OpenVMS
DCL ディクショナリ


前へ 次へ 目次 索引



DISCONNECT

物理端末と仮想端末の間の接続を切断します。物理端末の接続が切断された後,その物理端末を使用する仮想端末およびプロセスはシステムに残ります。

物理端末と仮想端末が接続していなければなりません。


形式

DISCONNECT


パラメータ

なし。

説明

DISCONNECT コマンドを使用して,仮想端末および対応するプロセスから物理端末との接続を切断します。仮想端末とプロセスはシステム上に残るので, CONNECT コマンドを使用して後でそのプロセスに再接続することができます ( 仮想端末,および仮想端末への接続方法についての詳細は,ONNECT コマンドの説明を参照してください )。仮想端末と接続しているプロセスを終了するには, LOGOUT コマンドを使用します。

仮想端末との接続を切断した後,物理端末を使用して再度ログインすることができます。

使用している物理端末が仮想端末に接続している時のみ, DISCONNECT コマンドを使用できます。


修飾子

/CONTINUE

/NOCONTINUE (省略時の設定)

他のプロセスに接続する直前に,現在のプロセスで CONTINUE コマンドを実行するかどうかを制御します。この修飾子を指定すると,プロセスが端末からの入力を必要とする,または端末に書き込みを行おうとするまで,接続を切断した後も割り込みをかけられたイメージの実行を続けることができます。プロセスが端末からの入力を必要とする時,または端末に書き込みを行おうとする時は,物理端末が仮想端末に再度接続するまで,プロセスは待ち状態になります。

#1

$ DISCONNECT

このコマンドは物理端末と仮想端末との接続を切断しますが,プロセスをログ・アウトしません。接続を切断した後でも,物理端末を使用して再度ログ・インできます。

#2

$ RUN PAYROLL
[Ctrl/Y]
$ DISCONNECT/CONTINUE
 

この例で RUN コマンドは,仮想端末に接続している物理端末から発行されています。イメージ PAYROLL.EXE に割り込みをかけられた後,DISCONNECT コマンドを使用して,プロセスをログ・アウトせずに物理端末と仮想端末の接続を切断します。 /CONTINUE 修飾子を指定しているので,プロセスが端末からの入力を必要とする,または端末への書き込みを行おうとするまで,イメージ PAYROLL.EXE の実行を続けることができます。プロセスが端末からの入力を必要とする時,または端末に書き込みを行おうとする時は,物理端末が仮想端末に再度接続するまで,プロセスは待ち状態になります。ただし,物理端末を使用して再度ログインし,他の操作を行うことができます。


DISMOUNT

マウントしたディスクまたはテープ・ボリュームをクローズし,その装置に対応する論理名を削除します。

グループおよびシステムのボリュームをディスマウントするには, GRPNAM (グループ論理名) および SYSNAM (システム論理名) 特権が必要です。


形式

DISMOUNT 装置名[:]


パラメータ

装置名[:]

ボリュームを含む装置名を指定します。論理名または物理名で指定します。物理名を指定した場合は,制御装置の省略時の設定は A に,ユニットの省略時の設定は 0 になります。

現在装置にマウントされているボリュームが,ディスク・ボリューム・セットまたはテープ・ボリューム・セットのメンバである場合は,/UNIT 修飾子を指定しない限り,セットのボリュームはすべてディスマウントされます。


説明

($DISMOU システム・サービスを起動する) DISMOUNT コマンドは, Files-11 構造のボリュームがディスマウントされないようにする条件について調べます。この条件は,次の 4 つに分類できます。

これらの条件が 1 つも満たされない場合, DISMOUNT コマンドは次の操作を実行します。

オープンされたファイル,またはボリュームがディスマウントできない他の条件が検出されると, DISMOUNT コマンドはボリュームにディスマウントのマークをつけません。その代わりに,ボリュームがディスマウントできないことを示すメッセージを表示し,その後でディスマウントできない条件と各条件のインスタンス数を示すメッセージを表示します。

/OVERRIDE=CHECKS 修飾子を指定すると,オープンされたファイルやその他の条件に関係なく,ボリュームにマークをつけてディスマウントできます。たとえば,ボリュームにディスマウントのマークをつけると,新しいファイルはオープンできなくなります。また,ファイル・システムのキャッシュもフラッシュされます。システムをシャットダウンして,ファイル・システムのキャッシュをディスクに書き込まなければならない場合,この処理は特に重要になります。

ボリュームが Files-11 ボリューム・セットの一部であり, /UNIT 修飾子を指定していない場合,ボリューム・セット全体がディスマウントされます。

/SHARE 修飾子を指定してボリュームをマウントした場合,そのボリュームをマウントしたユーザがそのボリュームをディスマウントする,またはログアウトするまで,実際にはそのボリュームはディスマウントされません。ただし,DISMOUNT コマンドは,装置に対応する論理名を削除します。

ALLOCATE コマンドを使用して割り当てた装置は,DISMOUNT コマンドを使用してボリュームをディスマウントしても割り当てられたままです。装置が MOUNT コマンドで暗黙に割り当てられた場合は, DISMOUNT コマンドを使用してその割り当てを解除します。

/GROUP または /SYSTEM 修飾子を使用してマウントしたボリュームは,他のユーザが現在そのボリュームにアクセス中であってもディスマウントされます。グループおよびシステムのボリュームをディスマウントするには,それぞれ GRPNAM 特権と SYSNAM 特権が必要です。


修飾子

/ABORT

/GROUP 修飾子も /SYSTEM 修飾子も指定せずにマウントしたボリュームに対してこの修飾子を指定するには,ボリュームの所有権,または VOLPRO (ボリューム保護) ユーザ特権が必要です。別のプロセスがプライベートにマウントしているボリュームの場合には,さらに SHARE ユーザ特権が必要です。

マウントしたユーザに関係なく,ディスマウントするボリュームを指定します。 /ABORT 修飾子の主な目的は,マウント・チェックを終了することです。 DISMOUNT/ABORT コマンドは,未処理の入出力要求もすべて取り消します。 /SHARE 修飾子を指定してボリュームをマウントした場合,/ABORT 修飾子はマウントしたユーザに関係なく,ボリュームをディスマウントします。

/CLUSTER

複合アーキテクチャの OpenVMS Cluster システムを介して,ボリュームをディスマウトします。 DISMOUNT/CLUSTER を指定すると, DISMOUNT コマンドは,ローカル・ノードの Files-11 構造のボリュームのディスマウントを妨げるような,オープンされたファイルやその他の条件がないかどうかを調べます。オープンされたファイルや他の条件が検出されなかった場合は, DISMOUNT コマンドは OpenVMS Cluster の他のノードについて条件を調べます。 DISMOUNT コマンドがいずれかのノードで条件を検出した場合は,エラー・メッセージを表示して,エラーが発生した装置およびノードを示し,その後でオープンされたファイルまたはその他の条件を示すエラー・メッセージを表示します。

ローカル・ノードでボリュームを正常にディスマウントした後, DISMOUNT コマンドは既存の OpenVMS Cluster 環境内にある他のすべてのノードのボリュームをディスマウントします。システムがクラスタのメンバでない場合は, /CLUSTER 修飾子は作用しません。

/FORCE_REMOVAL ddcu:

指定したシャドウ・セット・メンバをシャドウ・セットから除外します。

装置との接続が切断されたときに,シャドウ・セットのマウント・チェックが行われている場合は, /FORCE_REMOVALddcu:を使用して,指定したシャドウ・セット・メンバ (ddcu:) をただちにシャドウ・セットから除外することができます。この修飾子を省略すると,その装置はマウント・チェックが完了するまでディスマウントされません。

この修飾子を /POLICY=MINICOPY (=OPTIONAL) 修飾子と同時に使用することはできません。

指定される装置は,コマンドが発行されたノードにマウントされているシャドウ・セットのメンバでなければなりません。

/OVERRIDE=CHECKS

そのボリューム内でファイルがオープンされている場合でも, Files-11 構造のボリュームにディスマウントのマークをつけます。 DISMOUNT/OVERRIDE=CHECKS を指定すると,DISMOUNT コマンドは,ディスマウントを妨げるオープンされたファイルまたはその他の条件を示すメッセージを表示し,その後で,ボリュームにディスマウントのマークをつけたことを示すメッセージを表示します。

このコマンドは,装置上のオープンされたファイルをクローズしません。ファイルをオープンしているすべてのプロセスがファイルを正しくクローズするまで,あるいはそれらのプロセスが完全にランダウンされるまで,装置を正しくディスマウントすることはできません。

DISMOUNT/OVERRIDE=CHECKS コマンドを実行してからディスマウント操作が終了するまでには,かなりの時間を要する場合があります。必ず,ディスマウントが終了するまで待ってから,ボリュームを取り外してください。 SHOW DEVICE コマンドで,ディスマウントが終了したかどうか確認できます。ボリュームのディスマウントの最終処理はファイル・システムで行われ,実際にディスマウントできるのはそのボリュームのオープンされたファイルをすべてクローズしてからです。また,そのボリュームに既知ファイル・リストのエントリがある場合,そのボリュームをディスマウントすることはできません。

このコマンドを使用することにより,装置にはディスマウントのマークがつけられます。これにより,すでにオープンされたファイルのクローズ中に,その装置上のファイルをプロセスがオープンすることを防ぎます。

/POLICY=[NO]MINICOPY[=(OPTIONAL)] (Alpha のみ)

シャドウイング・ミニコピー機能の設定と使用を制御します。

ビットマップを作成するには,LOG_IO (論理 I/O) 特権が必要です。

MINICOPY キーワードの具体的な意味は,次のように DISMOUNT コマンドのコンテキストに依存します。

  1. マルチメンバ・シャドウ・セットからの 1 つのメンバのディスマウントである場合には,シャドウ・セットへのすべての書き込みを追跡するための書き込みビットマップが作成されます。この書き込みビットマップは,削除されたメンバを後からミニコピーを使ってシャドウ・セットに戻すときに使用できます。
    書き込みビットマップを作成することができず,キーワード OPTIONAL が指定されていなければ,ディスマウントは失敗し,メンバは削除されません
    /POLICY 修飾子を省略するか,/POLICY=NOMINICOPY を指定した場合には,ビットマップは作成されません。

