前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
SYSMAN ユーティリティを使用すると,クラスタ内の 1 つのノードからクラスタ全体をシャットダウンできます。通常のシャットダウンを実行するには,以下の操作を実行します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER %SYSMAN-I-ENV, current command environment: Clusterwide on local cluster Username SYSTEM will be used on nonlocal nodes SYSMAN> SHUTDOWN NODE/CLUSTER_SHUTDOWN/MINUTES_TO_SHUTDOWN=5 - _SYSMAN> /AUTOMATIC_REBOOT/REASON="Cluster Reconfiguration" %SYSMAN-I-SHUTDOWN, SHUTDOWN request sent to node %SYSMAN-I-SHUTDOWN, SHUTDOWN request sent to node SYSMAN> SHUTDOWN message on JUPITR from user SYSTEM at JUPITR Batch 11:02:10 JUPITR will shut down in 5 minutes; back up shortly via automatic reboot. Please log off node JUPITR. Cluster Reconfiguration SHUTDOWN message on JUPITR from user SYSTEM at JUPITR Batch 11:02:10 PLUTO will shut down in 5 minutes; back up shortly via automatic reboot. Please log off node PLUTO. Cluster Reconfiguration |
詳細については, 第 10.7 節 を参照してください。
8.6.3 1 つのノードのシャットダウン
OpenVMS Cluster 内で 1 つのノードを停止するには, SYSMAN SHUTDOWN NODE コマンドと適切な SET ENVIRONMENT コマンドを組み合わせて使用するか, SHUTDOWN コマンド・プロシージャを使用します。以下の表では,これらの方法について説明しています。
方法 | 説明 |
---|---|
SYSMAN ユーティリティ | 以下の操作を実行する。
|
SHUTDOWN コマンド・プロシージャ | 以下の操作を実行する。
|
詳細については, 第 10.7 節 を参照してください。
8.6.4 ネットワーク・データの更新
サテライトを追加する場合は,使用するクラスタ構成コマンド・プロシージャ (CLUSTER_CONFIG_LAN.COM または CLUSTER_CONFIG.COM) で,ブート・サーバのパーマネント・リモート・ノード・ネットワーク・データベースと運用時リモート・ノード・ネットワーク・データベース (NETNODE_REMOTE.DAT) が更新されます。しかし,他のクラスタ・メンバの運用時データベースは自動的に更新されません。
クラスタ全体で新しいデータを共用するには,他のすべてのクラスタ・メンバで運用時データベースを更新しなければなりません。システム管理者としてログインし,SYSMAN ユーティリティを起動し,SYSMAN> プロンプトに対して以下のコマンドを入力します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SET ENVIRONMENT/CLUSTER %SYSMAN-I-ENV, current command environment: Clusterwide on local cluster Username SYSTEM will be used on nonlocal nodes SYSMAN> SET PROFILE/PRIVILEGES=(OPER,SYSPRV) SYSMAN> DO MCR NCP SET KNOWN NODES ALL %SYSMAN-I-OUTPUT, command execution on node X... . . . SYSMAN> EXIT $ |
NETNODE_REMOTE.DAT ファイルは, SYS$COMMON:[SYSEXE] ディレクトリに格納されていなければなりません。
8.6.5 サテライトのローカル・ディスク・ラベルの変更
サテライト・ノードのローカル・ページ・ディスクとスワップ・ディスクのボリューム・ラベルを変更する場合は,サテライトをクラスタに追加した後,以下の操作を行います。
ステップ | 操作 |
---|---|
1 | システム管理者としてログインし,以下の形式で DCL コマンドを入力する。
SET VOLUME/LABEL=volume-label device-spec[:] 注意: SET VOLUME コマンドを実行するには,ボリュームのインデックス・ファイルに対して書き込みアクセス権 (W) が必要である。ボリュームの所有者でない場合は,システム利用者識別コード (UIC) または SYSPRV 特権が必要である。 |
2 | 新しいラベルを反映するように,ブート・サーバのシステム・ディスクで [SYS n.SYSEXE]SATELLITE_PAGE.COM プロシージャを更新する。 |
HSC,HSJ,DSSI ISE サブシステムで割り当てクラス値を変更しなければならない場合は,クラスタ全体をシャットダウンした状態で変更しなければなりません。
関連項目: 割り当てクラス値を変更する場合は,以下の項を参照してください。
