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Mail を終了したり,制御を移行するには,次のコマンドを使用します。
現在のプロセスを中断せず,ターミナルの制御を別のプロセスに切り替える。たとえば,ファイルの編集中,SPAWN コマンドを使用すれば,サブプロセス(Mail)に移動して新しいメール・メッセージを読み込むことができる。この後,ATTACH を入力すれば,編集セッションに戻ることができる。
Mail を終了する。EXIT コマンドを入力すると,SET NOAUTO_PURGE コマンドを入力した場合を除いて,WASTEBASKET フォルダの中のメッセージが削除される。Ctrl/Z を押してもMail を終了できる。
Mail を終了する。しかし,WASTEBASKET フォルダは空にならない(EXIT コマンドを入力するか,Ctrl/Z を押さない限り,削除されたメッセージは破壊されない)。QUIT は Ctrl/Y と同じ働きをする。
現在のプロセスのサブプロセスを作成する。SPAWN コマンドを使用すると,Mail を一時的に終了して他の機能(ディレクトリ・リストの表示やファイルの印刷など)を実行してから,Mail に戻ることができる。
メール・ファイルを圧縮するには,次のコマンドを使用します。
指定されたメールを圧縮する。ファイル名が指定されないと,現在オープンされているメール・ファイルを圧縮する。オープンされているメール・ファイルがない場合には,省略時のメール・ファイル(MAIL.MAI)を圧縮する。
次のコマンドはシステム管理のために使用します。
システムのメール・プロフィール,データ・ファイル SYS$SYSTEM:VMSMAIL_PROFILE.DATA からユーザのレコードを削除する。SYSPRV 特権が必要。
ユーザの現在転送中のアドレス名を表示する。
ユーザが SET PERSONAL_NAME コマンドで設定したテキスト文字列を表示する。
MIME(多目的インターネット・メール拡張機能)は,テキスト以外のファイルをメール・メッセージに添付するために使用される標準規則です。MIME ユーティリティにより,MIME エンコードしたメール・メッセージを作成,あるいは読み込むことができます。MIME を使用すると,グラフィックスや音声ファイルなどのテキスト以外のファイルを,プレーン・テキストとしてエンコードして送信することができます。ただし,このテキストは読めません。MIME ユーティリティは,MIME ファイルを元の形式にデコードすることができ,また MIME エンコード・ファイルを作成できます。このファイルを OpenVMS Mail ユーティリティを使用してメール・メッセージとして送信することができます。
7.15.1 MIME ユーティリティの起動
MIME のためのフォーリン・コマンドは,システム管理者によって設定済みのはずですが,設定されていない場合は,LOGIN.COM: に次の行を追加することによって設定できます。
$ MIME :== $SYS$SYSTEM:MIME.EXE |
MIME では,MIME エンコード・テキスト・ファイルのみを開きます。まず Mail で MIME エンコード・メッセージをテキスト・ファイルに抽出する必要があります(詳細については 第 7.6.3 項 を参照)。
DCLプロンプトから MIME ユーティリティを起動するには,次のように入力します。
$ MIME ファイル名.TXT |
ファイル名修飾子はオプションです。指定したファイルが存在する場合,そのファイルは,READ_ONLY で開けられます。
MIME ユーティリティでは,To: フィールドや From: フィールドなどのヘッダ情報が作成されません。MIME ユーティリティでは MIME ヘッダとメッセージの本体テキストのみが作成され,後でテキストは Mail が送信するファイルに保存されます。指定したファイルに認識可能なヘッダまたは RFC822 ヘッダがあると,ファイルは開かれ,省略時ののアクセス許可は /READ_ONLY となります。
指定ファイルに認識可能なヘッダがない場合やそのファイル自体がない場合,OPEN FILE ERROR メッセージが表示されます。
MIME エンコード・メッセージを表示するシステム単位の省略時の設定は, MIME$MAILCAP.DAT と MIME$FILETYPES.DAT という 2 つのファイルを作成して定義できます。
MIME$MAILCAP.DAT には,それぞれローカル認識されるコンテンツ・タイプの MIME エンコード・ファイルを定義するアプリケーションが組み込まれています。MIME$FILETYPES.DAT では,それぞれのコンテンツ・タイプをファイル拡張子に関連付けます。ユーザは,SYS$LOGIN にこれらのファイルを作成して省略時の設定に上書きできます。
7.15.2 MIMEユーティリティの初期化
MIME ユーティリティを開始すると,初期化プロセスが以下のステップで行われます。
MIME ユーティリティは,入力メッセージを表示する前にコンテンツ・タイプ・リストを参照します。このリストは,MIME ユーティリティが認識するコンテンツ・タイプと,各コンテンツ・タイプを元の形式にデコードするときに必要な情報がおさめられています。