  2. クラスタ内のシャドウ・セットの最後のディスマウントである場合には,シャドウ・セットで将来ミニコピー操作を行えるかどうかが確認されます。
    シャドウ・セットが 1 つのメンバしか持っていないか,またはマージ状態にあり, OPTIONAL が指定されていなかった場合には,ディスマウントは失敗します。
    NOMINICOPY と MINICOPY のどちらも指定しなければ,MINICOPY=OPTIONAL と同じ意味になり,セットはそれ以前のチェックとは関係なくディスマウントされます。
    詳細情報については『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』を参照してください。

/UNIT

指定した装置のボリューム・セットから,ボリュームを 1 つだけディスマウントします。省略時の設定では,セット内のボリュームをすべてディスマウントします。

注意

ボリューム・セットのルート・ボリュームにはマスタ・ファイル・ディレクトリ (MFD) があるので,ディスマウントしないでください。MFD にアクセスできない場合は,ボリューム・セット内のファイルにアクセスできないことがあります。

/UNLOAD

/NOUNLOAD

ボリュームがマウントされている装置を,物理的にアンロードするかどうかを決定します。/UNLOAD または /NOUNLOAD 修飾子を指定せずに DISMOUNT コマンドを指定した場合は, MOUNT コマンドで指定した修飾子 (/UNLOAD または /NOUNLOAD) により,ボリュームを物理的にアンロードするかどうかが決まります。

#1

$ MOUNT MTA0: PAYVOL TAPE
   .
   .
   .
$ DISMOUNT TAPE

この例で MOUNT コマンドは, PAYVOL というボリューム ID を持つテープを装置 MTA0: にマウントし,その装置に論理名 TAPE を割り当てます。省略時の設定では,ボリュームは共用可能ではありません。

この DISMOUNT コマンドはボリュームへのアクセスを解放し,装置の割り当てを解除して,論理名 TAPE を削除します。

#2

$ MOUNT/SHARE DKA3:  DOC_FILES
   .
   .
   .
$ DISMOUNT DKA3:

この例で MOUNT コマンドは, DOC_FILES というラベルのボリュームを装置 DKA3 にマウントします。他のユーザは,MOUNT コマンドを実行してその装置にアクセスできます。 DISMOUNT コマンドを実行すると,このコマンドを発行したプロセスはその装置にアクセスできません。他のユーザがこのボリュームにアクセスできる場合,このボリュームは,そのユーザのプロセスによりマウントされたままになっています。

#3

$ DISMOUNT/NOUNLOAD  DMA2:

この例の DISMOUNT コマンドは,このボリュームをディスマウントします。 /NOUNLOAD 修飾子を指定しているので,このボリュームはレディ状態になります。

#4

$ MOUNT/BIND=PAYROLL  DMA1:,DMA2:  PAYROLL01,PAYROLL02
   .
   .
   .
$ DISMOUNT/UNIT  DMA2:

この例の MOUNT コマンドは,2 つのボリューム・セット PAYROLL をマウントします。 DISMOUNT コマンドは PATROLL01 にはアクセスできるようにして, PAYROLL2 だけをディスマウントします。ボリューム・セットのマスタ・ファイル・ディレクトリ (MFD) はルート・ボリュームにあるため,ボリューム・セットのルート・ボリューム (この場合は PAYROLL1) をディスマウントしてはいけません。

#5

$ DISMOUNT $10$DJA100
%DISM-W-CANNOTDMT, $10$DJA100: cannot be dismounted
%DISM-W-INSWPGFIL, 4 swap or page files installed on volume
%DISM-W-SPOOLEDEV, 3 devices spooled to volume
%DISM-W-INSTIMAGE, 7 images installed on volume
%DISM-W-USERFILES, 6 user files open on volume

この例で DISMOUNT コマンドは,装置 $10$DJA100 のディスマウントを妨げている,オープンされたファイルやその他の条件を表示します。

#6

$ DISMOUNT/CLUSTER $10$DJA100
%DISM-W-RMTDMTFAIL, $10$DJA100: failed to dismount on node SALT
%DISM-W-FILESOPEN, volume has files open on remote node
%DISM-W-RMTDMTFAIL, $10$DJA100: failed to dismount on node PEPPER
%DISM-W-FILESOPEN, volume has files open on remote node
%DISM-W-CANNOTDMT, $10$DJA100: cannot be dismounted

この例で DISMOUNT コマンドは,エラーが発生した装置 $10$DJA100,およびノード SALT と PEPPER を示すメッセージを表示した後に,ボリュームのオープンされたファイルを示すメッセージを表示します。


前へ 次へ 目次 索引