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ある場所からテキストを選択し,削除し,それを別の場所に挿入するには,次の手順に従ってください。
テキストの 2 行目が強調表示される。
現在のバッファからテキストの 2 行目が削除される。
She rhymes with tree, and this one makes three. [End of file] |
Insert Here バッファ内のテキストが,現在のカーソル位置に挿入される。
She rhymes with tree, also with bee, and this one makes three. [End of file] |
COPY コマンドを使用すれば,テキストを任意の場所へコピーできます。STORE TEXT コマンドは COPY コマンドと同じ働きをします。次の例で使用されている COPY コマンドはすべて,STORE TEXT コマンドで置き換えることができます。
バッファを順方向に設定しているときに,テキストをコピーするには,次の手順に従ってください。
She rhymes with tree, She rhymes with tree, also with bee, and this one makes three. [End of file] |
ユーザは,標準の行単位の範囲だけでなく,長方形の領域,すなわちボックス内のテキストも編集できます。たとえば,リストまたは表内の列を含むボックスを選択してから,それをカットおよびペーストしたり,その他の編集を実行したりできます。
8.11.1 テキスト・ボックスの選択
テキスト・ボックスを選択するには,次の手順に従ってください。
カーソルを移動するにつれて,カーソル通過部分のテキストがボールド体属性で強調表示されます(通常の選択の場合は反転属性を使用します)。ボックスは,対角線上の頂点の組によって定義されます。左上から右下に向かってカーソルを移動する場合は,カーソル位置の文字はボックスの 外側 になります。すなわち,カーソルのすぐ左側がボックスの右下隅になります。
テキストを選択したら,通常の行単位またはボックス単位の編集に使用する任意のコマンドを使用してボックスを編集できます。キーを再定義する必要はありません。詳細は,『 Extensible Versatile Editor Reference Manual 』を参照してください。
検索対象の選択範囲が複数行にまたがらなければ,FIND SELECTED や OPEN SELECTED も使用できます。また保留削除も使用できます。
複数のボックス編集を実行する場合,たとえば,複数カラムの表とリストを編集する場合には,SET BOX SELECT コマンドを使用します。SET BOX SELECT は,複数のコマンドとキーを対応する BOX コマンドとして再定義し,他の編集操作を行単位ではなく,ボックスに対して実行するようにします。
ボックスの選択を取り消すには,再度 SELECT または BOX SELECT を入力するか,RESET を使用します。
8.11.2 テキスト・ボックスのカットとペースト
ボックスをカットすると,カットされた部分に通常はスペースが埋め込まれるので,ボックスの右側にあったテキストが左に動くことはありません。したがって,列の位置も揃ったままです。ボックスをペーストすると,通常,そのボックスは既存のテキストの上に上書きされます。ボックス内またはボックスにまたがるタブ文字は,テキストの左右の位置が変わらないようにするためにスペースに置き換えられます。
次の表は,ボックス編集に使用する EVE コマンドの一覧です。
コマンド | 機能 |
---|---|
BOX COPY | 別の場所にペーストできるよう,テキスト・ボックスを削除せずにコピーする。 |
BOX CUT | テキスト・ボックスをカットして,別の場所にペーストできるようにする。通常は,ボックスのあった領域にはスペースが埋め込まれるので,ボックスの右側にあったテキストが左に動くことはない。 |
BOX CUT INSERT | ボックスをカットし,ボックスの右側にあったテキストを左に "ずらして" すき間を埋める。 |
BOX CUT OVERSTRIKE | ボックスをカットして該当領域にスペースを埋め込み,ボックスの右側にあったテキストが左に動かないようにする。 |
BOX PASTE | コピーまたはカットしたテキスト・ボックスをペーストする。通常は,既存のテキストに上書きする。 |
BOX PASTE INSERT | ボックスをペーストして,既存のテキストを右に動かす。 |
BOX PASTE OVERSTRIKE | ボックスをペーストして,既存のテキストに上書きする。 |
BOX SELECT | テキスト・ボックスを選択する。一般には,ボックスの左上隅を決めてから,カーソルを右下方向に必要なだけ移動する。 |
RESTORE BOX SELECTION | 保留削除で削除されたボックスを元に戻す(削除を取り消す)。通常は,既存のテキストに上書きする。 |
SET BOX NOPAD | バッファが上書モードの場合を除いて,ボックス編集のスペース埋込みや上書きを禁止する。 |
SET BOX NOSELECT | 省略時の設定である。ボックスの選択,カット,ペーストを行えないようにする。SELECT,COPY,REMOVE などのコマンドは,標準の行単位の範囲を使用する。ボックスを編集するには,BOX の各種コマンドを使用する。 |
SET BOX PAD | 省略時の設定である。バッファ・モードにかかわらず,ボックス編集で自動スペース埋込みと上書きを有効にする。 |
SET BOX SELECT | ボックス選択を行えるようにする。SELECT,REMOVE,INSERT HERE などのコマンドを BOX コマンドの同じようなコマンドと対応させることができるので,キーを再定義する必要がない。 |
テキストのボックスを選択して,切り取り,貼り付けるには,次の手順に従ってください。
Rome Paris New York London Tunis Boston Tokyo Bonn Lisbon |
テキスト・ボックスが削除される。
