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SET ENTRY

キューに登録されているジョブで,実行中でないジョブの状態または属性を変更します。

ジョブに対する削除 (D) アクセス権,またはキューに対する管理 (M) アクセス権が必要です。


形式

SET ENTRY エントリ番号[,...]

パラメータ

エントリ番号[,...]

変更したいジョブのエントリ番号を指定します。複数のエントリを指定する場合は,エントリ番号をコンマ(,)で区切ります。

システム内のプリントおよびバッチ・ジョブに対して,それぞれ一意なエントリ番号が割り当てられます。省略時の設定では,PRINT と SUBMIT コマンドはジョブ登録時にこのエントリ番号を表示するとともに,最新のジョブ番号をローカル・シンボル $ENTRY に設定します。エントリ番号は,SHOW ENTRY または SHOW QUEUE コマンドで確認できます。


説明

SET ENTRY コマンドを使用すると,ジョブが現在実行中でない場合, 1つまたは複数のジョブの状態または属性を変更できます。 SET ENTRY コマンドは,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルには影響しません。

修飾子によって,さまざまな属性を指定したり属性を削除したりできます。一部の修飾子は,バッチ・ジョブとプリント・ジョブの両方に適用されます。他の修飾子は,バッチ・ジョブまたはプリント・ジョブのいずれかに制限されています。 SET ENTRY コマンドのすべての修飾子の省略時の設定は, SET ENTRY コマンドを入力する前のジョブの属性と状態です。

このコマンドを使用するには,ジョブの削除 (D) アクセス,キューの管理 (M) アクセス,または OPER (オペレータ)特権が必要です。


修飾子

/AFTER=時刻

/NOAFTER

指定時間後に実行するようにジョブを保留します。指定時間が既に過ぎていた場合は,すぐに実行されます。

絶対時刻または,絶対時刻とデルタ時間の組み合せを指定できます。時刻指定方法の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

注意

セキュリティ上の理由で,ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し,キュー・マネージャが起動しているノード上にジョブを登録した場合,システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である 2020 年 1 月 1 日に設定し,ジョブが 2020 年 1 月 1 日に起動するように登録することができます。しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合,ジョブを現在の時刻に開放することはできず,ジョブは 2020 年 1 月 1 日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER,/NOHOLD,/RELEASE の修飾子に影響を与えます。

保留状態のジョブに /AFTER 修飾子を指定するには,指定時刻までジョブが保留されるように, /NOHOLD 修飾子を /AFTER 修飾子とともに指定します。保留状態のジョブは, SET ENTRY コマンドに /NOAFTER または /RELAESE 修飾子を指定すると,保留状態のジョブを開始させることができます。

/BURST

/NOBURST

バースト・バーを間に入れた2枚のフラグ・ページを,プリント・ジョブのそれぞれのファイルの先頭に付加するかどうかを指定します。

/[NO]BURST 修飾子を用いて, /DEFAULT 修飾子のオプションで設定されたプリント・キューの省略時の設定に優先させることができます。ただし,/SEPARATE 修飾子のオプションで設定された場合は変更できません。

ファイルに /BURST 修飾子を指定した場合は,/[NO]FLAG 修飾子を指定しても,ファイルに先立って印刷される 2 枚のフラグ・ページに追加したり減らしたりすることはできません。

/CHARACTERISTICS=(属性[,...])

/NOCHARACTERISTICS

ジョブに関連する,1つまたは複数の属性をその名前または番号で指定します。属性とは,インクの色などのことです。属性を1つだけ指定する場合には,括弧を省略できます。

属性の番号は,0 〜 127 までの数値です。システムに対してどの属性が定義されているかを調べるためには, SHOW QUEUE/CHARACTERISTICS コマンドを使用します。また,特定のキューに対して使用できる属性を調べるには, SHOW QUEUE/FULL コマンドを使用します。

キューに関連するすべての属性または一部の属性がジョブと関連している場合,あるいはすべての属性が関連していない場合でも,プリント・ジョブは実行キューで処理できます。つまり,ジョブの属性はキューの属性のサブセットでなければなりません。そうでない場合には,次の条件のどれかが満たされるまで,そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/CLI=ファイル名

