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ボリュームの初期化で指定した省略時の値を変更するには, 0 〜 255の値を指定してください。
/ACCESSED を使用するには,ユーザ特権 OPER が必要です。
以下のコマンドは,WORK というラベルのボリュームを DKA1 にマウントしています。ボリューム上のアクティブ・ディレクトリ数として,150 を指定しています。
$ MOUNT/ACCESSED=150 DKA1 WORK |
/ASSIST 修飾子を指定した場合,マウント動作中にエラーが発生すると,ユーザと特定のオペレータに通知されます。ユーザやオペレータは,動作をアボートしたり,エラー状態を修正して動作を続行させたりできます。
オペレータ補助メッセージは,メッセージ受信が許可されているすべてのオペレータ・ターミナルに送信されます。磁気テープ・マウント要求は TAPE と DEVICE のオペレータに送られ,ディスク・マウント要求は DISK と DEVICE のオペレータに送られます。つまり,ディスク装置をマウントするときにオペレータの補助が必要となった場合,メッセージは DISK オペレータに送信されます。オペレータ・ターミナルの許可または禁止の詳細については, REPLY コマンドの説明を参照してください。
マウント要求に対するオペレータの応答は,SYS$OUTPUT に書き込まれてユーザのターミナルに表示されるか,またはバッチ・ジョブ・ログに書き込まれます。
マウント補助要求の受信と応答が許可されているオペレータ・ターミナルがない場合,該当するユーザにメッセージが表示されます。ボリュームを指定したドライブに装填すれば,オペレータからの応答は不要となります。マウントをバッチ・ジョブで起動し,メッセージ受信が許可されているオペレータ・ターミナルがない場合,マウントはアボートされます。エラー・メッセージとユーザが行うべき処置については,『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。
省略時の設定では,/ASSIST です。/NOASSIST で無効にできます。
以下のコマンドは,DOC というラベルのディスク・ボリューム HSG80 Fibre Channel をマウントし, WORK という論理名を設定しています。 /NOASSIST は,オペレータの介入が不要であることを指示しています。
$ MOUNT/NOASSIST $1$DGA0: DOC WORK %MOUNT-I-MOUNTED, DOC mounted on _$1$DGA0: (NODE) |
ボリューム・セットに複数の磁気テープ・ドライブを設定している場合,磁気テープ補助制御プロセス (MTACP) は,ボリューム・セットに設定されているドライブの中で次に使用できるものを順次選択することによって,ボリュームを切り替えます。MTACP は,ボリューム・セットの次のリールが該当するドライブにロードされていると仮定します。
MTACP がボリューム・セットに書き込む場合,ラベルを作成し,ボリューム・セット内の最初の磁気テープに設定されている保護と作成したラベルとを使用して,磁気テープを初期化します。ボリューム・セットから読み込む場合,ラベルを出力し,次の磁気テープをこのラベルでマウントします。誤った磁気テープがドライブにロードされている場合や磁気テープがロードされていない場合,MTACP は,正しい磁気テープをロードするように指示するメッセージを,オペレータ・ターミナルに送信します。
MTACP が出力するラベルは,6 文字のボリューム識別子フィールドに格納されます。最初の 4 文字は,MOUNT コマンドで指定したラベルの最初の 4 文字です。4 文字未満の場合,4 文字になるまでアンダスコアで埋められます。第 5,6 文字は,ボリューム・セットにおける該当リールの相対ボリューム番号です。
/NOAUTOMATIC を指定すると,テープの終わりで次のドライブに切り替える作業も,ボリューム・セットに追加する各リールにラベルを指定する作業も,オペレータが行います。
ISO 9660 のもとでは,ボリューム・セットに対して入出力操作を実行するために,すべてのボリューム・セット・メンバをマウントする必要はありません。省略時の設定では,入出力操作でマウントされていないボリューム・セット・メンバにアクセスしようとしたとき,システムでマウントしたボリューム・セットの場合はすべてのDISK CLASSオペレータに,また,プライベートにマウントしたボリューム・セットの場合はボリューム・セットを所有しているプロセスに,オペレータ・メッセージが送信されます。このメッセージでは,要求された入出力操作を実行するためにどのボリューム・セット・メンバをマウントしなければならないかが指定されます。 /NOAUTOMATIC を指定した場合には,マウントされていないボリューム・セット・メンバに対して入出力操作を実行しようとすると, SS$_DEVNOTMOUNT エラー・メッセージが戻されます。
以下の例は,MOUNT コマンドで指定したラベルを第 2 ボリュームに使用することを指定しています。第 2 ボリュームにまだラベルが設定されていない場合,オペレータが REPLY/INIT を使用してラベルを指定する必要があります。
$ MOUNT/NOAUTOMATIC MTA0: ABCD,EFGH |
ボリューム・セット名 パラメータは,ボリューム・セットを識別する 1〜12 文字の英数字名を指定します。
ISO 9660 ボリューム・セット名は 1 〜 128 文字の長さです。
OpenVMS では,ボリューム・セット名は,最初の 12 文字が固有の名前でなければなりません。さらに,ボリューム・セット名の最初の 12 文字がボリューム・ラベルの最初の12文字と同じである場合には,ロック・マネージャ・デッドロックが発生します。この問題を回避するには, (/OVERRIDE 修飾子を使用して) ボリューム・ラベルを無効にするか,または (/BIND 修飾子を使用して) ボリューム・セット名を無効にしなければなりません。
ボリューム・セットを作成する場合やボリューム・セットにボリュームを追加する場合は,/BIND 修飾子を指定してください。個々のボリュームをボリューム・セットからディスマウントするには,DISMOUNT の /UNIT 修飾子を使用する必要があります。/UNIT を指定しない場合,1 つのボリュームだけをディスマウントしても,ボリューム・セット全体がディスマウントされます。
ボリューム・セットを作成すると,ラベル・リストにおける位置に基づいて,ボリューム・ラベル・リスト内のボリュームに相対ボリューム番号が設定されます。ボリューム・セットで最初に指定したボリュームが,ルート・ボリュームとなります。
ボリューム・セットにボリュームを追加した場合,最初に指定したボリューム・ラベルがルート・ボリュームのラベルとなります。そうでない場合は,ルート・ボリュームはすでに稼動しています。
ファイルとデータをすでに格納している複数のボリュームでボリューム・セットを作成する場合,MOUNT/BIND コマンドを入力しても,ファイル・システムはエラー・メッセージを出力しません。ただし,ディレクトリ構造は正しくバインドされていないので,これらのボリュームをボリューム・セットとして使用することはできません。
/SYSTEM 修飾子または /CLUSTER 修飾子を使用して ISO 9660ボリュームをマウントするときに,ボリューム・ラベルの最初の 12 文字が固有のラベルでない場合には,/BIND= ボリューム・セット名修飾子を使用して別の 12 文字のボリューム・ラベルを指定しなければなりません。このオプションを選択した場合には,デバイスに対するマウント・チェックは禁止されます。
ボリューム・セットにバインドされたボリュームは,容易にアンバインドできません。バウンド・ボリューム・セット (BVS) をアンバインドする方法は,次のとおりです。
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以下のコマンドは,LIBRARY というボリューム・セットを作成します。このボリューム・セットは,装置 DMA0,DMA1,DMA2 に物理的にマウントされている BOOK1,BOOK2,BOOK3 のラベルのボリュームで構成されています。
$ MOUNT/BIND=LIBRARY DMA0:,DMA1:,DMA2: BOOK1,BOOK2,BOOK3 |
以下のコマンドは,TEST3 という論理名のボリューム・セットを作成します。ボリューム・セット TEST3 はシャドウ化されませんが,ボリューム・セット (TEST3011 および TEST3012) の各構成要素はシャドウセットであり,ボリューム・セット全体に冗長性を持たせます。
$ MOUNT/BIND=TEST3 DSA3011/SHADOW=($1$DUA402:,$1$DUA403:), DSA3012/SHADOW=($1$DUA404:,$1$DUA405:) TEST3011,TEST3012 TEST3 |
パラメータ n は,磁気テープ・ボリュームの省略時のブロック・サイズ値を指定します。VMS RMS では 20 〜 65,532 の値, VMS RMS 以外では 18 〜 65,534 の値を指定します。省略時の設定では,レコードは 2,048 バイトのブロック単位で磁気テープ・ボリュームに書き込まれます。フォーリン磁気テープやラベルなし磁気テープの省略時の値は 512 バイトです。
/BLOCKSIZE は,次の場合に指定する必要があります。
以下の例は,1,000 バイトのブロック・サイズを指定しています。 /FOREIGN 修飾子でマウントする磁気テープの省略時の値は 512 です。
$ MOUNT/FOREIGN/BLOCKSIZE=1000 MTA1: |
次の表は,この修飾子に対するキーワードの一覧です。
キーワード | 説明 |
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EXTENT[=n] および NOEXTENT | 拡張キャッシングを許可または禁止します。拡張キャッシングを許可するには,オペレータ・ユーザ特権 (OPER) が必要です。許可する場合,拡張キャッシュのエントリ数 n を指定してください。NOEXTENT は,EXTENT=0 と同じであり,拡張キャッシングを禁止します。 |
FILE_ID[=n] および NOFILE_ID | ファイル識別子キャッシングを許可または禁止します。ファイル識別子キャッシュを許可するには,オペレータ・ユーザ特権 (OPER) が必要です。許可する場合,1 より大きい値のエントリ数 n を指定してください。NOFILE_ID は FILE_ID=1 と同じであり,ファイル識別子キャッシングを禁止します。 |
LIMIT=n | 拡張キャッシュの最大空き空間を,ディスク上の現在の空き空間の 1,000 分の 1 の単位で指定します。 |
QUOTA[=n] および NOQUOTA | クォータ・キャッシングを許可または禁止します。クラッシュ・キャッシングを許可するには,オペレータ・ユーザ特権 (OPER) が必要です。許可する場合,クォータ・キャッシュのエントリ数 n を指定してください。通常, n には,1 つのディスクに対してクォータが許可されるアクティブ・ユーザの最大数が設定されます。NOQUOTA は QUOTA=0 と同じであり,クォータ・ファイル・キャッシングを禁止します。 |
TAPE_DATA | テープ・コントローラがキャッシングをサポートする場合,磁気テープ装置の書き込みキャッシングを許可します。省略時の設定では,/NOCACHE です。書き込みキャッシングを許可するには,TAPE_DATA を指定します。テープ・コントローラが書き込みキャッシングをサポートしない場合,キーワードは無視されます。
磁気テープをディスマウントしても,書き込みバッファは許可されたままとなります。書き込みバッファを禁止するには,/NOCACHE 修飾子でテープをマウントします。 テープが圧縮をサポートしている場合は,省略時の設定では圧縮が行われ,キャッシングが有効になります。圧縮をサポートするテープ記憶装置では,次のコマンドが有効です。
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WRITETHROUGH | ファイル・ヘッダに対し,デファード書き込み機能を無効にします。 PATHWORKS のようなアプリケーションの性能を上げることのできるこの機能は,省略時の設定では有効になっています。デファード書き込み機能は Files-11 ODS-1 ボリュームでは使用できません。 |
ディスク・オプションを使用して,/CACHE 修飾子は,システム作成時に設定したディスク・キャッシング制限を 1 つ以上変更します。 TAPE_DATA オプションを /CACHE 修飾子と併用すると,指定したテープ・コントローラの書き込みキャッシングが許可されます。
/CACHE 修飾子を指定せず,/MEDIA_FORMAT=COMPACTION 修飾子によってキャッシングが暗黙に示されない場合,省略時の設定により,キャッシングは許可されます。
複数のオプションを指定する場合には,各オプションをコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲みます。[NO]EXTENT,[NO]FILE_ID,LIMIT, [NO]QUOTA オプションはディスク・デバイスにだけ適用されます。 TAPE_DATA オプションはテープ・デバイスにだけ適用されます。
/NOCACHE 修飾子が有効であるのは,圧縮が許可されていない場合だけです。圧縮が許可されている場合には (/MEDIA_FORMAT=COMPACTION によって),省略時の設定により,キャッシングは許可されます。
ディスク・デバイスに /NOCACHE を指定すると,対象ボリュームのすべてのキャッシングが禁止されます。/NOCACHE 修飾子は, /CACHE=(NOEXTENT,NOFILE_ID,NOQUOTA,WRITETHROUGH) と同じです。
磁気テープ装置に /NOCACHE を指定すると,対象ボリュームに対し,テープ・コントローラの書き込みキャッシュが禁止されます。これは,TAPE_DATA オプションの省略時の設定です。
以下のコマンドは,FILES というラベルのディスク装置 HSG80 Fibre Channel をマウントし,WORK という論理名を設定しています。 /CACHE 修飾子により,60 エントリの拡張キャッシュ,60 エントリのファイル識別子キャッシュ,20 エントリのクォータ・キャッシュが許可されています。ライトバック・キャッシングは禁止しています。
$ MOUNT/CACHE=(EXTENT=60,FILE_ID=60,QUOTA=20,WRITETHROUGH) - _$ $1$DGA0: FILES WORK %MOUNT-I-MOUNTED, FILES mounted on _$1$DGA0: (NODE) |
以下のコマンドは,ボリューム TAPE を装置 MUA0 にマウントし,テープ・コントローラの書き込みキャッシュを MUA0 に対して許可しています。
$ MOUNT/CACHE=TAPE_DATA MUA0: TAPE %MOUNT-I-MOUNTED, TAPE mounted on _NODE$MUA0: |
クラスタ単位でマウントできるのは,システム・ボリュームとグループ・ボリュームだけです。/SYSTEM と /GROUP のいずれの修飾子も使用せずに /CLUSTER 修飾子を指定した場合,/SYSTEM が使用されます。クラスタ装置命名規約に従ってください。「ノード$装置名」と「割り当てクラス$装置名」のいずれか適した方を使用します。
クラスタ単位でマウントする場合,グループ・ボリュームではユーザ特権 GRPNAM,システム・ボリュームではユーザ特権 SYSNAM が必要です。
OpenVMS Cluster に属さないシステムの場合,/CLUSTER 修飾子の効果はありません。
以下の MOUNT/CLUSTER コマンドは,SNOWWHITE というボリュームを DOPEY$DMA1 にマウントし,続けてボリュームをクラスタ単位でマウントしています。 SHOW DEVICE/FULL コマンドは,ボリューム自体とボリュームをマウントした各ノードの情報を表示しています。
