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シャドウ・セットをマウントするときに,フル・コピー操作を確認する要求を出すかどうかを制御します。/CONFIRM修飾子は/SHADOW修飾子と組み合わせて使用しなければなりません。コピー先の物理デバイスのボリューム・ラベルとボリューム所有者を表示する場合は,/CONFIRMを使用します。この場合,コピー操作の前に一時停止し,次のプロンプトが表示されます。
Allow FULL shadow copy on the above member(s)? [N]: |
Y または YES と応えると,マウント動作は自動的に続行し,フル・コピー動作が許可されます。N,NO,<RETURN>,<CTRL/Z> と応えると,コピーが不要のボリュームも含め,指定したボリュームをまったくマウントせずに,コマンドが終了します。これらの応答以外を入力すると,プロンプトが再び表示されます。
/CONFIRM は,/NOCOPY と似ています。シャドウ・セットを会話形式でマウントするには /CONFIRM,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COMでは /NOCOPY を使用します。
次の例はデータを消去する前に,シャドウ・セットに含める装置の状態をチェックしています。指定した装置を使用してシャドウ・セットを作成した後,フル・コピー動作を実行してよいかどうかを尋ねています。 YES と応えた結果,シャドウ・セットのマウントが実行されています。
$MOUNT/CONFIRM DSA0:/SHADOW=($200$DKA200:,$200$DKA300:,$200$DKA400:) X5OZCOPY |
%MOUNT-F-SHDWCOPYREQ, shadow copy required Virtual Unit - DSA0 Volume Label - X5OZCOPY Member Volume Label Owner UIC $200$DKA200: (VIPER1) X5OZCOPY [SYSTEM] $200$DKA400: (VIPER1) X5OZCOPY [SYSTEM] Allow FULL shadow copy on the above member(s)? [N]:) Y |
%MOUNT-I-MOUNTED, X5OZCOPY mounted on _DSA0: %MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$200$DKA300: (VIPER1) is now a valid member of the shadow set %MOUNT-I-SHDWMEMCOPY, _$200$DKA200: (VIPER1) added to the shadow set with a copy operation %MOUNT-I-SHDWMEMCOPY, _$200$DKA400: (VIPER1) added to the shadow set with a copy operation |
/COPY 修飾子はシャドウ・セット・メンバに対し,コピー動作を実行します。 /NOCOPY でシャドウ・セットをマウントすれば,フル・コピー動作の対象であるかどうかを確認できます。コピー動作の対象ボリュームが存在する場合,コピー動作が不要のボリュームも含み,指定したボリュームをまったくマウントせずに,コマンドが終了します。
/NOCOPY 修飾子は /CONFIRM に似ています。システム固有のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM でシャドウ・セットをマウントする場合は /NOCOPY を使用し,会話でマウントする場合は /CONFIRM を使用してください。
次の例は /NOCOPY 修飾子を使用して,データを消去する前に,シャドウ・セットに含める装置の状態を確認しています。コピー動作を必要としない場合にかぎり,指定した装置を使用してシャドウ・セットを作成することを指示しています。装置 DUA7 は,コピーしなければシャドウ・セットのメンバとなれないので,マウントは実行されません。/COPY を指定してコマンドを再び起動すれば,必要なコピーを実行してシャドウ・セットを作成できます。
$ MOUNT/NOCOPY DSA2: /SHADOW=($1$DUA4:,$1$DUA6:,$1$DUA7:) - _$ SHADOWVOL DISK$SHADOWVOL %MOUNT-F-SHDWCOPYREQ, shadow copy required %MOUNT-I-SHDWMEMFAIL, DUA7: failed as a member of the shadow set %MOUNT-F-SHDWCOPYREQ, shadow copy required |
キーワード READ は,すべての読み込み動作直後に,チェックを行います。キーワード WRITE は,すべての書き込み動作直後に,チェックを行います。
2 種類のキーワードのいずれかまたは両方を指定できます。両方を指定する場合,キーワードをコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲みます。
キーワードを指定せずに /DATA_CHECK 修飾子を指定すると,省略時の設定で /DATA_CHECK=WRITE が使用されます。
以下のコマンドは SAM というラベルのボリュームを CLEMENS$DKA2 にマウントし, BOOK という論理名を設定しています。以前に指定された INITIALIZE/DATA_CHECK=WRITE を /DATA_CHECK=READ 修飾子が無効にしているので,BOOK に対する以降の読み込み動作はチェックされます。
$ MOUNT/DATA_CHECK=READ CLEMENS$DKA2: SAM BOOK |
テープに対してサポートする密度を次の表に示します。
キーワード | 意味 |
---|---|
DEFAULT | 省略時の密度 |
800 | NRZI 800 BPI (インチ当たりビット数) |
1600 | PE 1600 BPI |
6250 | GRC 6250 BPI |
3480 | IBM 3480 HPC 39872 BPI |
3490E | IBM 3480 圧縮形式 |
833 | DLT TK50: 833 BPI |
TK50 | DLT TK50: 833 BPI |
TK70 | DLT TK70: 1250 BPI |
6250 | RV80 6250 BPI に相当するもの |
注意: OpenVMS バージョン 7.2 よりも前の TMSCP/TUDRIVER コードでは,上記のリストにあるシンボルだけが解釈されます。この表の後に示すシンボルは, OpenVMS Alpha システムのみでサポートされます。 | |
TK85 | DLT Tx85: 10625 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK86 | DLT Tx86: 10626 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK87 | DLT Tx87: 62500 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK88 | DLT Tx88: (Quantum 4000)---Cmpt IV - Alpha のみ |
TK89 | DLT Tx89: (Quantum 7000)---Cmpt IV - Alpha のみ |
QIC | QIC ドライブは,すべてドライブ設定専用 - Alpha のみ |
TK85 | DLT Tx85: 10625 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK86 | DLT Tx86: 10626 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK87 | DLT Tx87: 62500 BPI---Cmpt III - Alpha のみ |
TK88 | DLT Tx88: (Quantum 4000)---Cmpt IV - Alpha のみ |
TK89 | DLT Tx89: (Quantum 7000)---Cmpt IV - Alpha のみ |
QIC | QIC ドライブは,すべてドライブ設定専用 - Alpha のみ |
8200 | Exa-Byte 8200 - Alpha のみ |
8500 | Exa-Byte 8500 - Alpha のみ |
DDS1 | Digital Data Storage 1---2G - Alpha のみ |
DDS2 | Digital Data Storage 2---4G - Alpha のみ |
DDS3 | Digital Data Storage 3---8-10G - Alpha のみ |
DDS4 | Digital Data Storage 4 - Alpha のみ |
AIT1 | Sony Advanced Intelligent Tape 1 - Alpha のみ |
AIT2 | Sony Advanced Intelligent Tape 2 - Alpha のみ |
AIT3 | Sony Advanced Intelligent Tape 3 - Alpha のみ |
AIT4 | Sony Advanced Intelligent Tape 4 - Alpha のみ |
DLT8000 | DLT 8000 - Alpha のみ |
8900 | Exabyte 8900 - Alpha のみ |
SDLT | SuperDLT - Alpha のみ |
SDLT320 | SuperDLT320 - Alpha のみ |
テープ密度のキーワードは短縮することができません。
INITIALIZE コマンドでテープを初期化し,密度を指定しなかった場合,テープは使用している媒体とドライブの省略時の密度で初期化されます (通常は利用可能な密度のうち最も高いもの) 。
テープの密度は,そのテープがテープの開始 (BOT) 位置にある場合にだけ変更できます。記録済のテープの密度を変更する場合,最初の操作は書き込みにする必要があります。テープに対する最初の操作が読み込みである場合, /DENSITY 修飾子でどのような密度を指定しても,磁気テープは,テープが記録された最初のレコードにある密度に設定されます。
以下のコマンドは,テープを MFAO: ドライブに /FOREIGN でマウントし,論理名 TAPE を割り当てます。/DENSITY 修飾子は,このテープが TK87 で書き込まれることを指定しています。
$ MOUNT/FOREIGN/DENSITY=TK87 MFA0: TAPE |
パラメータ nは,0 〜 65,535 の値を指定します。この指定により,ボリューム初期化時に指定した値は無効となります。
以下のコマンドは DOC というラベルのボリュームを DKA0 にマウントし, WORK という論理名を設定しています。 WORK 上のファイルの省略時の拡張ブロック数 64 を指定しています。
$ MOUNT/EXTENSION=64 DKA0: DOC WORK |
ANSI 標準形式以外の磁気テープ・ボリュームと Files-11 形式以外のディスク・ボリュームには,/FOREIGN 修飾子を使用します。
/FOREIGN 修飾子でボリュームをマウントすることにより,ボリューム読み込みプログラムは,ボリュームのラベルを処理できるようになります。 OpenVMS オペレーティング・システムには,ボリュームを処理するための補助制御プロセス (ACP) が用意されていません。
DOS-1 ボリュームおよび RT-11 ボリュームは,/FOREIGN 修飾子でマウントし, Exchange ユーティリティ (EXCHANGE) で処理する必要があります。『OpenVMS Exchange Utility Manual』 (ドキュメンテーション CD-ROM に用意されています) を参照してください。
フォーリン・ボリュームの省略時の保護は,システムと所有者の場合は RWLP (読み込み,書き込み,論理入出力,物理入出力) ,グループと一般の場合はアクセスなしです。 /GROUP も指定した場合,グループ・メンバにも RWLP アクセスが許可されます。 /SYSTEM または /SHARE を指定すると,グループと一般の両方に RWLP アクセスが許可されます。 /GROUP,/SYSTEM,/SHARE によって省略時の保護が変更されることはありません。
現在の形式が Files-11 であるボリュームを /FOREIGN 修飾子でマウントするには,ユーザ特権 VOLPRO を持っているか,またはボリュームの UIC と同じ UIC を持っている必要があります。
/FOREIGN 修飾子は次の修飾子と互換性がありません。
/ACCESSED, /AUTOMATIC, /BIND, /CACHE, /[NO]CONFIRM, [NO]COPY, /EXTENSION, /HDR3, /INITIALIZE, /LABEL, /PROCESSOR, /QUOTA, /REBUILD, /SHADOW, /OVERRIDE=EXPIRATION, and /WINDOWS.
以下のコマンドは,フォーリン磁気テープを MTA1 というドライブにマウントしています。
$ MOUNT/FOREIGN MTA1: ABCD TAPE |
以下のコマンドは,RK07 という装置をフォーリン・ボリュームとして DMA2 にマウントし,DISK$SAVEDISK という省略時の論理名を設定しています。SAVEDISK は,ファイル構造ではないボリュームとして,順編成ディスクの BACKUP セーブ処理に使用できます。
$ MOUNT/FOREIGN DMA2: SAVEDISK |
ボリュームの論理名は,グループ論理名テーブルに格納されます。 /GROUP 修飾子を使用するには,ユーザ特権 GRPNAM が必要です。
別のグループが所有者であるボリュームの場合,その保護設定値によってはアクセスが拒否されることがあります。
ISO 9660ボリューム・セットに対して/GROUP修飾子を使用することはできません。
/GROUP 修飾子は /OVERRIDE=IDENTIFICATION,/SHARE,/SYSTEM 修飾子とは互換性がありません。
以下のコマンドは,PAYVOL1,PAYVOL2,PAYVOL3 というラベルのボリュームで構成されるボリューム・セットをマウントし,グループ全体で利用できるようにしています。PAY という論理名が,このセットに設定されており,ユーザは,この論理名 PAY でこれらのボリューム上のファイルにアクセスできます。
$ MOUNT/GROUP DB1:, DB2:, DB3: PAYVOL1,PAYVOL2,PAYVOL3 PAY |
以下のコマンドは,PAYVOL4 というラベルのボリュームを MASTER_PAY という既存ボリューム・セットに追加しています。このボリューム・セットのルート・ボリュームは,コマンド入力時に稼動中でなければなりません。
$ MOUNT/GROUP/BIND=MASTER_PAY DB4: PAYVOL4 |
省略時の設定では,ヘッダ・ラベル 3 が書き込まれます。 /NOHDR3 修飾子を指定すれば,HDR3 ラベルを正しく処理しないシステムで磁気テープに書き込みを行えます。
次の例は INITIALIZE コマンドと MOUNT コマンドが,ANSI 形式の磁気テープを処理可能状態にしています。/NOHDR3 修飾子により,HDR3 ラベルを書き込まないことを指定しています。したがってこの磁気テープは,処理系に依存するラベルを正しく処理しないシステムに移植できます。
