, 表記に"*"を含む単語は,変換時に"*"が取り除かれます。個人辞書に, 表記に全角の"*"を含む単語を登録しても,変換結果に"*" は出てきません。
【例】 ┌─────┬────────┐ │ 読み │ こめんと │ ├─────┼────────┤ │ 表記 │ *コメント* │ └─────┴────────┘
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行なうと以下のようになります。
┌─────┬────────┐ │ 読み │ こめんと │ ├─────┼────────┤ │ 表記 │ コメント │ └─────┴────────┘
このように,表記に"*"は出てきません。
句読記号,空白文字を含む単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換の時に句読記号, 空白文字が取り除かれた候補がでることがあります。 句読記号,空白文字に含まれるのは以下の文字です。
かな漢字変換では,文節から句読記号,空白文字を取り除いたものを文節学習辞書に学習します。 したがって,句読記号,空白文字を含む単語を個人辞書に登録した場合, 句読記号,空白文字が取り除かれた表記が変換結果に現れることがあります。
【例】 ┌───┬─────────────┐ │読み │ こんぱっく │ ├───┼─────────────┤ │表記 │(コンパックコンピュータ)│ └───┴─────────────┘
上のような単語を個人辞書に登録した場合,かな漢字変換を行うと以下のようになります。
登録した単語に句読記号"。"を付けて変換します。
┌───┬──────────────┐ │読み │ こんぱっく。 │ ├───┼──────────────┤ │表記 │(コンパックコンピュータ)。│ └───┴──────────────┘
ここで確定すると,句読記号"。"と共に句読記号"("および")"が取り除かれた単語が学習されます。
┌────────┬────────────┐ │ 学習される読み │ こんぱっく │ ├────────┼────────────┤ │ 学習される表記 │コンパックコンピュータ │ └────────┴────────────┘
第1回めの変換を確定した時に句読記号を取り除いた表記を学習してしまったために, 以下のような変換結果になります。
┌─────┬───────────────┐ │ 読み │ こんぱっく。 │ ├─────┼───────────────┤ │ 変換結果 │ コンパックコンピュータ。 │ ├─────┼───────────────┤ │ 次候補 │(コンパックコンピュータ)。 │ └─────┴───────────────┘
次候補にはユーザが個人辞書に登録した単語が現れます。
句読記号,空白文字を表記に含む単語を個人辞書から削除したい場合には削除したい単語の削除を行った後, 文節学習辞書に学習されたデータを消すために句読記号, 空白文字を除いた表記に対しても単語削除の操作を行ってください。 削除したい単語に句読記号/空白文字が含まれていない場合には, 従来どおり1回の操作で単語削除を行うことができます。
文節学習辞書に学習されたデータのうち,古い文節学習データは自動的に消えるように設計されていますが, 短い読みで学習された文節が増えた場合, 不適切な読みに一致して変換結果に悪影響を与えることがあるので注意してください。 文節学習辞書ファイル(JSY$LEARN.DAT)を消すと,文節学習データは失われますが, 変換できなくなることはありません。
表示エリアが8文字以下の場所にFIPで入力を行う場合,横スクロール機能が正しく動作しません。
KANJIGENユーティリティで,DEC漢字1978年版に設定されている端末に対しては, 漢字ターミナル・ドライバが8区の罫線を拡張漢字94区の罫線に変換して出力しますが, この変換処理には以下のような制限事項があります。
1つの端末からターミナル・サーバ経由で,複数のセッションを使ってオンデマンド・ ローディングを行う場合は次の制限事項があります。
PRINTで,/FORM修飾子に指定されたフォームにおいて,/WIDTHと/WRAPが同時に指定されていた場合,/WIDTH で指定された印字数よりも長いラインを印刷すると, ラップされた部分が改行されず,重ねて印字されてしまいます。 必ず/NOWRAPを指定したフォームを使用してください。
日本語OpenVMSでは,日本語OpenVMSが提供するユーティリティ用のヘルプ・ ライブラリとして,ディレクトリJSY$HELPにJSYHELP.HLBを提供しています。 日本語OpenVMS上で動作するアプリケーション・ソフトウェアの中には, そのソフトウェアのヘルプを,JSY$HELPに日本語で提供するものもあります。
