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プロセスの現在のロケールを知るためには,以下のコマンドを入力して,ロケールの設定を表示させます。
〈形式〉
JSYCP> SHOW LOCALE |
以下のようにロケール情報が表示されます。
現在のロケールは JA_JP_DECKANJI2000 です。 |
LC_CTYPE, LC_COLLATE, LC_TIME, LC_NUMERIC, LC_MONETARY, LC_MESSAGES および LC_ALL の各論理名が設定されていた場合は,追加の情報メッセージを表示します。
〈修飾子〉
/FULL以下のようにプロセスの現在のロケールについての詳細な情報を表示します。
現在のロケールは JA_JP_SDECKANJI です。 論理名 SYS$HELP の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP.JA_JP] です。 論理名 HLP$LIBRARY の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP]HELPLIB.HLB です。 論理名 SYS$MESSAGE の値は SYS$SYSROOT:[SYSMSG.JA_JP] です。 論理名 UTIL$SMGSHR の値は JSY$SMGSHR です。 論理名 SMG$DEFAULT_CHARACTER_SET の値は SDK です。 端末の入力コードは KANJI に設定されています。 端末のマルチバイト行編集は ENABLE されています。 ファイル名コードセットは sdeckanji に設定されています。 ファイル名解析スタイルは EXTENDED に設定されています。
日本語入力プロセス (FIP) や日本語 EVE エディタ等で使用するローマ字かな漢字変換の設定を行います。
漢字変換キーパッドの設定
漢字変換辞書の設定
日本語入力プロセス (FIP) や日本語 EVE エディタ等で使用するローマ字かな漢字変換キーパッドをを設定するためには,以下のコマンドを入力します。
〈形式〉
JSYCP> SET INPUT /KEYPAD=キーパッド・タイプ |
キーパッド・タイプには,文字列を指定できます。大文字/小文字の違いは無視されます。
| キーワード | 説明 |
|---|---|
| JVMS | 日本語 OpenVMS 標準キーパッド |
| EVEJ | EVEJ エディタ・キーパッド |
| LEIA | LEIA エディタ・キーパッド |
| TARO | 一太郎 1キーパッド |
以下の設定が行なわれます。
指定されたキーパッド・タイプに従い,プロセス論理名 IM$PROFILE に以下の値が設定されます。詳しくは『日本語入力プロセス 利用者の手引き』を参照してください。
| キーワード | 設定される等価名 |
|---|---|
| JVMS | IM$PROFILE_JVMS |
| EVEJ | IM$PROFILE_EVEJ |
| LEIA | IM$PROFILE_LEIA |
| TARO | IM$PROFILE_TARO |
SYS$SCRATCH ディレクトリにある JEVE$CNVKEY.DAT ファイルに,指定されたキーパッド・タイプが設定されます。ファイルが存在しない場合は新しく作成されます。詳しくは『日本語 EVE ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
設定されたキーパッドは,以下の機能および日本語ユーティリティでのローマ字かな漢字変換に使用できます。
日本語入力プロセス (FIP)
日本語 EVE エディタ (JEVE)
日本語メール・ユーティリティ (JMAIL)
個人辞書編集ユーティリティ (JDICEDIT)
デバッガの日本語拡張機能 (DEBUG)
日本語画面管理ライブラリ (JSMG)
|
日本語 EVE エディタの漢字変換キーパッドの設定は,日本語 EVE エディタの SET KEYPAD コマンドまたは SET CONVERSION コマンドでも設定できます。 また,この設定は JEVE$CNVKEY.DAT ファイルに記憶されるので,次回ログインした時にも設定は有効です。 |
個人辞書 (JSYKOJIN.JISHO) と文節学習辞書 (JSY$LEARN.DAT) に関する各種設定を行います。詳細は『日本語ライブラリ 利用者の手引き』を参照してください。
〈形式〉
JSYCP> SET INPUT /KOJIN_DICTIONARY[=個人辞書ファイル]
/KOJIN_LEARN[=個人辞書学習モード]
/KOJIN_MODE[=個人辞書共有モード]
/LEARN_DICTIONARY[=文節学習辞書ファイル]
|
〈修飾子〉
/KOJIN_DICTIONARY[=個人辞書ファイル]論理名 JSY$KOJIN を設定し,指定された個人辞書ファイルを漢字変換に使用します。通常はユーザのログイン・ディレクトリの JSYKOJIN.JISHO を使用します。
/KOJIN_LEARN[=個人辞書学習モード]個人辞書ファイルを他のプロセスと共有するか否かを設定します。以下の値を設定できます。通常は漢字・ひらがな・カタカナおよび文節学習モードです。
表 1-6 個人辞書学習モード 数値 説明 0 漢字・ひらがな・カタカナおよび文節学習モード 1 漢字・ひらがな・カタカナ学習モード 2 漢字・ひらがな学習モード 3 漢字・カタカナ学習モード 4 漢字学習モード
/KOJIN_MODE[=個人辞書共有モード]個人辞書ファイルを他のプロセスと共有するか否かを設定します。以下の値を設定できます。通常は共有モードです。
表 1-7 個人辞書共有モード 数値 説明 0 共有モード 1 学習モード 2 参照モード 3 不使用モード
/LEARN_DICTIONARY[=文節学習辞書ファイル]論理名 JSY$LEARN を設定し,指定された文節学習辞書ファイルを漢字変換に使用します。通常はユーザのログイン・ディレクトリの JSY$LEARN.DAT を使用します。
漢字変換キーパッドの設定を知るためには,以下のコマンドを入力します。
〈形式〉
JSYCP> SHOW INPUT |
以下のように設定が表示されます。
日本語入力の変換キーパッドは JVMS です。 |
論理名 IM$PROFILE の設定と JEVE$CNVKEY の設定とが違っている場合は,追加の情報メッセージを表示します。
〈修飾子〉
/FULL漢字変換キーパッドの設定に加えて,漢字変換辞書の設定情報も表示します。
日本語環境設定ユーティリティの制御するすべての設定を詳しく表示するには,以下のコマンドを入力します。
〈形式〉
JSYCP> SHOW ALL |
以下のように表示されます。
JSYCP> show all
現在のロケールは JA_JP_SDECKANJI です。
論理名 SYS$HELP の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP.JA_JP] です。
論理名 HLP$LIBRARY の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP]HELPLIB.HLB です。
論理名 SYS$MESSAGE の値は SYS$SYSROOT:[SYSMSG.JA_JP] です。
論理名 UTIL$SMGSHR の値は JSY$SMGSHR です。
論理名 SMG$DEFAULT_CHARACTER_SET の値は SDK です。
端末の入力コードは KANJI に設定されています。
端末のマルチバイト行編集は ENABLE されています。
ファイル名コードセットは sdeckanji に設定されています。
ファイル名解析スタイルは EXTENDED に設定されています。
日本語入力の変換キーパッドは省略時の JVMS です。
日本語 EVE の変換キーパッドは TARO に設定されています。
個人辞書は省略時の DISK$USER:[MYDIR]JSYKOJIN.JISHO;1 です。
文節学習辞書は省略時の DISK$USER:[MYDIR]JSY$LEARN.DAT;1 です。
論理名 JSY$KOJIN_MODE は定義されていません (0 が適用されます)。
論理名 JSY$KOJIN_LEARN は定義されていません (0 が適用されます)。
JSYCP>
|
日本語環境設定ユーティリティはインタラクティブ・ログイン専用です。バッチ処理およびコマンド・プロシージャ中では使用できません。
1.8.2 サブプロセス・クォータについて
日本語環境設定ユーティリティは内部的にサブプロセスを 1 個,自動的に作成して動作します。したがって,ユーティリティを起動するとサブプロセス・クォータを 1 消費します。サブプロセス・クォータに余裕がない場合は使用できません。
この章では,日本語メール・ユーティリティ (JMAIL) について説明します。
2.1 機能概要
日本語メール・ユーティリティ JMAIL は Compaq OpenVMS 標準の MAIL ユーティリティに日本語入力の機能およびエディタとして XTPU/JEVE の呼び出しを追加したものです。このユーティリティによって,次のことを行うことができます。
メール・ファイルなどは JMAILとMAIL で共通に使用され,どちらを使用しても同じメール・ファイルを読むことができます。
詳しくは『 Compaq OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
2.2 JMAIL コマンド
この節では,JMAIL コマンドの形式,パラメータ,修飾子について説明します。
日本語メール・ユーティリティを起動します。
JMAIL [ファイル指定] [ 宛先利用者名 [,...] ]
ファイル指定
指定した利用者に送りたい文章を含むファイルを指定します。RMS が日本語モードの場合には,最大 118 文字までの日本語ファイル名を指定できます。ファイル・タイプを省略した場合には TXT が適用されます。ワイルドカード文字は使用できません。ファイル指定を省略した場合は日本語メール・ユーティリティが起動され,会話的にコマンドを実行します。
宛先利用者名 [,...]