以下の表では,サテライトおよびストレージ・サブシステムのブート操作について説明しています。
構成に含まれるサブシステム | 必要な操作 |
---|---|
HSC および HSJ サブシステム | すべての HSC サブシステムと HSJ サブシステムを設定し,リブートした後,各コンピュータをリブートする。 |
サテライト・ノード | サテライトをリブートする前に,ブート・サーバをリブートする。
複数のメッセージが新たに表示されることがある。たとえば, CLUSTER_CONFIG.COM の CHANGE 機能を使用して, LAN を介したクラスタ通信を有効にすると, LAN OpenVMS Cluster セキュリティ・データベースがロードされていることを示すメッセージが表示される。 関連項目: サテライトのブートの詳細については, 第 9.3 節 も参照。 |
DSSI ISE サブシステム | すべての DSSI ISE サブシステムを設定した後,システムをリブートする。 |
ディスクをサービスするすべてのコンピュータで, MSCP サーバがロードされていることを示すメッセージが表示されます。
構成の設計どおりにすべてのディスクがサービスされているかどうか確認するには,ディスクをサービスしているノードのシステム・プロンプト ($) に対して, SHOW DEVICE/SERVED コマンドを入力します。たとえば,以下の表示は DSSI 構成を示しています。
$ SHOW DEVICE/SERVED |
Device: Status Total Size Current Max Hosts $1$DIA0 Avail 1954050 0 0 0 $1$DIA2 Avail 1800020 0 0 0 |
警告: ミニマム・スタートアップ (システム・パラメータ STARTUP_P1 を MIN に設定した状態) を使用して,ノードを既存の OpenVMS Cluster にブートすると,多くのプロセス (たとえば CACHE_SERVER,CLUSTER_SERVER,CONFIGURE) が起動されません。OpenVMS Cluster システムでこのようなノードを稼動する場合は,これらのプロセスを手動で起動するようにしてください。これらのプロセスを起動しないでノードを実行すると,クラスタが正常に機能しなくなります。
関連項目: これらのプロセスを手動で起動する方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。
8.6.8 ローカル・ディスクに OpenVMS がインストールされている構成のサテライトのリブート
サテライト・ノードは,システム障害や電源障害から復旧したときに,自動的にリブートされるように設定できます。
リブートの動作はシステムごとに異なります。多くのシステムにはコンソール変数が用意されていて,デフォルトでどのデバイスからブートするかを指定できます。しかし,一部のシステムでは,ブート可能なデバイスを自動的に検出するブート・スニッファがあらかじめ定義されています。以下の表はリブートの条件を示しています。
AUTOGEN には,フィードバックと呼ぶ機能があります。この機能は,通常のシステム操作で収集されたデータを調べ,フィードバック・オプション付きで AUTOGEN を実行するときに,収集されたデータをもとにシステム・パラメータを調整します。たとえば,ディスク要求を処理するためにバッファ領域が解放されるのを待っているディスク・サーバの各インスタンスがシステムによって記録されます。この情報をもとに,AUTOGEN は十分な領域が割り当てられるように,ディスク・サーバのバッファ・プールのサイズを自動的に設定できます。
『OpenVMS システム管理者マニュアル』の説明に従って, SYS$UPDATE:AUTOGEN.COM を手動で実行します。
8.7.1 利点
コンピュータが最初にクラスタに追加されるときに,適切な構成になっているようにするには,初期ブート・シーケンスの一部として自動的にフィードバック付きで AUTOGEN を実行することができます。この操作を行うには,コンピュータが実際に使用できるようになる前に,追加のリブートが必要になりますが,コンピュータのパフォーマンスをかなり向上できます。
AUTOGEN を実行するときは,なるべくフィードバック・オプションを使用することをお勧めします。フィードバック・オプションを使用しないと,特に複雑な構成で,AUTOGEN がリソースの利用パターンを予測するのが困難になります。クラスタに含まれるコンピュータとディスクの台数や,実行されているアプリケーションの種類などのさまざまな要素によって,最適なパフォーマンスを実現するためにシステム・パラメータを調整する必要があります。
また,SYSGEN ユーティリティを使用してシステム・パラメータを変更するよりも,フィードバック・オプションを使用して AUTOGEN を実行する方法をお勧めします。これは, AUTOGEN が以下の操作を行うからです。
コンピュータが最初に OpenVMS Cluster に追加されるときに,通常,コンピュータのシステム・リソースを制御するシステム・パラメータが,以下に示すように複数のステップで調整されます。
最初の AUTOGEN 操作 (CLUSTER_CONFIG_LAN.COM または CLUSTER_CONFIG.COM から開始される操作) は,ミニマム環境でしかもフィードバックなしで実行されるため,新たに追加されたコンピュータは OpenVMS Cluster 環境で実行するのに適切な構成になっていない可能性があります。この理由から, 第 8.7.3 項 および 第 8.7.4 項 で説明しているような追加の構成方式を実装しなければならないことがあります。
8.7.3 妥当なフィードバックの取得