バッチ・ジョブの実行に使用するコマンド言語インタプリタ(CLI)の名前を指定します。 CLI のファイル名は,SYS$SYSTEM:ファイル名.EXE です。 /CLI 修飾子を指定しない場合は,利用者登録ファイル(UAF)に定義されている CLI か,最初にジョブが登録された時の CLI によって,ジョブは実行されます。

/COPIES=n

印刷部数を指定します。n は 1 〜 255 までの数字です。 SET ENTRY コマンドの /COPIES 修飾子で指定したコピー部数は,プリント・ジョブ全体に適用されます。このコマンドでは,マルチファイル・ジョブの個々のファイルに対して,その印刷部数を指定することはできません。

/CPUTIME=時間

バッチ・ジョブの CPU 時間の上限値を定義します。指定できる時間値は,デルタ時間,0,または NONE,INFINITE というキーワードです。ジョブが実行されるキューに対して CPUMAXIMUN 値 ( 上限値0が定義されている場合は,ジョブに指定された値とキューの上限値との小さい方が使用されます。ジョブが実行されるキューに対して CPU 時間上限値が定義されていない場合は, SET ENTRY コマンドで指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に設定されている値とで小さい方が使用されます。キューに上限値が設定されてなく,利用者登録ファイル (UAF) に CPU 上限値として NONE が設定されている場合は, 0 またはキーワード INFINITE を指定すると CPU 時間は無制限です。キーワード NONE を指定するとキューまたは UAF に設定された値になります。 CPU 時間は,システム・パラメータ PQL_MCPULM よりも大きいか等しくなくてはなりません。

CPU 時間上限値についての詳細は, INITIALIZE/QUEUE コマンドの CPU 時間上限値指定,およびアクション・テーブルを参照してください。時間値の指定方法は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピック (Date_Time サブトピック) を参照してください。

/FEED

/NOFEED

プリント・ジョブに対して,使用しているフォームの下部マージンに達した際に改ページ (フォーム・フィード) を自動的に行うかどうかを指定します。 /NOFEED 修飾子を指定すると, ( 他のどのキャリッジ・コントロール機能にも影響を与えずに ) 自動フォーム・フィードを行わないようにすることができます。

SET ENTRY コマンドの /FEED 修飾子は,プリント・ジョブのすべてのファイルに適用されます。このコマンドでは,マルチファイル・ジョブの個々のファイルに対してフォーム・フィードを制御することはできません。

/FLAG

/NOFLAG

プリント・ジョブのそれぞれのファイルの先頭に,フラグ・ページを付けるかどうかを指定します。フラグ・ページには,ジョブを登録したユーザ名,ジョブ・エントリ番号と印刷ファイルに関するその他の情報を含みます。

使用しているキューに対してインストール時に定義された省略時の設定を変更したり,または PRINT コマンドで指定された設定を変更するためには, /[NO]FLAG 修飾子を使用します。

/FORM=フォーム

プリント・ジョブに対するフォーム名,またはフォーム番号を指定します。 /FORM 修飾子を省略した場合は,実行キューに設定されている省略時設定のフォームが使用されます。

フォーム・タイプによって,プリント・イメージの幅と長さ,または用紙ストックを指定できます。これらは,ジョブの実行時にプリント・シンビオントがジョブと対応づけます。システムで使用できるフォーム・タイプを調べるには, SHOW QUEUE/FORM コマンドを使用します。また,特定のキューに対してマウントされているフォームを調べたり,そのキューの省略時設定のフォームを調べるためには, SHOW QUEUE/FULL コマンドを使用します。

ジョブに対応したフォームのストックは,ジョブを実行する実行キューにマウントされたフォームのストックと一致しなければなりません。ストックが一致しない場合には,次の条件のいずれかが満たされるまで,そのジョブは待ち状態のまま実行されません。