これらのヘルプを,DCLのヘルプ・コマンドから簡単に参照できるように, 日本語OpenVMSではJSY$HELP:JSYHELPを論理名HLP$LIBRARYに割り当てています。 この論理名に割り当てられたヘルプ・ライブラリは,MAILユーティリティなどのHELP サブコマンドからも参照されるようになります。この結果, たとえば,MAILユーティリティの中で,HELP KCODEと入力すると日本語ヘルプのKCODE コマンドについての説明が表示されます。
JSY$SWITCHコマンド・プロシージャでJAPANESEに設定されている場合,日本語に翻訳されたHELPLIB.HLB が最初に参照されるヘルプ・ライブラリになります。 このヘルプには,通常よく参照されると思われるトピックの日本語版が入っていますが, すべてのトピックが日本語化されているわけではありません。 日本語化されていないトピックについては,オリジナル(標準版)のヘルプが参照されるよう, オリジナルのヘルプ・ライブラリが論理名HLP$LIBRARY に割り当てられます。この次に,前述の日本語OpenVMS が提供するユーティリティ用のJSYHELP.HLBが割り当てられます。 この場合もJSYHELPの場合と同様に,いくつかのユーティリティのHELPサブコマンドから, オリジナルのヘルプ・ライブラリが参照されます。
$ MAIL MAIL> HELP KINQUIRE KINQUIRE ローマ字/かな・漢字変換型 INQUIRE コマンド KINQUIRE は INQUIRE コマンドの「ローマ字/かな・漢字変換版」です。 ・ ・ $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH JAPANESE $ MAIL MAIL> HELP @HELPLIB SHOW SHOW Displays information about the current status of the process, the system, or devices in the system. Format: SHOW option ・ ・
VAX版DEC XTPUでは,ISO-2022-JPコードセットに無い文字をISO-2022- JPコードセットで強制的にファイルに出力しようとすると,Access Violationを起こしてXTPUがクラッシュします。
ISO-2022-JPコードセットを使う場合は,JISローマ字(ASCII)と漢字(JIS X0208)のみを使用してください。
UCS-2では文字が2バイトで表現されるため,OpenVMSでは改行文字を正確に処理することができません。 そのためWindows NTとの間でUCS-2テキストを交換すると, 複数の行が1行に繋がってしまったり,行頭に不正な文字が追加される等の問題が発生する場合があります。
DEC XTPUでは,使用する個人辞書を/KANJI_DICTIONARY修飾子で指定することができますが, 個人辞書の論理名JSY$KOJINを使用して以下のような指定を行うことはできません。
$ EDIT/XTPU/KANJI_DICTIONARY=JSY$KOJIN
この指定を行った場合,「%XTPU-E-OPENDIC,error opening the dictionary file」のエラー・メッセージが表示されます。
日本語画面管理ライブラリ(日本語SMG)では,次のルーチンに,以下に述べる制限事項があります。
日本語SMGは,英語版SMGに対して,基本的に上位互換となっていますが, 英語版SMGを前提に作られているアプリケーションに対して日本語SMGを使用することはできません。 使用した場合,問題が発生することがあります。 これは一部サポートされない機能,あるいは動作が異なる場合があるためです。 具体的には,
$ DEFINE SMGSHR JSY$SMGSHR
と論理名を定義してある場合に,英語版のアプリケーションでも日本語の使用が一部可能となります。 ただし,これらは結果としてそうなるだけで, サポートされている使用方法ではありません。上記のように論理名を定義してご使用中に, なんらかの問題が生じた場合には,SMGSHRの論理名を以下のように解除してください。
$ DEASSIGN SMGSHR
日本語SMGを使用する場合は,日本語SMGが提供する機能に応じて,アプリケーションをJSY$SMGSHR.EXE とリンクして使用してください。
