日本語 Compaq OpenVMS
DEC XTPU
リファレンス・マニュアル


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XTPU$MESSAGE

このルーチンは,MESSAGE 組込みプロシージャを使って,エラー・メッセージと文字列を出力します。

このルーチンをコールすれば,DEC XTPU と同じ方法で,メッセージを出力し,処理することができます。このルーチンは,XTPU$EXECUTE_INFILE を実行したあとで使用しなければなりません。


形式

XTPU$MESSAGE string


戻り値

OpenVMS 用法 条件値
データ型 符号なしロングワード
アクセス 書き込みのみ
受け渡し方 値による


ロングワードの条件値です。

注意

Put Message(SYS$PUTMSG) システム・サービスで使用されるので,戻されるリターン・ステータスは無視しなければなりません。


引数

string

OpenVMS 用法 文字列
データ型 文字列
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 ディスクリプタによる


フォーマットされたメッセージです。string 引数は,出力されるテキストのディスクリプタのアドレスです。これは完全にフォーマッティングしておかなければなりません。このルーチンはメッセージ・プリフィックスを追加しません。しかし,メッセージ・バッファが存在する場合には,テキストがメッセージ・バッファに追加されます。さらに,バッファがウィンドウにマッピングされている場合には,そのウィンドウは更新されます。


XTPU$PARSEINFO

このルーチンはコマンドを解析し,XTPU$INITIALIZE のためにアイテム・リストを作成します。

形式

XTPU$PARSEINFO fileio, call_user


戻り値

OpenVMS 用法 アイテム・リスト
データ型 符号なしロングワード
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 参照による


このルーチンは,アイテム・リストのアドレスを返します。


引数

fileio

OpenVMS 用法 符号なしロングワード・ベクタ
データ型 バウンド・プロシージャ値
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 ディスクリプタによる


ファイル入出力ルーチンです。fileio 引数は,ファイル入出力ルーチンのディスクリプタのアドレスです。

call_user

OpenVMS 用法 符号なしロングワード・ベクタ
データ型 バウンド・プロシージャ値
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 ディスクリプタによる


コールユーザ・ルーチンです。call_user 引数は,コールユーザ・ルーチンのディスクリプタのアドレスです。


説明

XTPU$PARSEINFO ルーチンはコマンドを解析し,XTPU$INITIALIZE のためにアイテム・リストを作成します。

このルーチンは,現在のコマンドを解析するために,コマンド言語インタプリタ (CLI)ルーチンを使用し,DEC XTPU が期待するコマンド・パラメータと修飾子に関する照会を行います。この照会結果は,アイテム・リストに正しい情報を設定するときに使用されます。リストに含まれる各アイテムに対して,ユーザ・ルーチンのアドレスが使用されます。このリストのアドレスが,ルーチンから戻される値として使用されます。

ユーザのアプリケーションがDEC XTPU の動作に無関係の情報をコマンド・ラインから解析している時には,アプリケーションは XTPU$PARSEINFO を呼び出す前にすべての情報の解析を終っていなければなりません。XTPU$PARSEINFO は XTPU$PARSEINFO を呼びだす前に得たコマンド行の解析の情報を破壊します。


XTPU$SPECIFY_ASYNC_ACTION

このルーチンは DEC XTPU の完全なコール可能インタフェースを使用したアプリケーションが DEC XTPU に非同期動作を登録するときに使用されます。

形式

XTPU$SPECIFY_ASYNC_ACTION facility_index ,[xtpu_statement]


戻り値

OpenVMS 用法 条件値
データ型 符号なしロングワード
アクセス 書き込みのみ
受け渡し方 値による


ロングワードの条件値です。ユーティリティ・ルーチンはほとんど,条件値を R0 に戻します。このルーチンから戻される可能性のある条件値は, "戻される条件値" にまとめられています。


