OpenVMS
DCL ディクショナリ


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この RENAME コマンドは,AVERAGE.OBJ というファイルの既存の最新バージョンのファイル名を,OLDAVERAGE.OBJ に変更します。 OLDAVERAGE.OBJ という名前のファイル名が存在しない場合には,新しいファイルに1というバージョン番号が割り当てられます。

#2

$ RENAME/NONEW_VERSION  SCANLINE.OBJ;2   BACKUP.OBJ

この RENAME コマンドは, SCANLINE.OBJ;2 というファイルを BACKUP.OBJ;2という名前に変更します。 /NONEW_VERSION 修飾子は,BACKUP.OBJ;2 というファイルが既に存在する場合には, RENAME コマンドが,ファイルの名前を変更せずにエラーを報告することを指示しています。

#3

$ RENAME  *.TXT;*   *.OLD;*

この RENAME コマンドは,ファイル・タイプが TXT であるすべてのファイルの,すべてのバージョンのファイル・タイプを OLD に変更します。ファイル名とバージョン番号は変更されません。

#4

$ RENAME WATER.TXT [.MEMOS]

この RENAME コマンドは,ファイル WATER.TXT のディレクトリ名を,省略時のディレクトリからサブディレクトリ MEMOS へ変更します。つまり,ファイルを他のディレクトリに移動します。

#5

$ RENAME  [BORDERS.TESTFILES]SAVE.DAT  []TEST

この RENAME コマンドは,ディレクトリ [BORDERS.TESTFILES] のファイル SAVE.DAT を,TEST.DAT に変更します。新しいファイルは,現在の省略時のディレクトリへ移動されます。

#6

$ RENAME COEISABLAST.TXT COEIsABlast.txt

この RENAME コマンドは,COEISABLAST.TXT から COEIsABlast.txt へと大文字小文字を変更します。この RENAME コマンドが正しく機能するためには, ODS-5 ディスクを使用し,あらかじめ SET PROCESS/CASE_LOOKUP=SENSITIVE コマンドを実行しておく必要があります。

#7

$ RENAME/LOG
$_From:      DATA.*,INFO.*
$_To:        NEW
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.AAA;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.AAA;1
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.BBB;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.BBB;1
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.CCC;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.CCC;1
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.001;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.001;1
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.002;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.002;1
%RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.003;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.003;1
$
 

この例では,ファイル名が DATA であるファイルが 3 つ,ファイル名が INFO であるファイルが 3 つあります。この RENAME コマンドは旧ファイル指定にアスタリスク (*) ワイルドカード文字を使用して,新ファイル指定の一時的な省略時のファイル・タイプとバージョン番号を使用しています。/LOG 修飾子を指定しているので,全部で 6 つのファイル名が変更されたことが表示されます。

#8

$ RENAME NODE1::DISK2:[SMITH]ASSEMSHT.EXE NODE1::DISK2:[JONES]ASSEMBLYSHEET.EXE

この例の RENAME コマンドは,リモート・ノード NODE1 のディスク DISK2 上のディレクトリ SMITH にある ASSEMSHT.EXE を,同一ノードの同一ディスク上のディレクトリ JONES の ASSEMBLYSHEET.EXE に変更します。新ファイルが同一ノード上の同一ディスクに作成される場合に限り,異なるノードおよびディスク上のファイル名を変更することができます。


REPLY

1 つまたは複数の端末にメッセージを送信します。

制限事項については,修飾子の説明を参照してください。


形式

REPLY [メッセージ文]


パラメータ

メッセージ文

メッセージ文を指定します。メッセージ文は 1 〜 511 文字までの文字列でなければなりません。スペース,特殊文字,または小文字を含む場合は,文字列全体を二重引用符 (" ") で囲みます。

説明

OPER(オペレータ)特権を持つすべてのユーザは, REPLY コマンドを使用してシステムのユーザと通信できます。 REPLY コマンドを使用すると,次の操作を行うことができます。

REPLY コマンドを使用するには,1 つ以上の修飾子を指定しなければなりません。修飾子を指定せずに REPLY コマンドを使用すると,エラー・メッセージが表示されます。ユーザの端末にメッセージを表示する場合を除いて, REPLY コマンドを使用する場合には, /ENABLE=キーワード 修飾子を指定しなければなりません。 /ENABLE 修飾子の説明を参照して,目的に合った適切なキーワード ( 1 つまたは複数 ) を指定してください。