次のように,新しい列にテキスト・ボックスがペーストされる。
Rome New York Paris London Boston Tunis Tokyo Lisbon Bonn [End of file] |
次の表は,SET BOX SELECT コマンドの一覧です。
コマンド | 対応する BOX コマンド |
---|---|
INSERT HERE または PASTE | BOX PASTE |
REMOVE または CUT | BOX CUT |
RESTORE SELECTION | RESTORE BOX SELECTION |
SELECT | BOX SELECT |
STORE TEXT または COPY | BOX COPY |
SET BOX SELECT を使用すれば,キーを再定義せずに,Select,Remove,および Insert Here の各キーを使用してボックスを選択,カット,ペーストできるようになります。
8.12 保留削除の使用方法
ユーザは保留削除を使用して,選択したテキストを削除できます。保留削除とは,新しいテキストまたはスペースを入力するか,または削除を実行する(通常はDelete キーを押す)ことによって,選択範囲を削除することをいいます。
ボックス選択を使用した場合,保留削除は BOX CUT のように働き,通常ボックスのあった場所にはスペースが埋め込まれるので,ボックスの右側にあったテキストは左に動きません。したがって,列の位置も揃ったままです。
保留削除は Insert Here バッファを使用しないので,テキストをカットしたりペーストするための別の方法になります。保留削除についての詳しい説明は,EVE オンライン・ヘルプの「Pending Delete」というトピックを参照してください。
8.12.1 保留削除による選択範囲の削除
保留削除を使用して選択範囲を削除するには,次の手順に従ってください。
保留削除を使用して削除した選択範囲を元に戻す(復元する)には,次の手順に従ってください。
ボックスの復元は BOX PASTE のように働き,通常,既存のテキストに上書きします。SET BOX NOPAD コマンドを使用した場合,ボックス編集の効果は,そのときのバッファ・モード(ステータス・ラインに表示される挿入モードまたは上書モード)によって決まります。
保留削除を使用してボックスを削除する場合,また削除したボックスを復元する場合の動作も,バッファ・モードによって決まります。
8.13 テキストの検索と置換
EVE コマンドを使用すれば,バッファ内の特定のテキストを検索できます。ユーザは,特定のテキストの存在位置をすべて検索したり,2 行にまたがる検索文字列を検索したりできます。また,ワイルドカードを使用して検索することもできます。この節では,テキストの検索と置換について説明します。
表 8-9 に,バッファ内のテキストの検索に使用する EVE コマンドを示します。
コマンド | 機能 |
---|---|
FIND | 現在のバッファから指定の文字列を検索して,見つかったら強調表示する。強調表示された文字列を検出範囲と呼ぶ。 |
FIND NEXT | FIND,REPLACE,WILDCARD FIND のうちいずれか 1 つのコマンドによって最後に指定された文字列を検索する。 |
FIND SELECTED | 入力された文字列ではなく,選択された文字列を検索する。選択範囲は,2 行以上にまたがることはできない。 |
SET FIND CASE EXACT | 大文字,小文字を区別して検索するように設定する。このコマンドは,小文字だけの検索文字列を見つけて置換する場合に役立つ。 |
SET FIND CASE NOEXACT | 省略時の設定である。大文字,小文字を区別しないで検索するように設定する。検索文字をすべて小文字で入力したとしても,大文字,小文字に関係なく該当するすべての文字列が検索される。 |
SET FIND NOWHITESPACE | 省略時の設定である。タブとスペースが検索文字列の指定と正確に一致し,全体が 1 行に収まる文字列を検索するように FIND コマンドと WILDCARD FIND コマンドを設定する。 |
SET FIND WHITESPACE | スペース,タブ,改行記号(改行記号は 1 回のみ)を "空白" として処理するように FIND コマンドと WILDCARD FIND コマンドを設定する。2 語以上の単語からなる検索文字列を分割の仕方にかかわらず検索できるようになる。 |
SET WILDCARD VMS | OpenVMS の省略時の設定である。OpenVMS のワイルドカード・パターンを有効にする。 |
SHOW WILDCARDS | WILDCARD FIND コマンドで使用できるワイルドカードのパターンを一覧表示する。 |
WILDCARD FIND | ワイルドカードを使用して,テキスト・パターンを検索する。 |
現在のバッファ内の特定のテキストを検索するには,FIND コマンドを使用します。省略時の設定では,E1 キー(VT200,VT300,および VT400 の各シリーズのターミナルの Find キー,VT100 シリーズ・ターミナルの PF1 キー)が FIND コマンドとして定義されています。
検索文字列がすべて小文字の場合,大文字と小文字の区別は無視され,一致するすべての文字列が検索されます。したがって,検索文字列 the は,the,THE,THe,および thE のいずれにも一致します。検索文字列に大文字が含まれている場合は,大文字と小文字が正確に一致する文字列だけを検索します。したがって,検索文字列 tHis と一致するのは tHisだけです。次に例を示します。
バッファの現在の方向によって,順方向の検索か,逆方向の検索かが決まります。
検索文字列が現在の方向にはないが,逆方向にはある場合は,方向の変更を求めるプロンプトが出されます。
逆方向の検索を行う場合は,YES(Y)と入力して Enter キーを押します。こうすると,逆方向に最初に現れた検索文字列にカーソルが移動します。ただし,この場合,強調表示されたステータス・ラインの現在の方向は変わりません。
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