$ MOUNT/CLUSTER DOPEY$DMA1: SNOWWHITE DWARFDISK %MOUNT-I-MOUNTED, SNOWWHITE mounted on _DOPEY$DMA1: $ SHOW DEVICE/FULL DWARFDISK: Disk $2$DMA1: (DOPEY), device type RK07, is online, mounted, file-oriented device, shareable, served to cluster via MSCP Server, error logging is enabled. Error count 0 Operations completed 159 Owner process "" Owner UIC [928,49] Owner process ID 00000000 Dev Prot S:RWED,O:RWED,G:RW,W:R Reference count 1 Default buffer size 512 Total blocks 53790 Sectors per track 22 Total cylinders 815 Tracks per cylinder 3 Allocation class 2 Volume label "SNOWWHITE" Relative volume number 0 Cluster size 3 Transaction count 1 Free blocks 51720 Maximum files allowed 6723 Extend quantity 5 Mount count 7 Mount status System Cache name "_$255$DWARF1:XQPCACHE" Extent cache size 64 Maximum blocks in extent cache 5172 File ID cache siz 64 Blocks currently in extent cache 0 Quota cache size 25 Maximum buffers in FCP cache 349 Volume status: ODS-2, subject to mount verification, file high-water marking, write-through caching enabled. Volume is also mounted on DOC, HAPPY, GRUMPY, SLEEPY, SNEEZY, BASHFUL. |
パラメータ 文字列 は,オペレータ・ログ・ファイルと現在の SYS$OUTPUT に出力されるテキスト文字列を指定します。文字列は 78 文字以内です。
以下のコマンドは,TESTSYS というディスク・ボリュームを DYA1 という装置にマウントするよう,オペレータに指示しています。/COMMENT 修飾子によって,ボリュームの記憶位置をオペレータに通知しています。オペレータがボリュームを DYA1 に装填すると,MOUNT は動作をリトライします。動作が終了すると,オペレータ要求は取り消されます。
$ MOUNT DYA1: TESTSYS/COMMENT="Volume in cabinet 6." %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume TESTSYS in device _DYA1: Volume in cabinet 6. %MOUNT-I-MOUNTED TESTSYS mounted on _DYA1: %MOUNT-I-OPRQSTDON, operator request canceled - mount completed successfully |
以下のコマンドは最初の例と同じですが,要求する装置が使用中であるため,オペレータがマウントをアボートしています。
$ MOUNT DYA1: TESTSYS/COMMENT="Volume in cabinet 6." %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume TESTSYS in device _DYA1: Volume in cabinet 6. %MOUNT-I-OPREPLY, This is a '/pending' response from the operator. 31-DEC-1990 10:27:38.15, request 2 pending by operator TTB6 %MOUNT-I-OPREPLY, This is a '/abort' response from the operator. 31-DEC-1990 10:29:59.34, request 2 aborted by operator TTB6 %MOUNT-F-OPRABORT, mount aborted by operator |
以下のコマンドは,ボリューム TESTSYS を装置 DYA0 にマウントするよう,オペレータに指示しています。要求する装置が使用中であるため,オペレータは装置 DYA1 にマウント先を変更しています。
$ MOUNT DYA0: TESTSYS/COMMENT="Volume in cabinet 6, once again with feeling." %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume TESTSYS in device _DYA0: Volume in cabinet 6, once again with feeling. %MOUNT-I-OPREPLY, Substitute DYA1: 31-DEC-1990 10:43:42.30, request 3 completed by operator TTB6 %MOUNT-I-MOUNTED, TESTSYS mounted on _DYA1: |
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