日本語 HP DECwindows Motif
for OpenVMS Alpha
リリース・ノート


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2.5.8 セッション・マネージャ

この項は,セッション・マネージャ・アプリケーションに関するリリース・ノートです。

2.5.8.1 [ユーザの構成] への,予約文字を含むノード名の指定

V1.2

X サーバにアクセスできるユーザのリストを [ユーザの構成] ダイアログ・ボックスに指定するとき,ノード名に次のいずれかの文字が入っている場合は,引用符で囲んでください。

セッション・マネージャは,ノード名が二重引用符で始まらない場合,必要であればノード名に自動的に引用符を付加します。ノード名が二重引用符で始まっている場合,セッション・マネージャは,ユーザが既にそのノード名に引用符を付けているものと見なして変更を行いません。

引用符に囲まれた文字列の中の二重引用符は, 2つの二重引用符("")に置き換えてください。たとえば, DEC:.zko."my node"という文字列は次のように変更します。


("DEC:.zko.""my node"""). 

2.5.8.2 セッション・マネージャでのカラー・カスタマイザの使用

V1.2

DECW$EXAMPLESディレクトリに入っているカラー・カスタマイザのサンプル・プログラムを使用して,セッション・マネージャの色を調節する場合,色の変更に使用するセッション・マネージャの[色設定]ダイアログ・ボックスが,現在のカラー値を正しく反映しないことがありますが,これは正常な動作です。これらの値の変更には,セッション・マネージャ [色設定] ダイアログ・ボックスではなく,カラー・カスタマイザを使用してください。別の方法としては,カラー・カスタマイザを終了してセッション・マネージャを再起動します。カラー・カスタマイザについての詳細は, 『HP DECwindows Motif for OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。

2.5.8.3 省略時に生成される独立プロセスがあるために他のアプリケーションが開けないことがある

V1.1

ファイルビューおよびセッション・マネージャによって生成されるアプリケーションは独立プロセスとなります。

これは, SYS$MANAGER:SYLOGIN.COM および SYS$LOGIN:LOGIN.COM コマンド・プロシージャがアプリケーション起動時に実行されることと密接な関係があります。これらのコマンド・プロシージャで実行される (SYS$INPUT から読み込む) コマンドは,ファイルビューあるいはセッション・マネージャがアプリケーション起動に使用するデータを読み込んでしまいます。これによってアプリケーションの起動が妨げられます。 INQUIRE,READ/PROMPT,SET TERMINAL/INQUIRE などがこのようなコマンドの例です。

SYLOGIN.COM または LOGIN.COM コマンド・プロシージャが大き過ぎる場合,アプリケーションの起動が遅くなります。 SYLOGIN.COM や LOGIN.COM で実行される処理の多くは DECwindows アプリケーションの起動にとって意味がありません。このため,SYLOGIN.COM および LOGIN.COM の両ファイルは, DECwindows アプリケーションの起動性能を高めるために条件付きにする必要があります。 DECwindows アプリケーションを起動するときには, SYLOGIN.COM および LOGIN.COM コマンド・プロシージャが最低限のコマンドのみを実行するようにします。実行すべきコマンドとしては, DECW$USER_DEFAULTS がある場合はその再定義, DECwindows アプリケーションのコンテキスト内でユーザがその他の論理名を参照している場合はその論理名の定義などがあります。 SYLOGIN.COM と LOGIN.COM 内の DECwindows に必要なコマンドの直後に,次の命令を挿入することが可能です。


$ mode = f$mode() 
$ tt_devname = f$trnlnm("TT") 
$ session_mgr_login = (mode .eqs. "INTERACTIVE") .and.  - 
      (f$locate("WSA",tt_devname) .ne. f$len(tt_devname)) 
$ session_detached_process = (mode .eqs. "INTERACTIVE") .and. - 
      (f$locate("MBA",tt_devname) .ne. f$len(tt_devname)) 
$ if session_mgr_login .or. session_detached_process then exit 

上記の各行を SYLOGIN.COM および LOGIN.COM ファイルに追加しなくても,アプリケーションは引き続き稼働します。

2.5.8.4 プライベート・ロゴを使用する際の入力フォーカスの変更

V1.0

DECwindows Motif にログインし,プライベート・ロゴ・コマンド・ファイルを使用する場合,プライベート・ロゴを起動するときに入力フォーカスが [ユーザ名]フィールドに戻ってしまうことがあります。

2.5.8.5 セッション・マネージャ・プロセスの停止

V1.0

セッション・マネージャ・プロセスを突然停止すると,特権を持っていないワークステーション・ユーザが深刻な状況になることがあります。次の問題が生じないように DECwindows を再起動しなければなりません。

STOP/NOEXIT コマンドを使用してプロセスを停止します。このコマンドを使用しない場合は,セッション・マネージャ・プロセスを停止し,次のコマンドを使用して DECwindows を再起動してください (システム・マネージャ特権が必要)。