/HEADER

/NOHEADER

プリント・ジョブの各ページの先頭に,ヘッダ行を出力するかどうかを指定します。

/HOLD

/NOHOLD

ジョブをただちに処理できるようにするか,または保留状態にして後で処理するかどうかを制御します。 /HOLD 修飾子を指定した場合は, SET ENTRY/NOHOLDまたは SET ENTRY/RELEASE コマンドを実行するまで,ジョブの処理保留状態は解かれず,ジョブは実行されません。

/NOHOLD 修飾子を指定すれば,次のような保留されているジョブを開始させることができます。

注意

セキュリティ上の理由で,ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し,キュー・マネージャが起動しているノード上にジョブを登録した場合,システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である 2020 年 1 月 1 日に設定し,ジョブが 2020 年 1 月 1 日に起動するように登録することができます。しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合,ジョブを現在の時刻に開放することはできず,ジョブは 2020 年 1 月 1 日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER,/NOHOLD,/RELEASE の修飾子に影響を与えます。

/JOB_COUNT=n

プリント・ジョブ全体を n 回印刷することを要求します。ここで,n は 1 から 255 までの任意の 10 進数です。この修飾子は,PRINT コマンドで指定した /JOB_COUNT 修飾子に優先します。

/KEEP

/NOKEEP

バッチ・ジョブ・ログ・ファイルを印刷後に削除するかどうかを制御します。

/LOG_FILE[=ファイル指定]

/NOLOG_FILE

指定した名前のログ・ファイルを作成します。バッチ・ジョブを実行しているプロセスが,ログ・ファイルがある装置にアクセスできれば,異なる装置名を指定することもできます。ファイル指定が論理名の場合は, SET ENTRY コマンドを実行するプロセスのコンテキストの中で変換されます。

/LOG_FILE 修飾子を指定せずに /NAME 修飾子を指定した場合,ログ・ファイルは /NAME 修飾子で指定されたものと同じファイル名でファイル・タイプが LOG であるファイルに書き込まれます。 /LOG_FILE 修飾子を省略した場合には, /NAME で使用したジョブ名はファイル名として有効な名前でなければなりません。

/LOWERCASE

/NOLOWERCASE

大文字と小文字を両方とも印字できるプリンタでファイルを印刷するかどうかを指示します。 /NOLOWERCASE 修飾子は,大文字の印字のみをサポートしているプリンタでファイルを印刷することを示しています。使用しているプリンタのすべてが大文字も小文字も印字できるのであれば, /LOWERCASE 修飾子を指定する必要はありません。

/NAME=ジョブ名

ジョブを識別する名前文字列を定義します。この名前文字列の長さは 1 〜39 文字までの英数字です。ジョブ名は,SHOW ENTRY および SHOW QUEUE コマンドで表示されます。バッチ・ジョブの場合,ジョブ名はバッチ・ジョブ・ログ・ファイルにも使用されます。プリント・ジョブでは,ジョブ名はプリント・アウトのフラグ・ページにも使用されます。

/NAME 修飾子をジョブに対して指定しなかった場合,ジョブ名はそのジョブの最初のファイル名になります。

/NOCHECKPOINT

バッチ・ジョブの場合,最も最近実行された SET RESTART_VALUE コマンドによって設定された値が消去されます。プリント・ジョブの場合,ジョブを最初から再実行できるよう,格納されていたチェックポイントがクリアされます。

/NODELETE

/DELETE 修飾子を付けて登録された,ジョブに対するファイル削除を取り消します。ジョブが最初にキューに登録されたときに /DELETE 修飾子の指定がなければ, SET ENTRY を使用して後でファイル削除を設定することはできません。 /NODELETE 修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルの削除を取り消すことはできません。

/NOTE=文字列

255 文字までのメッセージを指定して,プリント・ジョブのフラグ・ページに印刷します。小文字や空白,英数字以外の文字 (スペースを含む) を含むメッセージは,引用符(" ")で囲みます。

/NOTIFY

/NONOTIFY

ジョブの完了あるいは異常終了時に,メッセージを出力して通知するかどうかを制御します。同じ OpenVMS Cluster システムにログインしているターミナル・セッションに通知されます。

/OPERATOR=文字列

プリント・ジョブの印刷開始時に,オペレータに送る 255 文字までのメッセージ文字列を指定します。スペースや特殊文字,小文字を含むメッセージは,引用符(" ")で囲みます。