以下に示すのは,RFC 1524 で作成した MAILCAP エントリの例です。
image/*; xview %s |
コンテンツ・タイプは,MIME$MAILCAP.DAT ファイルを作成してリスト MIME 認識に追加できます。(例 7-1 は MIME$MAILCAP.DAT ファイルの例です。)
MIME ユーティリティは,出力メッセージの構成時にファイル拡張子リストを参照します。このリストには OpenVMS ファイル拡張子と,各拡張子に関連付けられたコンテンツ・タイプがおさめられています。MIME ユーティリティでは,構成する MIME フォーマットのメッセージ本体に,これらの拡張子が必要です。
ファイル拡張子リストの各行は,以下の項目からなります。
拡張子,コンテンツ・タイプ/サブタイプ,(オプションで)Content-Transfer-Encoding文字列 |
以下に示すのは,ファイル拡張子リストの行の例です。
doc, application/ms-word, base64 |
表 7-1 で説明した MIME$FILETYPES.DAT ファイルを作成すれば,MIME ユーティリティが認識するファイル拡張子と照合用のコンテンツ・タイプをリストに追加できます。
7.15.3 オプションのMIMEユーティリティ・ファイルの作成
表 7-1 に,システム上の MIME ユーティリティをカスタマイズするときに作成する可能性のあるファイル名と説明を示します。
ファイル | 目的 |
---|---|
MIME$MAILCAP.DAT | 入力メッセージの表示と構文解析用 |
MIME$FILETYPES.DAT | 出力アタッチ・ファイルへのコンテンツ・タイプ割り当て用 |
以上のファイルはSYS$LOGINディレクトリに配置します。
7.15.3.1 MIME$MAILCAP.DATファイル処理
MIME$MAILCAP ファイル形式は,RFC 1524,1993 年 9 月発行の N. Borenstein 著,『A User Agent Configuration Mechanism for Multimedia Mail Format Information』に端を発します。MIME ユーティリティでは,このファイルの命令でメッセージとアタッチメントを解釈,表示します。これらの命令により,MIME ユーザ・エージェントは外部プログラムを呼び出して MIME メッセージであるコンテンツ・タイプを表示します。
MIME$MAILCAP.DAT ファイルをカスタマイズして,特定のコンテンツ・タイプの FDL(File Descriptor Language)を指定すれば,特定のコンテンツ・タイプでシステムのメッセージ・パーツを抽出できます。例 7-1 は,MIME$MAILCAP.DAT ファイルの例です。
プログラム名の参照は,論理名か有効なファイル指定とします。 |
例 7-1 MIME$MAILCAP.DATファイル |
---|
# # MIME$MAILCAP.DAT # # Local customizations of content types and processing options # # Use xv.exe to display images image/*; xv %s # # Use Netscape for html attachments text/html; netscape %s # |
7.15.3.2 MlME$FILETYPES.DATファイルの処理
オプションの MlME$FILETYPES.DAT ファイルには,互いに関連付けられた OpenVMS ファイル拡張子と MIME コンテンツ・タイプのリストがおさめられています。ADD コマンドの処理では,構成するメッセージにアタッチする OpenVMS ファイルのコンテンツ・タイプを FILETYPE 構造で指定します。
ファイル形式の構文は,MIME$MAILCARDAT ファイルの構文に似ており,コメントは "#" 文字で表します。ファイルの各行には拡張子を 1 つ(前に'.'なし),続けてコンテンツ・タイプ,拡張子を使用するファイルに関連付けられたサブタイプを指定します。
オプションで,行には Content-Transfer-Encoding 文字列(7 ビット,8 ビット,Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列)を追加できます。これは,メッセージの伝送字にファイル・コンテンツをエンコードする文字列です。7 ビット,8 ビット,Base64 または引用符で囲んだ印刷可能文字列は,標準 MIME エンコードであり,これ以外は使用できません。エンコードを指定しないと,MIME ユーティリティは7ビットが使用されます。
7.15.4 MIME ユーティリティを使用した MIME エンコード・ファイルの抽出
MIME ユーティリティを使用して MIME エンコード・ファイルを抽出するには,まずデコードしたいファイルをオープンします。ファイル名を指定して MIME ユーティリティを起動するか,または MIME ユーティリティでファイルをオープンするといういずれかの方法で,ファイルをオープンすることができます。EXTRACT コマンドは,ネイティブ・ファイル形式または /FDL 修飾子で指定した別の形式で指定アタッチメントを抽出します。
