日本語Compaq DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS
リリース・ノート
3.11 常に正しく出力されるとはかぎらないプリンタ名
各国語対応文字が PostScript "printername" で使用されている場合,セパレータ・ページの下部に出力されるプリンタ名が間違った文字セットで出力される可能性があります。
3.12 DECwindows ソフトウェアあるいは DECimage Application Services を必要とする DDIF 出力
DDIF エンコード 2 値イメージを出力するには, DCPS は DECwindows ソフトウェアあるいは DECimage Application Services (DAS) がシステムにインストールされていることを必要とします。 DAS は OpenVMS VAX システムだけで使用可能です。
3.13 NUMBER_UP および PostScript ドライバの互換性
アプリケーションで LaserWriter 8.0 または 8.1.1 ドライバ,あるいは Adobe 2.1.1 Windows ドライバを使用して作成された PostScript ファイルは, 1 より大きな NUMBER_UP が指定された場合に正しく出力されません。
この場合,ページが抜けたり,NUMBER_UP ページ位置とは異なる位置に出力されたり,間違った拡大縮小率で出力されるという現象が発生します。
3.14 PAGE_SIZE パラメータを無視する LIST トランスレータ
LIST トランスレータは,ページのフォーマットの際に PAGE_SIZE パラメータを無視します。この場合,LIST トランスレータは A (レター用紙) および A4 用紙に適合する最大サイズのページを作成します。
ポートレートの場合: 80 カラム,70 行
ランドスケープの場合: 150 カラム,66 行
PAGE_SIZE および SHEET_SIZE パラメータの両方を指定して,論理ページを拡大縮小して異なるサイズの用紙に出力することが可能です。
3.15 挿入された PJL コマンドの無視,バイナリ・モードは避けるべきこと
DEClaser 5100 および HP LaserJet IV ファミリーなどの PJL プリンタ用のファイルを作成するドライバは, HP Printer Job Language (PJL) 内にプリンタ制御コマンドを含んでいます。 DCPS はそのデータを検出して無視します。このため,そのようなドライバによって選択されたプリンタ・オプションはプリンタ・ジョブに影響を与えません。
これらのドライバを使用する場合は,バイナリ・モードを選択してはなりません。バイナリ・モードでは,DCPS を経由して出力する場合に不正な動作を引き起こす可能性のあるコマンドをファイルに追加するからです。 DCPS トランスレータを経由してジョブが渡されたかどうかに関わらず,出力フォームはキューに実際に接続されているプリンタに依存しています。
3.16 いくつかのプリンタでのエラー後の信頼性のない通信
AppleTalk 接続を使用していくつかのプリンタに出力した場合,プリント・ジョブの最後で予測できないエラーが発生する可能性があります。この問題が発生するプリンタには,LaserWriter Pro 600,LaserWriter Pro 630, LaserWriter IIg,LaserWriter IIf などが含まれます。一般に,プリント・ジョブで特定の理由の明確なエラー,たとえば PostScript インタプリタに "Flush to the EOJ" を発生させる PostScript エラー,あるいは手差しによる給紙を待つ間にタイムアウト・エラーなどが発生した場合,予測できないエラーが発生します。次のような現象が発生します。
- 第 2 の PostScript エラーあるいはタイムアウト・エラーの発生
- DCPS とプリンタ間の通信の切断
- ジョブのトレーラ・ページが指定されている場合に出力されない
- アカウント情報ファイル内のページ・カウントの不正
- ジョブが完了するまでに最大 1 分の遅延
プリント・ジョブのユーザによる出力部分は正しく出力されます。 DECprint Supervisor によって処理されるジョブの最後 (たとえば,ページ・カウントの取得あるいはトレーラ・ページの出力) で,予測できないエラーが発生します。不正なジョブが終了すると,以降のジョブは正しく出力されます。システム・オペレータが介在しなければならない処理は必要とされません。
3.17 AppleTalk 使用時のジョブの削除
AppleTalk 接続を使用して出力している場合,ジョブの削除要求 (DELETE/ENTRY) はプリンタとの接続をクローズすることによって実行されます。 AppleTalk プロトコルは PostScript インタプリタへの割り込みを提供しないため,プリンタはそのバッファに含まれているページ記述部分を継続して出力した後に,ジョブの出力を停止します。ジョブのトレーラ・ページは出力されません。
