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システム・ディレクトリ・テーブル LNM$SYSTEM_DIRECTORY に含まれる省略時設定のシステム論理名を 表 11-4 に示します。
名前 | 説明 |
---|---|
LNM$CLUSTER | LNM$CLUSTER_TABLE に反復的に変換するクラスタ単位の親テーブルの論理名。 |
LNM$DCL_LOGICAL | LNM$FILE_DEV として定義されるDCL論理名。LNM$DCL_LOGICALは,SHOW LOGICAL コマンド,SHOW TRANSLATION コマンド,F$TRNLNM レキシカル関数によって検索され表示される論理名テーブルのリストに反復的に変換する。省略時設定により,これらのコマンドは,プロセス,ジョブ,グループ,システム,およびクラスタ単位のシステム論理名テーブルをこの順に検索して表示する。 |
LNM$DIRECTORIES | LNM$PROCESS_DIRECTORY および LNM$SYSTEM_DIRECTORY として定義されるディレクトリ論理名。 |
LNM$FILE_DEV | ファイル指定を処理する場合にシステムが検索する論理名テーブルのリストとして定義される検索リストの論理名。LNM$PROCESS,LNM$JOB,LNM$GROUP,LNM$SYSTEM として定義され,システムは,プロセス,ジョブ,グループ,システム,およびクラスタ単位のシステム論理名テーブルをこの順に検索する。 |
LNM$GROUP | グループ・テーブル LNM$GROUP_gggggg1 に定義されるグループ論理名。 |
LNM$JOB | LNM$JOB_xxxxxxxx2 として定義されるジョブ論理名。 |
LNM$PERMANENT_MAILBOX | LNM$SYSTEM として定義されるパーマネント・メールボックス論理名。パーマネント・メールボックスに関連付けられた論理名は,論理名 LNM$PERMANENT_MAILBOX が反復して変換する論理名テーブルに入力される。 |
LNM$SYSCLUSTER | LNM$SYSCLUSTER_TABLE に反復的に変換するクラスタ単位のシステム論理名テーブルの論理名。 |
LNM$SYSTEM | LNM$SYSTEM_TABLE,LNM$SYSCLUSTER に反復して変換するシステム論理名テーブル名。 |
LNM$TEMPORARY_MAILBOX | LNM$JOB として定義される一時メールボックス論理名。一時メールボックスに関連付けられた論理名は,論理名 LNM$TEMPORARY_MAILBOX が反復して変換する論理名テーブルに入力される。 |
ここでは,次の省略時設定の共用論理名テーブルについて説明します。
クラスタ単位のシステム・テーブル LNM$SYSCLUSTER_TABLE
LNM$SYSCLUSTER_TABLE は,クラスタ単位のシステム論理名テーブルの名前です。このテーブルには,クラスタのすべてのユーザが使用できる論理名が含まれています。
名前 LNM$SYSCLUSTER を通じて間接的に LNM$SYSCLUSTER_TABLEを参照することができます。間接参照により,LNM$SYSCLUSTER を複数の等価名として再定義して,その中に各自のテーブルを含めることができます。
クラスタ単位の親テーブル LNM$CLUSTER_TABLE
LNM$CLUSTER_TABLE は,LNM$SYSCLUSTER_TABLE を含む,すべてのクラスタ単位の論理名テーブルの親テーブルです。論理名 LNM$CLUSTER を使用してこれを参照します。
それぞれのグループ・テーブルの名前は LNM$GROUP_gggggg です(gggggg はユーザ ID コード [UIC] グループ番号を表します)。このテーブルにある名前は,同じUICグループ番号を持つすべてのユーザが使用できます。システム上のすべてのグループには,対応するグループ論理名テーブルがあります。
名前 LNM$GROUP を通じて間接的に LNM$GROUP_gggggg を参照することができます。間接参照により,LNM$GROUP_gggggg を複数の等価名として再定義して,その中に各自のテーブルを含めることができます。またこれは,自分のUICグループ番号を記憶しておく必要を省き,最も新しく定義されたテーブルを必ず使用できるようにします。
それぞれのジョブ・テーブルの名前は LNM$JOB_xxxxxxxx です(xxxxxxxx はジョブ・ツリーに対してシステムが定義したジョブ情報ブロック [JIB] アドレスを表します)。
ジョブ・テーブルには,ジョブ・ツリー,つまりプロセスとそのサブプロセスにあるすべてのプロセスで使用できる論理名が含まれます。システムには各ジョブ・ツリーに対して 1 つのジョブ・テーブルがあります。ジョブ・テーブルは共用可能なので,ジョブ・ツリー内のすべてのプロセスがアクセスできます。
名前 LNM$JOB を通じて間接的に LNM$JOB_xxxxxxxx を参照することができます。この間接参照により,LNM$JOB を複数の等価名として再定義して,その中に各自のテーブルを含めることができます。さらに,LNM$JOB を使用すると,JIBアドレスを見つける必要がなく,最も新しく定義されたテーブルを必ず使用できるようになります。
