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V1.3
ローカル・ネットワーク・コネクション上で動作していて,要求が集中しているアプリケーションがウィンドウ・マネージャによって強制的にクローズされた場合,多少の遅延が発生することがあります。たとえば,DECW$EXAMPLES:ICO アプリケーションをローカル・ディスプレイからクローズしようとすると,アプリケーション・ウィンドウがクローズするまでに少し時間がかかります。
この現象は,ウィンドウ・マネージャ (DTWM) とサーバ・プロセスの間のリソースの競合によって発生します。この問題を回避するには,DECW$SERVER_PRIORITY パラメータを使用してサーバ・プロセスの優先順位を下げます。詳しくは 『HP DECwindows Motif for OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。
2.2.3 Display PostScript のサポートの終了
V1.2--6
1998年8月1日から, Adobe Display PostScript ソフトウェアはサポートされなくなりました。これは,Adobe Systems 社が Display PostScript のサポートを打ち切ったことに伴う措置です。
この措置により,Adobe Display PostScript ソフトウェアを使用していた DECwindows Motif アプリケーションの動作に及ぼした影響はさまざまです。たとえば,日本語 DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2--6 から,ブックリーダは PostScript フォーマットのグラフィックスを表示することができません。
この措置により個々の DECwindows アプリケーションに及ぼした影響については,次のリリース・ノートを参照してください。
DECwindows Motif 環境用に設計されたユーザ作成のアプリケーションやサード・パーティ製のアプリケーションに及ぼすおそれのある影響については, 第 4.1.6 項 を参照してください。
2.2.4 「テア・オフ」メニューのサポートの制限
V1.2--3
次のアプリケーションは「テア・オフ」メニューをサポートしていません。
2.2.5 "System Menu Bar: Pseudo Mouse Not Available" のメッセージの意味
"System Menu Bar: Pseudo Mouse not available" は,セッションを実行したときに DECW$USER_DEFAULTS:DECW$SM.LOG ファイルに書き込まれる情報メッセージです。これはエラー・メッセージではありません。このメッセージが書き込まれるのは, OpenVMS セッション・マネージャが,非 OpenVMS サーバに対してリモートで実行されたときです。 OpenVMS サーバでは疑似マウス・モードが提供され,矢印キーを使用してマウス・カーソルを動かすことができます。
2.2.6 OSF/Motif リリース1.1.3に対してリンクされたアプリケーションからの印刷
プリント・キューを持たないシステム上で印刷を実行しようとしたとき, OSF/Motifリリース1.1.3にリンクされているアプリケーションが異常終了することがあります。 OSF/Motifリリース 1.1.3のライブラリにリンクされ, DECwindows標準の印刷ダイアログ ([印刷ウィジェット])を使用するレイヤード製品も影響を受けます。
考えられる解決策としては, DECwindows印刷ダイアログを表示しないようにするか,自分のシステムでプリント・キューを定義するようにします。プリント・ジョブを受け付けるだけであれば,プリント・キューがプリンタに接続されている必要はありません。プリント・キューがプリンタに接続されていないことを意味するキューの名前 (例: NULL_PRINTER) を指定してください。
2.3 New Desktop 環境
この節は, New Desktop 環境に関するリリース・ノートです。
2.3.1 マルチヘッド構成でスタイル・マネージャが正しいワークスペースに背景を設定しない問題の解決
V1.3--1
マルチヘッド構成の DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2--5 以降のシステムで発生していた背景の設定に関する問題は修正されました。スタイル・マネージャ (DTSTYLE) は正しいワークスペースに背景を設定するようになりました。
2.3.2 スクリーン・セーバがセッション・マネージャ・ログ・ファイル DECW$SM.LOG にエラー・メッセージを記録する問題の解決
V1.3--1
DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2--4 以降のシステムでは,ディスプレイがアンロックされスクリーン・セーバが終了すると, New Desktop のスクリーン・セーバが競合状態を検出する場合がありました。その結果,複数の X エラーが繰り返し報告され,セッション・ログ・ファイル DECW$SM.LOG に記録されていました。最終的に,ログ・ファイルが拡大してディスクの空き領域がなくなったり,アクセス違反が発生したりしていました。
スクリーン・セーバが使用しているウィンドウの 1 つをアプリケーションが不適切に削除した場合も,この問題が発生していました。
この問題は修正され,スクリーン・セーバは,終了するまでにエラー・メッセージを最大でも 1 つしか記録しなくなりました。さらに,このエラー・メッセージには,タイム・スタンプをはじめ,エラーの発生源を特定するのに役立つその他の情報も含まれるようになりました。
2.3.3 有効なすべてのオプションの組み合わせを [セキュリティ・オプション] ダイアログ・ボックスで選択可能
V1.3--1
DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.3 では, [セキュリティ・オプション] ダイアログ・ボックスで,クライアント・セキュリティ・オプションとサーバ・セキュリティ・オプションの有効なすべての組み合わせを選択または設定することができませんでした。
本バージョンでは,このダイアログ・ボックスは変更され,有効なすべてのオプションを選択できるようになり,さらに変更のたびに [適用] ボタンをクリックせずに複数の変更を行うことができるようになりました。
2.3.4 完全なファイル指定の DTPAD のバナーへの表示
V1.3
ファイル・マネージャ (DTFILE) からファイルを選択して,DTPAD でオープンして編集するときに,ウィンドウ・バナーに完全なファイル指定 (ノード,ディスク,ディレクトリ,およびファイル名) が表示されなくなりました。ファイル指定のうち,ファイル名の部分だけが表示されます。
2.3.5 マルチヘッド・システムでスタイル・マネージャが誤ったセキュリティ・オプションを表示する問題
V1.3
スクリーン 0 以外のスクリーンから,スタイル・マネージャを使用して [スタイル・マネージャ---セキュリティ] ダイアログ・ボックスにアクセスすると,このダイアログ・ボックスに表示される設定が誤っていることがあります。
この現象を回避するには,[スタイル・マネージャ---セキュリティ] ダイアログ・ボックスを必ずスクリーン 0 から表示します。アプリケーション・マネージャから起動される [デスクトップツール] に含まれている [デフォルト画面の設定] ツールを使用して,スタイル・マネージャを表示するスクリーンを選択します。
この問題は,XINERAMA 無しで構成したマルチヘッド・システムでのみ発生します。 XINERAMA の場合,論理スクリーンは 1 つしかありません。
2.3.6 デフォルトで設定されるスクリーン・セーバとスクリーン・ロック
V1.2--6
DECwindows Motif の初期起動時に,スクリーン・セーバ (タイムアウトは 10 分) とスクリーン・ロック (タイムアウトは 30 分) はデフォルトで有効に設定されます。
これらのデフォルト値は変更できます。スタイル・マネージャにアクセスして, [スクリーン・セーバ] の設定を変更 (および保存) してください。
2.3.7 ホーム・セッションを設定するとデスクトップ・アプリケーションが消える問題
V1.2--6
スタイル・マネージャで [起動] を選択したのちに [ホームセッションを設定] を選択すると,アプリケーション・マネージャを使用して以前に起動したアプリケーションが消えます。これは,アプリケーション・マネージャでこれらのアプリケーションを起動したのち,ホーム・セッションを設定する前にアプリケーション・マネージャをクローズした場合に起こることがあります。
解決策として,[アプリケーション・マネージャ] ウィンドウをオープンしたままにしておいてください。
2.3.8 DTSESSION ログ記録の問題
V1.2--5
ディスクの空き領域がなくなるまで, DTSESSION がログ・ファイルにエラーを記録し続ける場合があります。たとえば, DECW$DISPLAY を不正な値に設定している場合や CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN]DTSCREEN.EXE が正常にインストールされていない場合などに,この問題が発生する可能性があります。
New Desktop のセッション・マネージャ (DTSESSION) は,スクリーン・セーバ (DTSCREEN) を起動できない場合,ログ・ファイル device:[user.DT]ERRORLOG にエラーを記録します。 DTSESSION は,スタイル・マネージャの "ロック画面の切り替え時間" パラメータで指定された間隔でこのエラーを書き込みます。この間隔はユーザによる設定が可能です。
この問題を回避するには, "ロック画面の切り替え時間" パラメータの値を大きくして最大値 (120分) にします。あるいは,この問題が発生した場合には,画面をロックする代わりに New Desktop を終了します。
2.3.9 拡張ファイル指定でのファイル・マネージャの問題
V1.2--5
File Manipulation Error Cannot create "sys$sysroot:[sysmgr.dt.trash]qwertyuiopasdfghjklzxcvbnm- QWERTYUIOPASDFGHJKLZXCVBNM.LONG_NAME;1" The most common cause is that you do not have the correct permissions for the involved files or folders. To view permissions, select the object and then select "Change Permissions..." from the Selected or popup menu. |
これらのファイルは,DCL レベルで削除することができます。
File Manipulation Error Cannot create "sys$sysroot:[sysmgr.dt.trash]qwertyuiopasdfghjklzxcvbnm- QWERTYUIOPASDFGHJKLZXCVBNM.LONG_NAME;1" The most common cause is that you do not have the correct permissions for the involved files or folders. To view permissions, select the object and then select "Change Permissions..." from the Selected or popup menu. |