引数

facility_index

OpenVMS 用法 符号なしロングワード
データ型 符号なしロングワード
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 参照による


facility_index 引数は非同期動作のINDEXを指定します。このINDEXは, XTPU$TRIGGER_ASYNC_ACTION ルーチンと共に用いられ,DEC XTPU に実行される動作を知らせます。xtpu_statement 引数を指定しなければ,動作の取り消しができます。アプリケーションが必要ならば,複数個の非同期動作を登録することもできます。値は任意の正の整数です。

xtpu_statement

OpenVMS 用法 文字列
データ型 文字列
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 ディスクリプタによる


XTPU$TRIGGER_ASYNC_ACTION が呼ばれたときに実行される DEC XTPU ステートメントです。ステートメントはコンパイルされ内部に格納されます。この引数を指定しないと,DEC XTPU は非同期イベントのリストから指定した動作を削除します。


説明

このルーチンは XTPU$TRIGGER_ASYNC_ACTION と共に XTPU$CONTROL が呼ばれた後に,アプリケーションが DEC XTPU を中断する手段を提供します。

指定された DEC XTPU ステートメントは実行アイテムのキューに登録され,他の実行アイテムがなくなったら処理されます。このため,DEC XTPU は実行中の動作を終了でき,コマンドの実行の前に環境を安定させることができます。このルーチンは XTPU$INITIALIZE の後に呼ばれなければなりません。しかし,キー・ジャーナリングが動作していると正常終了しません。実行される動作は DEC XTPU の XTPU$INITIALIZE の呼び出しの後で指定しなければならないため,簡単なコール可能インタフェースの XTPU$XTPU と共には使用できません。


戻される状件値

XTPU$_SUCCESS 正常終了したことを示します。
XTPU$_COMPILEFAIL xtpu_statement 引数に指定されたコードが正常にコンパイルできません。
XTPU$_INVPARM 引数が正しくありません。
XTPU$_JNLACTIVE キー・ジャーナリングが動作中です。このルーチンを正しく動作させるためにはバッファ・ジャーナリングが必要です。


XTPU$TRIGGER_ASYNC_ACTION

このルーチンは,DEC XTPUの完全なコール可能インタフェースを使用したアプリケーションがDEC XTPUの XTPU$CONTROL ループを非同期に中断させるときに使用されます。

形式

XTPU$TRIGGER_ASYNC_ACTION facility_index


戻り値

OpenVMS 用法 条件値
データ型 符号なしロングワード
アクセス 書き込みのみ
受け渡し方 値による


ロングワードの条件値です。ユーティリティ・ルーチンはほとんど,条件値を R0 に戻します。このルーチンから戻される可能性のある条件値は,"戻される条件値" にまとめられています。


引数

facility_index

OpenVMS 用法 符号なしロングワード
データ型 符号なしロングワード
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 参照による


facility_index 引数は非同期動作のINDEXを指定します。このINDEXは,実行される DEC XTPU ステートメントを登録するときにXTPU$SPECIFY_ASYNC_ACTION ルーチンに渡された値です。


説明

このルーチンは XTPU$SPECIFY_ASYNC_ACTION と共に XTPU$CONTROL が呼ばれた後に,アプリケーションが DEC XTPU を中断する手段を提供します。指定された DEC XTPU ステートメントは実行アイテムのキューに登録され,他の実行アイテムがなくなったら処理されます。このため,DEC XTPU は実行中の動作を終了でき,コマンドの実行の前に環境を安定させることができます。このルーチンは XTPU$CONTROL ルーチンで DEC XTPU に制御を渡した後で呼ばれなければなりません。

戻される状件値

XTPU$_SUCCESS 正常終了したことを示します。
XTPU$_UNKFACILITY このルーチンに渡された facility_index 引数がXTPU$SPECIFY_ASYNC_ACTION に渡されたINDEXと一致しません。