3.18 接続を拒否している PrintServer プリンタに対する STOP/QUEUE/RESET の使用を避けること
ジョブが "Starting" 状態であり,プリンタが接続を拒否している場合 (たとえば,その PrintServer の電源が落ちている,あるいはブート中である場合) に,弊社の PrintServer プリンタのキューに対して STOP/QUEUE/RESET コマンドを実行すると,そのキューは停止します。まれに,そのシンビオント・プロセスが停止する可能性があります。 PrintServer プリンタが使用可能となるまで,このコマンドを実行することは避けてください。ジョブが "Starting" 状態であり, PrintServer プリンタのジョブ・キューに登録されている場合, STOP/QUEUE/RESET コマンドは正しく実行されます。
3.19 DELETE/ENTRY でのジョブのトレーラ・ページの出力
プリンタでジョブのトレーラ・ページ出力中に DELETE/ENTRY コマンドを実行した場合,このページの出力を削除することは可能です。また,ファイルのすべてのデータを転送して PrintServer プリンタにジョブを出力している場合であっても,そのジョブに対する DELETE/ENTRY コマンドを実行して,そのジョブのトレーラ・ページが出力されないようにすることは可能です。
3.20 /COPIES を指定した出力時の PostScript ファイルの問題
PostScript ファイルに /COPIES 修飾子を指定した場合, DCPS は各ファイルの前後に PostScript の "save" および "restore" を追加して,プリンタ内の仮想メモリの消費を避けるようにします。
ただし,まれに不正な restore エラー・メッセージを表示してプリント・ジョブが中断する場合があります。この現象が発生した場合は,/COPIES ではなく /JOB_COUNT 修飾子を使用してください。
3.21 /JOB_COUNT を指定した場合の PAGE_LIMIT 使用の問題
/JOB_COUNT 修飾子を指定した場合に PAGE_LIMIT パラメータを使用すると,期待していない出力となる可能性があります。特に,ジョブの最初の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについてはすべてのページを出力してしまいます。ジョブの最後の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが,以降のコピーについては指定を無視して出力してしまいます。
いくつかのページを出力しないで複数のコピーを必要とする場合は, /JOB_COUNT 修飾子を使用するのではなく,必要な回数だけ PRINT コマンドを実行するようにしてください。
3.22 I/O バッファ設定が小さすぎる場合の OPCOM エラー発生の可能性
SYSGEN パラメータの MAXBUF で設定された I/O バッファのサイズが小さすぎる場合,プリンタ・キューが停止し,OPCOM に次のメッセージが表示されます。
%SYSTEM-E-EXQUOTA, process quota exceeded
|
このエラーが発生した場合は,SYSGEN パラメータの MAXBUF の値を増やしてください。
3.23 PrintServer プリンタのキューの起動不可
弊社の PrintServer ソフトウェアのいくつかのバージョンについての CPAP プロトコルのバグにより,特定のリソースの問い合わせに対して DCPS シンビオントが不正にフォーマットされたパケットを取得する可能性があります。不正なパケットはシンビオントの起動を妨げます。
この問題は, 1 つのパケット (ロードされたリソースを戻すことを記述している) に必要なリソースよりも多くの十分すぎるリソースをロードすることにより発生します。推奨される回避策は,より少ないリソースをロードすることです。経験的なテスト結果によると,その制限は 7 フォントです。
この問題は,PrintServer ソフトウェアの S5.0-29 以降で解消されています。
第 4 章
日本語版 DCPS の制限事項
この章では,日本語版のDECprint Supervisor に固有の制限事項およびその他の情報について説明します。
4.1 A4用紙にランドスケープ・モードで印刷する場合
日本語 DECprint Supervisor V1.2 以前のANSIトランスレータは A4用紙へのランドスケープ・モードで66行出力する場合に問題がありました。サポートされているプリンタのなかには A4用紙への印刷可能領域が平均的な印刷領域より少し狭くなっているものがあります。これらのプリンタでは,66行目の内容が失われてしまうか,切れてしまいました。これはプリント・パラメータが PAGE_SIZE=A4, PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPE のときに発生します。
