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SHOW CLUSTER は,必要に合わせてクラスやフィールドを追加または削除し,必要な情報を表示するようにカスタマイズできます。たとえば,CLUSTER クラスや LOCAL_PORTS クラスに属するフィールドを追加すると,そのクラスの情報を表示する欄が表示に追加されます。
省略時の設定では,SYSTEMS クラスの NODE フィールドと SOFTWARE フィールド,MEMBERS クラスの STATUS フィールドが表示されます。 図 19-1 は,HW_TYPE,VOTES,TRANSITION_TIME のフィールドを省略時の表示に追加した表示のカスタマイズ例です。
図 19-1 SHOW CLUSTER レポート
SHOW CLUSTER は,ほぼ 100 フィールドのデータを網羅しているので, 画面に収まらなくなることがよくあります。このため,表示を制御する,次のメカニズムが用意されています。
SHOW CLUSTER には多くの修飾子とコマンド,1 つの定義可能キーパッドがあり,それらを利用して表示をカスタマイズすることができます。具体的には,ウィンドウの位置を変更したり,ウィンドウの内容をスクロールしたり,表示を更新する間隔を変更したりできます。この章では,SHOW CLUSTER の修飾子とコマンドに関するリファレンス情報を記載します。キーパッドの使用方法については, 付録 I を参照してください。
SHOW CLUSTER コマンドに慣れてくると,自分にとって本当に必要なクラスやフィールドが分かってきます。スタートアップ初期化ファイルを作成すれば,ユーザ独自の省略時のレポート・フォーマットを設定できます。また,SHOW CLUSTER を会話形式で使用する,コマンド・プロシージャの作成やキーパッドの指定もできます。
SHOW CLUSTER の出力をカスタマイズすると,インストレーションに関連するデータだけを表示できます。 SHOW_CLUSTER$INIT:SHOW_CLUSTER.INI という初期化ファイルの作成については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。
SHOW CLUSTER のキーパッドをカスタマイズすると,省略時のキーパッドの機能をサイト固有の機能に再定義できます。SHOW CLUSTER のキーパッド・コマンドについては
付録 I を参照してください。
19.2 SHOW CLUSTER 使用法の要約
Show Cluster ユーティリティ (SHOW CLUSTER) は,OpenVMS Cluster システムの動作と性能を監視し,省略時のターミナルまたは指定した装置またはファイルに情報を出力します。
SHOW CLUSTER [/修飾子[,...]]
なし
SHOW CLUSTER を起動するには,次のコマンドを入力します。
$ SHOW CLUSTER
SHOW CLUSTER コマンドを修飾子を付けずに指定すると, 1 つのクラスタ・レポートが表示され,制御は DCL レベルに戻ります。 SHOW CLUSTER のレポートを連続して表示するには,次のコマンドを入力します。
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS連続表示モードでは,各種の SHOW CLUSTER コマンドでレポート出力を制御できます。/OUTPUT 修飾子を付けて SHOW CLUSTER コマンドを入力すれば,SYS$OUTPUT ではなく,ファイルや装置に出力できます。
連続表示モードを終了して DCL レベルに戻るには,EXIT コマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。画面を消去せずに SHOW CLUSTER を終了するには Ctrl/C,SHOW CLUSTER を中断するには Ctrl/Y を押します。
この節では,SHOW CLUSTER 修飾子について,例を挙げて説明します。次の表は,修飾子の一覧です。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/BEGINNING=時間 | SHOW CLUSTER セッションを開始する時間を指定する。 |
/CONTINUOUS | SHOW CLUSTER の表示を連続的に更新するかどうかを制御する。 |
/ENDING=時間 | SHOW CLUSTER セッションを終了する時間を指定する。 |
/INTERVAL=秒数 | 画面上に情報が表示されてから,更新されるまでの秒数を指定する。 |
/OUTPUT=ファイル指定 | 現在の SYS$OUTPUT 装置ではなく,指定したファイルに SHOW CLUSTER の出力を送信する。 |
SHOW CLUSTER セッションを開始する時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間のいずれも使用できます。また,両方を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。将来の時間を指定すると,その指定した時間までプロセスはハイバネート状態となります。この修飾子に /OUTPUT と /ENDING の修飾子を付けて指定すると,ユーザが直接起動することなく SHOW CLUSTER を実行できます。
/BEGINNING =時間
時間
[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式による絶対時刻,または [dddd-][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間で時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。
#1 |
---|
$ SHOW CLUSTER/BEGINNING=31-OCT-2002:20:30 |
絶対時刻を指定しています。2002 年 10 月 31 日 20 時 30 分に,単一表示モードで出力されます。
#2 |
---|
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS/BEGINNING=31-OCT-2002:21:30 |
絶対時刻を指定しています。2002 年 10 月 31 日 21 時 30 分に,連続表示モードで開始されます。
#3 |
---|
$ SHOW CLUSTER/BEGINNING=7-:30 |
デルタ時間を指定しています。今から 7 日と 30 分後に,単一表示モードで出力されます。