ユーザの端末にメッセージを表示

1 人または複数のシステム・ユーザにメッセージを送信する場合は,オペレータは,次の REPLY コマンドのいずれか 1 つを実行します。

/ALL 修飾子を指定すると,オンラインで OpenVMS システムまたは OpenVMS Cluster に接続している端末のすべてにメッセージが送信されます。通常,システム・シャットダウンについての情報などの,重要なメッセージを送信する場合は,/ALL 修飾子を指定します。

/TERMINAL 修飾子を指定すると,システムまたはクラスタ上の特定の端末 ( 複数可 ) にメッセージが送信されます。

/USERNAME 修飾子を指定すると,システムまたはクラスタにログインしているユーザ ( 複数可 ) の端末にメッセージが送信されます。

/TO 修飾子は,上記の 3 つの状況では使用されません。オペレータが,(ファイル・システム,またはユーザからの)特定の要求に応答するわけではないからです。

自分の端末以外にメッセージを送信するためには, OPER 特権が必要です。 REPLY コマンドは,すべての端末が送信したメッセージを受信するまで終了しません。

ユーザの要求への応答

ユーザが REQUEST/REPLY コマンドを実行すると,次の REPLY コマンドのいずれか 1 つを使用してオペレータが応答するまで,要求を実行しているユーザ端末のプロセスは待ち状態になります。

/ABORT 修飾子は,ユーザの要求が取り消されたことを示します。

/PENDING 修飾子を指定するとユーザにメッセージが送信され,さらにユーザの要求が満たされるか,または強制終了されるまで,ユーザのプロセスは待ち状態になります。

/TO 修飾子は,ユーザの要求が満たされたことを示します。

ユーザが REQUEST/REPLY コマンドを実行すると,システムのコンソール・ターミナルにメッセージが表示されます。表示例を次に示します。


%OPCOM, 24-DEC-2001 09:49:24.47, request 3, from user SYSTEM
_TTB6:, This is a sample request

オペレータが /ABORT 修飾子または /TO 修飾子を使用して応答するか,あるいはユーザが要求を強制的に終了するまで,ユーザはその他のコマンドを実行できません。オペレータが応答せず,ユーザが要求を強制終了しない場合は,オペレータが応答するまで,オペレータ・ターミナルで 5 分間隔で繰り返し要求されます。

REPLY コマンドは,ユーザがテープボリュームやディスク・ボリュームにアクセスするためにオペレータが実行しなければならない重要なコマンドです。

ファイル・システムからの要求への応答

マルチボリュームのテープ・ボリュームがテープの終端 (EOT) マークに到達すると,磁気テープ・ファイル・システムは処理を一時停止して, 次のテープをマウントするようにオペレータにメッセージを送信します。オペレータは,次の REPLY コマンドのいずれか 1 つを使用して応答します。

/TO 修飾子は,ファイル・システムからの要求が満たされたことを示します。磁気テープ・ファイル・システムからの要求がボリューム・ラベルを指定している場合,オペレータは指定されたテープをマウントし,REPLY/TO コマンドを実行します。ただしファイル・システムが新しいボリュームを要求している場合でも,オペレータはスクラッチ・ボリューム (記録されている内容を消去しても構わないボリューム) をマウントして REPLAY/INITIALIZE_TAPE コマンドを実行すれば,スクラッチ・ボリュームを再使用することもできます。オペレータは,空のボリュームをマウントして, REPLAY/BLANK_TAPE コマンドを実行することもできます。いずれの場合でもオペレータは, REPLAY コマンドにメッセージの "ラベル"を追加して,ボリュームのラベルを指定できます。この構文には,二重引用符(" ")が必要です。

要求が "REMOUNT" または "MOUNT NEW" の場合は,メッセージ文にラベルが必要です。要求が "MOUNT" の場合は,ラベルは必要ありません。

/ABORT 修飾子は,ファイル・システムからの要求が取り消されたことを示します。

オペレータ端末としての使用許可と禁止

OPCOM を実行している場合は,オペレーティング・システムに接続しているすべての端末は,オペレータ端末として設定できます。 OPER(オペレータ)特権を持ってログインしているオペレータが,指定した端末で REPLY/ENABLE コマンドを実行すると,その端末を使用してユーザの要求に応答したり,装置の状態を監視したりすることができます。端末が一時的にオペレータ端末として設定されている場合は,特にこの端末がオペレータ端末としての使用を禁止されるまで,または現在の会話型セッションを終了するまで,このような端末はオペレータ端末として使用できます (/TEMPORARY 修飾子の説明を参照してください)。

端末が明示的にオペレータ端末としての使用を禁止されない限り,オペレータ・メッセージは,システム・コンソール端末に表示されます。

オペレータが REPLY/ENABLE コマンドを実行すると,オペレータ端末として端末を使用できるようになったことを OPCOM が知らせてきます。次の例を参照してください。


$ REPLY/ENABLE


%OPCOM, 24-DEC-2001 10:22:19.75, operator status for operator OPA0 
CENTRAL, PRINTER, TAPES, DISKS, DEVICES, CARDS, NETWORK, CLUSTER, LICENSE, 
OPER1, OPER2, OPER3, OPER4, OPER5, OPER6, OPER7, OPER8, OPER9, OPER10, 
OPER11, OPER12 

オペレータが REPLY/DISABLE コマンドを実行すると, OPCOM は次のメッセージを使用して,端末がオペレータ端末ではないことを知らせます。


%OPCOM, 24-DEC-2001 10:03:23.48, operator disabled, operator OPA0 

ある端末を,特定のオペレータ状態にするには, /ENABLE 修飾子の後にキーワードを 1 つまたは複数指定します。たとえば,ある端末をオペレータ端末として設定して,テープおよびディスクのマウントとディスマウントに関するメッセージを受信するようにする場合は,オペレータは次のコマンドを実行します。


$ REPLY/ENABLE=(DISKS,TAPES)


%OPCOM, 24-DEC-2001 10:04:00.18, operator enabled, operator OPA0 
$ 
%OPCOM, 24-DEC-2001 10:04:00.47, operator status for operator OPA0 
TAPES, DISKS 

OPCOM は,端末がテープとディスクのメッセージに対して,オペレータ状態になったことを知らせます。

特定のオペレータ状態を止めるには,オペレータは, /DISABLE 修飾子の後にキーワードを 1 つまたは複数指定します。たとえば,オペレータ端末がディスクのマウントとディスマウントに関するメッセージを受信しないようにする場合は,オペレータは次のコマンドを実行します。


$ REPLY/DISABLE=DISKS


%OPCOM, 24-DEC-2001 10:04:30.83, operator status for operator OPA0 
TAPES 

OPCOM は,現在も端末に設定されている固有のオペレータ状態を表示します。

オペレータがシステム・コンソール・システムを含むすべての端末でオペレータ状態を禁止すると,OPCOM は,オペレータの応答を必要とするユーザの要求とメッセージを除く後続のメッセージをすべて,オペレータ・ログ・ファイルに記録します。


%OPCOM-S-OPRNOTIF, operator notified, waiting. 10:06:03.25 
%OPCOM-S-OPREPLY, %OPCOM 24-DEC-2001 10:06:03:25, no operator coverage 

オペレータ状態かどうかを判定して,特定の端末に対する保留中の要求のリストを表示する場合は,オペレータは次のコマンドを実行します。


$ REPLY/STATUS

このコマンドは,このオペレータの未処理の要求もすべて表示します。

オペレータ・ログ・ファイルのクローズと新しいログ・ファイルのオープン

現在のオペレータ・ログ・ファイルをクローズし,新しいオペレータ・ログ・ファイルをオープンする場合は,オペレータは REPLY/LOG コマンドを実行します。 OPCOM が動作している場合,後続のメッセージはすべて新しいログ・ファイルに記録されます。新しいログ・ファイルをオープンしないで現在のログ・ファイルをクローズする場合は,オペレータは REPLY/NOLOG コマンドを実行します。こうすると,オペレータが REPLY/LOG コマンドを実行するまで,後続のメッセージはすべて記録されません。


修飾子

/ABORT=ID 番号

ここで指定した ID 番号に対応するユーザまたは磁気テープ・ファイル・システムにメッセージを送信して,要求を取り消します。

/ALL

OPER(オペレータ)特権が必要です。

システムまたはクラスタに接続しているすべての端末に,メッセージを送信します。これらの端末は電源が投入されていて,ブロードキャスト・メッセージの受信が許可されていなければなりません。 /ALL 修飾子は,/USERNAME および /TERMINAL 修飾子と同時に指定することはできません。

/BELL

/ALL,/TERMINAL ,または /USERNAME 修飾子と同時に指定すると,端末がメッセージを受信した時にベル音が鳴ります。 /URGENT 修飾子と同時に指定すると,ベル音は 2 回鳴ります。 /SHUTDOWN 修飾子と同時に指定すると,ベル音は 3 回なります。

/BLANK_TAPE=ID 番号

VOLPRO(ボリューム保護)特権が必要です。

ID 番号により示される磁気テープ・ファイル・システムへのメッセージを送信して,ボリューム・ラベル情報のチェックを無効にします。新しいボリューム・ラベルは, メッセージ文パラメータで指定します。REPLY コマンドを発行した端末は, TAPES のオペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。

/DISABLE[=(キーワード[,...])]

OPER(オペレータ)特権が必要です。 機密保護メッセージについては, OPER および SECURITY 特権が必要です。

オペレータ通信マネージャ (OPCOM) を実行している場合に,このコマンドを入力した端末は通常の状態 (オペレータ端末ではない) に戻ります。 /DISABLE 修飾子は,バッチ・ジョブからは実行できません。オペレータ端末に表示されるメッセージのタイプ制限するためには,次のキーワードのいずれか 1 つを指定します。

CARDS カード・リーダに送信されるメッセージを表示しません。
CENTRAL 中央システム・オペレータに送信されるメッセージを表示しません。
CLUSTER クラスタ状態の変更に関する接続マネージャからのメッセージを表示しません。
DEVICES ディスクのマウントに関するメッセージを表示しません。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。
LICENSE ソフトウェア・ライセンスに関するメッセージを表示しません。
NETWORK ネットワークに関するメッセージを表示しません。 CENTRAL キーワードも指定する必要があります。
OPER1 〜 OPER12 OPER1 〜 OPER12 で識別されるオペレータに送信されるメッセージを表示しません。
PRINTER プリント要求に関するメッセージを表示しません。
SECURITY 機密保護事象に関するメッセージを表示しません。 SECURITY 特権が必要です。
TAPES テープ・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。

オペレータがリモート端末またはダイアル・イン端末からログアウトすると,オペレータ端末は自動的に使用禁止になります。

/ENABLE[=(キーワード[,...])]

OPER(オペレータ)特権が必要です。 機密保護メッセージについては, OPER および SECURITY 特権が必要です。

OPCOM を実行している場合, REPLY コマンドを入力した端末を,オペレータ端末として指定します。 /ENABLE 修飾子は,バッチ・ジョブからは実行できません。オペレータ端末に次の各タイプのメッセージを表示できるようにするには,次のキーワードのいずれか 1 つを指定します。

CARDS カード・リーダに送信されるメッセージを表示しません。
CENTRAL 中央システム・オペレータに送信されるメッセージを表示しません。
CLUSTER クラスタ状態の変更に関する接続マネージャからのメッセージを表示しません。
DEVICES ディスクのマウントに関するメッセージを表示しません。
DISKS ディスク・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。
LICENSE ソフトウェア・ライセンスに関するメッセージを表示しません。
NETWORK ネットワークに関するメッセージを表示しません。 CENTRAL キーワードも指定する必要があります。
OPER1 〜 OPER12 OPER1 〜 OPER12 で識別されるオペレータに送信されるメッセージを表示しません。
PRINTER プリント要求に関するメッセージを表示しません。
SECURITY 機密保護事象に関するメッセージを表示しません。 SECURITY 特権が必要です。
TAPES テープ・ボリュームのマウントとディスマウントに関するメッセージを表示しません。

/INITIALIZE_TAPE=ID 番号

ID 番号により示される磁気テープ・ファイル・システムにメッセージを送信し,磁気テープ・ボリュームを初期化します。ファイル・システムが新しいボリュームを要求する場合にはいつでも,この修飾子を指定できます。ボリュームを初期化する前に,システムは,通常の保護と満了に関するチェックを行います。 REPLY コマンドを発行した端末は, TAPES のオペレータ端末としての使用を許可されていなければなりません。


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