/PAGES=([下限,]上限)

指定ジョブにおいて印刷するページ数を指定します。この修飾子を使用することによって,長いファイルの一部だけを印刷することができます。省略時の設定では,ファイル全体が印刷されます。 SET ENTRY コマンドで /PAGES修飾子を使用した場合,この修飾子を 1 つのジョブ全体にのみ適用できます。修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して,個別に印刷するページ数を指定することはできません。

下限指定子は,印刷するファイルの先頭ページを指します。この指定子を省略すると,そのファイルの先頭ページから印刷開始されます。

上限指定子は,印刷するファイルの最終ページを指します。ファイルの終わりまで印刷したいが,そのファイルに何ページあるか分からないときには,上限指定子として引用符(" ")を使用できます。

上限指定子に対する値だけを指定するときには,括弧を省略できます。たとえば,/PAGES=10 と指定すると,ファイルの最初の 10 ページが印刷されます。 /PAGES=(5,10) と指定すれば,5 ページ目から 10 ページ目が印刷されます。また,/PAGES=(5,"") とすると, 5 ページ目からそのファイルの最終ページまでが印刷されます。

/PARAMETERS=(パラメータ[,...])

ジョブに引き渡すパラメータを 1 〜 8 個指定します。各パラメータの長さは最大 255 文字です。パラメータを 1 つだけ指定するときには,括弧を省略できます。特殊文字や区切り文字を含むパラメータを指定するときには,そのパラメータを引用符で囲んでください。

バッチ・ジョブの場合,パラメータにより,そのジョブの各コマンド・プロシージャ内でシンボル P1 〜 P8 に対応する値を定義します。これらのシンボルは,指定されたコマンド・プロシージャの中でのみ有効なローカル・シンボルです。

/PASSALL

/NOPASSALL

シンビオントがプリント・ジョブのすべての整形処理を行わず,出力 QIOを書式なしでドライバに送るかどうかを指定します。整形処理に関係する修飾子 (/HEADER,/PAGES,/PAGE_SETUP 修飾子なども含む) はすべて無視されます。

SET ENTRY コマンドとともに /PASSALL 修飾子を使用した場合,この修飾子はそのジョブ全体にのみ適用されます。この修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに PASSALL モードを指定することはできません。

/PRINTER[=キュー名]

/NOPRINTER

ジョブが完了したときに,バッチ・ジョブ・ログ・ファイルを印刷するためキューに登録します。ログ・ファイルの省略時の出力キューは,SYS$PRINTです。 /PRINTER 修飾子を使用すれば,特定の出力キューを指定できます。 /NOPRINTER 修飾子を指定したときには, /KEEP 修飾子が指定されたものと見なされます。

/PRIORITY=n

キューの最高スケジュール優先順位よりも高い優先順位値を指定するときには, OPER(オペレータ)あるいは ALTPRI ( 優先順位変更 ) 特権が必要です。

ジョブ・スケジュール優先順位を指定します。優先順位値は 0 〜 255 の整数でなければなりません。ここで,優先順位は 0 が最低で,255 が最高です。

/PRIORITY 修飾子の省略時の値は,システム・パラメータ DEFQUEPRI の値です。キューの最高スケジュール優先順位よりも低い優先順位を指定するときには,特権は必要ありません。

/RAD=n (Alpha のみ)

発行されたバッチ・ジョブを実行する RAD 番号を指定します。

ジョブを発行したバッチ・キューに RAD が設定されていない場合は,ジョブはここで指定された RAD を使用して実行されます。バッチ・キューに RAD が設定されている場合は,ジョブはそのキューで指定されている RAD を使用して実行されます。

AlphaServer GS シリーズ・システム上でのみサポートされます。

/RELEASE

/RELEASE 修飾子を使用して,保留されていた次のようなジョブを解放できます。

注意

セキュリティ上の理由で,ジョブの登録時刻よりも前にそのジョブの開放あるいは再スケジュールを行うことはサポートされていません。したがって,システム時刻を未来の時刻に設定し,キュー・マネージャが起動しているノード上にジョブを登録した場合,システム時刻を元に戻すとそのジョブを現在の時刻に開放あるいは再スケジュールすることはできません。