$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART

2.5.9 ウィンドウ・マネージャ

この項は, DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャに関するリリース・ノートです。

2.5.9.1 マルチヘッド・システムで画面にヘルプ・テキストが表示されない問題

V1.3

スクリーン 0 以外のスクリーンで (右クリックによって) ヘルプを起動すると,ブックリーダ・ウィンドウが表示されますが,内容は何も表示されません。

マルチヘッド構成で右クリックによってヘルプを表示するには,スクリーン 0 から要求を行ってください。

2.5.9.2 Alt + Space キーでウィンドウ・メニューが表示されない

V1.2--4

多くの Motif 実装では,Alt+space キーの組み合わせにより,ウィンドウ・マネージャがウィンドウ・メニューを表示します。しかし, DECwindows Motif では, Alt+space キーの組み合わせは Compose Character キー機能にマッピングされています。これにより,Compose Character キーを備えていないキーボードでも,その機能を使用できます。

Alt+space キーの組み合わせでウィンドウ・メニューを表示するように変更するには,ご使用のデスクトップ環境に合わせて以下の手順に従ってください。

New Desktop システムの場合:

  1. CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[CONFIG.lang]SYS.DTWMRC を DISK$:[LOGIN.DT]DTWMRC.DAT にコピーします。

  2. Keys DtKeyBindings セクションで,次の行がコメント化されているのを元に戻します。


    Alt<Key>space   icon|window   f.post_wmenu 
    

  3. ワークスペース・マネージャを再起動します。

従来の DECwindows Desktop システムの場合:

  1. DECW$SYSTEM_DEFAULTS:DECW$MWM_RC.DAT を DECW$USER_DEFAULTS:DECW$MWM_RC.DAT にコピーします。

  2. Keys DtKeyBindings セクションで,次の行がコメント化されているのを元に戻します。


    Alt<Key>space   icon|window   f.post_wmenu 
    

  3. ウィンドウ・マネージャを再起動します。

2.5.9.3 DECwindows Motif ウィンドウ・マネージャでのカラー・カスタマイザの使用

V1.2

DECW$EXAMPLESディレクトリで提供されているカラー・カスタマイザを使用して Motif ウィンドウ・マネージャの色を調節する場合,色の変更に使用するMotif ウィンドウ・マネージャの [カラー設定] ダイアログ・ボックスが,現在のカラー値を正しく反映しないことがありますが,これは正常な動作です。これらの値を変更するには, Motif ウィンドウ・マネージャの[カラー設定]ダイアログ・ボックスではなく,カラー・カスタマイザを使用してください。別の方法としては,カラー・カスタマイザを終了して, Motif ウィンドウ・マネージャを再起動する方法があります。カラー・カスタマイザについての詳細は, 『HP DECwindows Motif for OpenVMS Alpha New Features』 を参照してください。

2.5.9.4 ウィンドウ・マネージャの構成ファイルを使用した,ファンクション・キーのバインディングの変更

V1.0

構成ファイル DECW$MWM_RC.DAT では,ウィンドウ・マネージャでのファンクション・キーの使用方法を定義します。アクセラレータの多くは, Alt キー (または Compose Characterキー) とファンクション・キーの組み合わせを使用します (たとえば,Alt+F7)。

アプリケーションがこれらのキーを使用する必要がある場合は,行頭に感嘆符(!)を付けてコメントにするか,新しいキーボード・バインディングを作成します。続いて,Mwm リソース・ファイルの Mwm*keyBindings:DefaultKeyBindingsを新しいバインディングを指すように変更します。

Motif バインディングでは,漢字端末エミュレータでの Compose Character シーケンスを妨げないよう,ウィンドウ・メニューの表示に Alt+Space キーあるいは Compose + Space キーを使用することができないようにしています。ウィンドウ・メニューは Shift+Escape (F11) キーで表示してください。

Alt+Space を再度有効にするには, [ルートメニュー:設定] ダイアログ・ボックスの適切なオプションを選択し,現在の設定を適用します。あるいは,構成ファイル DECW$MWM_RC.DAT の Alt+Space の省略時のボタン対応のコメントを削除するようにします。

2.5.9.5 ウィンドウ・マネージャの再起動

V1.0

ファイル SYS$MANAGER:DECW$MWM.COM は,ウィンドウ・マネージャを再起動する方法を指定するために使用します。省略時の設定では,必ずすべての画面で再起動されます。ただし,ウィンドウ・マネージャをセッション・マネージャから起動していない場合,ウィンドウ・マネージャは最初にすべての使用可能な画面で起動されていない可能性があります。このファイルを変更してユーザのシステムでウィンドウを再起動する方法を変更することができます。

2.5.9.6 モノクロ・モニタの色に関連するリソースのカスタマイズ

V1.0

Motif ウィンドウ・マネージャは,オプションのダイアログ・ボックスのモノクロ・モニタの色に関連するリソースを完全にカスタマイズすることはできません。色を変えるには, DECW$MWM_BW.DAT リソース・ファイルを直接編集してピックスマップ・リソースを変更する必要があります。たとえば,有効なウィンドウのタイトルの背景色を変更する場合は, Mwm*activeBackgroundPixmapリソースを変更しなければなりません。値としては,25_foreground,50_foreground,75_foreground,unspecified pixmap などがあります。

