日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS

ユーザーズ・ガイド

AA-PZCHD-TE


2002 年 8 月

本書は,日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS ソフトウェアを使用して PostScript プリンタにファイルを印刷する方法について説明します。

オペレーティング・システム: 日本語OpenVMS Alpha オペレーティング・システム V6.2,V7.2-2,V7.3,V7.3-1
  日本語OpenVMS VAX オペレーティング・システム V5.5-2,V7.2,V7.3
ソフトウェア・バージョン: 日本語Compaq DECprint Supervisor V2.1 for OpenVMS


2002 年 8 月

(c) Compaq Information Technologies Group, L.P.

Compaq,Compaq ロゴ,Alpha,DCPS,DECnet,OpenVMS,VAX および VMS は, Compaq Information Technologies Group, L.P. の商標です。

Microsoft および Windows は米国 Microsoft 社の商標です。

このドキュメントに記載されているその他の会社名および製品名は,各社の商標または登録商標です。

次へ 目次 索引


まえがき

DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS は,封筒,プレゼンテーション資料,マニュアルなど広範囲のドキュメントを印刷できるようにするレイヤード製品です。以降に,その特長を説明します。

英語版DECprint Supervisor V2.1 との対応

日本語 DECprint Supervisor V2.1 for OpenVMS は,英語版 DECprint Supervisor V2.1 を日本語用に拡張した製品です。本製品によって,弊社のすべての日本語 PostScript プリンタと,特定の他社製日本語 PostScript プリンタがサポートされます。

英語版 DECprint Supervisor V2.1 は,現時点では日本でサポートされていないプリンタ製品もサポートしています。日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS ではそれらの機能を削除してはいません。しかし,その機能については弊社からのサポートは受けられません。また,日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS には,HP PCL トランスレータなどの,日本語対応がされていない構成要素もそのまま含んでいます。今後,サポートされるプリンタ製品および日本語機能が追加された場合には,その時点での『ソフトウェア仕様書』および『リリース・ノート』を参照してください。

完全なネットワーク対応機能

DECprint Supervisor ソフトウェアを使用することにより,次に示す各種のプラットフォームから PostScript プリンタに出力することができます。

多才な機能を持つページ・レイアウト

DECprint Supervisor ソフトウェアは,各種のページ・レイアウトを提供することができます。幅の広い表あるいはスプレッドシートを作成して,横長に出力することができます。用紙を節約する場合は,用紙 1 枚に 4 ページ分のテキストを出力することができます。ドキュメントに境界線を追加することもできますし,ユーザ独自のドキュメントを作成して出力することもできます。

プリンタの選択

DECprint Supervisor は,リコー,沖データ,セイコーエプソン, Apple,Compaq,DIGITAL,GENICOM,HP,IBM, Lexmark,Tektronix および Xerox 社製の特定のプリンタをサポートしています。サポート対象のプリンタの一覧については,DCPS のソフトウェア仕様書 (SPD) を参照してください。

多数のデータ・タイプのサポート

PCL ファイルを出力したい場合でも PostScript ファイルを出力したい場合でも, DECprint Supervisor は 1 つの簡単なコマンドを使用するだけでこれらのファイルを出力する方法を提供します。 DCPS は次のすべてのデータ・タイプをサポートしています。

本書について

本書の情報は,あらゆるレベルの一般ユーザを対象としています。本書は,ほとんどの出力作業に必要な手順を段階的に説明しています。本書は,次の 2 つの主要なパートに分割されています。

各パートは,作業に応じた小さな章に分割されています。

表記法

本書では次の表記法を使用します。

表記法 意味
[Return] このシンボルはReturnキーを押さなければならないことを示します。
[Ctrl/x] このシンボルは制御キー・シーケンスを示します。 Ctrlキーを押した状態で, [ x ]によって示される別のキーを同時に押さなければなりません。
大文字 大文字はDCLコマンド,修飾子,およびパラメータを示します。
[ ] 大括弧は省略可能な項目を囲むために使用します。
イタリック体 コマンドの例で使用するイタリック体の文字は,その部分に適切な単語,または値を指定しなければならないことを示します。
太字 太字はPostScriptオペレータまたはエラー・メッセージの接頭辞文字列です。オンライン表示の例で使用されている太字は,操作の一部として入力しなければならない文字を示します。
『 』 参照する書籍名を示します。