たとえば,システム時刻を未来の時刻である 2020 年 1 月 1 日に設定し,ジョブが 2020 年 1 月 1 日に起動するように登録することができます。しかし,システム時刻を現在の時刻に戻した場合,ジョブを現在の時刻に開放することはできず,ジョブは 2020 年 1 月 1 日に開放されるよう設定されたままとなります。

この状態は,/AFTER,/NOHOLD,/RELEASE の修飾子に影響を与えます。

/REQUEUE=キュー名[:]

もとのキューから指定キューにジョブを移動するよう要求します。

/RESTART

/NORESTART

システム障害の後,あるいは STOP/QUEUE/REQUEUE コマンドの実行後に,バッチあるいはプリント・ジョブを再開するかどうかを指定します。

/RETAIN=オプション

ジョブをキューに保持する条件を指定します。ジョブがキューに保持された場合,ジョブ終了後に SHOW QUEUE コマンドを用いてジョブの状態を確認できます。ジョブの保持を指定しなかった場合,ジョブ終了後にキュー内にはジョブの状態は残りません。

ジョブ保持の指定には,次のオプションを指定します。

注意

SET ENTRY コマンドで /NORETAIN 修飾子は使用できません ( システム管理者は INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE や SET QUEUE コマンドで使用できます ) が, /RETAIN=DEFAULT を指定できます。この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。システム管理者がキューにジョブ保持を設定してなかった場合,ジョブは保持されません。

ジョブ保持の決定

ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。ジョブが汎用キューに登録された場合には,汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。

ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されますが,ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合,汎用キューのものが適用されます。さらに,汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。実行キューに直接登録されたジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。

実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に,汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に,ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内にそれぞれ保持されます。

以下の例は,キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。

/RETAIN=ALWAYS を指定して汎用キューにジョブを登録し,正常終了したとします。

キュー・マネージャは,最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。実行キューの保持設定が /RETAIN=ERROR( 正常終了でない時のみ保持する ) であるとすると,実行キューには保持できません。

次に,汎用キューの保持設定と比較します。汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持できません。

最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。登録時の指定が /RETAIN=ALWAYS であるため,ジョブを登録したキュー(この場合には汎用キュー)に保持されます。

キューのタイプについては INITIALIZE/QUEUE を,保持オプションについては INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE や SET QUEUE コマンドの説明を参照してください。

時限保持

UNTIL=時間オプションを用いて,必要な間だけジョブを保持しておくことができます。これによりジョブを削除する手間が省けます。

たとえば次のコマンドで,ジョブ 172 は 4月19日 7時31分まで保持されますが,その後で削除されます。


$ SET ENTRY/RETAIN=UNTIL=19-APR-2001:07:31:0.0 172

キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては,ジョブはずっと保持されるかもしれません。これは,キューのジョブ保持ポリシーの設定が,ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので,キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。

/RETAIN=UNTIL=時間オプションを使用する場合は,必ず時刻を指定してください。時刻はデルタ時間,絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。たとえば,SUBMIT/RETAIN=UNTIL="+3:00" と指定すれば,ジョブ終了後 3 時間保持されます。時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。

/SETUP=モジュール[,...]

プリント・ジョブの各ファイルを印刷する前に,装置制御ライブラリ (プログラミング可能なプリンタへのエスケープ・シーケンス・モジュールを含んでいる) から指定モジュールを取り出してプリンタにコピーします。

SET ENTRY コマンドに /SETUP 修飾子を指定した場合,この修飾子はそのジョブ全体に対してのみ適用されます。この修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して異なるセットアップ・モジュールを指定することはできません。

/SPACE

/NOSPACE

出力をダブル・スペースにするかどうかを制御します。 /NOSPACE 修飾子を使用すると,シングル・スペースで印刷されます。 SET ENTRY コマンドとともに /SPACE 修飾子を使用した場合,この修飾子はそのジョブ全体に対して適用されます。この修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して異なるスペーシングを指定することはできません。