また,省略時の設定では,タイトル・テキストの背景色は白になっています。タイトル・テキスト以外と同じ色を使用する場合は, Mwm*cleanTextリソースをFALSEに設定します。

2.5.9.7 マルチヘッド・システムでの色のカスタマイズ

V1.0

異なるモニタ・タイプ (カラー,モノクロ,グレースケール) を持つマルチヘッド・システムを使用している場合は,メイン・モニタ (screen 0) のタイプと一致するモニタでのみ,オプションのダイアログ・ボックスから色をカスタマイズすることができます。他のモニタをカスタマイズするには,そのモニタ・タイプでシステムにログインするか,リソース・ファイルを直接編集しなければなりません。

2.5.9.8 アイコン・ボックスの画面外への移動

V1.0

アイコン・ボックスを画面の端に移動し,キーボードからサイズ変更を行うと,画面から消えてしまうことがあります。アイコン・ボックスを探すには,そのウィンドウが見つかるまで Alt+Tab を押し,続いて Shift Escape (F11)キーを押してそのウィンドウのウィンドウ・メニューを表示させます。それから,ウィンドウを画面上に移動します。

2.5.9.9 マルチライン・アイコン・タイトルのセンタリングのずれ

V1.0

ウィンドウ・マネージャは,マルチライン・アイコン・タイトルの各行をセンタリングしません。

2.6 ツールとユーティリティ

この節は, DECwindows Motif に移植された X Window System ユーティリティに関するリリース・ノートです。

2.6.1 AccessX キーボード・ユーティリティ (accessx)

この項は,AccessX キーボード・ユーティリティ (accessx) に関するリリース・ノートです。

2.6.1.1 AccessX 構成ファイルの場所の変更

V1.3--1

DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.3--1 では,デフォルトの AccessX 構成ファイルの場所が SYS$LOGIN:ACCESSX.DAT から DECW$USER_DEFAULTS:ACCESSX.DAT に変更されています。

2.6.2 X 権限ユーティリティ (xauth)

この項は,X 権限ユーティリティ (xauth) に関するリリース・ノートです。

2.6.2.1 論理名でのファイル・ロックの非サポート

V1.3

論理名を使用してファイルが指定された場合, X 権限ユーティリティ (xauth) はファイル・ロックをサポートしません。 xauth は OpenVMS の論理名を解釈しないため,論理名で指定されたディレクトリではなく,現在の省略時のディレクトリにロック・ファイルを作成します。

たとえば,次の xauth コマンドは,ロック・ファイルを論理名 XAUTH_FILE で指定された USER ディレクトリに作成するのではなく,現在の省略時のディレクトリに作成します。


$ DEFINE XAUTH_FILE DISK:[USER]FILE.DECW$XAUTH 
$ XAUTH -f XAUTH_FILE 

xauth で論理名を使用するには,xauth を起動する前に,次のように各論理名を変換します。


$ XAUTH_FILE = F$TRNLNM ("XAUTH_FILE") 
$ XAUTH -f 'XAUTH_FILE' 

この制限は,xauth で論理名を使用する場合にだけ該当するもので, SET DISPLAY/XAUTHORITY_FILE コマンドで論理名を使用する場合には適用されません。

2.6.2.2 ファイル・タイプなしのファイル名指定時の問題

V1.3

X 権限ユーティリティ (xauth) は,指定されたファイルがディレクトリ内にまだ存在せず,タイプが指定されていない場合は,同じ名前のファイルとディレクトリを区別することができません。たとえば,次の xauth コマンドはロック・ファイルを 1 セット作成しますが, X 権限ファイルは作成しません。


$ CREATE/DIRECTORY [.TEST] 
$ XAUTH -f TEST 

この場合,xauth はエラーを表示せずに失敗します。

この問題を回避するには,X 権限ファイルを指定する場合に必ずファイル・タイプを指定してください。

2.6.3 画面印刷

この項は,画面印刷ユーティリティに関するリリース・ノートです。

2.6.3.1 画面印刷で PostScript 出力が欠ける問題

V1.2--3

画面印刷 (Print Screen) アプリケーションを使用して PostScript 出力を作成するときに,一部のプリンタで出力の一部が欠ける問題が発生することがあります。通常,欠ける部分は,横長モードでの印刷時に左上部,縦長モードでの印刷時には左下部です。この問題は,PostScript プリンタ間に相違があることが原因です。

この問題を解決するために, DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2--5 で DECW$PRINTSCREEN.DAT に指定できる 4 つのリソースに対するサポートが追加されました。


PrintScreen.plxtranslate 
PrintScreen.plytranslate 
PrintScreen.plxscale 
PrintScreen.plyscale 

これらのリソースは,ページ上の PostScript イメージのサイズと位置を制御します。 plxtranslateリソースと plytranslateリソースは,原点からのイメージの x オフセットと y オフセット (インチ単位) を制御します。 plxscaleリソースと plyscaleリソースは,原点移動後にイメージ全体をページに表示するための x と y のスケール・ファクタです。


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