日本語SMGでは次のルーチンでVT500端末をサポートしません。これらのルーチンでVT500 固有の属性を引き数で指定しても無視されます。
KCODEユーティリティを使用してファイルのコード変換を行った場合,入力ファイルと出力ファイルの各レコードのバイト数は, 変化しません。また,1 バイト・コードと漢字コードが混在して使用されている場合,シフト・ コードは挿入されませんので,1バイト・コードと漢字コードの区別がつかなくなります。 したがって,逆変換を行っても,データはもとには戻りません。
KCONVERTユーティリティでは,/MODE修飾子によって,変換フィールドの最初が漢字で始まるか, 半角カタカナで始まるかを指定しますが,/FIELD 修飾子の指定が,漢字の2バイト目から始まるような指定になっている場合であっても,/FIELD で指定された位置から変換します。このような指定が行われた場合, 変換結果は保証されません。
アプリケーション・キーパッドを使用するアプリケーションでKANJIGENの設定を文字単位編集機能を有効にして使用する場合, 端末の制御文字の設定を7 ビットにしてください。
KANJITERM.COM は,端末装置の属性を設定するためのコマンド・プロシージャですので, バッチ・ジョブやネットワーク・ジョブで使用することはできません。KANJITERM.COM は,その中でジョブのモードをチェックし, INTERACTIVEモードでない場合には何も実行せずに終了します。
KANJITERM.COM は日本語OpenVMS VAXワークステーション・ ソフトウェアと日本語DECwindowsのターミナル・エミュレータについてはサポートしていません。
JDICEDITをバッチ・ジョブで使用した場合,illegal I/O function code のエラーでアボートします。
個人辞書にユーザ定義文字を登録した場合,EDITサブコマンド使用時における画面上では正しく表示されません。 ただし,登録されたユーザ定義漢字を, かな漢字変換に用いることには問題ありません。
個人辞書に追加登録できる単語の数は,最大約100,000語です。ただし, 登録単語数が増加すると,かな漢字変換時の単語の検索に時間がかかるようになります。 実用上の登録単語数の上限は,約30,000語と考えてください。
日本語OpenVMS VAXバージョン7.2でSNAPSHOT ファシリティを使用して再立ち上げを行う場合,次のような警告メッセージが表示されますが, システムの運用には差し支えありません。
%SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FIDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, FHDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, ASDRIVER is not certified for a snapshot %SNAPSHOT-W-UNCERTDRVR, SYS$COMMON:[SYS$LDR]JSY$RMS_EXTENSION.EXE is not certified for a snapshot
日本語OpenVMS Alphaバージョン7.2-1が提供する翻訳メッセージおよび翻訳ヘルプの中には, 標準版OpenVMS Alphaバージョン7.2-1に対応していないものがあります。 翻訳メッセージ/翻訳ヘルプと標準版(英語)のメッセージ/ ヘルプの内容に差異がある場合は,標準版の内容が優先されます。
Alpha V7.0
OpenVMS Alphaバージョン7.0から提供されるようになった,Hypersortは日本語文字列のソート, マージを行うことができません。日本語文字列のソート, マージを行うには従来のソート,マージ機能をご利用ください(特別な設定を行わない限り,SORT ,MERGEコマンドでは従来のソート, マージ機能が呼び出されます)。
日本語ライブラリの漢字変換入力ルーチン,JLB$GET_INPUTでは,入力した文字がエコーバックされるのは画面上の1 行だけで,それを越える場合, 次の行にラップされません。1行に入り切れない分は画面にエコーバックされませんが, 第1引数で指定した入力文字列の最大サイズまで書き込むことができます。 このとき,プロンプト文字列にボールドや下線などのエスケープ・ シーケンスが含まれていると,その分画面にエコーバックされる範囲が小さくなり, 見かけ上入力できる文字数が少なくなりますが, 実際には入力文字列のサイズ分の入力が可能です。
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