/TRAILER

/NOTRAILER

プリント・ジョブの各ファイルの最後に,トレーラ・ページを印刷するかどうかを制御します。トレーラ・ページには,エントリ番号と,そのジョブを登録したユーザ,印刷されたファイルの情報が示されます。

SET ENTRY コマンドに /TRAILER 修飾子を指定した場合,トレーラ・ページはマルチファイル・ジョブの各ファイルの終わりに印刷されます。

使用しているプリンタ・キューに対して,インストレーション時に設定された省略時の設定を変更したり,ジョブをキューに登録した PRINT コマンドの修飾子による設定を変更するときに, /[NO]TRAILER を使用してください。

/WSDEFAULT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セットの省略時の値,つまりジョブが使用できる物理ページ数の省略時の値を設定します。

キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。 OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。 0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セットの省略時の値は,システム・パラメータ PQL_MWSDEFAULT と WSMAX の間でなければなりません。

/WSEXTENT=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット超過値,つまりジョブが使用できる物理ページの最大値を定義します。システムに余分なフリー・ページがある場合にのみ,ジョブは物理メモリの最大値を使用します。キューに対して指定されているワーキング・セット超過値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セット超過値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル(UAF)に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット超過値は,システム・パラメータ PQL_MWSEXTENT と WSMAX の間でなければなりません。

/WSQUOTA=n

バッチ・ジョブのワーキング・セット・クォータ値,つまりジョブがワーキング・セットにロックできる物理ページの上限を定義します。キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セット・クォータ値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。

OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。 OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット・クォータ値は,システム・パラメータ PQL_MWSQUOTA と WSMAX の間でなければなりません。


#1

$ PRINT/HOLD   MYFILE.DAT
  Job MYFILE (queue SYS$PRINT, entry 112) holding
$ SET ENTRY 112/RELEASE/JOB_COUNT=3

この PRINT コマンドは,ファイル MYFILE.DAT をシステム・プリンタのキューに,保留状態で登録することを要求しています。SET ENTRY コマンドは,ジョブの保留状態を解放して,印刷部数を 3 に変更しています。

#2

$ SUBMIT CLIMATE
  Job CLIMATE (queue SYS$BATCH, entry 211) pending
$ SET ENTRY 211/HOLD/NAME=TEMP

この SUBMIT コマンドは,バッチ処理用にコマンド・プロシージャをキューに登録します。次の SET ENTRY コマンドにより,このジョブは保留状態になり,ジョブ名が TEMP に変更されます ( これは,ジョブ 211 がまだ実行を開始していなかった場合です )。

#3

$ PRINT/FLAG=ALL/AFTER=20:00 MEMO.MEM, LETTER.MEM, REPORT.MEM/SPACE
  Job MEMO (queue SYS$PRINT, entry 172) holding until 20:00
$ SET ENTRY 172 /BURST/NOSPACE/HEADER

この例は,省略時設定のプリンタにフラグ・ページ付きで 3 つのファイルを午後 8 時以降に出力する PRINT コマンドを示しています。また,ファイル REPORT.MEM はダブル・スペースで出力されます。次の SET ENTRY コマンドで,各ファイルの先頭にバースト・ページをつけ,すべてのファイルをシングル・スペースにし,各ファイルの各ページにヘッダを付けて出力するように変更しています。

#4

$ SUBMIT/HOLD/QUEUE=ANYRADQ  TEST.COM
Job TEST (queue ANYRADQ, entry 23) holding
 
$ SET ENTRY 23 /RAD=1
$ SHOW ENTRY/FULL 23
 Entry  Jobname         Username     Blocks  Status
 -----  -------         --------     ------  ------
    23  TEST            SYSTEM               Holding
     On idle batch queue ANYRADQ
     Submitted 24-JUL-2001 14:19:37.44 /KEEP /NOPRINT /PRIORITY=100 /RAD=0
     File: _$1$DKB200:[SWEENEY.CLIUTL]TEST.COM;1

この例では,TEST.COM がキュー ANYRADQ に発行され, SET ENTRY コマンドによって RAD が 1 に設定されます。


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