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OSF/Motif リリース 1.2では, MessageBoxは, MenuBar1つ,作業領域 1つ,そして複数の子 PushButtonの追加をサポートしています。
新しいダイアログ・タイプ XmDIALOG_TEMPLATEは, Separator1 つだけを含む MessageBoxを生成します。アプリケーションが追加の子を用意します。
XmCreateTemplateDialogは,
DialogShell内に
XmDIALOG_TEMPLATE XmMessageBoxを生成します。
A.4.5 XmRowColumnとメニュー
OSF/Motif リリース 1.2では,縦位置合せスタイルを指定する新しいリソース XmNentryVerticalAlignmentが加わっています。
もう1つのリソース
XmNunpostBehaviorが,
XmScreenオブジェクトに加えられています。このリソースを設定すれば,メニューを消去した後の外部ボタン・イベントのリプレイをオンにできます。
A.4.6 XmScrollBar
OSF/Motif リリース 1.2では, XmScrollBarに次の新しい翻訳が加わっています。
OSF/Motif リリース 1.2には, XmScrollVisible機能が加わっています。これは自動的にスクロールされたウィンドウをスクロールして,部分的または完全に隠れてしまったウィジェットを見えるようにする機能です。
もう1つのリソース
XmNtraverseObscuredCallbackも加わっています。このリソースは,見えないウィジェットに移動イベントが要求されたときに呼び出されるコールバックのリストを指定します。新しいコールバック構造
XmTraverseObscuredCallbackStructがこのコールバックをサポートするために加えられました。
A.4.8 XmSelectionBox,XmFileSelectionBox
OSF/Motif リリース 1.2の, XmSelectionBoxウィジェットおよび XmFileSelectionBoxウィジェットは,子 MenuBarと子 PushButton,子作業領域の追加をサポートしています。
新しいリソース XmNchildPlacementが子作業領域の位置を制御します。
XmDIALOG_TEMPLATEの値が, XmNdialogTypeリソースに加えられました。
省略時設定では,
XmSelectionBoxDialogとそのサブクラスは,
XmTextではなく
XmTextFieldを使います。アプリケーションが
XmSelectionBoxまたはそのサブクラスのいずれかを作成するときに,
USE_TEXT_IN_DIALOGSを定義すれば以前の動作に復帰できます。
A.4.9 XmText
OSF/Motif リリース 1.2には,ウィジェットを更新変更するための2つの機能が XmTextに加わりました。これは XmTextDisableRedisplayと XmTextEnableRedisplayです。
さらに2つの機能, XmTextFindStringおよび XmTextGetSubstringにより,文字列がさらに操作しやすくなっています。
リリース 1.2では,行き先カーソルは挿入カーソルに従うようになっており,独立しては動かせなくなりました。
XmTextには3つの新しい翻訳があります。
XmTextには次の2つの新しい動作があります。
XmTextおよび XmTextFieldには問題が起こる可能性があります。文字上端がフォントの上に突き出るような文字を含んだフォントまたはフォント・セットで,文字列を表現する時です。このような文字を含んだテキストが強調表示されると,前の行の文字の下に突き出た部分が次の行の文字の上端 (突き出た部分) とオーバラップし,オーバーライトされてしまうことがあります。 |
OSF/Motif リリース 1.2の XmTextFieldウィジェットには新しいリソース XmNfocusCallbackがあります。このリソースは,ウィジェットが入力フォーカスを受け入れるときに呼び出されるコールバックを指定します。
もう1つの新しい機能 XmTextFieldGetSubstringは,長さによってサブ文字列をウィジェットから取り出します。
リリース 1.2では,行先カーソルは挿入カーソルに従うようになり,独立しては動かせなくなりました。
XmTextFieldには2つの新しい翻訳があります。
A.4.11 XmToggleButton,XmToggleButtonGadget
OSF/Motif リリース 1.2では, XmNindicatorOnが偽のときに XmNfillOnSelectを真に設定すると, XmToggleButtonセットの背景を XmNselectColorで満たすようになっています。
XmNfillOnSelectの省略時設定値は,
XmNindicatorOnの状態に適合するような動的な値です。
A.5 Motif ウィンドウ・マネージャの改良
この節では,Motif ウィンドウ・マネージャ (MWM)に対して行なわれた改良について要約します。
A.5.1 MWMに対する変更
OSF/Motif リリース 1.2では,MWMに対して次の改良が加えられています。
OSF/Motif リリース 1.2 ウィンドウ・マネージャには,次の新規または改良されたリソースが含まれています。
OSF/Motif リリース 1.2には,新規および改良された次のMWM機能があります。
OSF/Motif リリース 1.2には,新しいMWM動作がひとつあります。
OSF/Motif リリース 1.2では,ユーザ・インタフェース言語(UIL)に次のような変更がされています。
-sフラグがある二重引用符で囲まれた文字列の構文解析には重大な問題があります。二重引用符で囲まれた文字列の構文解析でこのフラグを使用する必要がある場合は,OSFからパッチを入手しなければなりません。 |
この付録では,OSF/Motif ツールキットに関連する注意事項,制限事項,修正点について説明します。
B.1 OSF/Motif リリース 1.2.2 と X11R5 またはそれ以降の共有可能ライブラリ
OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットと OSF/Motif リリース 1.1.3 ツールキットの間にはバイナリ互換性がありません。アプリケーションはどちらか別々のツールキットでリンクする必要があります。 OSF/Motif リリース 1.2.2のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.2.2 および X11 R5 をベースとする共有可能ライブラリしか使用できません。また,OSF/Motif リリース 1.1.3のアプリケーションのリンクには, OSF/Motif 1.1.3 および X11 R4 をベースにする共有可能ライブラリしか使用できません。
OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにする共有ライブラリと OSF/Motif リリース1.1.3 をベースにする共有可能ライブラリの両方のライブラリを提供するために,リリース 1.1.3をベースにするライブラリには DECwindows Motif バージョン 1.1と同じファイル名が,リリース1.2.2をベースにするライブラリには後ろに "R5"または "12"の付くファイル名が使用されています。
OSF/Motif リリース 1.1.3ツールキットまたは OSF/Motif リリース 1.2.2 ツールキットとともに使用される共有可能ライブラリのファイル名には,接尾辞は付きません。このようなライブラリには,次のものがあります。
V1.2--6
Xt ツールキットのリリース 5 またはそれ以降とリンクされた共有可能ライブラリには, "R5"の接尾辞が付きます。 XUI ツールキットをベースにするライブラリには R5 に相当するライブラリがなく, X11R5,X11R6.6,または OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにしたリンカ・オプション・ファイルに含めることはできません。これらのファイル名については 表 B-1 を参照してください。
DECW$XLIBSHR.EXE ファイルは Xlib の X11R5 バージョンであり, X11R4 バージョンの Xlib ではありません。 |
R4 準拠ファイル名 | R5 またはそれ以降の準拠ファイル名 |
---|---|
DECW$DWTLIBSHR.EXE | (なし) |
DECW$DWTSHR.EXE | (なし) |
DECW$XMULIBSHR.EXE | DECW$XMULIBSHRR5.EXE |
DECW$XTRAPLIBSHR.EXE | DECW$XTRAPLIBSHRR5.EXE |
DECW$XTSHR.EXE | DECW$XTLIBSHRR5.EXE |
リリース 5 またはそれ以降では DECW$DWTLIBSHR.EXE または DECW$DWTSHR.EXEに相当するファイルは用意されていません。リリース 5 またはそれ以降用に作成されたアプリケーションは,これらのファイルとリンクすることはできません。
OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクされた共有可能ライブラリには, "12"の接尾辞が付きます。これらのファイルは X11R5 または X11R6.6 および OSF/Motif リリース 1.2.2 と互換性のあるライブラリだけにリンクされる必要があります。これらのファイル名については, 表 B-2 の一覧を参照してください。
リリース 1.1.3準拠ファイル名 | リリース 1.2.2準拠ファイル名 |
---|---|
DDIF$VIEWSHR.EXE | DDIF$VIEWSHR12.EXE |
DECW$BKRSHR.EXE | DECW$BKRSHR12.EXE |
DECW$DXMLIBSHR.EXE | DECW$DXMLIBSHR12.EXE |
DECW$MAILSHR.EXE | DECW$MAILSHR12.EXE |
(なし) | DECW$MRMLIBSHR12.EXE |
DECW$PRINTWGTSHR.EXE | (なし) |
DECW$TERMINALSHR.EXE | DECW$TERMINALSHR12.EXE |
DECW$XMLIBSHR.EXE | DECW$XMLIBSHR12.EXE |
DGIT$LIBSHR.EXE | DGIT$LIBSHR12.EXE |
IMG$SHRLIB.EXE | IMG$SHRLIB12.EXE |
LWK$DXMSHR.EXE | LWK$DXMSHR12.EXE |
XNL$SHR.EXE | XNL$SHR12.EXE |
DECW$PRINTWGTSHR12.EXE ファイルはありません。プリント・ウィジェットは DECW$DXMLIBSHR12.EXE ファイルの一部です。
DECW$MRMLIBSHR12.EXE ファイルは,以前にはDECW$XMLIBSHR.EXEの一部であった Motif Resource Manager (Mrm)ルーチンを含む新しいイメージです。 OSF/Motif リリース 1.2.2 をベースにして, .UIDファイルにアクセスするために Mrmルーチンを呼び出すプログラムはすべて,このライブラリとリンクする必要があります。
たとえば,OSF/Motifリリース 1.1.3をベースにする典型的なリンカ・オプション・ファイルは,次のようなものです。
SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XTSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$DWTLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR/SHARE |
このプログラムを OSF/Motif リリース 1.2.2 とリンクするには,リンカ・オプション・ファイルを次のように変更します。
SYS$SHARE:DECW$XLIBSHR/SHARE SYS$SHARE:DECW$XTLIBSHRR5/SHARE SYS$SHARE:DECW$XMLIBSHR12/SHARE SYS$SHARE:DECW$MRMLIBSHR12/SHARE SYS$SHARE:DECW$DXMLIBSHR12/SHARE |
このように変更することで,XUI ツールキット (DECW$DWTLIBSHR.EXE)を参照せず,また,Motif リソース・マネージャ(DECW$MRMLIBSHR12.EXE)とリンクします。
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