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AUTOGEN の起動時には,AUTOGEN に実行させる開始フェーズと終了フェーズを指定します。 AUTOGEN は,指定された開始フェーズから終了フェーズまで,すべてのフェーズを実行します。開始フェーズと終了フェーズを指定すると, AUTOGEN は 表 15-2 に示す順序で各フェーズを実行します。
| フェーズ | 説明 | 
|---|---|
| SAVPARAMS | 稼働システムの動的フィードバックを保存する。 | 
| GETDATA | AUTOGEN の計算で使用するすべてのデータを収集する。 | 
| GENPARAMS | 新しいシステム・パラメータを生成し,インストールされたイメージ・リストを作成する。 | 
| TESTFILES | AUTOGEN が算出したページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを表示する。このフェーズを開始フェーズにはできない。 | 
| GENFILES | 必要に応じて新しいページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルを生成する。開始フェーズにはできない。 | 
| SETPARAMS | SYSMAN を実行し,省略時のパラメータ・ファイルでの新しいシステム・パラメータの設定,オリジナルのパラメータの保存,新しいパラメータ・ファイル AUTOGEN.PAR の生成を行う。
 VAX システムの場合,省略時のパラメータ・ファイルは VAXVMSSYS.PAR。オリジナルのパラメータは VAXVMSSYS.OLD に保存される。 Alpha システムの場合,省略時のパラメータ・ファイルは ALPHAVMSSYS.PAR。オリジナルのパラメータは ALPHAVMSSYS.OLD に保存される。  | 
| SHUTDOWN | システムを手動で再ブートできる状態にする。 | 
| REBOOT | 自動的にシステムをシャットダウンし,再ブートする。 | 
| HELP | 画面にヘルプ情報を表示する。 | 
AUTOGEN の各フェーズと各フェーズで影響を受けるファイルについての詳細は『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN の節を参照してください。
15.4.4 AUTOGEN パラメータ・ファイル (MODPARAMS.DAT) について
AUTOGEN は,GETDATA フェーズ中,MODPARAMS.DAT という名前のパラメータ・ファイルを読み込みます。このファイルにコマンドを追加すれば, AUTOGEN が設定するシステム・パラメータ値とファイル・サイズを制御できます。 MODPARAMS.DAT を使用すれば,次のことができます。
| 操作 | 参照箇所 | 
|---|---|
| 数値システム・パラメータの値を大きくする | 第 15.5.1.1 項 | 
| 数値システム・パラメータの最小値を設定する | 第 15.5.1.2 項 | 
| 数値システム・パラメータの最大値を設定する | 第 15.5.1.3 項 | 
| システム・パラメータの絶対値を指定する | 第 15.5.1.4 項 | 
| 外部のパラメータ・ファイルを取り込む | 第 15.5.3 項 | 
| システム・ファイル (ページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル) のサイズを指定する | 第 16.16.1.2 項 | 
| +VAXclusterノードの数を定義する | 第 15.5.1.5 項 | 
| +イーサネット・アダプタの数を定義する | 第 15.5.1.6 項 | 
| +メモリを追加する前にパラメータ値を設定する | 第 15.5.1.7 項 | 
| 省略時の代替スタートアップ・コマンド・プロシージャを指定する | 第 4.5.2 項 | 
MODPARAMS.DAT に加えた変更内容を分かりやすく示すために,各行にコメントを追加します。コメントの先頭には感嘆符(!) を付けます。
システム・パラメータとシステム・ファイルのサイズを変更する場合には,できるだけ,MODPARAMS.DAT ファイルにパラメータ設定値を指定する方法を使用してください。 SYSMAN,SYSGEN,あるいは会話型ブートでシステム・パラメータ値またはファイル・サイズを変更しても, MODPARAMS.DAT に値を指定しなければ, AUTOGEN は次回の実行時にパラメータ値とファイル・サイズを再計算します。詳細は 第 15.5.1 項 を参照してください。  | 
! 
! ***************** A Sample MODPARAMS.DAT for Node NODE22 *************** 
! 
! MODPARAMS.DAT for "NODE22" 
! REVISED: 04/29/00 -CHG- Upped GBLPAGES to account for ADA. 
! 
SCSNODE         = "NODE22"      ! This is not calculated by AUTOGEN. 
SCSSYSTEMID     = 19577         ! This is not calculated by AUTOGEN. 
TTY_DEFCHAR2    = %X0D34        ! This is not calculated by AUTOGEN. 