パート I
概説

このパートの各章では,用紙の両面への印刷,データ・タイプの指定,プリント・ジョブの状態表示など基本的な印刷方法について説明します。

内容
第 1 章 ファイルの印刷
第 2 章 プリント・ジョブおよびプリント・キューの状態表示
第 3 章 プリント・ジョブの給紙トレイおよび排紙トレイの指定


第 1 章
ファイルの印刷

1.1 概要

ファイルを印刷するには,次の手順に従ってください。

  1. PRINT コマンドを入力します。

  2. プリント・キュー名を指定します。

  3. 必要なコマンド修飾子を追加します。

  4. 印刷するファイル名を指定します。

たとえば,次のように入力します。


$ PRINT /QUEUE=MYPRINTER /PARAMETER=DATA_TYPE=POSTSCRIPT SUMMER.PS

この例では,次のものを指定しています。

以降の各節では,ユーザ独自のドキュメントを印刷するために使用できるいくつかの手法について説明します。

1.2 データ・タイプの選択

プリント・ジョブのデータ・タイプを指定するには, /DATA_TYPE=parameter 修飾子を使用します。たとえば,次のように入力します。


$ PRINT /QUEUE=MYPRINTER /PARAMETER=DATA_TYPE=ASCII

次のデータ・タイプ・パラメータのいずれかを指定することができます。

ASCII
ANSI
DDIF
List
PCL
PostScript
Proprinter
ReGIS
Tek4014

各種のデータ・タイプについての詳細は, 第 4 章第 10 章 を参照してください。

1.3 両面印刷

いくつかの PostScript プリンタでは用紙の両面への印刷が可能です。これは,デュープレックス印刷とも呼ばれます。 PRINT コマンドに SIDES=2 パラメータを指定した場合には,文書を用紙の両面に印刷することができます。

たとえば,次のように入力します。


$ PRINT /PARAMETERS=SIDES=2 MYFILE.PS

プリンタが両面印刷をサポートしていない場合には,プリント・ジョブは終了し,次のメッセージが表示されます。


DCPS-E-DPLXNOSUP, printer-name does not support duplex printing 

両面印刷の例については, 図 1-1 を参照してください。

図 1-1 両面印刷


1.4 ランドスケープ (横長) 方向およびポートレート (縦長) 方向の指定

ページの方向を指定するには, PAGE_ORIENTATION パラメータに PORTRAIT あるいは LANDSCAPE キーワードのいずれかを指定します。たとえば,次のように入力します。


$ PRINT /PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPE MYFILE.TXT

注意

PostScript ファイルおよび DDIF ファイルについてはこのパラメータを使用しないでください。これらのファイル・タイプはページ方向についての印刷命令を含んでいるからです。これらのファイルに対して PAGE_ORIENTATION パラメータを指定した場合,その指定は無視されて,プリント・ジョブはファイルに含まれる命令に従って印刷されます。

図 1-1 に,ポートレート (縦長) 方向のページ印刷の例を示します。文書印刷の高度な手法については, 第 11 章 を参照してください。

図 1-2 に,ランドスケープ (横長) 方向のページ印刷の例を示します。

図 1-2 ランドスケープ (横長) 方向


1.5 印刷部数の指定

次のコマンドのいずれかを使用して, 1 つのファイルを 2 部以上印刷することができます。

1.6 用紙の各面への複数ページの印刷

用紙の各面に複数のページを印刷することができます。この機能は用紙を節約するのに役立ち,特別な形式で文書を印刷することができます。たとえば, 図 1-3 に示すように,用紙の各面に 4 ページずつ印刷することができます。

用紙の各面に印刷するページ数を指定するには, PRINTコマンドにNUMBER_UPパラメータを指定します。次の例を参照してください。


$ PRINT /PARAMETERS=NUMBER_UP=4 MYFILE.PS

1枚の用紙に複数のページを印刷するために, DECprint Supervisor ソフトウェアは文書内の論理ページのサイズを変更し,物理的な用紙上の領域に収まるようにします。しかし,この操作を実行しても,アスペクト比(ページの高さと幅の比率)は変更されません。

