OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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/BLOCK_SIZE

出力セーブ・セット修飾子

BACKUP セーブ・セットのデータ・レコードの出力ブロック・サイズを,バイト数で指定します。


形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定/BLOCK_SIZE=n


説明

2,048 〜 65,535 バイトのブロック・サイズを指定できます。BACKUP は, BACKUP 形式の制約に従い,この値を調整します。ただし,最大値の 65,535 を超えるブロック・サイズは調整しません。

磁気テープ・セーブ処理で /BLOCK_SIZE を指定すると,DCL の MOUNT コマンドの /BLOCK_SIZE 修飾子で定義したブロック・サイズは無視されます。

磁気テープ上のセーブ・セットに対し,あまりにも大きな値をブロック・サイズに指定した場合,1 本のテープでは収まらなくなったり,大量のエラーが記録されたりする恐れがあります。この場合,ブロック・サイズの指定を小さくしてください。それでも障害がある場合,そのテープは今後,BACKUP 処理に使用しないようにしてください。

磁気テープの省略時のブロック・サイズは,8,192 バイトです。ディスクの省略時のブロック・サイズは,32,256 バイトです。



$ BACKUP/RECORD DRA2:[LEE...]/SINCE=BACKUP MTA0:SAVEWORK.BCK/BLOCK_SIZE=10000

DRA2 上のディレクトリ木構造を,ドライブ MTA0 にマウントされている磁気テープにセーブします。入力ファイル選択修飾子 /SINCE=BACKUP により,指定したディレクトリ木構造内で,最後の BACKUP/RECORD 処理以降に変更したファイルだけが処理されます。出力セーブ・セット修飾子 /BLOCK_SIZE により,ブロック・サイズ 10,240 が割り当てられます。指定されているブロック・サイズ 10,000 は, 10,000 より大きい 512 の倍数で,10,000 に最も近い値に丸められます。

/BRIEF

コマンド修飾子

セーブ・セット内の各ファイルについて,ファイル指定,サイズ,作成日付をリストします。ファイルに割り当てられているブロック数ではなく,セーブしたファイルの実サイズがリストされます。 /BRIEF 修飾子が有効となるのは,/LIST 修飾子と併用した場合だけであり,この形式が BACKUP リストの省略時の形式です。 DCL の DIRECTORY/FULL コマンドの表示形式で情報をリストするには, /FULL 修飾子を指定してください。


形式

/LIST/BRIEF セーブ・セット指定



$ BACKUP/LIST/BRIEF DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET
               
Listing of save set(s)
 
Save set:          23MAR02.BCK
Written by:        MOROCI
UIC:               [000200,000200]
Date:              23-MAR-2002 14:18:16.00
Command:           BACKUP [SAVE] DBA2:[SAVE]23MAR02.BCK/SAVE_SET
 
Operating system:  OpenVMS Alpha Version 7.3-1
 
BACKUP version:    V7.3-1
CPU ID register:   08000000
Node name:         _SUZI::
Written on:        _DBA2: 
Block size:        32,256 
Group size:        10
Buffer count:      3
 
[SAVE]INFO.TXT;4                  5   4-FEB-2002 13:12
[SAVE]LAST.DAT;1                  1  18-JAN-2002 14:11
[SAVE]WORK.DAT;3                 33   1-JAN-2002 10:02
 
Total of 3 files, 39 blocks
End of save set                   
 

BACKUP 要約情報と,セーブ・セット内の各ファイルのファイル名,サイズ,作成日付をリストしています。入力指定子で Files-11 媒体上のセーブ・セットを指定するため,/SAVE_SET 修飾子を指定しています。

/BUFFER_COUNT

コマンド修飾子

この修飾子は,現在使用されません。指定することはできますが,コマンド・プロシージャにこの修飾子を指定しても,正しく動作しません。/BUFFER_COUNT 修飾子は,コマンド・プロシージャから削除するようにしてください。

