前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
DEFINE コマンドで設定されたシンボル定義を削除します。
DELETE [symbol-name[,...]]
symbol-name
その定義を DEFINE シンボル・テーブルから削除するシンボルを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク(*)は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。/ALL を使用する場合は,シンボル名は指定できません。/LOCAL 修飾子を使用する場合,指定するシンボルは DEFINE/LOCAL コマンドで事前に定義されていたものでなければなりません。/LOCAL を指定しない場合には,指定されるシンボルは /LOCAL を指定しないで DEFINE コマンドで事前に定義されていたものでなければなりません。
/ALL
すべてのグローバル DEFINE 定義を削除します。/ALL/LOCAL を使用すると,現在のコマンド・プロシージャに対応づけられたローカルな DEFINE 定義はすべて削除されます(グローバル DEFINE 定義は削除されません)。/LOCAL
指定されたシンボルの(ローカル)定義を現在のコマンド・プロシージャから削除します。指定するシンボルは DEFINE/LOCAL コマンドで事前に定義されていたものでなければなりません。
DELETE コマンドはグローバルな DEFINE シンボルまたはローカルな DEFINE シンボルを削除します。グローバルな DEFINE シンボルは /LOCAL 修飾子を指定せずに DEFINE コマンドにより定義されたシンボルです。ローカルな DEFINE シンボルは DEFINE/LOCAL コマンドによりデバッガ・コマンド・プロシージャで定義されたシンボルです。そのため,その定義はそのコマンド・プロシージャ内に限定されます。関連コマンド
DECLARE
DEFINE
SHOW DEFINE
SHOW SYMBOL/DEFINED
#1 |
---|
DBG> DEFINE X = INARR, Y = OUTARR DBG> DELETE X,Y |
この例では,DEFINE コマンドは X と Y をそれぞれ INARR と OUTARR に対応するグローバル・シンボルとして定義します。DELETE コマンドはこの 2 つのシンボル定義をグローバル・シンボル・テーブルから削除します。
#2 |
---|
DBG> DELETE/ALL/LOCAL |
このコマンドはすべてのローカル・シンボル定義を現在のコマンド・プロシージャから削除します。
DELETE/KEY コマンドで設定されたキー定義および省略時にデバッガによって設定されたキー定義を削除します。
注意
このコマンドは,デバッガへの Compaq DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースでは使用できません。
DELETE/KEY [key-name]
key-name
キー定義を削除するキーを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク(*)は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。/ALL を指定する場合は,キー名は指定できません。有効なキー名は次のとおりです。
キー名 LK201 キーボード VT100型 VT52型 PF1 PF1 PF1 Blue PF2 PF2 PF2 Red PF3 PF3 PF3 Black PF4 PF4 PF4 KP0-KP9 Keypad 0-9 Keypad 0-9 Keypad 0-9 KP0-KP9 キーパッドの 0〜9 キーパッドの 0〜9 キーパッドの 0〜9 PERIOD キーパッドのピリオド(.) キーパッドのピリオド(.) COMMA キーパッドのコンマ(,) キーパッドのコンマ(,) MINUS キーパッドのマイナス(-) キーパッドのマイナス(-) ENTER Enter ENTER ENTER E1 Find E2 Insert Here E3 Remove E4 Select E5 Prev Screen E6 Next Screen HELP Help DO Do F6-F20 F6-F20
/ALL
指定された状態のキー定義をすべて削除します。状態を指定しないと,現在の状態のキー定義がすべて削除されます。1 つまたは複数の状態を指定するには,/STATE=state-name を使用します。/LOG(省略時の設定)
/NOLOG
指定されたキー定義が削除されていることを示すメッセージを表示するかどうかを制御します。/LOG 修飾子(これが省略時の設定)を指定すると,メッセージが表示されます。/NOLOG 修飾子を指定すると,メッセージは表示されません。/STATE=(state-name [,...])