ADD_ACP_DIRCACHE= 150           ! Hit rate was only 65% on directory cache. 
MIN_PAGEDYN     = 500000        ! PAGEDYN must be at least 1/2 Mbyte to 
                                ! account for a large number of logical names. 
! 
 
MAX_PAGEFILE1_SIZE  = 15000     ! Maximum size for primary page. 
MAX_SWAPFILE        =  5000     ! Maximum size for swap file space. 
MAX_DUMPFILE        = 32768     ! Maximum size for dump file space. 
 
ADD_GBLPAGES    = 425+507+157   ! Account for MCS, BLISS32 and ADA. 
ADD_GBLSECTIONS = 4 + 5 + 2     ! Account for MCS, BLISS32 and ADA. 
VIRTUALPAGECNT  = 144264        ! So that we can read MONSTR's 68Mb dumps. 
! 
! end of MODPARAMS.DAT for NODE22 
 | 
システム・パラメータを変更する場合には,できるだけ次に示すように,AUTOGEN を 2 段階に分けて実行してください。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS TESTFILES  | 
このコマンドを実行すると,AUTOGEN は次の作業を行う。
計算の元となるデータ (PARAMS.DAT),計算結果 (SETPARAMS.DAT),および生成されたレポート (AGEN$PARAMS.REPORT) を調べる。 
パラメータの設定内容に満足できない場合には, MODPARAMS.DAT を編集してパラメータ値を変更する。編集方法については, 第 15.5.1 項 を参照。パラメータ値を変更したら,ファイル・サイズを変更したい場合, 
第 16.16 節 を参照してサイズを変更するその後,GETDATA フェーズから AUTOGEN を実行する。 
SETPARAMS.DAT の内容に満足した場合には,ステップ 2 に進む。
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT  | 
この AUTOGEN コマンドは, SYSMAN を実行して新しいシステム・パラメータ値を更新し,再ブート時にそれらのパラメータを使用してシステムをブートする。この方法では,システム・ファイルは変更されない点に注意。
15.5.1 MODPARAMS.DAT による AUTOGEN パラメータ設定値の制御
AGEN$PARAMS.REPORT ファイルおよび SETPARAMS.DAT ファイルを調べた結果,ハードウェア構成データを修正したり, AUTOGEN が選択したシステム・パラメータ値を変更することになった場合は,この項で説明しているように,MODPARAMS.DAT ファイルを編集してパラメータ値を指定してください。
パラメータの値を指定するためには, PARAMS.DAT ではなく,必ず MODPARAMS.DAT を使用してください。 PARAMS.DAT の内容を変更すると, AUTOGEN が正しく機能しない場合があります。  | 
MODPARAMS.DAT ファイルを使ってページ・ファイル,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイルのサイズを制御する方法については, 第 16.16.1.2 項 を参照してください。
MODPARAMS.DAT ファイル中で,次の形式でシンボルを定義すると,パラメータ値を制御することができます。
| 制御方法 | シンボルの形式 | 参照箇所 | 
|---|---|---|
| 指定された量だけ値を大きくする | ADD_* | 第 15.5.1.1 項 | 
| 最小値を指定する | MIN_* | 第 15.5.1.2 項 | 
| 最大値を指定する | MAX_* | 第 15.5.1.3 項 | 
| 絶対値を指定する | パラメータ名 | 第 15.5.1.4 項 | 
MODPARAMS.DAT を使ってシンボルを定義する場合には,次のことを確認してください。
MODPARAMS.DAT や他のパラメータ・ファイルを読み込む場合,AUTOGEN はファイルに指定されたシンボル名が有効かどうかチェックします。有効でない場合,AUTOGEN は AGEN$PARAMS.REPORT に警告メッセージを書き込みます。しかし,AUTOGEN がチェックするのはシンボル名だけで,そのシンボルに指定された値が有効かどうかはチェックしません。 値が無効でもその行が無視されることはありません。 AUTOGEN は指定された値の使用を試みます。 シンボルが指定されている行に等号記号(=) 以外の DCL の命令文が含まれていると,そのシンボルはチェックされません。たとえば,DCL の IF 文がある行に指定されているシンボル名は,有効かどうかはチェックされません。その場合,AUTOGEN は AGEN$PARAMS.REPORT に警告メッセージを書き込みます。  | 