システムは,マウントされたディスク,マウントされたテープ,一時メールボックスに対して作成された論理名をジョブ論理名テーブルに配置します。さらに,システムは次の論理名を作成します。
ログイン時の省略時設定の装置およびディレクトリ。
ログイン時の省略時設定の装置。
DECnet for OpenVMS ネットワーク接続を通じて開始されたジョブに対して,ジョブが発信されたリモート・ノード上のプロセスのID。OpenVMS オペレーティング・システムでは,代理ログインが使用可能な場合,この ID がプロセスのユーザ名です。代理ログインが使用できない場合には,これがプロセスID(PID)番号です
(代理アカウントへの代理ログインにより,ユーザはアクセス制御文字列を指定せずにネットワーク上でファイルにアクセスできます。)
DECnet for OpenVMS ネットワーク接続を通じて開始されたジョブに対して,ジョブが発信されたリモート・ノードの名前。
一時ファイルが書き込まれる省略時設定の装置およびディレクトリ。
システム・テーブルの名前は LNM$SYSTEM_TABLE です。システム・テーブルには,システム・レベルでシステムのすべてのユーザが使用できる論理名が含まれます。
システム・テーブルは通常,LNM$SYSTEM を通じて間接的に参照することができ,これは検索リスト LNM$SYSTEM_TABLE,LNM$SYSCLUSTER として定義されます。LNM$SYSTEM を使用して,このノードにローカルなシステム名と,クラスタ上のすべてのノードに共通なシステム名を含めることができます。
システムの起動時にシステム・テーブルで自動的に定義される論理名を 表 11-5 に示します。
名前 | 説明 | 省略時アドレス |
---|---|---|
DBG$INPUT | プロセス・レベルで SYS$INPUT に等しいと定義される,OpenVMS Debuggerの省略時入力ストリーム。 | 適用せず |
DBG$OUTPUT | プロセス・レベルで SYS$OUTPUT に等しいと定義される,OpenVMS Debuggerの省略時出力ストリーム。 | 適用せず |
SYS$COMMON | SYS$SYSDEVICE:[SYSn.SYSCOMMON.] の共通部分に対する装置およびディレクトリ名。 | ここでn はプロセッサのルート・ディレクトリ番号。 |
SYS$ERRORLOG | エラー・ログ・データ・ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSERR] |
SYS$EXAMPLES | システム例の装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSHLP.EXAMPLES] |
SYS$HELP | システム・ヘルプ・ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSHLP] |
SYS$INSTRUCTION | システム命令データ・ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSCBI] |
SYS$LIBRARY | システム・ライブラリの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSLIB] |
SYS$LOADABLE_IMAGES | オペレーティング・システムのエグゼクティブでロード可能なイメージ,デバイス・ドライバ,その他エグゼクティブでロードされたコードの装置およびディレクトリ。 | SYS$SYSROOT:[SYS$LDR] |
SYS$MAINTENANCE | システム保守ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSMAINT] |
SYS$MANAGER | システム・マネージャ・ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSMGR] |
SYS$MESSAGE | システム・メッセージ・ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSMSG] |
SYS$NODE | DECnet for OpenVMS がシステム上でアクティブであり,ネットワークに接続中の場合,ローカル・システムに対するネットワーク・ノード名。 | 適用せず |
SYS$PROCDMP | イメージ・ダンプが書き込まれるディレクトリ(ユーザが設定)。 | 省略時の設定なし |
SYS$SHARE | システム共用イメージのの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSLIB] |
SYS$SPECIFIC | SYS$SYSDEVICE のノード固有部分に対する装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSDEVICE:[SYSn.],ここでnはプロセッサのルート・ディレクトリ番号。 |