/BY_OWNER

入力ファイル選択修飾子

UIC (ユーザ識別コード) をもとに,処理対象ファイルを選択します。


形式

入力指定子/BY_OWNER [=[ユーザ識別コード]] 出力指定子


説明

UIC なしで /BY_OWNER を指定すると,現在のプロセスと同じ UIC を持つすべてのファイルが選択されます。

8 進数による数値 UIC または英数 UIC を,[g,m] の形式で指定します。ワイルドカード文字を使用できます。必ず,大括弧で囲むようにしてください。

[g,m]

g グループ番号を示す 0 〜 37776 の 8 進数または英数字によるグループ名
m メンバ番号を示す 0 〜 177776 の 8 進数または英数字によるメンバ名

/BY_OWNER を指定しない場合,入力指定子に指定したすべてのファイルが処理されます。


#1

$ BACKUP [SNOW...]/BY_OWNER MT$DRIVE:SNOW.BCK/LABEL=TAPE01

テープ TAPE01 をドライブ MT$DRIVE にマウントし,[SNOW] のディレクトリとサブディレクトリに存在し,現在の省略時のプロセス UIC を持つすべてのファイルを,セーブ・セット SNOW.BCK にセーブしています。

#2

$ BACKUP [SUNDANCE]/BY_OWNER=[727,46]  DBA1:STABLE.BCK/SAVE_SET

ディレクトリ [SUNDANCE] に存在し [727,46] の所有者 UIC を持つすべてのファイルを,DBA1 上の順編成ディスク・セーブ・セット STABLE.BCK にセーブ・セットしています。

/BY_OWNER

出力ファイル修飾子

復元するファイルの所有者UIC (ユーザ識別コード) を再定義します。


形式

入力指定子 出力指定子 /BY_OWNER[=オプション]


説明

使用できるオプションは,次の表のとおりです。

DEFAULT ユーザの現在の省略時の UIC を所有者 UIC に設定する。/BY_OWNER 修飾子を指定しない場合の省略時のオプションである。ただし,イメージ復元処理と追加型復元処理の省略時のオプションは,ORIGINAL である。
ORIGINAL 復元するファイルの所有者 UIC を保持する。オプションなしで /BY_OWNER 修飾子を指定した場合の省略時のオプションである。追加型復元処理の省略時のオプションでもある。このオプションを使用するには,指定の UIC が自分の UIC であるか,ユーザ特権 SYSPRV を持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。
PARENT ファイルの復元先やコピー先であるディレクトリの所有者 UIC を所有者 UIC に設定する。このオプションを使用するには,指定の UIC が自分の親 UIC であるか,ユーザ特権 SYSPRV を持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。
[ユーザ識別子] 指定した UIC を所有者 UIC に設定する。入力ファイル選択修飾子 /BY_OWNER で説明した [g,m] 形式を使用する。このオプションを使用するには,自分の UIC であるか,ユーザ特権 SYSPRV を持っているか,または出力ボリュームの所有者でなければならない。

コマンド修飾子 /IMAGE または /INCREMENTAL を復元処理で指定する場合,省略時の値は /BY_OWNER=ORIGINAL です。



$ BACKUP DBA2:ACCOUNTS.BCK/SAVE_SET [CLEAVER...]/BY_OWNER=PARENT

順編成ディスク・セーブ・セット ACCOUNTS.BCK をディレクトリ木構造 [CLEAVER...] に復元し,各復元対象ファイルに [CLEAVER] ディレクトリの所有者 UIC を割り当てています。

/BY_OWNER

出力セーブ・セット修飾子

セーブ・セットの所有者UIC (ユーザ識別コード) を指定します。


形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定 /BY_OWNER=ユーザ識別子


説明

/BY_OWNER 修飾子の省略時の値は,現在のプロセスの UIC です。この修飾子を Files-11 セーブ・セットで使用するには,ユーザ特権 SYSPRV を持っているか,または指定する UIC が自分の UIC である必要があります。

