OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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仮想入出力キャッシュは,入出力負荷やシステムにどれだけ余分なメモリがあるかによって,自動的に拡大,縮小します。入出力の負荷が増すにつれ,キャッシュは自動的に拡大しますが,指定した最大サイズよりも大きくなることはありません。アプリケーションでメモリが必要になると,キャッシュは自動的に小さくなります。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

VCC_READAHEAD (D)

(Alpha のみ) 動的なシステム・パラメータ VCC_READAHEAD は,拡張ファイル・キャッシュが先読みキャッシングを使用できるかどうかを制御します。先読みキャッシングは,データの順次読み込みを行うアプリケーションの性能を向上させるテクニックです。

省略時の VCC_READAHEAD は 1 であり,拡張ファイル・キャッシュが先読みキャッシングを使用できることを意味します。拡張ファイル・キャッシュは,同じサイズの入出力でファイルが順次読み込みされる時期を検出し,現在の読み込みよりも先にデータをフェッチするので,次の読み込み命令はキャッシュから行われます。

拡張ファイル・キャッシュでの先読みキャッシングを停止するには, VCC_READAHEAD を 0 にします。

VCC_READAHEAD の値を変更することは,ローカル・ノード上に現在マウントされているボリュームに影響を与える他に,将来マウントされるボリュームにも影響を与えます。

先読み入出力は,ユーザの入出力とは完全に非同期であり,十分なシステム資源が利用できる場合にのみ行われます。

VCC_WRITEBEHIND

(Alpha のみ) VCC_WRITEBEHIND は,弊社が使用するために予約されています。将来のバージョンで拡張ファイル・キャッシュがこのパラメータを使用する予定です。

VCC_WRITE_DELAY

(Alpha のみ) VCC_WRITE_DELAY は,弊社の使用のために予約されています。

VECTOR_MARGIN (D)

(VAX のみ) すべてのベクタ使用プロセスの状態をシステムがチェックするときの時間間隔を指定します。1 〜 FFFFFFFF16 の整数値を指定します。このパラメータ値は,システム・パラメータ QUANTUM で指定した連続するプロセス・クォンタムの数を示します。指定した数のクォンタムの中でプロセスがベクタ命令を実行していない場合,VMS は,このプロセスをマージナル・ベクタ使用プロセスであると宣言します。

省略時の値は 20010 です。

VECTOR_PROC

(VAX のみ) ベクタ処理サポート・コードのローディングを制御します。 VAX ベクタ処理システムにおける省略時の設定では,ブート時に VMS がベクタ処理サポート・コードを自動的にロードします。次のいずれかの値を静的システム・パラメータ VECTOR_PROC に設定することにより,省略時の動作を変更することができます。

結果
0 システムの構成にかかわらず,ベクタ処理サポート・コードをロードしない。
1 ベクタ機能付きプロセッサが 1 つ以上ある場合,ベクタ処理サポート・コードをロードする。省略時の値。
2 システムにベクタ機能がある場合,ベクタ処理サポート・コードをロードする。プロセッサの電源がそれぞれ独立している場合,この設定が便利である。この設定では,VMS オペレーティング・システムを再ブートしないまま,ベクタ・プロセッサをシステムに再設定することができる。
3 常にベクタ処理サポート・コードをロードする。

このパラメータは Alphaシステムでは使用されていません。

VIRTUALPAGECNT (A,G,M)

VAX システムでは,VIRTUALPAGECNT は1 つのプロセスにマップできる仮想ページの最大数を設定します。プログラムは仮想空間を任意の割合で, P0 テーブルと P1 テーブルに分割できます。

ライブラリの圧縮を解除するために SYS$UPDATE:LIBDECOMP.COM を使用するときに,VIRTUALPAGECNT の設定が小さい場合には,利用者登録ファイルの PGFLQUOTA フィールドをライブラリのサイズの少なくとも 2 倍以上に設定してください。

インストール時に,AUTOGEN は VIRTUALPAGECNT の値を適切な値に自動的に設定します。値は構成に応じて異なります。つまり,システムのグラフィック・アダプタの種類と数に応じて異なります。グラフィック構成にとって必要な最小値より小さい値に VIRTUALPAGECNT を設定することはできません。

VIRTUALPAGECNT の設定はシステム・メモリではなく,ハードウェア・アドレス空間をサポートするため,ページ・ファイルのサイズを判断するときに,AUTOGEN が設定した VIRTUALPAGECNT の値を使用しないでください。

OpenVMS バージョン 7.0 以降の Alpha システムでは, VIRTUALPAGECNT は使用されていません。しかし,Alpha システムでは,互換性を維持するためにこのパラメータがそのまま残されており,省略時の値と最大値は %X7FFFFFFF に設定されています。SYSBOOT と AUTOGEN ではこの省略時の値を使用します。

VMS*

VMSD1, VMSD2, VMSD3, VMSD4, VMS5, VMS6, VMS7, VMS8 は弊社が使用するために予約されている特殊パラメータです。 VMSD1 〜 VMSD4 は,動的パラメータです。

VOTES (A)