/NOSTATE(省略時の設定)
キー定義を削除したい状態を選択します。/STATE 修飾子を指定すると,指定した状態に対するキー定義が削除されます。DEFAULT や GOLD などの定義済みキー状態またはユーザ定義状態を指定できます。状態名は適切な英数字文字列にすることができます。/NOSTATE 修飾子を指定すると,現在の状態に対するキー定義だけが削除されます。省略時の設定では,現在のキーの状態は "DEFAULT" 状態です。現在の状態は SET KEY/STATE コマンドを使用するか,状態を変更するキー(DEFINE/KEY/LOCK_STATE/SET_STATE で定義されたキー)を押すことにより変更できます。
DELETE/KEY コマンドは DCL コマンドの DELETE/KEY と似ています。このコマンドを使用する前にキーパッド・モードが使用可能な状態(SET MODE KEYPAD)に設定されていなければなりません。省略時の設定では,キーパッド・モードは使用可能です。
関連コマンド
DEFINE/KEY
(SET,SHOW)KEY
#1 |
---|
DBG> DELETE/KEY KP4 %DEBUG-I-DELKEY, DEFAULT key KP4 has been deleted |
このコマンドは前回 SET KEY コマンドで設定された状態(省略時の設定では,これは DEFAULT 状態)で KP4 に対するキー定義を削除します。
#2 |
---|
DBG> DELETE/KEY/STATE=(BLUE,RED)COMMA %DEBUG-I-DELKEY, BLUE key COMMA has been deleted %DEBUG-I-DELKEY, RED key COMMA has been deleted |
このコマンドは BLUE と RED の状態で COMMA キーに対するキー定義を削除します。
プログラム変数の値を変更します。より通常は,アドレス式で示される記憶位置に新しい値を格納します。
DEPOSIT address-expression = language-expression
address-expression
言語式の値を格納する記憶位置を指定します。高級言語を使用する場合,これは通常,変数の名前になり,変数を一意に指定するためのパス名を含めることができます。典型的なアドレス式は,メモリ・アドレスやレジスタであったり,数字(オフセット)やシンボルだけでなく 1 つまたは複数の演算子やオペランド,区切り文字などで構成されていたりします。レジスタのデバッガ・シンボルについての詳しい説明とアドレス式の中で使用できる演算子についての詳しい説明は,「組み込みシンボル」と「アドレス式」のヘルプ・トピックを参照してください。集合体変数全体(配列またはレコードなどの複合データ構造)は指定できません。個々の配列要素またはレコードの構成要素を指定するには,現在の言語の構文に従ってください。
language-expression
格納する値を指定します。現在の言語で有効な言語式であればどれでも指定できます。ほとんどの言語の場合,式には単純変数(複合でない単一値)の名前をいれることはできますが,集合体変数(配列やレコードなど)の名前はいれられません。式に異なるコンパイラ生成型が含まれている場合には,デバッガはその式を評価するために現在の言語の規則を使用します。式が ASCII 文字列またはアセンブリ言語命令の場合には,その式を二重引用符(")または一重引用符(')で囲まなければなりません。文字列に二重引用符も一重引用符も含まれていない場合には,他の区切り文字を使用してその文字列を囲んでください。
文字列に含まれている文字数(ASCII,バイト単位)がアドレス式で示されるプログラム記憶位置に収まる文字数より多い場合には,デバッガは右側から余分な文字を切り捨てます。文字列に含まれている文字数が少ない場合には,デバッガは文字列の右側に ASCII スペース文字を挿入することにより足りない文字を埋め込みます。
/ASCIC
/AC
指定された長さの ASCII 文字列を指定された記憶位置に格納します。文字列は等号の右側に指定しなければなりません。格納される文字列の前には,文字列の長さを指定する 1 バイトのカウント・フィールドが付きます。/ASCID
/AD
指定された記憶位置にある文字列ディスクリプタによって指定されるアドレスに ASCII 文字列を格納します。引用符で囲まれた文字列は等号の右側に指定しなければなりません。指定の記憶位置には文字列ディスクリプタが入らなければなりません。文字列の長さが一致しない場合には,文字列は右側で切り捨てられるか,右側にスペース文字を埋め込まれます。/ASCII:n
指定された記憶位置に ASCII 文字列の n バイトを格納します。引用符で囲まれた文字列は等号の右側に指定しなければなりません。文字列の長さが n でない場合には,文字列は右側で切り捨てられるか,スペース文字を埋め込まれます。n を省略すると,指定された記憶位置のデータ項目の実際の長さが使用されます。/ASCIW
/AW
指定された長さの ASCII 文字列を指定された記憶位置に格納します。引用符で囲まれた文字列は等号の右側に指定しなければなりません。格納される文字列の前には,その文字列の長さを指定する 2 バイトのカウント・フィールドが付きます。/ASCIZ
/AZ
