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表 2-1 には,漢字端末エミュレータがサポートする論理名が記載されています。これらの論理名が LOGIN.COM ファイルで定義されていない場合,コントローラは省略時の値を使用します。
論理名 | 説明 |
---|---|
DECTERM_DIAG | 診断メッセージを可能にします。 |
DECTERM_SHOW_PARSING | 構文解析どおりに文字を表示します。 |
DECW$DECTERM_OUTPUT | 診断出力ファイル名。省略時は SYS$OUTPUT。 |
DECW$DECTERM_REGIS_CURSOR | ReGIS に使用するカーソルを指定します。 |
DECW$TERMINAL_NODENAME | コントローラが別の名前を見つけられないときに使用するノード名。 |
DECW$DECTERM_CTRL_SSRWAIT | コントローラ用の SSRWAIT フラグに 1 を設定します。 |
DECW$DECTERM_CTRL_PSWAPM | コントローラ用の PSWAPM フラグに 1 を設定します。 |
DECW$DECTERM_CTRL_WSEXTENT | コントローラ用に WSEXTENT クォータを設定します。 |
DECW$DECTERM_CTRL_WSQUOTA | コントローラ用に WSQUOTA クォータを設定します。 |
DECW$DECTERM_DISABLE_QUOTA_CHECKING | クォータ・チェックをオフにします。 |
DECW$DECTERM_MEM_DIAG | コントローラのクォータ計算を表示します。 |
ポート装置への画面印刷サービスを使用するには,そのポート装置に対する読み込みおよび書き込み特権が必要です。コントローラが装置に対するアクセスを必要とするため,装置を割り当てただけでは画面印刷を行うことはできません。その装置を WORLD:RW に設定してください。
たとえば, VAX 3100 のプリンタ・ポートを使用する場合は,特権アカウントから次のコマンドを入力するか,システム・スタートアップ・ファイルに含めておかなければなりません。
$ SET PROTECTION=WORLD:RW TTA3:/DEVICE |
画面ホールド・キーの応答時間が遅すぎる場合には,使用している DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT あるいは DECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DAT ファイルに次の行を追加します。
DECW$TERMINAL.main.terminal.syncFrequency: 1 DECW$TERMINAL.main.terminal.batchScrollCount: 1 |
これらのリソースの使用によって,漢字端末エミュレータ・ウィンドウの性能が影響を受ける場合があります。影響の度合いはサイトによって異なります。スクロールの速度を犠牲にして画面ホールドの反応時間を向上することができます。画面ホールドの反応速度を速めると,スクロールの速度は遅くなります。省略時には,これらのリソースは,それぞれ 10 と 0 に設定されています。
2.5.3.17 漢字端末エミュレータのグラフィックス
次は,漢字端末エミュレータのグラフィックスに固有の情報です。
システムのリソースおよびクォータに許可された数よりも多くの端末ウィンドウを作成することはできません。前バージョンの漢字端末エミュレータでは,クォータを超えた場合に漢字端末エミュレータのコントローラ・プロセスがクラッシュし,すべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウが消えてしまいました。本バージョンでは,リソースが不足した場合は,ダイアログ・ボックスが表示されて,これ以上は漢字端末エミュレータ・ウィンドウを増やせないことを示すメッセージが通知されます。
各漢字端末エミュレータ・ウィンドウのメモリ要求を減らして,新しい端末ウィンドウを作成するには, [表示]ダイアログ・ボックスの[保存行]の数を減らし,各漢字端末エミュレータ・ウィンドウの桁数を減らしてください。
リソースの上限に達した場合は,一旦ホスト・システム上で実行しているすべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウからログ・アウトしないかぎり,端末ウィンドウの数を増やすことはできません。
2.5.3.19 診断クラッシュ・ファイルおよびメッセージ
致命的な重大度レベルの状態コードが返されると,漢字端末エミュレータは診断ファイルを作成します。漢字端末エミュレータが異常終了した場合は,ファイル DECTERM_ERROR.LOG がログイン・ディレクトリに作成されます。漢字端末エミュレータに問題が発生した場合は,弊社のサービス担当者にログ・ファイルのコピーを提出してください。問題がなくてもログ・ファイルが作成される場合があるので,ログ・ファイルが作成されたからといって問題が発生しているとはかぎりません。したがって,ログ・ファイルだけが単独で作成された場合は,問題が生じたとはいえません。
DECTERM_DIAG という論理名またはシンボルを定義することによって,追加レベルの診断メッセージを使用することができます。これを定義した場合,拡張された診断メッセージが漢字端末エミュレータによって表示されます。このモードは問題の診断にのみ使用してください。このモードでは,セッション・マネージャから新しい漢字端末エミュレータを作成するたびに,セッション・マネージャのメッセージ・ウィンドウが作成されます。
論理名 DECW$DECTERM_OUTPUT をファイルを指すように定義して,通常の漢字端末エミュレータ診断を有効にすることもできます。
2.5.3.20 デバッガの使用
デバッガからの出力を漢字端末エミュレータ・ウィンドウにリダイレクトするには,次のコマンドを入力します。
$ CREATE/TERMINAL/NOPROCESS/DEFINE=xxx |
このコマンドが生成する漢字端末エミュレータには対応するプロセスはありませんが,端末を指す論理名 "xxx" があります。この手法によって,アプリケーションを実行していない別の漢字端末エミュレータに出力をリダイレクトすることが可能となります。出力をリダイレクトするには次のコマンドを入力します。
$ DEFINE /USER DBG$INPUT xxx: $ DEFINE /USER DBG$OUTPUT xxx: $ RUN /DEBUG application.EXE |
仮想端末を使用するプロセスを作成するには,次のコマンドを入力します。
$ CREATE/TERMINAL/NOPROCESS |
続いて新しく作成した DECterm にフォーカスを設定し, Return キーを押してログインします。 /DEFINE 修飾子は必要でないことに注意してください。
2.5.3.22 VT330 および VT340 端末エミュレータの制限事項
漢字端末エミュレータには, ReGIS およびシクセル・グラフィックスなどの VT330 および VT340 シリーズ・ビデオ端末の機能のいくつかが組み込まれました。しかし,漢字端末エミュレータは,完全な VT330 および VT340 端末エミュレーション機能を提供するものではありません。
漢字端末エミュレータには次の制限があります。
2.5.3.23 CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS の使用
ユーザ名と同一のプロセス名を持つプロセスがシステム上で実行されている場合を除き,修飾子/PROCESS=procnam は,修飾子 /DETACHED とともに使用すると正常に機能しません。
この問題を避けるには,次のコマンド・プロシージャを使用してください。
$! CREATE_TERM_PROC.COM $! $! Invoke as SPAWN/NOWAIT @CREATE_TERM_PROC procname $! $ SET NOON $! $! Set Process name to username $! $ X = F$CONTEXT("PROCESS", PID, "PRCNAM", "''F$PROCESS()'","EQL") $ NAME = F$EDIT(F$GETJPI(X,"USERNAME"),"COLLAPSE") $ SET PROCESS/NAME="''NAME'" $ CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS="''P1'" $! $! Allow new process to RUN LOGINOUT before exiting subprocess $ WAIT 00:00:10 |
修飾子 /PROCESS=procnam にすでに使用されているプロセス名を指定した場合,漢字端末エミュレータは作成されますが,漢字端末エミュレータ内部のプロセス作成に失敗します。この場合, DCL コマンドの CREATE/TERMINAL から次のエラー・メッセージが通知されます。
%SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name |
漢字端末エミュレータが R(P(I))コマンドに応じて,あるいは複数の入力モードでReGIS ロケータ・レポートを送信し,そのロケータ位置がアドレス可能な領域を外れていた場合,漢字端末エミュレータは座標を省略してロケータ・レポートを送信します。たとえば,A キーを押すと次のレポートを生成します。
A[]<CR>, where <CR> is a carriage return (ASCII code 13). |
この項は,DECwindows CD プレーヤ・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.5.4.1 必要な特権
DECW$EXAMPLESディレクトリの DECwindows CD プレーヤ (DECW$CDPLAYER) アプリケーションでは, PHY_IO および DIAGNOSE特権がないと, CD プレーヤのハードウェアを動作させることはできません。ユーザのプロセスまたはイメージのいずれかにこれらの特権が必要です。
2.5.5 電子メール
この項は,電子メール・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.5.5.1 Display PostScript のサポートの終了
DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,電子メールでは PostScript コードのみのメッセージの表示をサポートしていません。電子メールの以前のバージョンでは, PostScript を含むメール・メッセージがあることを検出すると, Display PostScript を使用してそのメッセージを表示していました。
現在では,電子メールで PostScript コードのみのメッセージを検出すると,次のエラー・メッセージを表示します。
[This PostScript® message cannot currently be displayed.] |
回避策としては,[ファイル] メニューで [Extract] オプションを使用し, ([Extract] ダイアログ・ボックスで [Include Header Information] の選択を解除して),取り出したファイルをプリントします。
2.5.5.2 ディレクトリ・ウィンドウからのメッセージのペースト
電子メールでは,ユーザがMB1を使用してディレクトリ・ウィンドウで 1つ以上のメッセージを選択してから,漢字端末エミュレータなどの別のウィンドウでMB2をクリックすると,選択したメッセージ全部がこの別のウィンドウにペーストされます。選択したメッセージはディレクトリ・ウィンドウでは反転表示されていますが,別のウィンドウにペーストされたテキストは反転表示になりません。
2.5.5.3 キーボード操作への応答
V1.2--3
OSF/Motifスタイル・ガイドへの適合性をさらに高めるために DECwindows Mailアプリケーションが拡張されたことで,キーボード操作に対するアプリケーションの応答の一部が変更されました。次の変更点に注意してください。
[作成/送信]ウィンドウでTabキーを使用してテキスト入力ボックス間を移動する場合,カレント・フィールドが強調表示されなくなりました。フィールドを選択するには,MB1のダブル・クリックまたはトリプル・クリック, Shift+Alt - >キー・シーケンスなど標準的な Motif 操作アクションのいずれかを使用してください。
いくつかのダイアログ・ボックスでは, Selectキーまたはスペース・バーのいずれかを押すことで,キーボードからプッシュ・ボタンをアクティブにすることができます。 ReturnキーとEnterキーはダイアログ・ボックス内のほかのウィジェットにバインドされています。従来どおりMB1をクリックしてプッシュ・ボタンをアクティブにする方法もあります。
2.5.5.4 電子メールでカラー・カスタマイザを使用する
V1.2
DECW$EXAMPLES ディレクトリに入っているカラー・カスタマイザのサンプル・プログラムを使用して DECwindows メールの色を調節する場合,色の変更に使用するDECwindowsメールの[カラー設定]ダイアログ・ボックスが,現在のカラー値を正しく反映しないことがありますが,これは正常な動作です。これらの値の変更には, DECwindows メール[カラー設定]ダイアログ・ボックスではなく,カラー・カスタマイザを使用してください。別の方法としては,カラー・カスタマイザを終了して, DECwindows メールを再起動します。カラー・カスタマイザについては 『HP DECwindows Motif for OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。
2.5.6 ノートパッド
この項は,ノートパッド・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.5.6.1 ノートパッドとOSF/Motifリリース1.1.3ツールキットとのリンク
V1.2--3
ノートパッド・アプリケーションは, OSF/Motifリリース1.1.3ツールキットとリンクされています。 DECwindows Motif V1.3 製品で提供される OSF/Motifリリース1.2.3 ツールキットとのリンク用には修正されていません。次の制限があります。
この項は,ペイント・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.5.7.1 個人のカラーマップ
カラー・イメージを表示および編集するためのカラーマップ・エントリがワークステーションに不足している場合は,個人のカラーマップが作成されます。この場合,ペイント・イメージの本来の色は保持されますが,ワークステーションの残りの色は変更されてしまいます。色を元の状態に戻すには,別のウィンドウをクリックして,入力フォーカスを別のウィンドウに移動してください。
2.5.7.2 特定のペイント操作の性能が遅い
GPX システムの場合,ブラシ・ストロークを描くなどの簡単な基本操作でも処理に時間がかかることがあります。この理由は,オブジェクトを描くときにピックスマップがピックスマップ・メモリにスワップされるからです。ペイントの処理に時間がかかる場合は,鉛筆ツールをクリックし,鉛筆でイメージ領域に点を描きます。こうすれば,最初に鉛筆をクリックした後の性能が向上します。
イメージ(特にカラー・イメージ)を編集するとき, [オプション]メニューから[絵のサイズ...]項目を選択することによって,イメージ領域のサイズを変更することができます。サイズを小さくすると,イメージ領域に必要なピックスマップ・メモリ量が減ります。
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