OpenVMS Cluster メンバ・システムがクォーラムに提供するボート数を指定します。

WBM_MSG_INT (D)

OpenVMS Cluster システムにおいて,マスタ書き込みビットマップとそれに対応するローカル書き込みビットマップの間の更新通信量を管理できる 3 つのシステム・パラメータのうちの 1 つです。他のパラメータは WBM_MSG_UPPER と WBM_MSG_LOWER です。これらのパラメータは,送信メッセージの頻度がテストされる間隔を設定し,また,メッセージを 1 つの SCS メッセージにグループ化するか, 1 つずつ送信するかを決定する上限と下限のしきい値を設定します。

単一メッセージ・モードでは,WBM_MSG_INT は最も適切な書き込みビットマップ・メッセージ・モードの評価の時間間隔をミリ秒単位で設定します。単一メッセージ・モードでは,各遠隔ノードによって発行された書き込みは,省略時の設定で,マスタ書き込みビットマップを備えたノードに対して,個別の SCS メッセージで 1 つずつ送信されます。遠隔ノードから送信された書き込みが指定された時間間隔中にメッセージの上限しきい値に達した場合,単一メッセージ・モードはバッファ化メッセージ・モードに切り替わります。

バッファ化メッセージ・モードでは,WBM_MSG_INT はメッセージが送信されるまでに待機する最大時間になります。バッファ化メッセージ・モードで,メッセージは指定された時間間隔の間,収集されてから, 1 つの SCS メッセージで送信されます。メッセージの通信量が増加している間は,複数のメッセージをグループ化し, 1 つの SCS メッセージにしてマスタ書き込みビットマップに送信する方が,通常は,メッセージを 1 つずつ個別に送信するよりも効率的です。

WBM_MSG_INT の最小値は 10 ミリ秒です。最大値は -1 であり,これは,1 ロングワードで表現できる最大の正の値に相当します。省略時の値は 10 ミリ秒です。

WBM_MSG_LOWER (D)

OpenVMS Cluster システムにおいて,マスタ書き込みビットマップとそれに対応するローカル書き込みビットマップの間の更新通信量を管理できる 3 つのシステム・パラメータのうちの 1 つです。他のパラメータは WBM_MSG_INT と WBM_MSG_UPPER です。これらのパラメータは,送信メッセージの頻度がテストされる間隔を設定し,また,メッセージを 1 つの SCS メッセージにグループ化するか, 1 つずつ送信するかを決定する上限と下限のしきい値を設定します。

WBM_MSG_LOWER は,単一メッセージ・モードを起動するテスト時間間隔中に送信されるメッセージ数の下限のしきい値です。単一メッセージ・モードでは,各遠隔ノードによって発行された書き込みは,省略時の設定で,マスタ書き込みビットマップを備えたノードに対して,個別の SCS メッセージで 1 つずつ送信されます。遠隔ノードから送信された書き込みが指定された時間間隔中にメッセージの上限しきい値に達した場合,単一メッセージ・モードはバッファ化メッセージ・モードに切り替わります。

WBM_MSG_LOWER の最小値は時間間隔に付き 0 メッセージです。最大値は -1 であり,これは,1 ロングワードで表現できる最大の正の値に相当します。省略時の値は 10 です。

WBM_MSG_UPPER (D)

OpenVMS Cluster システムにおいて,マスタ書き込みビットマップとそれに対応するローカル書き込みビットマップの間の更新通信量を管理できる 3 つのシステム・パラメータのうちの 1 つです。他のパラメータは WBM_MSG_INT と WBM_MSG_LOWER です。これらのパラメータは,送信メッセージの頻度がテストされる間隔を設定し,また,メッセージを 1 つの SCS メッセージにグループ化するか, 1 つずつ送信するかを決定する上限と下限のしきい値を設定します。

WBM_MSG_UPPER は,テスト時間間隔中に送信される,バッファ化メッセージ・モードを起動するメッセージ数の上限しきい値です。バッファ化メッセージ・モードで,メッセージは指定された時間間隔の間,収集されてから, 1 つの SCS メッセージで送信されます。

WBM_MSG_UPPER の最小値は時間間隔に付き 0 メッセージです。最大値は -1 であり,これは,1 ロングワードで表現できる最大の正の値に相当します。省略時の値は 100 です。

WBM_OPCOM_LVL (D)

書き込みビットマップ・システム・メッセージが,オペレータ・コンソールに送信されるかどうかを制御します。次の表に指定可能な値を示します。

説明
0 メッセージはオフになる。
1 省略時の設定。メッセージは,ビットマップの開始,削除,名称の変更,および, SCS メッセージ・モード (バッファ化または単一) の変更時に提供される。
2 1 の設定のすべてのメッセージと,さらに多くが提供される。

WINDOW_SYSTEM (D)

ウィンドウ・システムをワークステーションで使用することを指定します。次のいずれかの値を指定します。

説明
1 DECwindows Motif for OpenVMSワークステーション環境をロードする。
2 UISワークステーション環境をロードする。

WLKSYSDSK

(Alpha のみ) WLKSYSDSK は様々なブートストラップ・コンポーネントでシステム・ディスクがライト・ロックされたように扱われるかどうかを決定します。このパラメータは,主に OpenVMS にCDからブートすることを許可するために使用されます。