最後部に 0 の付く ASCII 文字列を指定された記憶位置に格納します。引用符で囲まれた文字列は等号の右側に指定しなければなりません。格納された文字列の最後部には文字列の終わりを示す 0 が 1 バイト分つきます。/BYTE
指定された記憶位置に 1 バイトの整数を格納します。/D_FLOAT
等号の右側の式を D 浮動小数点型(8 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。/DATE_TIME
日付と時刻を表す文字列(たとえば,21-DEC-1988 21:08:47.15)を日付と時刻の内部形式に変換し,その値(8 バイト長)を指定された記憶位置に格納します。絶対日付と絶対時刻は次の形式で指定します。
[dd-mmm-yyyy[:]] [hh:mm:ss.cc]
/EXTENDED_FLOAT
/X_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側にある式を IEEE の X 浮動小数点型(16 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。/FLOAT
VAX プロセッサでは,等号の右側にある式を F 浮動小数点型(4 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。Alpha プロセッサでは,等号の右側にある式を IEEE の T 浮動小数点型(8 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。
/F_FLOAT
(VAX のみ)等号の右側の式を F 浮動小数点型(4 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。/G_FLOAT
等号の右側にある式を G 浮動小数点型(8 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。/H_FLOAT
(VAX のみ)等号の右側にある式を H 浮動小数点型(16 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。/INSTRUCTION
(VAX のみ)指定された記憶位置に命令を格納します。等号の右側にある式はアセンブリ言語を表す文字列でなければなりません。/LONG_FLOAT
/S_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側にある式を IEEE S 浮動小数点型(単一精度,4 バイト長)に変換し,その結果を指定された記憶位置に格納します。/LONG_LONG_FLOAT
/T_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側にある式を IEEE T 浮動小数点型(倍精度,8 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。/LONGWORD
指定された記憶位置にロングワード整数(4 バイト長)を格納します。/OCTAWORD
指定された記憶位置にオクタワード整数(16 バイト長)を格納します。/PACKED:n
等号の右側にある式をパック 10 進数表現に変換し,その結果として生じた値を指定された記憶位置に格納します。 n の値は 10 進数の桁数です。各桁は 1 ニブル(4 ビット)を占めます。/QUADWORD
指定された記憶位置にクォドワード整数(8 バイト長)を格納します。/S_FLOAT
/LONG_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側の式を IEEE S 浮動小数点型(単精度,4 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。/TASK
タスキング(マルチスレッド)プログラムの場合に指定できます。指定された記憶位置にタスクの値(タスク名または %TASK 3 などのタスク ID)を格納します。格納される値は有効なタスク値でなければなりません。/T_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側の式を IEEE T 浮動小数点型(倍精度,8 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。/TYPE=(name)
格納する式を name(プログラムで宣言された変数またはデータ型の名前でなければならない)で示される型に変換し,指定された記憶位置に変換結果の値を格納します。これにより,ユーザ宣言型を指定できるようになります。型式は括弧で囲まなければなりません。/WCHAR_T[:n]
変換したマルチバイト・ファイル・コード・シーケンスの中で,最大 n ロングワード(n 文字)を指定の記憶位置に格納します。省略時の値は 1 ロングワードです。等号の右側に文字列を指定しなければなりません。指定された文字列を変換する場合,デバッガはそのデバッガが実行されているプロセスのロケール・データベースを使用します。省略時の設定は C ロケールです。
/WORD
ワード整数(2 バイト長)を指定の記憶位置に格納します。/X_FLOAT
(Alpha のみ)等号の右側の式を IEEE X 浮動小数点型(16 バイト長)に変換し,その結果を指定の記憶位置に格納します。
