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サブプロセスを作成し,LATCP セッションを終了せずに DCL コマンドを実行できるようにします。LATCP の SPAWN コマンドは,DCL の SPAWN コマンドと似ています。LATCP セッションに戻るには,DCL の LOGOUT コマンドを入力してサブプロセスを終了するか,または DCL の ATTACH コマンドにより, LATCP を実行しているプロセスにターミナルを戻します。
SPAWN [DCL コマンド]
DCL コマンド
DCL コマンドを指定します。指定した DCL コマンドは,サブプロセスで実行されます。DCL コマンドが終了すると,制御は LATCP に戻ります。DCL コマンドを指定しない場合,サブプロセスが作成されます。ここで,DCL コマンドを実行できます。このサブプロセスを終了するか,または DCL の ATTACH コマンドで親プロセスに戻ることにより, LATCP セッションを続行できます。
SPAWN コマンドの動作は,DCL の SPAWN コマンドとまったく同じです。 LATCP セッションを終了せずに,印刷キューの作成,装置保護の変更,メールへの応答などの DCL コマンドを実行できます。キャプティブ・アカウントで LATCP を実行している場合,このコマンドで DCL にアクセスすることはできません。
LATCP> SPAWN $ |
DCL レベルでサブプロセスを作成しています。DCL コマンドを実行できます。ログアウトするかまたは DCL の ATTACH コマンドを実行すれば,LATCP プロンプトに戻ります。
ローカル・ノードが保持しているリンク・カウンタ,ノード・カウンタ,サービス・カウンタを再設定します。このコマンドを使用するためには,OPER 特権が必要です。
ZERO COUNTERS
なし
/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
カウンタが再設定されたことを確認するメッセージを表示するかどうかを指定します。省略時の設定では,メッセージは表示されません。/LINK[=リンク名]
再設定したいカウンタに対応する,ローカル・ノード上のリンクを指定します。リンク名を指定しない場合,リンク LAT$LINK のカウンタが再設定されます。/NODE[=ノード名]
再設定したいカウンタに対応するノードを指定します。ノード名を指定しない場合,使用中のローカル・ノードのカウンタが再設定されます。/PORT=ポート名
カウンタを再設定したい (ローカル・ノード上の) ポートを指定します。/SERVICE=サービス名
再設定したいカウンタに対応する,ローカル・ノード上のサービスを指定します。
カウンタを再設定します。リンク・カウンタ,ノード・カウンタ,サービス・カウンタを再設定できます。/LINK,/NODE,/SERVICE のいずれかを指定してください。
LATCP> ZERO COUNTERS/SERVICE=LTVM LATCP> SHOW SERVICE LTVM /COUNTERS Service Name: LTVM Seconds Since Zeroed: 9 Connections Attempted: 0 Connections Accepted: 0 Connections Completed: 0 Connections Rejected: 0 Password Failures: 0 |
LTVM というサービスのカウンタを再設定しています。 ZERO COUNTERS コマンドがどのようにカウンタを再設定するかが, SHOW SERVICE コマンドにより表示されています。
14.1 LMCP について
Log Manager Control Program (LMCP)ユーティリティは,DECdtmサービスで使用されるトランザクション・ログを作成し,管理します。
一部のLMCPコマンドはデータを破壊する可能性があります。 LMCPをなぜ使用するかについてと,安全に使用する方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。 |
LMCP により,DEC 分散トランザクション・マネージャ DECdtm サービスで使用するトランザクション・ログを作成し,管理することができます。
RUN SYS$SYSTEM:LMCP
なし
LMCP を起動するには,DCL コマンド・プロンプトに対して RUN SYS$SYSTEM:LMCP と入力します。出力される LMCP> プロンプトに対し,この項で説明する LMCP コマンドを入力できます。LMCP を終了するには,LMCP> プロンプトに対して EXIT コマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。
14.3 LMCP のコマンド
次の表は,LMCP のコマンドの一覧です。
コマンド | 説明 |
---|---|
CLOSE LOG | トランザクション・ログをクローズし, TP_SERVER プロセスを終了する。 |
CONVERT LOG | トランザクション・ログを作成し,このトランザクション・ログに既存のトランザクション・ログのレコードをコピーする。 |
CREATE LOG | トランザクション・ログを作成する。 |
DUMP | トランザクション・ログの内容を表示する。 |
EXIT | LMCP を終了する。 |
HELP | LMCP コマンドのヘルプを出力する。 |
REPAIR | トランザクションの状態を変更する。 |
SHOW LOG | トランザクション・ログに関する情報を表示する。 |
トランザクション・ログをクローズし,TP_SERVER プロセスを終了します。SYSNAM 特権が必要です。
CLOSE LOG
CLOSE LOG コマンドを使用することにより,次のような操作を行うことができます。
- ローカル・ノードのトランザクション・ログをクローズする。
- ローカル・ノードの TP_SERVER プロセスを終了する。
ノードでトランザクションを実行中である場合,CLOSE LOG コマンドは失敗します。