コンピュータを最初に OpenVMS Cluster にブートする場合,コンピュータの多くのリソースの利用状況は,現在の OpenVMS Cluster 構成によって判断されます。コンピュータの数,ディスク・サーバの数,使用可能またはマウントされているディスクの数などは,一定の必要最低限のリソースとして解釈されます。この必要最低限のリソースは,コンピュータを継続的に使用しても変化しないため,必要なリソースに関するフィードバック情報は直ちに有効になります。
しかし,通常のユーザの活動によって影響を受ける情報など,他のフィードバック情報は,直ちには提供されません。これは,"ユーザ" だけがシステム・スタートアップ・プロセスだからです。この時点でフィードバック・オプション付きで AUTOGEN を実行しても,一部のシステム値は適切な値より低い値に設定される可能性があります。
最初のプロダクション・ブートの最後に,シミュレートされたユーザ負荷を実行することで,AUTOGEN は確実に妥当なフィードバック情報を活用できるようになります。オペレーティング・システムに添付されている UETP (User Environment Test Package) には,このような負荷をシミュレートするテストが含まれています。このテスト (UETP LOAD フェーズ) は初期プロダクション・ブートの一部として実行でき,その後,ユーザにログインを許可する前に,フィードバック付きで AUTOGEN を実行します。
この手法を実装するには, 第 8.7.4 項 の手順のステップ 1 に示したようなコマンド・ファイルを作成し,クラスタの共通 SYSTARTUP プロシージャからコンピュータのローカル・バッチ・キューにファイルを登録します。コマンド・ファイルは条件に応じて UETP LOAD フェーズを実行し,AUTOGEN フィードバックを実行してコンピュータをリブートします。
8.7.4 AUTOGEN を実行するためのコマンド・ファイルの作成
以下のサンプル・ファイルに示すように,UETP ではコンピュータが最初にクラスタに追加されるときに,そのコンピュータで実行される典型的なユーザ負荷を指定できます。 UETP を実行すると,フィードバック付きでコンピュータをリブートするときに,AUTOGEN がそのコンピュータの適切なシステム・パラメータ値を設定するのに必要なデータが生成されます。しかし,UETP のユーザ負荷のデフォルト設定では,コンピュータがタイムシェアリング・システムとして利用されると想定されています。この計算では,シングル・ユーザ・ワークステーションにとっては大きすぎるシステム・パラメータ値が求められる可能性があります。特に,ワークステーションに大きなメモリ・リソースが搭載されている場合は,計算される値が大きくなりすぎます。したがって,サンプル・ファイルに示すように,ユーザ負荷のデフォルト設定を変更しなければならない可能性があります。
以下の操作を行います。
$! $! ***** SYS$COMMON:[SYSMGR]UETP_AUTOGEN.COM ***** $! $! For initial boot only, run UETP LOAD phase and $! reboot with AUTOGEN feedback. $! $ SET NOON $ SET PROCESS/PRIVILEGES=ALL $! $! Run UETP to simulate a user load for a satellite $! with 8 simultaneously active user processes. For a $! CI connected computer, allow UETP to calculate the load. $! $ LOADS = "8" $ IF F$GETDVI("PAA0:","EXISTS") THEN LOADS = "" $ @UETP LOAD 1 'loads' $! $! Create a marker file to prevent resubmission of $! UETP_AUTOGEN.COM at subsequent reboots. $! $ CREATE SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]UETP_AUTOGEN.DONE $! $! Reboot with AUTOGEN to set SYSGEN values. $! $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS REBOOT FEEDBACK $! $ EXIT |
$! $ NODE = F$GETSYI("NODE") $ IF F$SEARCH ("SYS$SPECIFIC:[SYSMGR]UETP_AUTOGEN.DONE") .EQS. "" $ THEN $ SUBMIT /NOPRINT /NOTIFY /USERNAME=SYSTEST - _$ /QUEUE='NODE'_BATCH SYS$MANAGER:UETP_AUTOGEN $ WAIT_FOR_UETP: $ WRITE SYS$OUTPUT "Waiting for UETP and AUTOGEN... ''F$TIME()'" $ WAIT 00:05:00.00 ! Wait 5 minutes $ GOTO WAIT_FOR_UETP $ ENDIF $! |
注意: UETP は,SYSTEST というユーザ名のもとで実行しなければなりません。
コンピュータをブートすると,UETP_AUTOGEN.COM が実行されて,指定したユーザ負荷がシミュレートされ,次にフィードバック・オプション付きで AUTOGEN を実行してリブートが行われ,適切なシステム・パラメータ値が設定されます。
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |