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コマンド修飾子ファイルのセーブまたはコピー処理が正常終了した後,各ファイル・ヘッダ・レコードの BACKUP 日付フィールドに現在の日時を記録します。
/RECORD 入力指定子 出力指定子
/RECORD 修飾子は,Files-11 構造レベル 2 または 5 のボリュームのセーブまたはコピーにのみ使用できます。ファイルに対して /RECORD 修飾子を使用するには,ユーザ特権 SYSPRV が必要です。/RECORD をコピーまたはセーブ処理で使用すると,コピーやセーブ・セットが作成された日時が,各ファイル・ヘッダ・レコードの BACKUP 日付フィールドに書き込まれます。
ディスク・ボリュームに対する追加型セーブ処理で /RECORD を使用する場合,同じディスク・ボリュームに対しては他のユーザが /RECORD を使用できないようにしてください。他のユーザが /RECORD を指定すると,ファイル・ヘッダ・レコードの BACKUP 日付フィールドの値が変更されてしまいます。この結果,最後のセーブ処理以降に作成または変更したファイルをセーブする処理が不可能になります。
コマンド修飾子 /VERIFY を /RECORD と併用すると,チェックに失敗したファイルは記録されません。
/RECORD を指定しない場合,処理対象ファイルの BACKUP 日付フィールドは変更されません。
/RECORD 修飾子は,/DELETE,/COMPARE,/PHYSICAL のいずれのコマンド修飾子とも併用できません。
$ BACKUP/RECORD DBA1:[000000...]/SINCE=BACKUP MTA0:13MAY.BCK |
最後のセーブ処理以降に作成または変更した DBA1 上のすべてのファイルをセーブし,現在の日時を各ファイル・ヘッダ・レコードに記録します。
コマンド修飾子セーブ処理でセーブ・セットをテープに書き込んだ後,テープをディスマウントしアンロードします。オプションで,テープ上のセーブ・セット情報を確認します。
/RELEASE_TAPE 入力指定子 出力指定子
/RELEASE_TAPE 修飾子を /DELETE,/RECORD のいずれかの修飾子と併用すれば,BACKUP コマンドの処理が終了する前にテープ・ドライブを他の処理に使用できます。/DELETE,/RECORD のいずれかの修飾子と併用しない場合,BACKUP コマンドの処理が終了した後,テープがディスマウントされアンロードされます。/RECORD と /DELETE の修飾子を同時に使用することはできません。
#1 |
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$ BACKUP/IMAGE/RECORD/RELEASE_TAPE DUA1: MUA0:BACK.BCK |
ディスク DUA1 をセーブ・セット BACK.BCK にバックアップしています。 /RELEASE_TAPE と /RECORD 修飾子を併用しているので, /RECORD 修飾子の動作を行う前に,MUA0 のテープがディスマウントされアンロードされます。この結果,他の処理にテープを使用できます。
#2 |
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$ ALLOCATE MUA0: TAPE $ BACKUP/DELETE/RELEASE_TAPE/LOG DUA1:[MAIN...] MUA0:MAIN.BCK . . . $ DEALLOCATE TAPE |
DUA1 ディスク上のディレクトリを一部バックアップした後,バックアップしたファイルを削除しています。 /RELEASE_TAPE 修飾子により,/DELETE 修飾子の動作を行う前に,テープがディスマウントされアンロードされます。この結果,他の処理にテープを使用できます。DEALLOCATE コマンドを実行しないかぎり,テープは割り当てられたままとなります。
出力ファイル修飾子出力指定子のファイルを,入力指定子と同名のファイルと置換します。
入力指定子 出力指定子/REPLACE
入力指定子と出力指定子が同名のファイルの場合, /REPLACE を使用してコピーまたは復元処理を行うと,次の処理が行われます。
- 同じディレクトリ,ファイル名,タイプ,バージョン番号で,新しいバージョンのファイルをコピーまたは復元する。
- 出力ディスクに存在していたコピー・ファイルを削除する。
コピー・ファイルは,復元されたバージョンと置換されます。コピー・ファイルは削除されるので,バージョン番号は変わりません。入力指定子と出力指定子のバージョンを保存する場合は,出力ファイル修飾子 /NEW_VERSION を使用してください。
復元ファイルのバージョン番号が既存ファイルと同じであるときに /REPLACE,/OVERLAY,/NEW_VERSION のいずれも使用しない場合,エラーが出力され,ファイルは復元されません。
$ BACKUP MUA0:SAVEWORK.BCK/SELECT=[LEE...] DUA0:[LEE...]/REPLACE |
ディレクトリ木構造 [LEE...] とこのディレクトリ木構造に存在するすべてのファイルを,磁気テープ・セーブ・セットからディスクに復元しています。入力セーブ・セット修飾子 /SELECT は,セーブ・セットから選択するディレクトリ木構造を指定し,出力ファイル修飾子 /REPLACE は,出力媒体上に同名のファイルが存在する場合,まず入力ファイルの新バージョンを作成し,次に既存ファイルを削除します。
入力セーブ・セット修飾子
入力セーブ・セット指定 /[NO]REWIND 出力指定子
/[NO]REWIND 修飾子は,磁気テープ・ボリューム専用です。/REWIND は,入力ボリュームを読み込む前に,テープの先頭マーカまで入力磁気テープを巻き戻します。巻き戻しが終わってから入力セーブ・セットが取り出されるので,現在位置より前に存在するセーブ・セットも検出できます。
/NOREWIND は,コマンドを実行する前に入力ボリュームを巻き戻さないことを指定します。論理的なテープの終端 (最後にテープに格納されたセーブ・セットの終わり) に向かって,処理が行われます。したがって,現在位置より前に存在するセーブ・セットは検出できません。
省略時の設定では /NOREWIND なので,テープを巻き戻す場合は /REWIND を指定する必要があります。
$ BACKUP MFA1:CONTRACTS.BCK/REWIND DBA2:[*...]/BY_OWNER=ORIGINAL |
DBA2 にマウントされているディスク・ボリュームにセーブ・セット CONTRACTS.BCK が復元されます。/REWIND 修飾子により,テープの先頭マーカまで磁気テープを巻き戻してから,CONTRACTS.BCK を捜します。出力ファイル修飾子 /BY_OWNER は,元の所有者 UIC を復元します。
出力セーブ・セット修飾子テープの先頭マーカまで出力テープを巻き戻し,初期化します。 /NOREWIND 修飾子は,論理的なテープの終端 (テープに最後に格納したセーブ・セットの終わり) に向かってテープを巻き,その位置からセーブ・セットの書き込みを始めます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定 /[NO]REWIND
/[NO]REWIND 修飾子は,磁気テープ・ボリューム専用です。/REWIND を指定すると,テープの先頭まで磁気テープを巻き戻してからボリューム・ヘッダ・レコード内のボリューム・ラベルを検索します。ボリューム・ヘッダ・レコードにボリューム・ラベルが存在しない場合,BACKUP コマンドで指定したラベルがボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれ,テープが初期化され,セーブ・セットがテープ上に作成されます。
コマンド行にラベルを明示的に指定しない場合,マルチボリューム・セーブ・セットの第 1 テープのボリューム・ラベルにはセーブ・セット名の最初の 6 文字が使用され,第 2 以降のテープのボリューム・ラベルにはセーブ・セット名の最初の 4 文字にボリューム番号を付けたものが使用されます。 /LABEL 修飾子を使用して 1 つのラベル,またはラベル・リストを明示的に指定することもできます。/LABEL 修飾子で指定したラベルが充分でない場合,リスト内の最後のラベルの最初の 4 文字にボリューム番号を付けたものが,第 2 以降のテープのボリューム・ラベルとなります。
ボリューム・ラベルがテープに存在する場合,BACKUP コマンド行に /LABEL 修飾子で明示的に指定したラベル,またはセーブ・セット名をもとに暗黙に指定したラベルと比較され,テープが満了していることが確認されます。
ボリューム・ラベルが 6 文字未満である場合,6 文字になるまでブランク文字が追加されます。ボリューム・ラベルの最初の 4 文字は, BACKUP コマンド行で指定したラベルの最初の 4 文字とまったく同じであるか,または 1 つ以上のアンダスコア文字で終わらなければなりません。最初の 4 文字が 1 つ以上のアンダスコア文字で終わっていて,アンダスコア文字の前の部分がコマンド行に指定したラベルと同じである場合,一致しているとみなされます。たとえば,ボリューム・ラベル ABN_ は,コマンド行ラベル ABN と一致していますが,ABNE とは一致していません。ボリューム・ラベルの第 5 または第 6 文字が 0 〜 9 の数字である場合,これらの数字は,コマンド行に指定したラベル内で対応する文字と比較されません。数字でない場合,ボリューム・ラベルの第 5 および第 6 文字は,コマンド行に指定するラベル内で対応する文字と正確に一致しなければなりません。次に, BACKUP コマンド行に指定するラベルと一致するボリューム・ラベルを示します。
コマンド行に指定するラベル 一致するボリューム・ラベル MAR MAR, MAR_, MAR_nn MAR_ MAR_, MAR_nn MARK MARK, MARKnn MARKER MARKER, MARKnn
複数のラベルを /LABEL 修飾子で指定できます。 BACKUP コマンド行で指定したラベルのいずれかがテープのボリューム・ラベルと一致し,テープが満了している場合,テープのボリューム・ラベルは同じボリューム・ラベルで上書きされます。
テープのボリューム・ラベルを上書きすることにより,テープは初期化され,テープに格納されていたデータへのアクセス権が削除されるので,新たなデータをテープに格納できます。初期化プロセスでは,出力セーブ・セット修飾子 /TAPE_EXPIRATION, /PROTECTION,/BY_OWNER で指定した値がボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれます。これらの修飾子が指定されていなければ,満了日付は今日,保護はなし,テープの所有者 UIC は現在のプロセスの UIC になります。テープを初期化すると,セーブ・セットがテープに書き込まれます。
BACKUP コマンド行に指定したラベルがテープのボリューム・ラベルと一致しない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは,コマンド修飾子 /NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
BACKUP> プロンプトに QUIT を入力すると,処理が強制終了され,磁気テープがアンロードされ,次のメッセージが出力されます。
%BACKUP-F-ABORT, operator requested abort on fatal error
BACKUP> プロンプトに NEW を入力すると,磁気テープがアンロードされ,新しいテープをマウントするためのプロンプトが次のように出力されます。
%BACKUP-I-READYWRITE, mount volume 'volume-number' on _'device-name': for writing Enter "YES" when ready:
BACKUP> に OVERWRITE を入力すると,旧ボリューム・ラベルが新ボリューム・ラベルで上書きされます。OVERWRITE は,テープが満了していないことや両方のラベルが一致しないことを無視します。テープのボリューム・ラベルを上書きした後,テープが初期化され,テープに存在していたデータへのアクセス権が取り消されるので,テープに新しいデータを書き込めるようになります。
初期化プロセスでは,出力セーブ・セット修飾子 /TAPE_EXPIRATION, /PROTECTION,/BY_OWNER で指定した値がボリューム・ヘッダ・レコードに書き込まれます。テープを初期化した後,セーブ・セットがテープに書き込まれます。
テープが満了していない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは,/NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its expiration date is in the future Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
出力テープのラベルが ANSI や ISO 以外である場合や一度も初期化したことがない出力テープの場合は,必ず /REWIND を指定してください。
/NOREWIND 修飾子は,セーブ処理を行う前に,テープのボリューム・ラベルを BACKUP コマンドで指定したラベルと比較します。ラベルは,/LABEL 修飾子で明示的に指定できます。ラベルを指定しない場合,セーブ・セット名の最初の 6 文字がボリューム・ラベルとして使用されます。ボリューム・ラベルが指定ラベルと一致しない場合,次のメッセージとプロンプトが表示されます。表示されるターミナルは,/NOASSIST を指定した場合は使用中のターミナル,/NOASSIST を指定していない場合はオペレータ・ターミナルです。
%BACKUP-W-MOUNTERR, volume 'number' on 'device' was not mounted because its label does not match the one requested Specify option (QUIT, NEW tape or OVERWRITE tape) BACKUP>
OVERWRITE オプションを選択すると,ボリューム・ラベルが一致していなくても無視されます。ラベルが一致している場合や OVERWRITE オプションを指定した場合は,論理的なテープの終端 (最後にテープに格納したセーブ・セットの終わり) に向かってテープが巻かれ,セーブ・セットが書き込まれます。論理的なテープの終端と物理的なテープの終端が同じである場合, 新しいテープが要求されます。BACKUP 処理はデータの終わりを検索するので,複数のテープに渡るセーブ・セットをテープに格納している場合は,新しいセーブ・セットを書き込むことはできません。
/NOREWIND 修飾子は,マルチボリューム・セーブ・セットの第 1 テープは初期化しませんが,第 2 以降のテープは初期化されます。テープが満了していてテープ・ラベルが一致している場合にかぎり,第 2 以降のボリュームが初期化されます。
省略時の値は,/NOREWIND です。磁気テープ・ボリュームを巻き戻して初期化する場合は,/REWIND を指定してください。
$ BACKUP _From: *.PS _To: MTA0:DSRSAVE.BCK/REWIND/LABEL=DSR01/TAPE_EXPIRATION=29-JUN-2000 |
新しい磁気テープを初期化し,ボリューム・ラベル DSR01 と満了日付 2000 年 6 月 29 日をテープのボリューム・ヘッダ・レコードに書き込んでいます。次に,現在の省略時のディレクトリに存在するファイル・タイプが .PS のすべてのファイルを,磁気テープ・セーブ・セット DSRSAVE.BCK にセーブします。
入力セーブ・セット修飾子入力ファイルを BACKUP セーブ・セットとして扱います。ディスク上の BACKUP セーブ・セットを入力指定子とする場合は, /SAVE_SET を指定しなければなりません。
入力セーブ・セット指定 /SAVE_SET 出力指定子
/SAVE_SET 修飾子により,Files-11 ローカル・ディスク, Files-11 遠隔ディスク,順編成ディスクを BACKUP セーブ・セットとして指定できます。 /SAVE_SET を指定しない場合,ディスクを指す入力指定子は, Files-11 ファイルとして扱われます。テープを指す入力指定子は,必ず BACKUP セーブ・セットとして扱われます。
#1 |
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$ BACKUP DBA2:[BACKUP]1212MAR3.BCK/SAVE_SET DBA1:[*...] |
セーブ・セット 1212MAR3.BCK を DBA2 から DBA1 に復元しています。
#2 |
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$ BACKUP/LIST DBA2:[SAVE]23MAR00.BCK/SAVE_SET |
セーブ・セット 23MAR00.BCK の各ファイルについて,BACKUP 要約情報とファイル名,ファイル・サイズ,作成日付をリストしています。ディスク上のセーブ・セットを入力指定子とするため, /SAVE_SET 修飾子を使用しています。
#3 |
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$ BACKUP/LOG DBA2:[SAVE]23MAR00.BCK/SAVE_SET DBA3:[PLI.WORK] |
例 2 のディレクトリを復元しています。ファイルを復元するとき,ファイル指定が SYS$OUTPUT に出力されます。
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