DEPOSIT コマンドを使用すれば,プログラムでアクセス可能なメモリ記憶位置またはレジスタの内容を変更できます。高級言語の場合,このコマンドは通常,変数(整数,実数,文字列,配列,レコードなど)の値を変更する場合に使用されます。DEPOSIT コマンドはほとんどのプログラミング言語での代入文と似ています。等号の右側に指定された式の値が等号の左側に指定された変数やその他の記憶位置に代入されます。Ada と Pascal の場合,コマンド構文では "=" の代わりに ":=" を使用できます。
デバッガはシンボリック・アドレス式(プログラムで宣言されるシンボリック名)に対応するコンパイラ生成型を認識します。シンボリック・アドレス式には次の要素が含まれます。
- 変数名。DEPOSIT コマンドで変数を指定するときは,ソース・コードで使用されるものと同じ構文を使用します。
- ルーチン名,ラベル,行番号。VAX システムではこれらは命令と対応づけられます。命令は基本的に文字列変数に格納するときと同じ方法を使用して格納できます。ただし,/INSTRUCTION 修飾子も使用するか,あるいはまず SET TYPE INSTRUCTION コマンドまたは SET TYPE/OVERRIDE INSTRUCTION コマンドを入力する必要があります。
通常,DEPOSIT コマンドを入力すると,デバッガは次の動作を行います。
- 等号の左側に指定されたアドレス式を評価し,プログラム記憶位置を求めます。
- プログラム記憶位置にシンボリック名がある場合には,デバッガはその記憶位置をシンボルのコンパイラ生成型と対応づけます。記憶位置にシンボリック名がない場合(したがって,対応するコンパイラ生成型もない場合)には,省略時の設定ではデバッガはその位置をロングワード整数型に対応づけます。これは省略時の状態では,4 バイトを超えない整数値をこれらの記憶位置に格納できることを意味します。
- 等号の右側に指定された言語式を現在の言語の構文と現在の基数で評価し,値を求めます。現在の言語は前回 SET LANGUAGE コマンドで設定された言語です。省略時の設定では,SET LANGUAGE コマンドを入力しなかった場合,現在の言語はメイン・プログラムを含むモジュールの言語になります。
- 言語式の値と型がアドレス式の型と一致しているかを調べます。アドレス式の型と互換性のない値を格納しようとすると,デバッガは診断メッセージを発行します。互換性のある値の場合には,デバッガはその値をアドレス式で示される記憶位置に格納します。
言語の規則で許されている場合には,デバッガは格納操作時に型変換を行うことがあります。たとえば,等号の右側に指定される実数値が整数型を持つ記憶位置に格納される場合には,整数値に変換されるでしょう。通常,デバッガは現在の言語の代入規則に従うようにします。
異なる型のデータをプログラム記憶位置に格納できるようにするために,プログラム記憶位置に対応する型を変更する方法はいくつもあります。
- シンボリック名を 持たない すべての記憶位置に対する省略時の型を変更するには,SET TYPE コマンドを使用して新しい型を指定できます。
- すべての 記憶位置(シンボリック名を持つものと持たないものの両方)に対して省略時の型を変更するには,SET TYPE/OVERRIDE コマンドを使用して新しい型を指定できます。
- 1 つの DEPOSIT コマンドの継続中に特定の記憶位置に現在対応している型を変更するには,修飾子(/ASCII:n,/BYTE,/TYPE=(name)などを使用することにより新しい型を指定できます。
C または大文字小文字を区別する言語で記述されたプログラムをデバッグする場合,指定した型が大文字小文字混合または小文字のときは,DEPOSIT/TYPE コマンドを使用できません。たとえば,次のような関数を含むプログラムを仮定します。
xyzzy_type foo() { xyzzy_type z; z = get_z(); return(z); }
次のコマンドを入力しようとすると,デバッガは,"xyzzy_type" 型が見つからないというメッセージを発行します。
DBG> DEPOSIT/TYPE=(xyzzy_type)z="whatever"
デバッガは 2 進数,10 進数,16 進数,8 進数の 4 つの基数のどれか 1 つで整数データを解釈したり表示したりできます。ほとんどの言語の場合,データの入力と表示の両方に対する省略時の基数は 10 進数です。
VAX プロセッサでは,例外は BLISS と MACRO-32 です。この 2 つの省略時の基数は 16 進数です。Alpha プロセッサでは,例外は BLISS と MACRO-32 と MACRO-64 です。この 3 つの省略時の基数は 16 進数です。
省略時の基数を変更するには,SET RADIX コマンドと SET RADIX/OVERRIDE コマンドを使用できます。
DEPOSIT コマンドは指定されたアドレス式で示される位置に現在の値の組み込みシンボル %CURLOC とピリオド(.)を設定します。論理的先行データ(%PREVLOC またはサーカンフレックス文字(^))と論理的後続データ(%NEXTLOC)は現在の値に基づきます。
関連コマンド
CANCEL TYPE/OVERRIDE
EVALUATE
EXAMINE
MONITOR
(SET,SHOW,CANCEL)RADIX
(SET,SHOW)TYPE
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |