OpenVMS Alpha
オペレーティング・システム
OpenVMS VAX から OpenVMS Alpha へのアプリケーションの移行


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11.3.3.13 共通ブロックの共用

複数のプロセスで共通ブロックを共用する場合には,DEC COBOL プログラムをリンクするときの問題を防ぐために,PSECT属性をSHRに設定します(省略時の値は,OpenVMS Alpha システムではSHR,OpenVMS VAX システムではNOSHRです)。また,次のように,共用可能イメージのリンカ・オプション・ファイルに SYMBOL_VECTORを追加します。


SYMBOL_VECTOR = (psect-name = PSECT) 

詳細については,『OpenVMS Linker Utility Manual』を参照してください。

11.3.3.14 算術演算

DEC COBOL と VAX COBOL では,プラットフォームによって,いくつかの算術演算の動作が異なります。

11.3.4 言語とプラットフォームの間でのファイルの互換性

別のプログラミング言語で作成されたファイルは,言語と文字セットの互換性がないために,特殊な処理が必要な場合があります。最もよく見られる互換性上の問題は,データ型とデータ・レコードのフォーマットです。以下の点に注意してください。

データ型の違い

データ型はプログラミング言語およびユーティリティによって異なります。たとえば,DEC Fortranはパックされた10進データ型をサポートしていないので,COBOL ファイルの中のPACKED-DECIMALデータを簡単には利用できません

データ型の互換性の問題を回避するためには,以下のテクニックが利用できます。

次の例では,入力ファイルはEBCDICで作成されています。この場合,OpenVMS Alphaオペレーティング・システム上では,COBOL 以外のどの言語でも処理が難しいファイルが作成されてしまいます。


ENVIRONMENT DIVISION. 
CONFIGURATION SECTION. 
SPECIAL-NAMES.   ALPHABET FOREIGN-CODE IS EBCDIC. 
INPUT-OUTPUT SECTION. 
FILE-CONTROL. 
     SELECT INPUT-FILE ASSIGN TO "INPFIL" 
            CODE-SET IS FOREIGN-CODE. 
            . 
            . 
            . 

11.3.5 予約語

以下に,DEC COBOL には含まれているが,VAX COBOL には含まれていないX/OPENの予約語を示します。

AUTO EXCLUSIVE REQUIRED
AUTOMATIC FOREGROUND-COLOR RETURN-CODE
BACKGROUND-COLOR FULL REVERSE-VIDEO
BLINK HIGHLIGHT SECURE
EOL LOWLIGHT UNDERLINE
EOS MANUAL  

コマンド行修飾子/RESERVED_WORDS=NOXOPENを指定すると,これらの予約語は予約語でない単語として扱われます。

11.3.6 デバッガ・サポートの違い

DEC COBOL のデバッガ・サポートは,VAX COBOL といくつかの点で異なります。

11.3.7 DECset/LSEサポートの違い

DEC COBOL はDECset/LSE Program Design Facility,/DESIGN修飾子,デザイン・コメント,および疑似コード・プレースホルダをサポートしていません。

11.3.8 DBMSサポート

DEC COBOL の Oracle DBMS サポートには,プログラムを DEC COBOL と VAX COBOL のどちらで開発しているかに応じて,いくつかの違いがあります。

DEC COBOL でマルチストリーム Oracle DBMS DMLを使用する際には,異なるソース・ファイルからは異なるスキーマまたはストリームにアクセスする必要があります。

11.4 Digital Fortran for OpenVMS Alpha と OpenVMS VAX システムとの互換性

この節では,Digital Fortran for OpenVMS Alphaシステムと Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems (以前の名前は VAX FORTRAN)の互換性について,次の分野に分けて説明します。

11.4.1 言語機能

Digital Fortran for OpenVMS Alpha には,ANSI FORTRAN-77 と ISO/ANSI Fortran 9x の標準機能が含まれており,さらにこれらの Fortran 標準機能に対して,Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems の拡張機能も含まれています。たとえば,次の拡張機能が含まれています。

拡張機能と言語機能の詳細については,Fortran 言語の参照マニュアルを参照してください。このマニュアルには,FORTRAN-77 標準の拡張機能が示されています。

注意

Digital Fortran for OpenVMS では,DEC Fortran for OpenVMS Alpha と ISO/ANSI Fortran 90 標準でサポートされる FORTRAN-77 言語の拡張機能の大部分がサポートされます。互換性については,『DEC Fortran 90 User Manual for OpenVMS Alpha Systems』を参照してください。

この節のこの後の部分では,Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems と Digital Fortran for OpenVMS Alpha 固有の言語機能,各言語で共用されるものの,異なる方法で解釈される言語機能,Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems には適用されない Digital Fortran for OpenVMS Alpha 制限事項,データを移植する場合の検討事項について説明します。

11.4.1.1 Digital Fortran for OpenVMS Alpha 固有の言語機能

次の言語機能は Digital Fortran for OpenVMS Alpha では提供されますが,Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems のバージョン 6.4 ではサポートされません。

注意

Digital Fortran 90コンパイラを使用しているユーザに対する注意事項ですが,ANSI/ISO Fortran 90標準に準拠したいくつかの機能がDigital Fortran 77では使用できません。

Digital Fortran 言語機能についての説明は,『Fortran language reference manual』を参照してください。

11.4.1.2 Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems 固有の言語機能

次の言語機能は Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems では使用できますが,Digital Fortran for OpenVMS Alphaではサポートされません。

Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems の特定の機能は,Digital Fortran for OpenVMS Alpha では使用が制限されているか,またはまったく提供されません。

次の言語機能はDigital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems では使用できますが,AlphaアーキテクチャとVAXアーキテクチャとの違いにより,Digital Fortran for OpenVMS Alphaではサポートされません。

11.4.1.3 解釈方法の相違

次の言語機能は,Digital Fortran 77 for OpenVMS VAX Systems と Digital Fortran for OpenVMS Alphaとで異なる方法で解釈されます。


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