OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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  1. トランザクション・ログ・ヘッダ - トランザクション・ログの属性情報

  2. セクション・ヘッダ - 複数のトランザクション・レコードで構成されるセクションのヘッダ

  3. レコード番号 - 10 進と 16 進によるレコード番号

  4. レコード・サイズ - 10 進と 16 進によるレコード・サイズ

  5. トランザクション状態 - レコードのタイプ
    次のタイプがある。

  6. トランザクション識別子 - DECdtm トランザクション・マネージャが出力する一意のトランザクション識別子 (TID)

  7. DECdtm サービス・ログ形式 - トランザクション・ログ形式のバージョン番号

  8. タイプ - トランザクションの構成要素のタイプ
    次のいずれか。

  9. ログ識別子 - 構成要素のログの識別子
    CHILD,CHILD NODE,PARENT,PARENT NODE の構成要素の場合, DECdtm トランザクション・ログの識別子です。ローカル資源マネージャの場合,そのプライベート・ログの識別子です。

  10. 名前 - トランザクションの構成要素の名前
    ASCII と 16 進形式の両方が表示されます。



LMCP> DUMP/RM="RMS$" DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL
 

BLUE というノードのトランザクション・ログの内容を表示しています。OpenVMS の RMS ジャーナリングが関わっているトランザクションだけを選択しています。


 
Dump of transaction log DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 
End of file block 4002 / Allocated 4002 
Log Version 1.0 
Transaction log UID:   6A034B20-6FCC-0095-D7E4-EAA500000000 
Penultimate Checkpoint: 00000000382E 002E 
Last Checkpoint:        000000003C2E 002E 
 
 
  
Dump of transaction log DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 
Present Length:      46 (0000002E) Last Length:        512 (00000200) 
VBN Offset:          30 (0000001E) Virtual Block:       32 (00000020) 
Section:              1 (00000001) 
 
Record number 2 (00000002), 5 (0005) bytes 
Transaction state (3):  CHECKPOINT 
Checkpoint record contains no active transactions. 
 
Record number 1 (00000001), 21 (0015) bytes 
Transaction state (0):  FORGOTTEN 
Transaction ID: 271D9FC0-7082-0095-98E7-EAA500000000 
 
 
 
Dump of transaction log DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 
Present Length:     113 (00000071) Last Length:        512 (00000200) 
VBN Offset:          29 (0000001D) Virtual Block:       31 (0000001F) 
Section:              2 (00000002) 
 
Record number 1 (00000001), 93 (005D) bytes 
Transaction state (2):  COMMITTED 
Transaction ID: 271D9FC0-7082-0095-98E7-EAA500000000 (3-MAR-2002 13:53:03.42) 
DECdtm Services Log Format V1.1 
Type ( 2): CHILD        Log ID: EF006060-CF37-11C9-8001-AA000400DEFA 
Name (10): "SYSTEM$ORANGE" (45 474E4152 4F244D45 54535953) 
Type ( 8): CHILD NODE Log ID: EF006060-CF37-11C9-8001-AA000400DEFA 
Name ( 6): "ORANGE" (4547 4E41524F) 
Type ( 3): LOCAL RM     Log ID: 28C5D180-7082-0095-0000-000000000000 
Name (22): "RMS$USER1.......`....." 
     (0000 00178B60 00000000 00000031 52455355 24534D52) 
 
    . 
    . 
    . 
 
Total of 1 transactions active, 0 prepared and 1 committed 
 

HELP

LMCP コマンドのヘルプを出力します。

形式

HELP [ヘルプ・トピック [ヘルプ・サブトピック]]


パラメータ

ヘルプ・トピック

ヘルプを出力する対象のコマンドを指定します。

ヘルプ・サブトピック

ヘルプを出力する対象のパラメータまたは修飾子を指定します。

REPAIR

トランザクションの状態を変更します。

重要

REPAIR コマンドは,データを破損する恐れがあります。トランザクションに関わっている資源マネージャではトランザクション状態を変更できない場合以外には,使用しないようにしてください。

次の特権とアクセス権が必要です。


形式

REPAIR ファイル指定


パラメータ

ファイル指定

状態を変更するトランザクションを格納している,トランザクション・ログのファイル指定

REPAIR コマンドでは,次の条件が必要です。

省略時の設定は,次のとおりです。


修飾子

/LOGID=ログ ID

指定したログを使用する構成要素を持つトランザクションだけを選択します。

ログ ID は,DUMP コマンドの出力の Type フィールドの右の Log ID に表示されます。指定する値は,ハイフンを含み,実際に表示される値とまったく同じ値を指定してください。