長いファイル名のファイルでも,DCL レベルではパージすることができます。
2.3.10 DECwriteアイコンで DECwriteプログラムが起動しない
V1.2--5
DECwindows に DECwrite プログラムは含まれていませんが, New Desktop には DECwriteアイコンがあらかじめ用意されています。 DECwrite製品をインストールしていない場合, DECwriteアイコンをクリックすると,次のエラー・メッセージが表示されます。
> RCV'D (pid 000000CA): %DCL-W-IVVERB, unrecognized command verb - check validity and spelling -> RCV'D (pid 000000CA): \DECWRITE\ -> RCV'D (pid 000000CA): TESTER logged out at 29-JUL-1998 17:56:44.63 |
DECwrite製品をインストールしているにもかかわらずこのエラーが発生する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM 内で DECwrite を起動しているかどうかを確認してください。
2.3.11 TPU ウィンドウをオープンしたままでセッションを終了したときの遅延
V1.2--4
セッション終了時またはホーム・セッション保存時に, DECwindows テキスト・プロセッシング・ユーティリティ (TPU) のウィンドウが表示されるまでに 1 分間の遅延が発生します。
TPU (EVE エディタ) の DECwindows インタフェースは,状態を保存する必要があるかどうかの通知を必要としますが,セッション・マネージャから送信される通知には応答しません。セッション・マネージャは, 1 分間だけ応答を待ってから処理を継続します。このために遅延が発生します。
2.3.12 dximageview による TIFファイルの参照
V1.2--4
dximageviewを使用して, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリからTIFフォーマットのファイルを表示しようとした場合,次の警告メッセージが表示されます。
TIFFOpen: Warning, unknown field with tag 34209 (0x85a1) ignored. TIFFOpen: XResolution: Rational with zero denominator (num = 200). |
このエラーは, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリ内にあるTIFファイルが対象の場合にのみ発生します。これは単なる警告メッセージで,ファイルはイメージ・ビューアによって正しく表示されます。
2.3.13 テキスト・エディタの制限事項
V1.2--4
New Desktop に組み込まれているテキスト・エディタについては,『共通デスクトップ環境: ユーザーズ・ガイド』の第 10 章で説明しています。現在,次の問題と制限事項があります。
V1.2--4
アプリケーション・マネージャの [検索] ダイアログ・ボックスおよびヘルプ・ビューアによって報告されるエラー・メッセージは,ファイル名がOpenVMS標準形式でなくUNIX形式で表示されます。たとえば,SYS$SYSROOT:[SYSMGR]LOGIN.COMは, /sys$sysroot/sysmgr/login.comと表示されます。
2.3.15 フロントパネルの時計はアイコンのみ
New Desktop のフロントパネルの時計は,アナログ時計表示でシステムの現時刻を表示するアイコンです。このアイコンにはその他の機能はなく,このアイコンをクリックまたはダブル・クリックしても何も起こりません。
2.3.16 ToolTalkアクションの未サポート
『共通デスクトップ環境: 上級ユーザー及びシステム管理者ガイド』の説明にある,アクション定義ファイル(*.dt)へのToolTalk アクションの定義は,サポートされていません。本バージョンでインストールされているアクション定義ファイルには, ToolTalkアクションの一部が入っていますが,これらのアクションの変更はサポートされていません。このため,変更した場合には New Desktop の一部の機能が動作しなくなる可能性があります。
2.3.17 セッション・マネージャの保存および復元の制約
New Desktop に装備されているセッション・マネージャは,ブックリーダ,漢字端末エミュレータ,カレンダの各 DECwindows Motif アプリケーションについて, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートしています。
このセッション・マネージャ・アプリケーションは, DECwindows Motif V1.3 システムで利用でき, X11R6.6 に組み込まれているセッション・マネージャ・プロトコルとは異なります。 |
このプロトコルを活用するよう作成されたアプリケーションでは,次の処理が可能です。
New Desktop の各アプリケーションは保存および復元機能をサポートしていますが,既存の DECwindows Motif アプリケーションの多くは, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートするように変更されていません。
既存のアプリケーションと新しいアプリケーションの違いは,次のようなログインおよびログアウト時に見られます。
既存の DECwindows Motif アプリケーションであっても, DECwindows 電子メールなど保存および復元機能をサポートしているものがあります。
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