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プロセスが,次のいずれかの動作を行う場合は,イメージ・アクティベータが制限付きの操作モードに入ります。これは,特権プログラムが実行されている場合に操作モードに入ったときと同様です。
この操作モードには,次の制限があります。
実行専用の共用可能イメージを呼び出す実行可能イメージは, /EXECUTE_ONLY 修飾子を付けてインストールしなければなりません。この修飾子によって,実行可能イメージは,プロセスが実行権を持つが読み込み権を持たない共用可能イメージを起動できるようになります。 /EXECUTE_ONLY 修飾子は,実行可能イメージに対してのみ有効です。 この制限により,特権コンテキストで実行されている共用可能イメージが保護され,期待通りの動作が保証されます。 |
INSTALL の各コマンドを使用する場合,そのファイル指定には既存の実行可能イメージあるいは共用可能イメージを指定する必要があります。 OpenVMS のレコード管理サービス (RMS) は,各ファイル指定を次の省略時の値を使用して解決します。
CREATE コマンドまたは REPLACE コマンドを使用して,特定のバージョンのファイルを既知のバージョンのファイルとして指定できます。同じファイルの他のバージョンが存在していても,該当するイメージの既知ファイルの検索時には,必ず指定したバージョンが一致します。
17.10.11 INSTALL によるイメージのインストール
この作業を始めるにあたって,次のことを理解してください。
$ SET PROCESS/PRIVILEGES=CMKRNL |
$ INSTALL |
CREATE ファイル名 [/ 修飾子...] |
イメージに割り当てる属性に従って,次の修飾子のいずれかを指定する。
/EXECUTE_ONLY
/HEADER_RESIDENT
/OPEN
/PRIVILEGED
/PROTECTED
/RESIDENT (Alpha システムのみ)
/SHARED
/WRITABLE
イメージのインストール方法についての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の INSTALL コマンドの CREATE を参照してください。
Install ユーティリティそのものをインストールする場合には,その前にインストールしておかなければならない共用可能イメージがいくつかあります。そのような必須共用可能イメージ (SMG$SHR, LIBOTS など) の中に使用できないものがあった場合, Install ユーティリティは正常に実行できません。このような状況では INSTALL は機能しないため,その欠落したイメージをインストールすることもできません。この問題を解決するには,次のように INSTALL コマンドを再定義します。
このようにして INSTALL コマンドを入力した場合,イメージ・アクティベータは INSTALL.EXE の既知のファイル・リストをチェックしないので,INSTALL コマンドは完了し,必要な共用イメージをインストールすることができるようになります。 |
既知イメージに関する情報を表示するためには,INSTALL の LIST コマンドを使用します。
LIST コマンドの /FULL 修飾子を使って表示された情報を利用して,イメージのインストールが適切であるかどうかを判断することができます。
$ INSTALL |
LIST ファイル名 |
次に例を示す。
INSTALL> LIST LOGINOUT |
LIST/FULL ファイル指定 |
LOGINOUT.EXE というインストール済みイメージのすべての情報を表示します。表示される項目は,アクセス数,同時アクセス数,および作成されたグローバル・セクションの数です。
$ INSTALL INSTALL> LIST/FULL LOGINOUT DISK$VMS551:<SYS2.SYSCOMMON.SYSEXE>.EXE LOGINOUT;2 Open Hdr Shar Prv Entry access count = 36366 Current / Maximum shared = 1 / 10 Global section count = 3 Privileges = CMKRNL SYSNAM LOG_IO ALTPRI TMPMBX SYSPRV INSTALL> |
共用可能イメージが SYS$SHARE に存在しない場合,それに対してリンクされている実行可能イメージを実行するために,そのイメージの論理名を指定する必要があります。たとえば,STATSHR のファイル指定が SYS$SHARE:STATSHR.EXE であれば論理名は不要です。しかし,STATSHR を SYS$DEVICE:[TEST] に格納した場合,STATSHR を呼び出す実行可能イメージを実行する前に,論理名として STATSHR を定義する必要があります。論理名は,共用可能イメージをリンクしたときにその入力ファイル指定で使用した名前と同じもの (インストールで使用した名前とも同じ) を使用します。例を示します。
$ DEFINE STATSHR SYS$SYSDEVICE:[TEST]STATSHR |
共用可能イメージの論理名を再定義すれば,実行可能イメージを呼び出して再リンクすることなく,その共用可能イメージを別のものに置き換えることができます。たとえば,次の文はファイル名 STATSHR を再定義しています。この名前は,STATSHR を呼び出す実行可能イメージのための,共用可能イメージ SYS$SYSDEVICE:[MAIN]STATSHR.EXE の論理名になります。
$ DEFINE STATSHR SYS$SYSDEVICE:[MAIN]STATSHR |
特権付きの実行可能イメージを実行する場合,プロセス論理名テーブルおよびグループ論理名テーブルで定義された論理名は無視されます。イメージの検索には,エグゼクティブ・モードまたはカーネル・モードで定義された論理名およびテーブル名だけが使用されます。 |
INSTALL コマンドの REMOVE は,あるイメージの既知ファイル・エントリを削除した後,そのイメージのインストール時に作成されたグローバル・セクションをすべて削除します。ボリュームに対応する既知ファイル・エントリが存在する場合には,そのボリュームはディスマウントできないことに注意してください。ボリュームをディスマウントするには,そのボリュームに対応する既知イメージをすべて削除してください。また,それらのイメージを使用するプロセスがすべて終了するまで待つ必要があります。ファイルの状態を確認するには,DCL コマンドの SHOW DEVICES/FILES を使用します。
INSTALL の DELETE コマンドについては,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の INSTALL の節を参照してください。
17.11 予約メモリ・レジストリ
SYSMAN ユーティリティからインタフェース経由で予約メモリ・レジストリを使用することにより, OpenVMS Alpha システムに,メモリ常駐セクション内で他の特権アプリケーションで使用するために取り置かれている大容量のメモリを設定することができます。さらに,予約メモリ・レジストリを使用することにより,割り当て済みの予約メモリを考慮しながら, AUTOGEN ユーティリティによって OpenVMS システムを適切にチューニングすることもできます。
予約メモリ・レジストリを使用すると,次の処理を行うことができます。
予約メモリ・レジストリには,システムのブート中,割り当て済みページがゼロになるように指定する機能があります。このオプションを使用すると,メモリ常駐グローバル・デマンド・ゼロ・セクションを作成するために必要な時間が短縮されます。
予約メモリ・レジストリのもう 1 つのオプションとして,予約メモリのメモリ常駐グローバル・セクションにマップするために必要なページ・テーブルのサイズに関するものがあります。このオプションが指定され,予約メモリがメモリ常駐グローバル・セクションで使用されると,メモリ常駐グローバル・セクションは,共用ページ・テーブルを使用して作成されます。
17.11.1 予約メモリ・レジストリの使用
OpenVMS には,メモリ常駐グローバル・デマンド・ゼロ・セクション内で使用するために,非流動メモリを予約するメカニズムがあります。予約メモリのメモリには,単純にシステムの非流動メモリ・サイズから差し引かれたものが使用されるか,またはページが事前に割り当てられます。
予約メモリ・レジストリを使用すると, AUTOGEN により,メモリ常駐セクション・ページをシステムの流動ページの計算に含まないように,システムが適切にチューニングされるようになります。 AUTOGEN はシステムのページ・ファイル,プロセスの数,およびワーキング・セットの最大サイズを,システムの流動ページ・カウントに基づいて計算します。 AUTOGEN が,別の目的で使用するために永久に予約されている物理メモリを考慮しない流動ページ・カウントに基づいてパラメータを調整すると,システムに重大な性能上の問題が発生することがあります。
さらに,予約メモリ・レジストリを使用すると,割り当てオプションが使用された場合に,隣接するアラインされたメモリをメモリ常駐セクションで使用できるようになります。
このセクションでは,予約メモリをグローバル・セクションで使用する方法について説明していますが,この機能は,他の特権アプリケーションでも使用することができます。 |
予約済みの非流動メモリを消費することにより,メモリの特性が,システムの初期化中 (ブート時) に読み込まれるデータ・ファイルに入力されます。データ・ファイルの操作の仕組みは, SYS$LOADABLE_IMAGES:VMS$SYSTEM_IMAGES.DATA と似ています (インストール固有のエグゼクティブ・ロードされたイメージを示します)。
このファイルの名前は,次のとおりです。
SYS$SYSTEM:VMS$RESERVED_MEMORY.DATA |
このファイルは, SYSMAN ユーティリティによって (エグゼクティブ・ロードされたイメージのデータ・ファイルの場合と同様に) 保守されます。
17.11.1.2 AUTOGEN
予約メモリ・レジストリ・ファイル VMS$RESERVED_MEMORY.DATA は, AUTOGEN フィードバック・メカニズムによって読み込まれ,システムの流動ページ・カウントの設定が考慮されています。 AUTOGEN は,システムのページ・ファイル,プロセスの数,およびワーキング・セットの最大サイズを,システムの流動ページ・カウントに基づいて計算します。
17.11.1.3 予約メモリ・レジストリへのエントリの追加
データ・ファイルへのエントリの追加には,SYSMAN ユーティリティを使用します。そのための SYSMAN コマンドは,次のとおりです。
SYSMAN RESERVED_MEMORY ADD gs_name - /GROUP = n - /SIZE = {size of reserved memory, unit: MB} - /[NO]ALLOCATE - /[NO]ZERO - /[NO]PAGE_TABLES |
1. size >= 4 MB: physically aligned on a 4 Mbyte boundary 2. size < 4 MB: physically aligned on a 512 KB boundary |
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