WPRE_SIZE (D)

WPRE_SIZE はウォッチポイント・ドライバでウォッチポイント・リカバリ・エントリ (WPRE) を収納するために割り当てるページ数を指定します。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

WPTTE_SIZE (D)

WPTTE_SIZE は,WPDRIVER がウォッチポイント・トレース・テーブルに作成するエントリの数です。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

WRITABLESYS

システム・コードを書き込み可能にするかどうかを制御します。このパラメータに 1 を設定するのは,デバッグする場合だけです。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

WRITESYSPARAMS (D)

VAXシステムでは,パラメータはSYSBOOTで変更され,STARTUP.COMによってVAXVMSSYS.PARに書き込まれます。

Alphaシステムでは,パラメータはSYSBOOTで変更され,STARTUP.COMによって ALPHAVMSSYS.PARに書き込まれます。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

WSDEC (A,D,M)

このパラメータ値を上げると,ワーキング・セットの制限値を下げる必要が生じる速度が早くなります。

OpenVMS VAX システムでは,各調整時点でワーキング・セットの制限を自動的に下げるページ数を指定します (クォンタムの終わり)。たとえば 35 を設定すると,ワーキング・セットの制限値の低減が必要となるたびに,35 ページ減少させます。

Alpha システムでは,各調整時点でワーキング・セットの制限を自動的に下げるページレット数を指定します (クォンタムの終わり)。たとえば 35 を設定すると,ワーキング・セットの制限値を低減が必要となるたびに,35 ページレット減少させます。

WSINC (D,M, Alpha システムで A)

このパラメータ値を下げると,ワーキング・セットの制限値を上げる必要が生じる速度が遅くなります。制限値を迅速に上げることは性能上重要であるため,通常は高い値を設定します。

VAX システムにおいて,各調整間隔で自動的にワーキング・セット・リミットが拡大されるページ数を指定します (クォンタム・エンド)。たとえば,150 に設定した場合には,システムは拡大が必要になるたびに,ワーキング・セット・リミットを 150 ページずつ拡大します。 VAX システムの省略時の値は 150 ページ (1 ページは 512 バイト) です。

Alpha システムでは,各調整間隔でワーキング・セット・リミットが自動的に拡大されるときのページレット数を指定します (クォンタム・エンド)。たとえば,150 に設定した場合には,システムは拡大が必要になるたびに,ワーキング・セット・リミットを 150 ページレットずつ拡大します。Alpha システムの省略時の値は 2400 ページレット (1 ページは 512 バイト) です (Alpha のページでは 150ページ (1 ページは 8192 バイト))。

0 を設定した場合,すべてのプロセスのワーキング・セット制限の自動調整を禁止します。制限値は基本値のままとなります。DCL の SET WORKING_SET コマンドを実行することにより,ワーキング・セット制限の自動調整をプロセス単位で禁止することができます。

WSMAX (A,G,M)

ワーキング・セットの最大ページ数を,システム単位で設定します。 WSMAX は,最初の32MBの4分の1,32MBから256MBの第16番目, 256MB以上(もし存在すれば)の64番目の合計で算出されます。

これは実際,それほどワーキング・セットが大きくないユーザを多数持つシステムの管理者を助けてくれるものです。ユーザ数(プロセス数)が多くないが非常に多くの物理メモリを必要とするようなシステムでは,MIN_WSMAX をこれらのプロセスが満足できるような値に設定しておく必要があります。

WS_OPA0

(VAX のみ) ワークステーションの QVSS 画面への OPA0 出力を許可します。1 を指定した場合,OPA0 が QVSS 画面に出力され, 0 を指定した場合,OPA0 の出力は無視されます。

XFMAXRATE (D)

DR32 装置に設定できるデータ転送速度を制限します。一部のハードウェア構成 (特にインターリーブ・メモリがないもの) に高い DR32 転送速度を設定すると,マシン・チェックが行われる可能性があります (CPU タイムアウト)。このパラメータのコード化方法については,『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください

XQPCTL2

高度な並行処理を制御します。省略時の値は 1 で並行処理をオンにします。 XQPCTL2 を 0 に設定すると,高度な並行処理がオフになります。このパラメータは拡張キャッシュとファイル ID キャッシュへのローカル・アクセスに影響を与えます。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

XQPCTLD1

マルチスレッドを制御します。マルチスレッドは, PATHWORKS サーバでのみ使用することができます。省略時の値は 8 でマルチスレッドを許可します。 XQPCTLD1 を 0 に設定すると,マルチスレッドが禁止されます。

この特殊パラメータは弊社が使用するものであり,予告なく変更される可能性があります。弊社からの依頼がある場合を除いて,このパラメータは変更しないでください。

ZERO_LIST_HI (A,D)

(Alpha のみ) ゼロ化しゼロ化ページ・リストに記録される最大ページ数を示します。このリストは,0 だけを格納するページのキャッシュとして使用します。このため,ゼロ化ページの割り当て効率が向上します。


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