$ INITIALIZE MTA0: ABCD $ MOUNT/NOHDR3 MTA0: ABCD |
/INCLUDE 修飾子は,自動的にシャドウ・セットをマウントし,システムがクラッシュする前の状態に復元します。シャドウ・セットを最初にマウントしたときに使用していた仮想ユニット名とまったく同じ名前を入力してください。仮想ユニット名の形式は,DSAnnnn: です。
オリジナル・シャドウ・セット内の 1 つ以上のディスク装置を,/SHADOW 修飾子で指定する必要もあります。標準装置命名形式 $ 割り当てクラス $ddcu[:] を使用してください。1 つの装置だけを指定する場合は,括弧で囲みません。
/INCLUDE 修飾子はコマンド行のどこに指定してもかまいません。
省略時の修飾子は /NOINCLUDE です。
次の例は,シャドウ・セットを作成しています。マウント対象のシャドウ・セット・メンバは,ソフトウェアが自動的に決定します。 /SHADOW 修飾子により,2 つのシャドウ・セット・メンバが正しくコピーされます。 $1$DUA10 の方が新しいボリュームなので,$1$DUA10 が $1$DUA11 にコピーされます。
シャドウ・セットが正しくディスマウントされ,まだ処理されていない書き込み要求が残されていない場合は,シャドウ・セット・デバイスに矛盾がないため,そのまま追加でき,コピー操作やマージ操作は必要ありません。未処理の書き込み要求がある場合には,Volume Shadowing for OpenVMS はコピー操作またはマージ操作を自動的に実行します。
$ MOUNT/INCLUDE DSA0: /SHADOW=$1$DUA10: SHADOWVOL %MOUNT-I-MOUNTED, SHADOWVOL mounted on DSA0: %MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$1$DUA10: (MEMBER1) is now a valid member of the shadow set %MOUNT-I-SHDWMEMCOPY, _$1$DUA11: (MEMBER2) added to the shadow set with a copy operation |
次の例は /INITIALIZE=CONTINUATION 修飾子が,MOUNT コマンド独自の継続ラベルを設定することを指示しています。この場合,オペレータが REPLY/BLANK=n と入力すれば,オリジナル・ラベルをもとにシステムがラベルを設定します。ABCD02,ABCD03 というように, MOUNT コマンドで指定したラベルに,適宜番号が追加されます。
$ MOUNT/INITIALIZE=CONTINUATION MTA0: ABCD |
省略時の設定では,/LABEL です。
/NOLABEL は,/FOREIGN と同じで,FOREIGN フラグを設定します。
以下のコマンドは ANSI 磁気テープを MFA1 にマウントし, TAPE$TAPE という省略時の論理名を設定しています。
$ MOUNT/LABEL MFA1: TAPE |
/MEDIA_FORMAT=CDROM 修飾子は,ISO 9660 (または High Sierra) 形式であるものとしてボリュームをマウントすることをマウント・サブシステムに要求します。
この修飾子は CD-ROM のマウント (ISO 9660 または High Sierra) を指定します。ボリュームが ISO 9660 形式または High Sierra CD-ROM 形式であることがわかっている場合には,この修飾子を指定してください。 省略時の設定では,Mount コマンドは Files-11 ODS-2 形式で CD-ROMを読み込もうとします。この修飾子を指定した場合には,Mount コマンドは Files-11 ODS-2 形式のマウントを実行しません。 CD-ROM の一部を Files-11 ODS-2 形式で記録し,別の部分を ISO 9660 形式で記録することが可能であるため,この修飾子を使用すれば,CD-ROM のマウントを指定できます (ISO 9660 または High Sierra) 。 |
/MEDIA_FORMAT 修飾子を使用すれば,テープをマウントし,テープ・ドライブがデータ圧縮をサポートする場合に,データ圧縮とレコード・ブロッキングを許可することができます。データ圧縮とレコード・ブロッキングを行うと,より多くのデータをテープに格納できます。
レコードは,圧縮してブロッキングすることも,圧縮をサポートしないテープ・ドライブで記録する場合と同じように記録することもできます。圧縮をサポートするテープ・ドライブに圧縮または非圧縮を指定すると, 1 本のテープ全体にその指定が適用されます。
/MEDIA_FORMAT=[NO]COMPACTION 修飾子は /DENSITY 修飾子と互換性がありません。
Files-11 テープにデータ圧縮を許可すると,キャッシングも自動的に許可されます。
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