この修飾子を使用できるのは,/RM 修飾子と併用した場合だけです。

/RM=名前

指定した値で始まる名前の構成要素を持つトランザクションのレコードだけを選択します。

構成要素名は,DUMP の出力の Name フィールドに,ASCII と 16 進で表示されます

構成要素名に表示不能文字が含まれている場合,16 進形式の名前を使用すれば,そのレコードを選択できます。16 進形式の名前を使用するためには,2 桁の 16 進値を 1 つの対にして,逆に並べます。たとえば,次のような構成要素の名前を仮定します。


Name (11): "SYSTEM$RED" (4445 52244D45 54535953) 

この場合,/RM 修飾子には,次の値を指定します。


/RM=%X53595354454D24524544 

/STATE=COMMITTED
/STATE=PREPARED

コミット段階または準備段階のトランザクションのレコードだけを選択します。

/TID=トランザクション ID

指定したトランザクションのレコードだけを選択します。

トランザクション ID は,DUMP コマンドの出力の Transaction ID フィールドに表示されます。ハイフンを含み,実際に表示される値とまったく同じ値を指定してください。


説明

REPAIR コマンドは,トランザクションの状態を変更します。

重要

REPAIR コマンドは,データを破損する恐れがあります。トランザクションに関わっている資源マネージャではトランザクション状態を変更できない場合以外には,使用しないようにしてください。

このコマンドは,トランザクションに関わっている資源マネージャにトランザクション状態を変更する手段が用意されていない場合だけに使用してください。たとえば Rdb for OpenVMS がトランザクションに関わっている場合, REPAIR ではなく,Rdb for OpenVMS Management ユーティリティ (RMU) のコマンドを使用してください。同様に,VAX DBMS for OpenVMS が関わっている場合は,データベース・オペレータ・ユーティリティ (DBO) のコマンドを使用してください。

トランザクションの結果がすでに判明しているときに,トランザクション・ログをただちに手作業で更新する必要がある場合以外には,トランザクション状態を変更しないようにしてください。トランザクション状態を変更する具体的状況としては,遠隔ノードへのネットワーク・リンクを失った場合などが考えられます。

REPAIR コマンドでは,変更するトランザクションを修飾子で指定します。省略時の設定では,すべてのトランザクションが選択されます。

変更するトランザクションを選択した後, REPAIR サブコマンド・モードに入ります。このモードでは,プロンプトが REPAIR> に変わり,サブコマンドを使用できるようになります。トランザクション状態を手作業で変更したり,選択基準を満たす次のトランザクションを選択したりする処理を,これらのサブコマンドで行います。使用できるサブコマンドは,次のとおりです。

サブコマンド 動作
ABORT 準備段階のトランザクションのレコードをトランザクション・ログから削除することによって,トランザクションを強制終了することを指定する。この結果,FORGOTTEN タイプのレコードが書き込まれる。
DECdtm サービスは,推定強制終了ロギング・プロトコルを使用している。
COMMIT 準備段階トランザクションをコミットさせることを指定する。この結果,COMMITTED タイプのレコードが書き込まれる。
EXIT LMCP> プロンプトに戻る。
FORGET コミットされたトランザクションをトランザクション・ログから削除できることを指定する。この結果, FORGOTTEN タイプのレコードが書き込まれる。
NEXT 指定した選択基準を満たす次のトランザクションを表示する。

選択したトランザクションが順番に表示されるので,それぞれを変更できます。ABORT,COMMIT,FORGET のサブコマンドではトランザクション状態の変更,NEXT サブコマンドでは次のトランザクションの選択が行えます。

REPAIR サブコマンド・モードを終了するには,EXIT サブコマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。



LMCP> REPAIR/STATE=PREPARED DISK$JOURNALS:[LOGFILES]SYSTEM$ORANGE
 

ORANGE というノードのトランザクション・ログから変更するトランザクションを選択しています。選択されたトランザクションは,準備段階にあるトランザクションです。

