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この状態は,/AFTER,/NOHOLD,/RELEASE の修飾子に影響を与えます。
ジョブ保持の指定には,次のオプションを指定します。
SET ENTRY コマンドで /NORETAIN 修飾子は使用できません ( システム管理者は INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE や SET QUEUE コマンドで使用できます ) が, /RETAIN=DEFAULT を指定できます。この場合,キューの保持ポリシーに従ってジョブは保持されます。システム管理者がキューにジョブ保持を設定してなかった場合,ジョブは保持されません。 |
ジョブ保持オプションは,ジョブ登録時の指定よりも実行キューの設定が優先されます。ジョブが汎用キューに登録された場合には,汎用キューの設定がジョブ登録時の設定に優先されます。
ジョブ保持設定は,汎用キューよりも実行キューの設定が優先されますが,ジョブの終了状態が実行キューの保持設定に合致しない場合,汎用キューのものが適用されます。さらに,汎用キューの設定とも合致しない場合には,ジョブ登録時の指定が適用されます。実行キューに直接登録されたジョブは,汎用キューの設定の影響を受けません。
実行キューの設定が適用されれば実行キュー内に,汎用キューのものが適用されれば汎用キュー内に,ジョブ登録時の指定が適用されればその登録されたキュー内にそれぞれ保持されます。
以下の例は,キュー・マネージャがどのようにしてジョブを保持するかを示しています。
/RETAIN=ALWAYS を指定して汎用キューにジョブを登録し,正常終了したとします。
キュー・マネージャは,最初にジョブの終了状態を実行キューの保持設定と比較します。実行キューの保持設定が /RETAIN=ERROR( 正常終了でない時のみ保持する ) であるとすると,実行キューには保持できません。
次に,汎用キューの保持設定と比較します。汎用キューには保持設定が無かったとすると,汎用キューにも保持できません。
最後に,ジョブを登録したキューの保持設定と比較します。登録時の指定が /RETAIN=ALWAYS であるため,ジョブを登録したキュー(この場合には汎用キュー)に保持されます。
キューのタイプについては INITIALIZE/QUEUE を,保持オプションについては INITIALIZE/QUEUE, START/QUEUE や SET QUEUE コマンドの説明を参照してください。
UNTIL=時間オプションを用いて,必要な間だけジョブを保持しておくことができます。これによりジョブを削除する手間が省けます。
たとえば次のコマンドで,ジョブ 172 は 4月19日 7時31分まで保持されますが,その後で削除されます。
$ SET ENTRY/RETAIN=UNTIL=19-APR-2001:07:31:0.0 172 |
キューのジョブ保持ポリシーの設定によっては,ジョブはずっと保持されるかもしれません。これは,キューのジョブ保持ポリシーの設定が,ジョブ登録時の保持指定に優先されるためです。システム管理者がキューに時限保持を設定することはできないので,キューの設定によって保持されたジョブが自動的に削除されることはありません。
/RETAIN=UNTIL=時間オプションを使用する場合は,必ず時刻を指定してください。時刻はデルタ時間,絶対時刻との組み合わせ,絶対時刻の順に解釈されます。デルタ時間はジョブ終了時を起点とします。たとえば,SUBMIT/RETAIN=UNTIL="+3:00" と指定すれば,ジョブ終了後 3 時間保持されます。時刻の指定方法についての詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
SET ENTRY コマンドに /SETUP 修飾子を指定した場合,この修飾子はそのジョブ全体に対してのみ適用されます。この修飾子を使用して,マルチファイル・ジョブ内の個々のファイルに対して異なるセットアップ・モジュールを指定することはできません。
SET ENTRY コマンドに /TRAILER 修飾子を指定した場合,トレーラ・ページはマルチファイル・ジョブの各ファイルの終わりに印刷されます。
使用しているプリンタ・キューに対して,インストレーション時に設定された省略時の設定を変更したり,ジョブをキューに登録した PRINT コマンドの修飾子による設定を変更するときに, /[NO]TRAILER を使用してください。
キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が 0 以外の場合は,ジョブに対して指定された値とキューに設定されている値の小さい方が使用されます。キューに対して指定されているワーキング・セットの省略時の値が 0 の場合は,ジョブに対して指定された値と利用者登録ファイル (UAF) に登録されている値の小さい方が使用されます。
OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。 OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。 0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セットの省略時の値は,システム・パラメータ PQL_MWSDEFAULT と WSMAX の間でなければなりません。
OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット超過値は,システム・パラメータ PQL_MWSEXTENT と WSMAX の間でなければなりません。
OpenVMS Alpha 上では 512 バイトのページレット数で n を指定し, OpenVMS VAX 上では 512 バイトのページ数で n を指定します。 OpenVMS Alpha 上では,物理メモリの実際の量が指定された値よりも大きくなるような CPU 特有のページ数に,この値は切り上げられます。0 または NONE を指定した場合は, UAF の値またはキューに対して指定されている値が使用されます。ワーキング・セット・クォータ値は,システム・パラメータ PQL_MWSQUOTA と WSMAX の間でなければなりません。
#1 |
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$ PRINT/HOLD MYFILE.DAT Job MYFILE (queue SYS$PRINT, entry 112) holding $ SET ENTRY 112/RELEASE/JOB_COUNT=3 |
この PRINT コマンドは,ファイル MYFILE.DAT をシステム・プリンタのキューに,保留状態で登録することを要求しています。SET ENTRY コマンドは,ジョブの保留状態を解放して,印刷部数を 3 に変更しています。
#2 |
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$ SUBMIT CLIMATE Job CLIMATE (queue SYS$BATCH, entry 211) pending $ SET ENTRY 211/HOLD/NAME=TEMP |
この SUBMIT コマンドは,バッチ処理用にコマンド・プロシージャをキューに登録します。次の SET ENTRY コマンドにより,このジョブは保留状態になり,ジョブ名が TEMP に変更されます ( これは,ジョブ 211 がまだ実行を開始していなかった場合です )。
#3 |
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$ PRINT/FLAG=ALL/AFTER=20:00 MEMO.MEM, LETTER.MEM, REPORT.MEM/SPACE Job MEMO (queue SYS$PRINT, entry 172) holding until 20:00 $ SET ENTRY 172 /BURST/NOSPACE/HEADER |
この例は,省略時設定のプリンタにフラグ・ページ付きで 3 つのファイルを午後 8 時以降に出力する PRINT コマンドを示しています。また,ファイル REPORT.MEM はダブル・スペースで出力されます。次の SET ENTRY コマンドで,各ファイルの先頭にバースト・ページをつけ,すべてのファイルをシングル・スペースにし,各ファイルの各ページにヘッダを付けて出力するように変更しています。
#4 |
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$ SUBMIT/HOLD/QUEUE=ANYRADQ TEST.COM Job TEST (queue ANYRADQ, entry 23) holding $ SET ENTRY 23 /RAD=1 $ SHOW ENTRY/FULL 23 Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 23 TEST SYSTEM Holding On idle batch queue ANYRADQ Submitted 24-JUL-2001 14:19:37.44 /KEEP /NOPRINT /PRIORITY=100 /RAD=0 File: _$1$DKB200:[SWEENEY.CLIUTL]TEST.COM;1 |
この例では,TEST.COM がキュー ANYRADQ に発行され, SET ENTRY コマンドによって RAD が 1 に設定されます。
1 つ,または複数のファイルの属性を変更します。制限事項については,各修飾子の説明を参照してください。
SET FILE ファイル指定[,...]
ファイル指定[,...]
属性を変更する,1 つまたは複数のファイルを指定します。複数のファイルを指定する場合には,各ファイルをコンマ (,) で区切ります。ファイル指定の中では,ワイルドカード文字 (* と %) を使用できます。
SET FILE コマンドは,ファイルの属性を変更します。
/ATTRIBUTE=(ファイル属性[,...])
