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InfoServer Client for OpenVMS は, ESS$STARTUP コマンド・プロシージャを使って起動する必要があります。システムの再ブート時にこのソフトウェアが必ず自動起動するようにするには,SYSTARTUP_VMS.COM 内部からこのスタートアップ・プロシージャを実行します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT SYSMAN> PARAMETERS SHOW SCSNODE |
PARAMETERS SET SCSNODE " ノード名 " |
次に例を示す。
SYSMAN> PARAMETERS SET SCSNODE "MYNODE" |
SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT SYSMAN> EXIT |
SCSNODE = " ノード名 " |
次に例を示す。
SCSNODE = "MYNODE" |
$ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK |
なお,CLIENT と DISK というパラメータは同じものである。コマンドの先頭に DCL コマンドの区切り文字 (!) がある場合はこれを削除する。テープ機能を使用できるようにしたい場合は,次のようにコマンド行に TAPE パラメータを追加する。
$ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE |
$ @SYS$MANAGER:STARTNET . . . $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE |
DECnet を起動して停止したあと,そのシステムで InfoServer クライアントソフトウェアを起動使用とすると失敗します。ファイル SYS$MANAGER:ESS$STARTUP.LOG に,次のメッセージが出力されます。
%ESS-I-NONET ESS started before DECnet. 4-MAR-2000 16:36:39.29 |
このとき,InfoServer クライアントを起動する必要がある場合には,次のコマンドを実行すると, LAST 制御プログラムで LASTport トランスポートを起動できます。
$ MCR ESS$LASTCP LASTCP> START |
このコマンドは,トランスポートを起動します。トランスポートが起動されると, InfoServer クライアントを起動できるようになります。
$ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK |
トランスポートがすでに起動されているため, InfoServer クライアントの起動が成功します。
OpenVMS Alpha システムに,イーサネット・コントローラと FDDI コントローラが複数構成されている場合,次のどちらかの状況で InfoServer クライアント・トランスポート (LASTport) に問題が発生する可能性があります。
ネットワークで利用できるすべてのサービスにアクセスできなくなったり, 4 つ以上のコントローラが構成されている場合にはシステムがクラッシュしたりするなどの問題が発生します。
これらの問題を回避するためには,媒体に接続されているコントローラだけを指定します。最初に SYS$STARTUP:ESS$LAST_STARTUP.DAT データ・ファイルを編集して,接続されているコントローラだけを指定してから,システムを再起動することをおすすめします。
特定のコントローラ構成では,接続されていないコントローラを指定すると,次のコマンド・シーケンスを実行した場合にシステムがクラッシュする可能性があります。
$ MC ESS$LASTCP LASTCP> STOP |
次の例では,SYS$STARTUP:ESS$LAST_STARTUP.DAT ファイルの編集方法を説明します。最初に編集前のファイルを示し,次に編集後のファイルを示します。
!++ ! This file will be used to set the appropriate LASTCP qualifiers. The following ! LASTCP qualifiers: ALL_CONTROLLERS, CHECKSUM, TRANSMIT_QUOTA, or SLOW_MODE ! can be set by using the following statement format: ! LASTCP qualifier = 1 to enable e.g. SLOW_MODE = 1 enables SLOW_MODE ! LASTCP qualifier = 0 to disable e.g. SLOW_MODE = 0 disables SLOW_MODE ! The remaining LASTCP qualifiers will require the appropriate value settings. ! DEVICE = (list-of-devices) ! TIMEOUT = n minimum interval in seconds ! CIRCUIT_MAXIMUM = n maximum number of nodes ! GROUP = n Group number ! NODE_NAME = name Node name ! CONTROLLERS = ([{controller letter,}...]) Controller list ! TRANSMIT_QUOTA = n Number of transmit buffers !-- ALL_CONTROLLERS = ON |
次に,編集済みの SYS$STARTUP:ESS$LAST_STARTUP.DAT ファイルを示します。この例では,システムに ESA,ETA,EXA, EZA の各コントローラが構成され, ESA コントローラだけがイーサネット・ケーブルに接続されている場合を想定しています。
!++ ! This file will be used to set the appropriate LASTCP qualifiers. The following ! LASTCP qualifiers: ALL_CONTROLLERS, CHECKSUM, TRANSMIT_QUOTA, or SLOW_MODE ! can be set by using the following statement format: ! LASTCP qualifier = 1 to enable e.g. SLOW_MODE = 1 enables SLOW_MODE ! LASTCP qualifier = 0 to disable e.g. SLOW_MODE = 0 disables SLOW_MODE ! The remaining LASTCP qualifiers will require the appropriate value settings. ! DEVICE = (list-of-devices) ! TIMEOUT = n minimum interval in seconds ! CIRCUIT_MAXIMUM = n maximum number of nodes ! GROUP = n Group number ! NODE_NAME = name Node name ! CONTROLLERS = ([{controller letter,}...]) Controller list ! TRANSMIT_QUOTA = n Number of transmit buffers !-- ALL_CONTROLLERS = OFF DEVICE = (ESA) |
ESS$LAST_STARTUP.DAT ファイルは,省略時には SYS$COMMON:[SYS$STARTUP] に格納されています。その他のシステム・ルートに影響しないように,編集済みファイルを SYS$SPECIFIC:[SYS$STARTU P] に置くことができます。 |
PATHWORKS またはリモート・システム・マネージャ (RSM),あるいはこの両方がインストールされている場合, InfoServer Client for OpenVMS のスタートアップを実行してからでないと,PATHWORKS または RSM,あるいはこの両方のスタートアップを行うことはできません。
$ @SYS$MANAGER:STARTNET . . . $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE $ @SYS$STARTUP:PCFS_STARTUP $ @SYS$STARTUP:RSM$SERVER_STARTUP |
InfoServer Client for OpenVMS には,PATHWORKS と RSM の両製品で共用するデバイス・ドライバと制御プログラムがあります。 InfoServer Client for OpenVMS の全コンポーネントの先頭には, ESS$ という接頭辞が付いています。 InfoServer Client for OpenVMS のドライバと制御プログラムは,InfoServer Client サポートの他に, PATHWORKS と RSM の両方のために必要なすべてのサポートを提供します。 InfoServer Client for OpenVMS のスタートアップは, PATHWORKS あるいは RSM のスタートアップ・プロシージャを実行する前に,サイト別スタートアップで実行する必要があります。
サブプロセスから InfoServer Client for OpenVMS を起動することはできません。これは,OpenVMS のシステム管理ユーティリティ (SYSMAN) は,サブプロセスを使用して,遠隔ノード上のタスクを完了するので, SYS$STARTUP:ESS$STARTUP プロシージャを実行するために SYSMAN を使用することはできないためです。
InfoServer Client for OpenVMS を使用して作業する場合,使用しているシステムのユーザ・アカウントには,次の特権とクォータが必要です。
アカウントの特権およびクォータのチェックと変更の方法については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTHORIZE の節を参照してください。
LASTCP ユーティリティの SHOW の全機能を使用する場合は,システム・パラメータ MAXBUF の値を 32,000 以上に設定する必要があります。
OpenVMS システムの LASTport/Disk プロトコルおよび LASTport/Tape プロトコルの構成と制御は, LAD 制御プログラム (LADCP)を使用して行います。LASTport/Disk サービスと LASTport/Tape サービスを使用する OpenVMS システムを,クライアント・システムといいます。 LADCP を使用して,次の作業を行うことができます。
サービス・アクセス・パスワードを使って,サービス・アクセスを制御することができます。また,サービスの書き込み保護も行うことができます。この場合,DADn: あるいは MADn: 装置ユニットのローカルの OpenVMS ユーザがそのユニットに書き込み操作を行おうとすると,エラー・メッセージが表示されます。
これらのプロトコルにより,InfoServer システム上の記憶装置が, OpenVMS システムにローカルで接続されているかのようにアクセスすることができます。このように,複数の OpenVMS クライアント・システムで 1 つの読み込み専用媒体を共用することができるので,同じ装置と媒体を用意する必要がなくなります。
DADn: および MADn: 装置ユニットを, 仮想装置ユニットともいいます。これらは,遠隔サーバ上のボリュームに対して,ローカルの OpenVMS のコンテキストを表現します。DADn: ユニットを制御する OpenVMS ドライバを ESS$DADDRIVER, MADn: ユニットを制御する OpenVMS ドライバを ESS$MADDRIVER といいます。
LASTport/Disk プロトコルと LASTport/Tape プロトコルは, LASTport トランスポートに依存しています。 SYS$STARTUP 内の ESS$STARTUP.COM コマンド・プロシージャは, LASTport トランスポート・ドライバ ESS$LASTDRIVER,および ESS$DADDRIVER と ESS$MADDRIVER を自動的にロードします。
サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャには, ESS$STARTUP.COM への呼び出しが必要です。DECnet を使用している場合は,その呼び出しを DECnet を起動する SYS$MANAGER:STARTNET.COM コマンドの 後に置く必要があります。 第 25.5.3 項 を参照してください。 |
LADCP を起動するには,次のコマンドを使用します。
$ RUN SYS$SYSTEM:ESS$LADCP LADCP> |
LADCP コマンドは,LADCP> プロンプトに入力することができます。
また,次の例に示すように,DCL の文字列代入文を使用することにより,単一の LADCP コマンドを実行することもできます。
$ LADCP :== $ESS$LADCP $ LADCP BIND CD_DOC_00661 /NOWRITE |
LADCP は,BIND コマンドを実行してから DCL のコマンド・レベルに制御を戻します。
LADCP を終了するには,LADCP> プロンプトの後に EXIT を入力するか,あるいは Ctrl/Z を押します。
表 25-3 に,LADCP コマンドについてまとめます。
コマンド | 機能 |
---|---|
BIND | サービスのバインドを確立し,装置ユニットを作成する。 |
DEALLOCATE | ユニット制御ブロック (UCB) を削除せずにサービスへのアクティブな接続を終了する。 |
EXIT | ユーザを DCL のコマンド・レベルに戻す。 |
HELP | LADCP コマンドのヘルプ・テキストを表示する。 |
SHOW SERVICES | LAN 上で使用できる InfoServer システムが提供するサービスを表示する。 |
UNBIND | 確立した LAD サービスのバインドを終了する。 |
LADCP にはヘルプ機能があり,LADCP の各コマンドのパラメータ,修飾子,および使用法の例に関する情報を表示することができます。 LADCP コマンドについての詳細は,『InfoServer Client for OpenVMS LASTCP and LADCP Utilities』を参照してください。
一連の LADCP の BIND コマンドを SYSTARTUP_VMS.COM に追加すると,システムがブートするたびに,遠隔 InfoServer 装置を使用可能にするよう設定できます。 BIND コマンドについての詳細は,『InfoServer Client for OpenVMS LASTCP and LADCP Utilities』を参照してください。
@SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK TAPE |
このコマンドにより,ディスク機能とテープ機能を持つソフトウェアが起動される。
$ RUN SYS$SYSTEM:ESS$LADCP |
BIND [/修飾子,...] サービス名 |
テープ装置を使用できるようにするためには,その他の修飾子に加えて,/TAPE 修飾子も指定する必要がある。
BIND/TAPE [/修飾子,...] サービス名 |
サービス名には,InfoServer のデバイス・サービスの名前を指定する。通常,サービス名は InfoServer システムによるアクセス先のボリュームのラベルである。BIND コマンドについての詳細は,『InfoServer Client for OpenVMS LASTCP and LADCP Utilities』を参照。
MOUNT/SYSTEM/NOASSIST 装置名 ボリューム・ラベル |
装置名には,装置の名前,ボリューム・ラベルには,装置に割り当てるボリューム・ラベルを指定する。 MOUNT コマンドについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の MOUNT の節を参照。
次のコマンドを SYSTARTUP_VMS.COM で実行すると, InfoServer Client ソフトウェアが起動され, InfoServer 装置 DAD$OPENVMSV72 が使用可能になります。
. . . $ @SYS$STARTUP:ESS$STARTUP DISK $ RUN SYS$SYSTEM:ESS$LADCP BIND OPENVMSV72 EXIT $ MOUNT/SYSTEM/NOASSIST DAD$VMS055 VMS055 . . . |
この例では,InfoServer システムに接続されているコンパクト・ディスク・ドライブにロードされた, OpenVMS バージョン 7.2 の統合ディストリビューション (CONdisk) コンパクト・ディスクが,サーバ上で仮想装置ユニットとして使用可能になり,公用装置としてマウントされます。
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