MODPARAMS.DAT に加えた変更内容を分かりやすく示すために,ファイルを変更するたびに必ず各行にコメントを追加します。コメントの先頭には感嘆符(!) を付けます。
15.5.1.1 ADD_ 接頭辞を使って値を大きくする方法
ADD_ 接頭辞を使って数値パラメータの値を大きくします。新しい値は GENPARAMS フェーズの以降の AUTOGEN 計算によって更新されます。次に,ADD_ 接頭辞の使用例を示します。
ADD_GBLPAGES=500 ADD_NPAGEDYN=10000  | 
AUTOGEN が計算するパラメータの場合は, AUTOGEN の計算結果に加算されます。 AUTOGEN が計算しないパラメータの場合には,現在値ではなく,省略時の値に加算されます。なお,AUTOGEN により影響を受けるパラメータの表が『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN の節にありますので参照してください。
ADD_ で指定された値は計算された値に一度だけ加えられます。フィードバック計算のための連続実行は,累積されません。 通常,フィードバック機構によって計算されたパラメータを変更するときに,ADD_ 接頭辞を使用することはありません。それは,フィードバックの結果が作業負荷を正確に反映しなければならないためです。もし,フィードバックで ADD_ 接頭辞を使用する場合は, AUTOGEN が SETPARAMS フェーズ以降まで実行されても, AUTOGEN は値を一度しか加算しない点に注意してください。 AUTOGEN の計算値より上に最小値を設定したい場合には, MIN_ 接頭辞を使用します。  | 
AUTOGEN による設定値が指定した値より小さくならないようにするためには,MIN_ 接頭辞を使用します。 MIN_ は,AUTOGEN が設定できるパラメータの最小値を示します。最小値を 400,000 に設定する例を次に示します。
MIN_PAGEDYN = 400000  | 
AUTOGEN が,指定した値より大きな値にパラメータを設定しないようにするためには,MAX_ 接頭辞を使用します。 MAX_ は,AUTOGEN によって設定できるパラメータの最大値を示します。最大値を 400,000 に設定する例を次に示します。
MAX_PAGEDYN = 400000  | 
この方法は,AUTOGEN が計算しないパラメータの値を指定する場合に使用します。 AUTOGEN の計算で変更されるシステム・パラメータの表が『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN の節にありますので参照してください。
この方法は,システム環境を記述するパラメータ (SCSNODE や SCSSYSTEMID など) に限って使用してください。 AUTOGEN により計算されるパラメータでこの方法を指定すると, AUTOGEN の計算ができなくなります。絶対値を指定する代わりに,次のいずれかの方法を用いてください。 
 
  | 
パラメータの絶対値を指定するためには, MODPARAMS.DAT に次の形式で代入文を追加します。
パラメータ名 = パラメータ値 ! comment  | 
たとえば,次のコマンドはノード名 BIGVAX を SCSNODE パラメータに代入します。
SCSNODE = "BIGVAX" ! the node name  | 
文字列の値は,二重引用符 ("") で囲む必要があります。  | 
VAXcluster 環境では,NUM_NODES シンボルを使用して, VAXcluster のメンバが一時的に変化しても AUTOGEN による VAXcluster に関連するパラメータの値の計算に影響しないようにすることができます。具体的には,MODPARAMS.DAT で NUM_NODES シンボルを定義して, VAXcluster で稼働させるノードの数を指定します。 AUTOGEN はこの値を使用して,VAXcluster ノードの数に影響されるパラメータを設定します。たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。
NUM_NODES = 30  | 
15.5.1.6 イーサネット・アダプタの数を定義する方法 (VAX のみ)
VAXcluster 環境では,NUM_ETHERADAPT シンボルを MODPARAMS.DAT に定義して,VAXcluster 内のイーサネット・アダプタの合計数を指定します。たとえば,MODPARAMS.DAT に次の行を追加します。
NUM_ETHERADAPT = 40  | 
15.5.1.7 メモリを追加する前にあらかじめパラメータ値を設定する方法 (VAX のみ)
VAX システムでは,大容量のメモリ (512 MB 以上) を追加することにより,システム・ハードウェアをアップグレードしようとする場合,システム・パラメータを追加分のメモリに適するようあらかじめ設定しておくようにします。システム・パラメータをあらかじめ設定しておくことにより,不適切なパラメータ値を指定することで発生するメモリのアップグレードに関する問題を,最小限に抑えることができます。
次の手順を実行してください。
MEMSIZE = アップグレード後のメモリの総ページ数  | 
次に例を示す。
MEMSIZE = 2048 * 1024 ! (2048 page per MB * 1GB of memory)  | 
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