日本語 OpenVMS
V7.3-1 リリース・ノート


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2.10.4 KANJIGEN の文字単位編集機能の設定

V6.2

コマンド行での文字単位の編集機能を有効にするには,日本語 OpenVMS バージョン 6.1 までは KANJIGEN で SET/EDIT=ENABLE を実行することにより設定できましたが,日本語 OpenVMS バージョン6.2 およびバージョン 7.0 では,同時に /INPUT=KANJI により入力コードを漢字に指定する必要があります。

また,/INPUT=KANA と /EDIT=ENABLE の組み合わせは許されません。例えば /INPUT=KANJI,/EDIT=ENABLE に設定された状態で,SET/INPUT=KANA を実行して入力コードのみをカナに再設定することはできません。

注意

SuperDEC 漢字コードセットにしたがった半角カナを含むファイルを端末に表示する場合は,文字単位編集機能を利用する,しないにかかわらず文字単位編集機能を有効にする必要があります。

2.11 日本語画面管理ライブラリ (SMG)

V6.2

バージョン 6.2 から日本語キーボード (LK401-BJ,LK401-JJ) がサポートされました。

2.12 DEC XTPU/日本語 EVE V3

2.12.1 DECwindows インタフェースのサポート

V6.1

日本語 OpenVMS VAX バージョン 6.1 および Alpha バージョン 6.1 から, DECwindows インタフェースもサポートされます。この DECwindows インタフェースでは,バッファ・ジャーナリングがサポートされます。また,パソコン等で用いられるコード・セット ( シフト JIS) によるファイルも読み書きできます。

日本語 EVE についての詳細は,『日本語 EVE ユーザーズ・ガイド』および『日本語 EVE リファレンス・マニュアル』を参照してください。 DEC XTPU の機能については『DEC XTPU リファレンス・マニュアル』を参照してください。

2.12.2 ファイルリスト

V6.1

バージョン 6.1 から日本語 EVE に新しいファイルの選択機能が追加されました。DIRECTORY LIST コマンドによりディレクトリにあるファイルの一覧を表示して,読み込むファイルを選択することができます。

2.12.3 罫線固定モード

V6.2

バージョン 6.2 から日本語 EVE に罫線固定の機能が追加されました。SET FIX KEISEN コマンドにより罫線固定モードに入ると,罫線文字に対する編集操作が禁止されます。これにより罫線を使った文書も通常と同じように編集を行うことができます。

2.12.4 テキストの置換におけるワイルドカードの利用

V6.2

バージョン 6.2 から日本語 EVE に,ワイルドカードを使用したテキストの置換の機能が追加されました。WILDCARD REPLACE コマンドにより,VMS 形式または ULTRIX 形式のワイルドカードを使用して文字列の置換ができます。

2.13 XPG4 ユーティリティ

V6.2

XPG4(X/Open Portability Guide Issue 4) は,X/Open が出版するポータビリティ・ガイドの第 4 版で,アプリケーション・プログラムの移植性を確保するための標準インタフェースを提唱しています。

日本語 OpenVMS VAX バージョン 6.0 およびバージョン 6.1 では日本語 OpenVMS のキットの一部として XPG4 に準拠したランタイム・ライブラリ,ユーティリティ,およびロケール・データ・ファイルを提供していました。バージョン 6.2 より XPG4 ランタイム・ライブラリおよびユーティリティは標準版 OpenVMS VAX および Alpha オペレーティング・システムに組み込まれ,提供されます。

XPG4 ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS Copmaq C 国際化ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

2.13.1 ロケール・データ・ファイルのインストール

VAX V6.2

バージョン 6.1 以前の日本語 OpenVMS VAX では SYS$LIBRARY (XPG$LIBRARY) 内にロケール・データ・ファイルが提供されていましたが,標準版 OpenVMS バージョン 6.2 から SYS$I18N_ICONV および SYS$I18N_LOCALE 内に提供されるように変更されています。

また日本語 OpenVMS VAX バージョン 6.1 以前のロケール・データ・ファイルは標準版 OpenVMS バージョン 6.2 以降の XPG4 ユーティリティとは互換性がありません。バージョン 6.1 以前のシステムでユーザーが作成したロケール・データ・ファイルは標準版 OpenVMS バージョン 6.2 以降の LOCALE COMPILE コマンドを利用して再コンパイルする必要があります。