トランザクション・ログを作成し,既存のトランザクション・ログのレコードをコピーします。CONVERT LOG コマンドは,トランザクション・ログの移動やサイズ変更に使用できます。
重要
ノードにトランザクション・ログがすでに存在する場合に, CONVERT LOG コマンドでトランザクション・ログを作成すると,データを破損する恐れがあります。CONVERT LOG コマンドの使用方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。
次の特権とアクセス権が必要です。
- CMKRNL 特権
- 既存のトランザクション・ログとそのディレクトリへの読み込みアクセス権
- 新しいトランザクション・ログを作成するディレクトリへの読み込みアクセス権と書き込みアクセス権
CONVERT LOG 旧ファイル指定 新ファイル指定
旧ファイル指定
コピーするレコードが格納されているトランザクション・ログのファイル指定省略時値は,次のとおりです。
- ディスクとディレクトリを省略した場合
論理名 SYS$JOURNAL が指すディレクトリでトランザクション・ログが検索されます。SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義していなければなりません。- ファイル・タイプを省略した場合
.LM$JOURNAL が使用されます。
新ファイル指定
新たに作成するトランザクション・ログのファイル指定DECdtm サービスでトランザクション・ログを使用するには,ファイル名の形式を SYSTEM$node.LM$JOURNAL とする必要があります。node は,ノード名です。
省略時値は,次のとおりです。
- ディスクとディレクトリを省略した場合
新しいトランザクション・ログは,論理名 SYS$JOURNAL が指すディレクトリの中で最初にアクセス可能なディレクトリに作成されます。SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義していなければなりません。- ファイル・タイプを省略した場合
.LM$JOURNAL が使用されます。
/OWNER=ユーザ識別子
新しいトランザクション・ログの所有者を指定します。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に従って,UIC 標準形式で所有者を指定してください。
/SIZE=サイズ
新しいトランザクション・ログのサイズをブロック単位で指定します。最小サイズは 100 ブロックです。省略時のサイズは,4,000 ブロックです。
LMCP> CONVERT LOG/SIZE=6000 DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$OLD - _LMCP> DISK$LOG2:[LOGFILES]SYSTEM$RED.LM$JOURNAL |
6,000 ブロックのトランザクション・ログ SYSTEM$RED.LM$JOURNAL を DISK$LOG2:[LOGFILES] というディレクトリに作成しています。次に,ディレクトリ DISK$LOG2:[LOGFILES] の既存トランザクション・ログ SYSTEM$RED.LM$OLD のアクティブなトランザクション・レコードを,すべて新しいトランザクション・ログにコピーしています。
新しいトランザクション・ログを作成します。
重要
ノードにトランザクション・ログがすでに存在するときに CREATE LOG コマンドで新しいトランザクション・ログを作成した場合,データを破損する恐れがあります。
トランザクション・ログを作成するディレクトリへの読み込みアクセス権と書き込みアクセス権が必要です。
CREATE LOG ファイル指定
ファイル指定
作成するトランザクション・ログのファイル指定DECdtm サービスでトランザクション・ログを使用するには,ファイル名の形式を SYSTEM$node.LM$JOURNAL とする必要があります。node は,ノード名です。
省略時の設定は,次のとおりです。
- ディスクとディレクトリを省略した場合,新しいトランザクション・ログは,論理名 SYS$JOURNAL が指すディレクトリの中で最初にアクセス可能なディレクトリに作成されます。SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義していなければなりません。
- ファイル・タイプを省略した場合,.LM$JOURNAL が使用されます。
SYS$JOURNAL が指していないディスクやディレクトリを指定すると,警告メッセージが表示されます。トランザクション・ログは作成されますが, (a) ログを作成したディスクとディレクトリを指すように SYS$JOURNAL を変更,または,(b) 作成したトランザクション・ログを SYS$JOURNAL が指すディレクトリに移動のいずれかの作業を行わないかぎり,使用されません。
/NEW_VERSION
既存のトランザクション・ログの新しいバージョンを作成します。
重要
既存のトランザクション・ログの新しいバージョンを作成すると,データが破損する恐れがあります。2 つのトランザクション・ログのデータをマージすることはできません。 DECdtm サービスは,新トランザクション・ログを使用した後では,古いトランザクション・ログのレコードにアクセスできません。
/OWNER=ユーザ識別子
トランザクション・ログの所有者を指定します。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に従って,UIC 標準形式で所有者を指定してください。
/SIZE=サイズ
トランザクション・ログのサイズをブロック単位で指定します。最小サイズは 100 ブロックです。省略時のサイズは 4,000 ブロックです。
LMCP> CREATE LOG/SIZE=5000 DISK$LOG1:[LOGFILES]SYSTEM$ORANGE.LM$JOURNAL |
ORANGE というノードに対し,5,000 ブロックのトランザクション・ログを DISK$LOG1:[LOGFILES] に作成しています。
トランザクション・ログの内容を表示します。トランザクション・ログとそのディレクトリへの読み込みアクセス権が必要です。
DUMP ファイル指定
ファイル指定
表示したい内容を持つトランザクション・ログのファイル指定省略時の設定は,次のとおりです。
- ディスクとディレクトリを省略した場合,新しいトランザクション・ログは,論理名 SYS$JOURNAL が指すディレクトリの中で最初にアクセス可能なディレクトリに作成されます。SYS$JOURNAL は,エグゼクティブ・モードでシステム論理名テーブルに定義していなければなりません。
- ファイル・タイプを省略した場合,.LM$JOURNAL が使用されます。
/ACTIVE
アクティブなトランザクションのレコードだけを選択します。/FORMAT(省略時の設定)
トランザクション・ログの内容を書式付きレコードとして表示するかどうかを指定します。16 進だけで表示するには, /NOFORMAT 修飾子と /HEX 修飾子の両方を指定してください。
/NOFORMAT/HEX 修飾子を指定せずに /NOFORMAT 修飾子を指定した場合,トランザクション・ログ・ヘッダだけが表示されます。
/HEX
トランザクション・ログの内容を,ASCII 文字と 16 進ロングワードの両方で表示することを指定します。16 進だけで表示するには, /NOFORMAT 修飾子と /HEX 修飾子の両方を指定してください。
/NOHEX(省略時の設定)/LOGID=ログ ID
ログ ID フィールドが指定した値に一致する構成要素を持つトランザクションのレコードだけを選択します。ログ ID は,Type フィールドの右の Log ID フィールドに表示されます。ハイフンも含め,実際に表示される値と同じ値を指定してください。
この修飾子を使用できるのは,/RM 修飾子と併用した場合だけです。
/OUTPUT[=ファイル指定]
出力ファイルを作成するディレクトリへの読み込みアクセス権と書き込みアクセス権が必要です。DUMP コマンドの出力先を指定します。省略した場合,出力は現在の SYS$OUTPUT 装置 (通常は,使用中のターミナル) に送られます。ファイルに出力するには, /OUTPUT 修飾子を使用します。ファイルを指定しない場合,省略時のディレクトリのファイル LMCP_DUMP.LIS に出力されます。
/RM=名前
指定した値で始まる名前の構成要素を持つトランザクションのレコードだけを選択します。構成要素名は,ASCII と 16 進の両方で Name フィールドに表示されます。
構成要素名に表示不能文字が含まれている場合,16 進形式の名前を使用すれば,そのレコードを選択できます。16 進形式の名前を使用するためには,2 桁の 16 進値を 1 つの対にして,逆に並べます。たとえば,次のような構成要素の名前を仮定します。
Name (11): "SYSTEM$RED" (4445 52244D45 54535953)この場合,/RM 修飾子には,次の値を指定します。
/RM=%X53595354454D24524544
/STATE=COMMITTED
コミット段階または準備段階のトランザクションのレコードだけを選択します。
/STATE=PREPARED/TID=トランザクション ID
指定したトランザクションのレコードだけを選択します。トランザクション ID は, Transaction ID フィールドに表示されます。ハイフンを含み,実際に表示される値とまったく同じ値を指定してください。
DUMP コマンドは,トランザクション・ログの内容を表示します。 例 14-1 に,トランザクション・ログの例を使用し,重要なフィールドについて説明します。
例 14-1 トランザクション・ログ例
Log Manager Control Program V1.1 Dump of transaction log DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 End of file block 4002 / Allocated 4002 Log Version 1.0 Transaction log UID: 647327A0-2674-11C9-8001-AA00040069F8 (1) Penultimate Checkpoint: 000000000239 0039 Last Checkpoint: 00000000042E 002E Dump of transaction log DISK$LOGFILE:SYSTEM$BLUE.LM$JOURNAL;1 Present Length: 134 (00000086) Last Length: 0 (00000000) VBN Offset: 0 (00000000) Virtual Block: 2 (00000002) (2) Section: 3 (00000003) Record number 1 (00000001),(3) 114 (0072) bytes (4) Transaction state (1): PREPARED (5) Transaction ID: 1D017140-2676-11C9-9F34-08002B174360 (6) (8-JUL-2002 14:08:29.14) DECdtm Services Log Format V1.1 (7) Type ( 2): CHILD (8) Log ID: F1469720-4A0C-11CC-8001-AA000400B7A5 (9) Name (13): "SYSTEM$WESTRN" (4E 52545345 57244D45 54535953) (10) Type ( 8): CHILD NODE (8) Log ID: F1469720-4A0C-11CC-8001-AA000400B7A5 (9) Name (6): "WESTRN" (4E52 54534557) (10) Type ( 3): LOCAL RM (8) Log ID: 037100C0-0019-0003-0100-000000000000 (9) Name (6): "ORANGE" (4547 4E41524F) (10)
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