メッセージを受け取る1人または複数の利用者を指定します。メッセージを含むファイルが指定された場合はこのパラメータも必要です。利用者名はその利用者がログインするときに使用する名前です。遠隔ノードにいる利用者には遠隔ノードの名前の後に2つのコロン (::)を付けたものを利用者名の前につける必要があります。日本語 OpenVMS V6.2 より,トランスポート名または引用符を指定しなくても,インターネット形式の宛先を指定できます。
たとえば,日本語 DEC TCP/IP Services がインストールされている場合,V6.2 より前のバージョンの日本語 OpenVMS では,次のように指定します。
SMTP%"user@node.org"
これが V6.2 以降では次のように指定することができます。
user@node.org
インターネット・トランスポートが SMTP でない場合,論理名 MAIL$INTERNET_TRANSPORT を定義して,別のトランスポートを選択できます。 user@node 構文は,DECnet Phase IV ノード名または DECnet/OSI 別名を指定する時にも使用できます。この場合, node::user として処理されます。
利用者名を複数指定するには,利用者名を含む配布リスト・ファイルを指定する方法があります。単に配布リスト・ファイルの前に単価記号(@)を付け引用符(")で囲むだけです。配布リスト・ファイルには1行につき1人の利用者名を記述します。
遠隔ノード上の利用者についても前述のとおりです。
配布リスト・ファイルのファイル・タイプを省略したときは DIS が適用されます。ファイル指定にはワイルドカード文字は使用できません。
/PERSONAL_NAME=個人名
メッセージを送信するときに使用する送信者の個人名を指定します。RMS が日本語モードの場合には,最大 118 文字までの日本語ファイル名を指定できます。この修飾子によって指定された個人名は SET PERSONAL_NAME で指定した省略時の個人名より優先されます。 /NOPERSONAL_NAME は,個人名なしで送ることを指定します。
/SELF
メッセージのコピーを自分自身にも送ることを指定します。
/SUBJECT=文字列
メッセージの表題を指定します。文字列に空白や日本語が含まれる場合,または大文字変換をしたくないときには引用符 (") で囲んでください。この修飾子を省略した場合には,メッセージは表題なしで送られます。
/EDIT=[(send,reply[=extract],forward)]
SEND,REPLY および FORWARD コマンドで /EDIT を省略時設定とします。
2.3 使用例
この節では日本語メール・ユーティリティの使用例を示します。
$ JMAIL JMAIL> |
自動的にローマ字かな漢字変換キーパッドが有効になります。
$ JMAIL/SUBJECT="New Project" PROJECT.DOC IWASAWA,KOBAYASHI |
$ JMAIL/SUBJECT="Vacation Policy Change" NEWSLETTR "@USERS" |
フォルダは,受信したメッセージを分類するためにあります。日本語メール・ユーティリティによって用意されるフォルダは,次の3種類です。
| フォルダ名 | 内容 |
|---|---|
| NEWMAIL | 未読の受信メッセージが置かれる |
| 1度読んだ受信メッセージが置かれる | |
| WASTEBASKET | DELETE コマンドで削除した受信したメッセージが一時的に置かれる(メール・ユーティリティを終了するまでの間) |
また,各々の利用者は利用者定義のフォルダを作成することもできます。フォルダを作成するには,JMAIL コマンドの MOVE を使用します。
フォルダ名には英小文字も使用できます。ただし,その場合はフォルダ名を二重引用符で囲む必要があります。なお日本語のフォルダ名はサポートされません。
2.5 キーパッドについて
VT100 キーボード /LK201 キーボード /LK401 キーボードでは, 図 2-1 に示すようにコマンドをキーパッドに定義していますので,キーパッドの使用により,コマンド入力を簡単にすることができます。
LEIA 漢字変換キーパッドを使用する場合は,JMAIL のキーパッドは無効になり,漢字変換キーパッドが優先されます。 |
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