8 進数による数値 UIC または英数 UIC を,[g,m] の形式で指定します。ワイルドカード文字を使用できます。必ず,大括弧で囲むようにしてください。

[g,m]

g グループ番号を示す 0 〜 37776 の 8 進数または英数字によるグループ名
m メンバ番号を示す 0 〜 177776 の 8 進数または英数字によるメンバ名



$ BACKUP [CLEAVER...] MFA2:ACCOUNTS.BCK/BY_OWNER=[301,310]/LABEL=TAPE01

TAPE01 のテープをドライブ MFA2 にマウントしています。次に,ディレクトリ木構造 [CLEAVER...] をセーブ・セット ACCOUNTS.BCK にセーブします。出力セーブ・セット修飾子 /BY_OWNER が,[301,310] の所有者 UIC をセーブ・セットに割り当てます。

/COMMENT

出力セーブ・セット修飾子

出力セーブ・セットにコメントを挿入します。コメント文字列が 2 語以上である場合,または英数以外の文字を含んでいる場合,二重引用符 (" ") で囲みます。コメントの文字数は,1,024 文字までです。


形式

入力指定子 出力セーブ・セット指定 /COMMENT=文字列



$ BACKUP [REMARKS] DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET -
_$ /COMMENT="Remote operations for July 20, 2002"
$ BACKUP/LIST DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET
Listing of save set
 
Save set:          20JULREM.BCK
Written by:        WALRUS
UIC:               [360,054]
Date:              20-JUL-2002 15:22:06.62
Command:           BACKUP [REMARKS] DMA1:20JULREM.BCK/SAVE_SET/COMMENT=Remote 
operations for July 20, 2002
 
Operating system:  OpenVMS Alpha Version V7.3-1
 
BACKUP version:    V7.3-1
CPU ID register:   0138084C
Node name:         _ABBEY::
Written on:        _ABBEY$DMA1:
Block size:        32256
Group size:        10
Buffer count:      3
 
[REMARKS]BAC.RES;1                                       2  20-JUL-2002 14:13
[REMARKS]COM.LIS;1                                       1  20-JUL-2002 14:04
[REMARKS]DTOP.DIR;1                                      1  20-JUL-2002 14:18
. 
. 
. 
Total of 40 files, 535 blocks
End of save set
 

最初の BACKUP コマンドは,ディレクトリ [REMARKS] を順編成ディスク・セーブ・セットにセーブし,コメントを記録します。 BACKUP/LIST コマンドは,新しく作成したセーブ・セットの内容を表示します。ディスク上にセーブ・セットを作成する場合は, /SAVE_SET 修飾子が必要です。

/COMPARE

コマンド修飾子

第 1 パラメータで指定したセーブ・セット,装置,ファイルを,第 2 パラメータで指定した Files-11 装置,ファイルの内容と比較し,両者に違いがあれば,エラー・メッセージを表示します。


形式

/COMPARE ファイル指定 ファイル指定

/COMPARE セーブ・セット指定 ファイル指定

/IMAGE/COMPARE 装置指定 装置指定

/IMAGE/COMPARE セーブ・セット指定 装置指定

/PHYSICAL/COMPARE 装置指定 装置指定

/PHYSICAL/COMPARE セーブ・セット指定 装置指定


説明

BACKUP 比較処理の第 1 パラメータには,Files-11 ファイル 1 つ,複数のファイルを表すワイルドカード文字,ディスク上または磁気テープ上の BACKUP セーブ・セット,テープ装置,ディスク装置のいずれかを指定します。コマンド修飾子 /PHYSICAL を指定しないかぎり,第 2 パラメータは,Files-11 ディスク・ファイル,複数のファイルを示すワイルドカード文字, Files-11 ディスク装置のいずれかを指定します。/PHYSICAL を指定し,かつ第 1 パラメータでディスク装置を指定する場合,比較対象ディスクは,両方とも /FOREIGN 修飾子でマウントされていなければなりません。

比較対象ファイルに違いがある場合,次のエラー・メッセージが表示されます。


%BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for ...