図 1-3 1枚の用紙に4ページを印刷した例(NUMBER_UP =4)


1.7 特定の範囲のページの印刷

プリント・ジョブの中で特定のページまたは特定のページ範囲を印刷することができます。この機能は,大きなプリント・ジョブが印刷の途中で終了した後,そのジョブを途中から継続するときに役立ちます。

プリント・ジョブから特定の範囲のページだけを印刷するには, PRINT コマンドに PAGE_LIMIT パラメータを指定します。ページの範囲を指定するには,1つまたは2つのページ番号を指定します。たとえば,プリント・ジョブの50ページ目から100ページ目だけを印刷する場合は,次のコマンドを入力します。


$ PRINT /PARAMETERS="PAGE_LIMIT=(50,100)" MYFILE.PS

注意

この PAGE_LIMIT パラメータの場合のように,パラメータ値の内部でカンマを使用する場合には,パラメータ全体を引用符で囲まなければなりません。

指定するページは文書内のページ番号と対応しません。これらは印刷されるページの数を示すだけです。次のコマンドを使用すれば,このファイルの途中から最後の部分のみを印刷するよう指定することができます。


$ PRINT /PARAMETERS="PAGE_LIMIT=(50,)" MYFILE.PS

この例では,プリント・ジョブの50ページ目から印刷を開始し,プリント・ジョブの最後まで印刷することを DECprint Supervisor ソフトウェアに指定しています。

次のコマンドを使用すれば,文書の最初の部分だけを印刷できます。


$ PRINT /PARAMETERS=PAGE_LIMIT=50 MYFILE.PS

この例では,プリント・ジョブの最初の50ページだけを印刷することを DECprint Supervisor ソフトウェアに指定しています。

PAGE_LIMIT パラメータを使用した場合には, upper-limit の値に到達したときに,プリント・ジョブは終了します。したがって,PAGE_LIMITパラメータを指定し,ファイルの最後まで印刷しない場合には,途中で印刷が打ち切られたファイルのファイル・トレーラ・ページは印刷されません。そのファイルの残りのデータと同一プリント・ジョブ内のそれに続くファイルは無視されます。

開始ページまたは終了ページのいずれについても,PAGE_LIMIT の最大値は 999999 です。

1.8 エントリの削除あるいはキューの停止時での遅延

DCPS が STOP/QUEUE/NEXT あるいは DELETE/ENTRY 要求の処理中に,そのプリンタとの通信に問題が発生した場合,その要求が完了するまでに時間がかかる可能性があります。ただし,最終的に DCPS は,現在のジョブがキャンセルされたというプリンタからの応答を待つことを中断します。

1.9 ファイル形式

他のオペレーティング・システムが稼動しているシステムから OpenVMS システムへファイルをコピーして印刷する場合,コピー後のファイルは 表 1-1 に示す OpenVMS ファイル形式のいずれかでなければなりません。

表 1-1 ファイル形式
OpenVMS レコード形式 レコード属性
ストリーム 任意
可変長 なし
不定1 任意
固定形式 なし
索引編成 任意
相対編成 任意


1バイナリ・データを持つファイルも可

注意

イメージやフォントなど,バイナリ・データを持つファイルをコピーする場合には,必ずバイナリ・モードでファイルをコピーしてください。たとえば, FTP でバイナリ・モードを使用するか,または Windows システムから COPY /Bを使用します。

DCPS では,索引編成ファイル,相対編成ファイル,順編成ファイルなどの構成を使用したファイルを出力することが可能です。

索引編成ファイルあるいは相対編成ファイルは,それぞれその主インデックスおよび相対レコード番号によって順次アクセスされます。これは TYPE コマンドとも矛盾しません。

注意

多くの場合,索引編成ファイルおよび相対編成ファイルにはバイナリ・データが含まれています。出力不可能なバイナリ・データを含むファイルを出力しようとした場合,予想できない出力結果となります。


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