SYS$STARTUP | システム起動ファイルの装置およびディレクトリ名。 | まず SYS$SYSROOT:[SYS$STARTUP] ,次に SYS$MANAGER を指す検索リスト。 |
SYS$SYSDEVICE | システム・ディレクトリを含むシステム・ディスク。 | 通常は SYS$DISK |
SYS$SYSROOT | システム・ディレクトリに対する装置およびディレクトリ名。 | まず SYS$SYSDEVICE:[SYSn.](n はプロセッサのルート・ディレクトリ番号),次に SYS$COMMON を指す検索リスト。 |
SYS$SYSTEM | オペレーティング・システムのプログラムとプロシージャの装置およびディレクトリ。 | SYS$SYSROOT:[SYSEXE] |
SYS$TEST | 環境設定テスト・パッケージ(UETP)ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSTEST] |
SYS$UPDATE | システム更新ファイルの装置およびディレクトリ名。 | SYS$SYSROOT:[SYSUPD] |
オペレーティング・システムから提供される共用論理名テーブルは,省略時の保護設定付きで作成されます。それぞれの共用論理名テーブルに対する省略時保護を 表 11-6 に示します。
テーブルの種類 | テーブル名 | 省略時の保護 |
---|---|---|
ジョブ・テーブル | LNM$JOB_xxxxxxxx1 | SYSTEM=RWCD, OWNER=RWCD, GROUP=NO ACCESS, WORLD=NO ACCESS |
グループ・テーブル | LNM$GROUP_gggggg2 | SYSTEM=RWCD, OWNER=R, GROUP=R, WORLD=NO ACCESS |
システム・テーブル | LNM$SYSTEM_TABLE | SYSTEM=RWC, OWNER=RWC, GROUP=R, WORLD=R |
クラスタ単位システム・テーブル | LNM$SYSCLUSTER_TABLE | SYSTEM=RWC, OWNER=RWC, GROUP=R, WORLD=R |
クラスタ単位親テーブル | LNM$CLUSTER_TABLE | SYSTEM=RWC, OWNER=RWC, GROUP=R, WORLD=R |
ユーザが作成したテーブル | ユーザが指定 | SYSTEM=RWCD, OWNER=RWCD, GROUP=NO ACCESS, WORLD=NO ACCESS |
表 11-7 には,それぞれの共用論理名テーブルにおける論理名の作成,削除,読み込み(変換)に必要な特権とアクセス権を示します。特権,アクセス・タイプ,アクセス制御の詳細については,このマニュアルの 第 10 章 を参照してください。
論理名が存在するテーブル | テーブル名 | 作業 | 必要な特権またはアクセス・タイプ |
---|---|---|---|
ジョブ・テーブル | LNM$JOB_xxxxxxxx1 | 論理名の作成または削除 | 論理名を作成する,または削除するテーブルに対して,WRITE(W)アクセス |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス | ||
グループ・テーブル | LNM$GROUP_gggggg2 | 論理名の作成または削除 | 論理名を作成する,または削除するテーブルに対して,WRITE(W)アクセス,または,GRPNAM 特権 |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス | ||
システム・テーブル | LNM$SYSTEM_TABLE | 論理名の作成または削除 | システムの UIC グループ番号(0 からシステム・パラメータ MAXSYSGROUP までの間),または,SYSNAM 特権 |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス | ||
クラスタ単位システム・テーブル | LNM$SYSCLUSTER_TABLE | 論理名の作成または削除 | システムの UIC グループ番号(0 からシステム・パラメータ MAXSYSGROUP までの間),または,SYSNAM 特権 |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス | ||
クラスタ単位親テーブル | LNM$CLUSTER_TABLE | 論理名の作成または削除 | システムの UIC グループ番号(0 からシステム・パラメータ MAXSYSGROUP までの間) |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス | ||
ユーザ作成テーブル | ユーザ指定 | 論理名の作成または削除 | 論理名を作成する,または削除するテーブルに対して,WRITE(W)アクセス |
論理名の読み込み(変換) | 論理名が存在するテーブルに対して,READ(R)アクセス |
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