2.14 かな漢字変換の個人辞書の指定

V6.2

かな漢字変換の省略時の個人辞書のファイルは SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO です。論理名 JSY$KOJIN で省略時以外の個人辞書を指定する場合,ディレクトリ指定を省略してファイル名だけを指定すると,日本語 OpenVMS バージョン 6.1 までは,現在の省略時のディレクトリにある同名のファイルが参照されました。日本語 OpenVMS バージョン 6.2 以降ではこの場合,SYS$LOGIN にある同名のファイルを参照するよう変更されました。このため現在の省略時のディレクトリにある個人辞書ファイルを参照する場合は,明示的にディレクトリ名を含めたファイル名を指定するか,ファイル名の先頭に [] を付加する必要があります。

2.15 翻訳メッセージ/ヘルプ

V6.1, V6.2

VAX バージョン 6.0 以前および AXP バージョン 1.5 以前の日本語 OpenVMS では,SET LANGUAGE コマンドによってヘルプやメッセージを英語 / 日本語間で切りかえてきましたが,バージョン6.1 から JSY$SWITCH コマンド・プロシージャで設定するようになりました。なお,SET LANGUAGE および SHOW LANGUAGE コマンドはバージョン 6.2 から使用できなくなっています。

  1. 英語⇒日本語に切り替える場合


        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  JAPANESE    
    


  2. 日本語⇒英語に切り替える場合


        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  ENGLISH    
    


  3. 現在の設定を表示する場合


        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  SHOW    
    

この設定は,VAX バージョン 6.0 および AXP バージョン 1.5 以前の日本語 OpenVMS とは異なり,サブプロセスに継承されます。したがって,日本語に設定している場合,SPAWN 後も日本語のヘルプ/メッセージが表示されます。

なお,サブプロセスへの継承の問題や HELP/MESSAGE ユーティリティとの不整合により,これまでは提供されてきた日本語に翻訳されたシステム・メッセージ (SYSMSG.EXE) は,バージョン 6.1 から提供されなくなりました。

2.16 JSYLIB.OLB

V6.1

日本語ライブラリは,共有イメージ/オブジェクト・ライブラリの両形式で提供されて来ましたが,バージョン 6.1 からオブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から共有イメージ形式で提供されるものがすべて取り除かれました。具体的には,漢字コード・セット変換ライブラリを除いた,基本ライブラリ / 汎用ライブラリ / かな漢字変換ライブラリが,オブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から取り除かれています。

以下にリンク方法での VAX バージョン 6.0, AXP バージョン 1.5 との相違を説明します。

  1. 共有イメージにリンクしている場合

    共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR にリンクしている場合は変更ありません。

  2. オブジェクト・ライブラリにリンクしている場合

    1. 漢字コード・セット変換ライブラリを除いた日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクしてください。


          例) 
       
          $ LINK PROG,SYS$INPUT/OPTION    
          SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE 
          $ 
      


      または,


          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYSHR/OPTION    
      

    2. 漢字コード・セット変換ライブラリを含んだ日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB 及び共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR.EXE とリンクしてください。


          例) 
       
          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY,SYS$INPUT/OPTION    
          SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE 
          $ 
      

    3. 漢字コード・セット変換ライブラリのみの日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには VAX バージョン 6.0,AXP バージョン 1.5 以前と同様に以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB とリンクしてください。


          例) 
       
          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY    
      

2.17 デバッガ

2.17.1 デバッガの日本語拡張機能

V6.2, V7.0

日本語 OpenVMS VAX および AXP バージョン6.1 では日本語デバッガを提供していましたが,バージョン 6.2 から日本語デバッガに含まれていた日本語機能は標準版 OpenVMS バージョン 6.2 のデバッガに統合されました。