最初のトランザクションは,準備段階からコミット段階に手作業で変更しています。次に,NEXT サブコマンドで次のトランザクションに移動しています。


 
Dump of transaction log DISK$JOURNALS:[LOGFILES]SYSTEM$ORANGE;1 
End of file block 4002 / Allocated 4002 
Log Version 1.0 
Transaction log UID:   98A43B80-81B7-11CC-A27A-08002B1744C3 
Penultimate Checkpoint: 00000407B9AC 07AC 
Last Checkpoint:        00000407C3B7 07B7 
 
Transaction state (1):  PREPARED 
Transaction ID: 9F7DF804-CBC4-11CC-863D-08002B17450A (18-OCT-2002 16:11:03.67) 
DECdtm Services Log Format V1.1 
Type ( 3): LOCAL RM         Log ID: 00000000-0000-0000-0000-000000000000 
Name (1): "B" (42) 
Type ( 4): PARENT           Log ID: AEC2FB64-C617-11CC-B458-08002B17450A 
Name (13): "SYSTEM$BLUE" (45554C 42244D45 54535953) 
Type (16): PARENT NODE      Log ID: AEC2FB64-C617-11CC-B458-08002B17450A 
Name (6): "BLUE" (45554C42)) 
 
REPAIR>COMMIT 
REPAIR>NEXT 
    . 
    . 
    . 
 

SHOW LOG

トランザクション・ログに関する情報を表示します。

トランザクション・ログとそのディレクトリへの読み込みアクセス権が必要です。


形式

SHOW LOG [ファイル指定]


パラメータ

ファイル指定

情報を表示したいトランザクション・ログのファイル指定。パーセント (%) とアスタリスク (*) のワイルドカード文字を使用できます。

省略時の設定は,次のとおりです。


修飾子

/CURRENT

ローカル・ノードのトランザクション・ログに関する情報を表示します。 DECdtm サービスがローカル・ノード上で起動してから発生したチェックポイント数と停止回数も表示されます。

/CURRENT修飾子を使用するには,次の条件を満足しなければなりません。

/FULL

トランザクション・ログのすべての属性をリストします。各トランザクション・ログの完全ファイル指定とサイズが表示されます。

トランザクション・ログを指定しない場合,論理名 SYS$JOURNAL が指すすべてのディレクトリに存在する SYSTEM$*.LM$JOURNAL の形式のすべてのトランザクション・ログを表示します。 SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義していなければなりません。

/OUTPUT[=ファイル指定]

出力ファイルを作成するディレクトリへの読み込みアクセス権と書き込みアクセス権が必要です。

SHOW LOG コマンドの出力先を指定します。省略した場合,出力は現在の SYS$OUTPUT 装置 (通常は,使用中のターミナル) に送られます。ファイルに出力するには, /OUTPUT 修飾子を使用します。ファイルを指定しない場合,省略時のディレクトリのファイル LMCP_SHOW.LIS に出力されます。



LMCP> SHOW LOG/FULL

論理名 SYS$JOURNAL が指すすべてのディレクトリに格納されているトランザクション・ログに関する詳細情報を表示しています。 SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義されています。


 
Directory of DISK$JOURNALS:[LOGFILES] 
 
DISK$JOURNALS:[LOGFILES]SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 
End of file block 4002 / Allocated 4002 
Log Version 1.0 
Transaction log UID:   647327A0-2674-11C9-8001-AA00040069F8 
Penultimate Checkpoint: 000000001A39 0039 
Last Checkpoint:        000000001C8A 008A 
 
Total of 1 file. 
 
Directory of DISK$RED:[LOGFILES] 
 
DISK$RED:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$JOURNAL;1 
End of file block 4002 / Allocated 4002 
Log Version 1.0 
Transaction log UID:   17BB9140-2674-11C9-8001-AA0004006AF8 
Penultimate Checkpoint: 000000ECADE5 41E5 
Last Checkpoint:        000000F1O5FC 41FC 
 
Total of 1 file. 
 
Directory of DISK$LOGFILES:[LOGS] 
 
DISK$LOGFILES:[LOGS]SYSTEM$YELLOW.LM$JOURNAL;1 
End of file block 1002 / Allocated 1002 
Log Version 1.0 
Transaction log UID:   590DAA40-2640-11C9-B77A-08002B14179F 
Penultimate Checkpoint: 00000C8B4819 2019 
Last Checkpoint:        00000C8BC15B 335B 
 
 
Total of 1 file. 
 
Total of 3 files in 3 directories. 
 


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