以下に示すのは,メッセージ・ファイルを開き,読み取り可能なテキストでメッセージを表示し,メッセージ属性をリストするための代表的な MIME ユーティリティ・コマンドです。
MIME> OPEN file-name MIME> READ MIME> LIST |
アタッチメントを抽出するには,以下のコマンドを入力します。
MIME> EXTRACT /ATTACHMENT=n destination-file-name |
アタッチメントを単独で指定するには,/ATTACHMENT=n 修飾子を追加します。これで,抽出するアタッチメント番号を指定します。また指定アタッチメントを出力ファイルに変換するときに使用する FDL(File Descriptor Language)定義ファイルを指定する /FDL= ファイル名も使用できます。各アタッチメントの番号は,LIST コマンドで表示します。
MIME ユーティリティで使用するコマンドの全リストは,第 7.15.6 項 を参照してください。
7.15.5 MIME ユーティリティを使用したファイルのエンコード
アタッチメントとして送信するファイルをエンコードするには,まず MIME ユーティリティを呼び出してNEWコマンドを指定して新しいファイルを作成します。ファイル名を指定しないと,NEW のプロンプトでファイル名が要求されます。
$ MIME NEW new-file-name |
また,MIME ユーティリティでは OPEN コマンドでドラフト・メッセージ・ファイルを開くことができます。
MIME> OPEN/DRAFT file-name |
以前のセッションで作成したファイルをオープンするには,コマンドに修飾子 /DRAFT を指定します。
ファイルに添付ファイルを追加するには,次のコマンドを入力します。
MIME> ADD ファイル名 |
このコマンドのオプションの修飾子の全リストは,第 7.15.6 項 を参照してください。
このファイルに現在の情報を書き込むには,SAVE コマンドを使用します。いったんセーブすると MIME エンコード・ファイルは,OpenVMS Mail ユーティリティを使用してファイルとして送信することができます。
MIME ユーティリティを終了するには,QUIT または EXIT コマンドを入力します。
MIME ユーティリティで使用できるコマンドの完全なリストについては,第 7.15.6 項 を参照してください。
7.15.6 MIME ユーティリティ・コマンド
以下のリストに,コマンド,パラメータ,MIME ユーティリティで使用できる修飾子について説明します。説明の後にそれぞれ例を示します。
ADD --- 新しい本体部分または添付ファイルを編集しているメッセージに追加します。ADDコマンドには,パラメータとして添付したいファイルの名前が必要です。オプションの修飾子は次のとおりです。
MIME> ADD ファイル名/TEXT |
CLOSE --- 現在のメッセージ・ファイルをクローズします。最新の変更内容を保存していない場合には,クローズする前に MIME ユーティリティがプロンプトで知らせます。ファイルが /READ_ONLY である場合は,ファイルは変更されません。
MIME> CLOSE |
EDIT --- 指定された添付ファイルに対するユーザの省略時設定のテキスト・エディタを起動します。
MIME> EDIT attachment-number |
EXIT --- 処理中の作業を保存して,MIMEエディタを終了します。
MIME> EXIT |
EXTRACT - ネイティブ・ファイル形式でファイルに指定アタッチメントを抽出します。
MIME> EXTRACT ファイル名/ATTACHMENT=n |
HELP --- MIME ユーティリティのヘルプ・ファイルを表示します。
MIME> HELP |
LIST --- 本体部分およびアタッチメント番号のような属性のリストを含む現在のメッセージに関する情報を表示します。
MIME> LIST |
NEW --- 新しいメッセージを作成します。
MIME> NEW ファイル名 |
OPEN --- 指定されたファイル名を持つメッセージをオープンします。使用できる修飾子は次のとおりです。
MIME> OPEN ファイル名/NEW |
QUIT --- 現在のメッセージを保存せずに,現在の MIME 編集セッションを強制終了します。
MIME> QUIT |
READ --- 読み取り可能なテキストで現在のメッセージを表示します。必要に応じてアタッチメントを表示します。
MIME> READ |
REMOVE --- 現在のメッセージから指定された添付ファイルを削除します。
MIME> REMOVE 1 |
SHOW --- 指定したオプションにもとづいて,MIME 環境に関する情報を表示します。使用できるオプションは,CONTENT_TYPE,FILE_TYPES,VERSION です。
MIME> SHOW option |
SAVE --- 現在のメッセージをファイルに書き込みます。ファイル名が指定されている場合は,それを使用します。
MIME> SAVE ファイル名 |
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