XTPU$XTPU

このルーチンはDEC XTPU を起動します。これは DCL の DEC XTPU コマンドと同じです。

形式

XTPU$XTPU command


戻り値

OpenVMS 用法 条件値
データ型 符号なしロングワード
アクセス 書き込みのみ
受け渡し方 値による


ロングワードの条件値です。ユーティリティ・ルーチンはほとんど,条件値を R0 に戻します。このルーチンから戻される可能性のある条件値は,"戻される条件値"にまとめられています。


引数

command

OpenVMS 用法 文字列
データ型 文字列
アクセス 読み取りのみ
受け渡し方 ディスクリプタによる


コマンド文字列です。command 引数は,コマンド・ラインのディスクリプタのアドレスです。コマンド名には,XTPU を使います。


説明

このルーチンは,指定されたコマンド文字列を使用し,それをエディタに渡します。 DEC XTPU は,DCL レベルからコマンドをタイプした場合と同様に,初期化のために,このコマンド文字列の情報を使用します。

単純なコール可能インタフェースを使用する場合には,XTPU$CLOSE_SECTION はセットされません。この機能を使用すれば,XTPU$XTPU を2回以上コールすることができ,コールするたびにセクション・ファイルをオープン/クローズする必要はありません。

もし,アプリケーションが DEC XTPU の操作に関係しない修飾子情報を解析するときには,そのアプリケーションが XTPU$EDIT をコールする前にすべての DEC XTPU に関係しない修飾子情報を入手している必要があります。その理由は,XTPU$EDIT が呼ばれる前のすべての修飾子情報を破壊してしまうからです。


戻される条件値

XTPU$INITIALIZE,XTPU$EXECUTE_INIFILE,XTPU$CONTROL,および XTPU$CLEANUP から戻されるすべての条件値です。


付録 A
DEC XTPUにおける端末装置のサポートと制限事項

A.1 サポートされる端末装置

DEC XTPU がスクリーン編集機能をサポートする端末装置は,VT80, VT280 シリーズ,VT382 の DEC 社製の漢字端末装置です。また,弊社の製品あるいは他社製の端末装置で VT80,VT280 シリーズの機能をエミュレートするものは,そのエミュレータの制限内においてサポートされます。

弊社の製品ではないターミナルやターミナル・エミュレーション・ソフトウェアなどでDEC XTPU を使用する場合には,ターミナルの設定の他に標準版 OpenVMS および日本語 OpenVMS におけるターミナルの設定について注意する必要があります。 DEC XTPU に影響を及ぼすターミナル設定の属性については『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。

A.2 制限事項

サポートされる端末装置のうちいくつかのものは,DEC XTPU の持つ機能の一部を実行できない場合があります。

A.2.1 DEC 漢字 1978 年版対応の端末装置

VT280 シリーズの端末装置のうち DEC 漢字 1978 年版対応のもの,および VT80 端末装置では,DEC 漢字 1983 年版で変更になった漢字を正しく表示しません。

A.2.2 132 カラム・モード

VT80 端末装置や漢字ターミナル・エミュレーション・ソフトウェアの中には, 132 カラム・モードがサポートされていないものがあります。これらの端末装置を用いる場合でも,DEC XTPU は 80 カラムを越えるウィンドウ幅の指定を受け付けますが,スクリーン上のウィンドウ幅は正しく設定されません。また,その後のDEC XTPU の動作は保証されません。これらの端末装置を用いる場合には,ウィンドウ幅を 80 カラムに固定して使用してください。

A.2.3 罫線コード

日本語 OpenVMS の V4.6 以降では,罫線コードとして,DEC 漢字 1983 年版の罫線コードが使われています(8区に含まれる 32 文字)。したがって, DEC XTPU の SYMBOL 組込みプロシージャなどで生成される罫線コードは,すべて DEC 漢字 1983 年版の罫線コードとなります。DEC 漢字 1983 年版対応の VT280 シリーズおよび VT382 のターミナルでは,日本語 OpenVMS の機能によって,1978 年版,1983 年版両方の罫線を見ることが可能ですが, DEC XTPU が正しく動作するためには,テキストに含まれる罫線コードは, 1983 年版に統一されていることが必要です。


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