デバッガの日本語拡張機能を有効にするには,デバッガを起動する前に以下の論理名定義を行ってください。


    $ DEFINE/JOB DBG$NATIONALITY JAPAN    

端末インタフェースで,日本語入出力機能を有効にするには,さらに以下の論理名定義を行ってください。

注意

日本語 OpenVMS バージョン6.2 とバージョン7.0 以降とでは,日本語入出力機能を有効にする方法が異なります。

これで,以降のデバッグ・セッションでは,日本語拡張機能が有効となった状態で標準版デバッガが起動されます。

さらに詳しい説明と DECwindows Motif インタフェースを利用する場合の設定方法については『日本語ユーティリティ 利用者の手引き』を参照してください。

日本語 OpenVMS バージョン 7.0 では,デバッガの Motif インタフェースにおいて,日本語拡張機能が動作しないという問題があります。この問題は,将来の日本語 OpenVMS のリリースで解決される予定です。

2.17.2 デバッガの日本語ヘルプ

VAX V6.1, Alpha V6.2

日本語 OpenVMS VAX ではバージョン 6.1 から,日本語 OpenVMS Alpha ではバージョン 6.2 から,キャラクタセル・モードのデバッガ・ヘルプは日本語で提供されるようになりました。ただし,エラー・メッセージの説明部分は英語のままとなっています。デバッガを使用中に日本語ヘルプを参照するには,あらかじめ JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH.COM で日本語に設定しておいてください。また,デバッガのコマンド・ディクショナリの日本語マニュアルが SYS$HELP:JSY$DBG_HELP.PS および SYS$HELP:JSY$DBG_HELP.TXT という名前でオンラインで提供されています。

なお,DECwindows/Motif 版のデバッガ・ヘルプは英語で提供されています。

2.18 日本語入力プロセス(FIP)

2.18.1 FIP 実行中のプロセス・ハングの解決

Alpha V7.0

日本語 OpenVMS Alpha バージョン 6.1 および 6.2 では, $ INPUT START コマンドで日本語入力プロセス (FIP) を起動後,画面制御のエスケープ・シーケンスを端末に出力するような OpenVMS のコマンド(例えば $ SHOW SYSTEM/PAGE=SAVE, $ SEARCH/PAGE=SAVE)やアプリケーション(日本語DECforms や日本語 DEC COBOL を用いたプログラムなど)を実行すると,端末がハングするという問題がありました。この時,Ctrl/Y キーを入力してプログラムを停止し,次に他のコマンドを入力すると,そのプロセスは RWAST の状態になりハングします。このプロセスはシステムをリブートしない限り,削除することはできません。

この問題は,日本語 OpenVMS Alpha バージョン 7.0 で解決されました。

なお,日本語 OpenVMS VAX では,どのバージョンでもこの問題は発生しません。

2.19 KPRINT と KDUMP のフリーウェアとしての提供

V7.0

日本語 OpenVMS バージョン 6.2 でリタイアした KPRINT および KDUMP をフリーウェアとして提供しています。KPRINT と KDUMP が含まれるのは標準版 OpenVMS バージョン 7.0 CD-ROM キットのパッケージにバンドルされている OpenVMS Freeware CD-ROM V2.0 です。この CD-ROM には日本語 OpenVMS バージョン 6.1 で提供した KPRINT と KDUMP のソース・ファイル,日本語 OpenVMS バージョン 6.1 用実行イメージ,ヘルプ・ファイル,コマンド・リファレンス・マニュアルが含まれています。使用方法および実行イメージの作成方法は CD-ROM に含まれる README ファイルをご覧ください。なおフリーウェアには弊社のサポートは一切ありません。またお客様が自由にソース・ファイルを変更して使用することができます。

CD-ROM キットをお持ちでない,日本語 OpenVMS VAX のお客様の場合は,下記の OpenVMS の World Wide Web ホームページからフリーウェアをコピーすることができます。


    http://www.openvms.digital.com/    

2.20 日本語 DEC COBOL ランタイム・ライブラリ

Alpha V7.0

日本語入力機能をサポートする DEC COBOL ランタイム・ライブラリ DEC$COBRTL.EXE は,従来日本語 OpenVMS のインストレーションで提供されていましたが,バージョン 7.0 から標準版 OpenVMS のインストレーションで提供されるようになりました。日本語 OpenVMS バージョン 7.0 では,このファイルを提供しません。


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