ファイル属性を変更します。ACP-QIO ファイル属性と OpenVMS RMS ファイル属性と指定するキーワードの関係を次の表に示します。この中から指定してください。
キーワード ACP-QIO ファイル属性1 OpenVMS RMS ファイル属性2 BKS:{値} FAT$B_BKTSIZE={バイト} FAB$B_BKS={バイト} DEQ:{値} FAT$W_DEFEXT={ワード} FAB$W_DEQ={ワード} EBK:{値} FAT$L_EFBLK={ロングワード} XAB$L_EBK={ロングワード} FFB:{値} FAT$W_FFBYTE={ワード} XAB$W_FFB={ワード} FSZ:{値} FAT$B_VFCSIZE={バイト} FAB$B_FSZ={バイト} GBC:{値} FAT$W_GBC={ワード} FAB$W_GBC={ワード} HBK:{値} FAT$L_HIBLK={ロングワード} XAB$L_HBK={ロングワード} LRL:{値} FAT$W_RSIZE={ワード} XAB$W_LRL={ワード} MRS:{値} FAT$W_MAXREC={ワード} FAB$W_MRS={ワード} ORG:IDX FAT$V_FILEORG=FAT$C_INDEXED FAB$B_ORG=FAB$C_IDX ORG:REL FAT$V_FILEORG=FAT$C_RELATIVE FAB$B_ORG=FAB$C_REL ORG:SEQ FAT$V_FILEORG=FAT$C_SEQUENTIAL FAB$B_ORG=FAB$C_SEQ RAT:BLK FAT$B_RATTRIB=FAT$M_NOSPAN FAB$B_RAT=FAB$M_BLK RAT:CR FAT$B_RATTRIB=FAT$M_IMPLIEDCC FAB$B_RAT=FAB$M_CR RAT:FTN FAT$B_RATTRIB=FAT$M_FORTRANCC FAB$B_RAT=FAB$M_FTN RAT:MSB FAT$B_RATTRIB=FAT$M_MSBVAR FAB$B_RAT=FAB$M_MSB RAT:NONE FAT$B_RATTRIB=0 FAB$B_RAT=0 RAT:PRN FAT$B_RATTRIB=FAT$M_PRINTCC FAB$B_RAT=FAB$M_PRN RFM:FIX FAT$V_RTYPE=FAT$C_FIXED FAB$B_RFM=FAB$C_FIX RFM:STM FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAM FAB$B_RFM=FAB$C_STM RFM:STMCR FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAMCR FAB$B_RFM=FAB$C_STMCR RFM:STMLF FAT$V_RTYPE=FAT$C_STREAMLF FAB$B_RFM=FAB$C_STMLF RFM:UDF FAT$V_RTYPE=FAT$C_UNDEFINED FAB$B_RFM=FAB$C_UDF RFM:VAR FAT$V_RTYPE=FAT$C_VARIABLE FAB$B_RFM=FAB$C_VAR RFM:VFC FAT$V_RTYPE=FAT$C_VFC FAB$B_RFM=FAB$C_VFC VRS:{値} FAT$W_VERSIONS={ワード} XAB$W_VERLIMI T={ワード}
/NOBACKUP 修飾子は, SWAPFILES などの重要でないデータを含むファイルを保存するときに役立ちます。
時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプの DCL_Tips トピックの Date_Time を参照してください。
『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている標準的な UIC 形式を使用して指定します。
ファイルのキャッシング属性は,アプリケーションが使用したいキャッシング・オプションを指定せずにファイルにアクセスしたときに,拡張ファイル・キャッシュが使用する省略時のキャッシング・オプションです。
キーワード は WRITETHROUGH または NO_CACHING です。キャッシングしたいファイルに対しては WRITETHROUGH を使用します。キャッシングしたくないファイルに対しては NO_CACHING を使用します。
拡張ファイル・キャッシュはディレクトリのキャッシングは行いません。ディレクトリのキャッシング属性は,そのディレクトリ内に作成された新しいファイルとサブディレクトリによってキャッシング属性がどのように継承されるかのみを制御します。
INITIALIZE コマンドを使って新しい Files-11 ボリュームを作成した場合,そのルート・ディレクトリ (000000.DIR;1) のキャッシング属性はライトスルーに設定されます。つまり,省略時の設定では,SET FILE /CACHING_ATTRIBUTE を使用しない限り,そのボリューム内に作成するすべてのファイルとディレクトリがライトスルーのキャッシング属性を継承します。
ボリューム内のどのファイルもキャッシングしたくない場合は,ボリューム内のすべてのファイルのキャッシング属性を NO_CACHING に設定するのではなく,MOUNT /NOCACHE を使って,キャッシングを無効にした状態でボリュームをマウントするようにします。 MOUNT /NOCACHE の方が性能が高く,キャッシングのオーバヘッドが最小限に抑えられます。
ディレクトリのキャッシング属性を変更しても,そのディレクトリの中の既存のファイルとサブディレクトリのキャッシング属性に影響は及びません。
ファイルのキャッシング属性を変更しても,現在そのファイルにアクセスしているアプリケーションが使用するキャッシングのタイプに影響は及びません。
YES | NO | QUIT |
TRUE | FALSE | Ctrl/Z |
1 | 0 | ALL |
[Return] |
単語による応答には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。また,単語による応答は,1 文字または複数の文字に短縮できます ( たとえば,TRUE は T,TR,または TRU に短縮できます )。肯定応答は YES,TRUE,1 です。否定応答は,NO,FALSE,0,Return です。 QUIT または Ctrl/Z は,その時点でコマンドの処理を中止することを示します。 ALLと応答すると,コマンドの処理は継続されますが,そのあとのプロンプトは表示されなくなります。上記に示されていない応答を入力すると,DCL はエラー・メッセージを出力し,同じプロンプトが再度表示されます。
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