/COMPARE 修飾子は,セーブ・セットを元のファイルと比較する場合や,BACKUP でコピーしたファイルやボリュームを元のファイルと比較する場合に使用します。BACKUP ではファイルをブロック単位で処理するので,BACKUP で出力したもの以外のファイルを格納すると,同一のファイル間でも不一致エラーが生じる恐れがあります。

ファイル指定でバージョン番号の省略時の値は,ファイルのすべてのバージョンを処理するワイルドカード文字のアスタリスク ;* です。

比較処理のパラメータは,ともに入力指定子です。

2 つの Files-11 ボリューム全体を比較する場合は,次のようにイメージ比較処理を行います。


$ BACKUP/IMAGE/COMPARE DBA1: DBA2:

コマンド修飾子 /DELETE,/RECORD は,比較処理では使用できません。

出力ファイル修飾子 /NEW_VERSION はバージョン番号を変更するので, /NEW_VERSION 修飾子を使って復元またはコピーしたファイルには,比較処理を行わないようにしてください。


#1

$ BACKUP/COMPARE JAZZ.DAT BLUES.DAT

Files-11 ファイル 2 つを比較しています。バージョン番号は指定されていないので,各ファイルのすべてのバージョンを比較します。

#2

$ BACKUP/COMPARE/IMAGE MTA0:SWING.BCK DBA2:

磁気テープ上のイメージ・セーブ・セットを Files-11 ボリュームと比較しています。

/CONFIRM

入力ファイル選択修飾子

各ファイルを処理する前に,確認プロンプトをターミナル上に表示します。ファイルを処理する場合は,Y または YES を入力して Return を押します。


形式

入力指定子/CONFIRM 出力指定子



$ BACKUP *.LIS/CONFIRM/LOG  DLA2:LIST.BCK/SAVE_SET
DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1, copy? (Y or N): Y
%BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1
DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1, copy? (Y or N): Y
%BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1
DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1, copy? (Y or N): Y
%BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1
DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1, copy? (Y or N): N
DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1, copy? (Y or N): Y
%BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1
DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1, copy? (Y or N): N
. 
. 
. 
$

ファイル・タイプが .LIS のすべてのファイルを取り出し,確認プロンプトを表示してから,DLA2 上の LIST.BCK に各ファイルをセーブしています。コマンド修飾子 /LOG は,処理する各ファイルに関する情報を表示します。ディスク上にセーブ・セットを作成するときは,出力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET が必要です。

/CONVERT

入力ファイル選択修飾子

ODS-5 ファイル名を ODS-2 ファイル名に変換します。出力ボリュームを ODS-2 として保持する場合は, /NOINIT 修飾子を併用しなければなりません。

ODS-5 ファイル名を ODS-2 ファイル名に変換すると,ODS-5 ファイル属性のすべてが失われる点に注意してください。


形式

入力指定子 /CONVERT 出力指定子



$ BACKUP/LOG/CONVERT/IMAGE DKA500: DKA200:[000000]IMAGE.BCK/SAVE

ODS-5 ディスクから,ODS-2 イメージ・セーブ・セットを作成しています。セーブ・セットは,OpenVMS Version 7.2 より前のバージョンを実行しているシステムで読み込むことができます。

/CRC

入力セーブ・セット修飾子

ソフトウェア巡回冗長チェック (CRC) を行うことを指定します。


形式

入力セーブ・セット指定 /[NO]CRC 出力指定子


説明

省略時の値は,/CRC です。CRC チェックを禁止するには,/NOCRC を指定します。/NOCRC は処理時間を短縮しますが,データを消失する恐れが高くなります。


$ BACKUP MTA2:988SAVE.BCK/NOCRC []

([]) が示す現在の省略時のディレクトリに,セーブ・セット 988SAVE.BCK を復元しています。入力セーブ・セット修飾子 /NOCRC は,CRC を禁止します。


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