日本語 DECprint Supervisor V1.2 以降に添付される ANSIトランスレータは A4用紙へのランドスケープ・モードでの印刷で66行目も正しく出力できます。これを行うために ANSI トランスレータは使用するフォント(SGR 15)の縦方向のスペーシングを変更し,A4用紙の最大印刷可能領域の値を修正しました。従来のトランスレータの出力結果の方を使いたい場合,DCPSキュー論理名を次の例のように定義します。
$ DEFINE/SYSTEM DCPS$<queue-name>_OLD_ANSI_PAGE_SIZES TRUE
|
なお,漢字 ANSI トランスレータでは,この修正は行なわれていません。もし,漢字トランスレータ使用時に,66行目が正常に印刷されない場合は, FULL_A4_LANDSCAPE のレイアップ定義ファイルを使用して印刷してください。
4.2 半角英数字フォント
Ryumin-Light.Roman および GothicBBB-Medium.Roman などの日本語フォントには,JISローマ字セット以外の文字は含まれていません。このため,装置制御ライブラリ,DCPS$DEVCTL.TLB にある拡張された findfont オペレータを用いて,これらのフォントに対してISOLatin1 および DEC マルチナショナル文字セットを使用することはできません。
4.3 テキスト・トランスレータ
- フォーム定義
漢字LN05の標準設定では,フォーム・データ用のメモリは 16 ページあわせて 64 Kバイトとなっています。この値は,グラフィック・オプションなどの使用で増やすことができます。トランスレータによるフォーム・オーバーレイでは,1 ページあたり 64 Kバイトまでのフォーム・データを登録することができます。1 ページあたり 64 Kバイトを越えるフォーム・データを登録しようとすると,DECLKF シーケンスそのものが無効になります。PRINT コマンドでマルチファイル指定をした場合,あるファイル内で登録したフォーム・データを他のファイルで使用することはできません。複数のファイルで共通のフォームを使用したい場合は,フォーム・データをセットアップ・モジュールとして登録し,そのモジュールをPRINTコマンドの /SETUP修飾子で指定してください。
- 複数ファイルの印刷
複数ファイルを1つのプリント・ジョブで印刷する場合,各ファイルの先頭で初期設定が行われます。このため,あるファイルの中で行った設定を,次のファイルで利用することはできません。このようなときは,セットアップ・モジュールに必要なエスケープ・シーケンスを登録しておくことにより,各ファイルの初期状態を制御することができます。
- LN82R での外字と斜体(イタリック)属性の混在
LN82R に印刷されるファイルに外字が含まれ,かつイタリック属性が漢字に対して指定されると,PostScript の FATAL エラーになる場合があります。この場合,プリント・キューを停止し,キューからジョブを削除し,プリンタの電源を入れ直してください。
- テキスト・トランスレータの性能
テキスト・トランスレータで日本語文書を印刷する場合,必ずしもプリンタ・ハードウェアの最高速度では印刷できません。白黒反転や網かけ,倍角文字,縦書き,外字があるとき,および 1 バイト文字と 2 バイト文字が頻繁に交互に現われるような場合には,印刷速度はさらに遅くなります。
- テキスト・トランスレータの外字と内蔵フォント
日本語 PostScript プリンタの内蔵漢字フォントは,PostScript のアウトライン・フォントです。外字は日本語 VMS の FEDIT ユーティリティ,または CHARACTER_MANAGER ユーティリティで作成することができますが,このフォントは,40 ドット× 40 ドットまたは 32 ドット× 32 ドットのビットマップ・フォントです。したがって,外字の倍角文字は内蔵フォントの倍角文字に比べて,印字品質が劣ります (ギザギザが見えます) 。
- 罫線文字
テキスト・トランスレータで使用している罫線文字は,文字間隔/行間隔が文字サイズに比べてかなり大きいときにはつながりません。
また,この罫線は PostScript フォントを使用して表示しているため,表示される位置やサイズによっては装置上で 1 ピクセル程度のずれを生じることがあり,結果として,罫線が一直線にならない場合があります。
- SIXEL と文字の重ね合わせ
SIXEL とテキストを座標指定 (VPA,HPA など) で位置を指定して,同じページ上で重ね合わせるとき,印刷可能領域上端付近 (通常トップ・マージンの位置) の座標を指定した場合,結果として表示される文字や SIXEL の縦方向 (Y座標) の位置が LN03/漢字LN03 とテキスト・トランスレータでは異なります。SIXEL では,どちらも通常は SIXEL の上端の座標が,指定されたY座標から 70 ピクセル上になるように表示しますが, LN03/漢字LN03 では,この表示方法を取ったときに SIXEL が印刷可能領域上端を超える場合には,SIXEL の上端の座標が,印刷可能領域上端になるように位置を下げて表示します。このため,印刷可能領域上端付近の座標を指定して文字と SIXEL を重ねた場合に,LN03/漢字LN03 とテキスト・トランスレータの出力を比べると,LN03/漢字LN03 の SIXEL はテキスト・トランスレータよりもやや下にずれます。印刷可能領域上端から離れた位置を指定した場合には,両者に違いは見られません。
- テキスト・トランスレータのプロローグ処理
テキスト・トランスレータは,印刷ジョブの開始時に,大量の PostScript プロローグ処理 (初期設定) を行います。この処理は印刷ジョブの内容によらず常に同じなので,初めからプリンタに常駐させておけば,ジョブの最初の 1 ページが出力されるまでの時間を短縮することができます。デフォルトでは,プロローグを常駐させることにしていますが,このことはテキスト・トランスレータ以外の印刷ジョブにとっては,利用できる PostScript VM (Virtual Memory) が減少していることを意味します。弊社では,PostScript アプリケーションが VM を 400KB 以上使わないようにお勧めしますが,もしもこの制限を守っていないソフトウェアがあると,PrintServerプリンタでは VM が足りないというエラーで実行できなくなる場合があります。PrintServerプリンタとシリアル・プリンタではプロローグを常駐させる処理が異なります。
- 日本語DEC PrintServer サポーティング・ホスト・ソフトウェア V4.2 または日本語 PrintServer Software V5.0, V5.1 を使用している場合
このサポーティング・ホスト・ソフトウェアを使ってブートされた PrintServer では, DCPS と互換性のあるプロローグが常駐しているので,特別に処理をする必要はありません。また,このサポーティング・ホストでは,プロローグは必ず常駐していなければなりません。
- PostScript シリアル・プリンタの場合
PostScript シリアル・プリンタでは,プリンタの電源投入後の最初のプリント・ジョブで,プロローグが常駐しているかどうかをチェックし,していなければダウンロードします。この時,PostScript パスワードがプリンタ出荷時の設定になっていない場合 (LN82R では 0 でない場合),プロローグは常駐されません。つまり, PostScript パスワードをデフォルト以外の値に設定することによって,常駐をやめることができます。
- PostScript フォント UniqueID
テキスト・トランスレータでは,使用する PostScript フォントに対して, UniqueID を指定しています。3658490 から 4194312 の UniqueID は他の PostScript アプリケーションでは使用しないでください。
- 半角ローマ字フォントの制限
PrintServerでは,内蔵 PostScript フォントの Ryumin-Light.Roman および GothicBBB-Medium.Roman の半角ローマ字フォントは,JIS ローマ字以外の文字セットをサポートしません。このため,テキスト・トランスレータでは明朝体半角ローマ字フォントを PostScript Courierフォントで代用しています。
ゴシック体半角ローマ字は PostScript の半角ローマ字を使用しているため, JISローマ字または ASCII 文字セット以外の文字セットを指定した場合,存在しない文字は空白 (スペース) 文字で置き換えられます。
- SETUPモジュールでの印刷
ANSI(ASCII),KANJI,KANJI78 または LA_KANJI データ・タイプの SETUP モジュールを作成し,その中で文字を印刷することができますが,この文字を PRINT コマンドで指定したファイルの先頭ページに印刷することはできません。SETUP モジュールの中で印刷した場合には,PRINT コマンドのファイルを印刷する前に改ページが行われます。 ANSI(ASCII),KANJI,KANJI78 または LA_KANJI データ・タイプで SETUP モジュールを作成し,その中でフォント・ローディング命令またはピッチ指定命令を使用したときには,空白 (スペース) 文字を含む実際の文字の印刷を SETUP モジュールの中で行うことはできません。
- DECVPFS とマージン
可変ページ・フォーマット選択命令 (DECVPFS) でページ・オリエンテーションを変更する場合,オリエンテーション変更後のページ・マージン (上下マージン,左右マージン) も同時に指定してください。
マージンを新たに指定しない場合,従来のマージンの値が採用され,シートの外にマージンが設定された状態になることがあります。
- DECVERP,DECSHORPのパラメータPs=0
漢字LN05とテキスト・トランスレータの8ポイント・フォントの高さは,それぞれ 768 centipoint と 922 centipoint として定義されています。このため,フォントの高さをもとに位置を制御する命令を使うと,出力結果が異なってしまいます。これを避けるため,行ピッチの指定はSPIなどで明示的に行うようにしてください。また,8ポイント・フォントを使っていないファイルでも GSM (文字サイズ指定命令)の後に,DECVERP,DECSHORPのパラメータで0を指定すると,漢字LN05とテキスト・トランスレータで行ピッチ/文字ピッチの違いが生じることがあります。この場合もSPIなどで行ピッチ/文字ピッチを明示的に指定する事により,同様に互換性を保つことができます。
- A4 ページ・サイズでの文字ピッチ
A4 ページ・サイズに対して,デフォルト状態での文字属性指定命令(SGR)で,Ps=10 または 11 によりフォント指定後,文字ピッチ指定命令(DECSHORP)の Ps=0 を指定した時の文字ピッチは, 10cpi でなく 10.3cpi となります。
- SS2 と SS3
SS2 または SS3 に続いてコントロール・コードがあった時の処理が,LN05 などと異なる場合があります。 SS2 または SS3 は,対象となる文字コードの直前に入れるようにしてください。
- SUB
SUB コードが漢字コードの 1/2 バイト間に割り込んだ場合の処理が,LN05 などと異なります。LN05 では SUB コードを漢字の 2 バイト目とみなして全角のリバース・クエスチョンを出力しますが,テキスト・トランスレータは SUB コードを先に処理するため,漢字は正常に出力されます。
- DEC DUTCH と DEC FRENCH
DEC DUTCH 文字セットの 4/0 と 7/11 および DEC FRENCH 文字セットの 7/14 は,マニュアルの記述と違う文字が出力されます。
- PLD と PLU
下線,上線,二重下線は,PLD,PLU を行っても移動しません。
- 垂直タブ
VT によって次の垂直タブ位置まで移動する場合,行間隔が狭すぎるとさらに次の垂直タブ位置まで移動することがあります。このときには,行間隔をひろげるか,または今より小さいフォントを使うことにより,所要のタブ位置に移動することができます。
- DECVERP と垂直タブ位置
DECVERP (行ピッチ選択命令) を行った場合,垂直タブはホーム・ポジションを基準とした位置にすべて再設定されます。このため,最初の VT による垂直方向の移動量は,現在の位置によって変化しますが,次の VT からは DECVERP によって設定された行ピッチと等しくなります。
- DECDHLT と DECDWL の組み合せ
LA_KANJI データ・タイプで,DECDHLT (行拡大命令・4倍角)がすでに有効となっている行でDECDWL (行拡大命令・横倍角) を指定した場合,DECDWL は無視されます。同じ行のなかで行拡大命令を組み合わせることは避けてください。
- DECSTBM と DECVERP
LA_KANJI データ・タイプでは,DECSTBM (上下マージン設定命令) で設定されたマージンはDECVERP (行ピッチ選択命令)ではクリアされません。この場合,DECSTBM によってマージンを再設定してください。
- SHS と DECSHORP または GSM と DECSHORP
SHS (水平ピッチ選択命令) と DECSHORP (水平ピッチ選択命令) の組み合わせ,または GSM (文字サイズ指定命令) と DECSHORP の組み合わせで,水平タブ位置が LN05 などと合わないことがあります。この場合,水平タブのかわりにスペースを使うことにより,同じ出力を得ることができます。
- JFY
JFY (行揃え) をオフに設定した行は,その 1 行すべてが行揃えされなくなります。
- DECVERP と DECSLPP
DECVERP (行ピッチ選択命令) によって行ピッチが指定されていた場合,DECSLPP (用紙長設定命令) で設定した行数より 1 行早く改ページする場合があります。このときには,行間隔をひろげるか,または今より小さいフォントを使うことにより,指定した行数で改ページするようになります。
- DECVERP による縦倍角のクリア
LA_KANJI データ・タイプでは,GSM(文字サイズ変更命令)による縦倍角指定は, DECVERP (行ピッチ選択命令)によって解除されます。
- ファイルの先頭にある改ページまたは改行+改ページ
テキスト・ファイルの先頭が,改ページ・コードまたは改行+改ページで始まる場合,漢字LN03に比べて余分な白紙が1枚多く出力されることがあります。このようなときは,先頭の不要な改ページ・コードを取り除くか,またはファイル・フォーマットを stream_LFに変更することにより,漢字LN03と同様な動きになります。
- DEClaser2400 (漢字LN10) との違い
DEClaser 2400 で提供されている以下の機能は,テキスト・トランスレータでは利用できません。
- 漢字アウトライン・フォント・オプションによる,フォントのスケーリング
- 文字属性
文字属性にアンダーライン,二重アンダーライン,抹消ライン,反転,または網かけが設定されている場合,文字ピッチの設定およびそのときに使用される文字フォントの組み合せによっては漢字と英数字との間で文字属性に 1 ピクセル程度のずれを生じることがあります。