連続的に SHOW CLUSTER 表示を更新するかどうかを制御します。この修飾子を省略した場合,単一表示モードで出力されます。出力後,制御は DCL コマンド・レベルに戻ります。連続表示モードで SHOW CLUSTER を実行すれば,SHOW CLUSTER コマンドで表示を制御できます。
/CONTINUOUS
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS |
15 秒ごとに更新される連続レポートの表示を開始しています。
SHOW CLUSTER セッションを終了する時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間のいずれも使用できます。また,両方を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。この修飾子に /BEGINNING と /OUTPUT の修飾子を付けて指定すると,ユーザが直接起動することなく SHOW CLUSTER を実行できます。
/ENDING =時間
時間
[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式による絶対時刻,または [dddd-][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間で時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS/ENDING=31-OCT-2002:15:30 |
連続表示モードで今から出力を開始し,2002 年 10 月 31 日 15 時 30 分に終了します。
画面上に情報を表示してから,更新するまでの秒数を指定します。省略時の設定では15 秒です。
/INTERVAL =秒数
秒数
秒単位による表示更新の間隔
$ SHOW CLUSTER/INTERVAL=5 |
5 秒ごとに更新される連続レポートを表示しています。
現在の SYS$OUTPUT 装置ではなく,指定したファイルにSHOW CLUSTER の出力を送ります。
SHOW CLUSTER の出力は,ファイル・タイプや装置タイプにかかわりなく,必ず印刷可能なファイル形式です。132 個までの欄を出力できます。また,あらゆるファイル,ターミナル,印刷装置に送信できます。
WRITE コマンドでも,ファイルへの出力を指定できます。
/OUTPUT =ファイル指定
ファイル指定
SHOW CLUSTER の出力先とするファイルまたは装置の名前。省略時のファイル名は,SHOW_CLUSTER.LIS です。SYS$OUTPUT 以外の装置名を指定すれば,その装置に出力できます。
$ SHOW CLUSTER/OUTPUT=[OMALLEY]CLUSTER |
レポートを作成し,OMALLEY というディレクトリのファイル CLUSTER.LIS;1 に出力しています。
連続表示モードでは,各種の SHOW CLUSTER のコマンドを使用してセッションを制御できます。次の表は, SHOW CLUSTER のコマンドの一覧です。
コマンド名 | 説明 |
---|---|
@ (実行プロシージャ) | SHOW CLUSTER コマンドを格納しているコマンド・プロシージャ・ファイルを実行する。 |
ADD CIRCUITS | 現在許可されているすべての CIRCUITS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CLUSTER | 現在許可されているすべての CLUSTER クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CONNECTIONS | 現在許可されているすべての CONNECTIONS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。状態別や名前別に追加することもできる。 |
ADD COUNTERS | 現在許可されているすべての COUNTERS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CREDITS | 現在許可されているすべての CREDITS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD ERRORS | 現在許可されているすべての ERRORS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD (フィールド) | SHOW CLUSTER 情報の特定のフィールドの表示を許可する。 |
ADD LOCAL_PORTS | 現在許可されているすべての LOCAL_PORTS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD MEMBERS | 現在許可されているすべての MEMBERS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD SYSTEMS | アクティブ・システムのすべてまたは一部について,現在許可されているすべての SYSTEMS クラス・フィールドを SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
DEFINE/KEY | 等価文字列と属性を,ターミナル・キーボードのキーに対応づける。 |
DESELECT | 選択されているウィンドウを選択解除する。 |
EXIT | SHOW CLUSTER 表示を終了し,制御を DCL コマンド・レベルに戻す。 |
HELP | SHOW CLUSTER のコマンド,パラメータ,修飾子に関するヘルプ情報を,オンラインで出力する。Ctrl/Z を入力すると,終了する。 |
INITIALIZE | フィールド名,クラス名,フィールド幅を,元の省略時の値に再設定する。また,REMOVE SYSTEMS コマンドで表示から削除されていたシステムを復元する。 |
MOVE | 選択したウィンドウを指定した位置に移動する。 |
PAN | 表示の視点を移動する。 |
REFRESH | 画面をクリアし,外字を削除し,すべてのフィールドを更新する。 |
REMOVE CIRCUITS | SHOW CLUSTER 表示から CIRCUITS クラス情報を削除する。 |
REMOVE CLUSTER | SHOW CLUSTER 表示から CLUSTER クラス情報を削除する。 |
REMOVE CONNECTIONS | SHOW CLUSTER 表示から CONNECTIONS クラス情報を削除する。 |
REMOVE COUNTERS | SHOW CLUSTER 表示から COUNTERS クラス情報を削除する。 |
REMOVE CREDITS | SHOW CLUSTER 表示から CREDITS クラス情報を削除する。 |
REMOVE ERRORS | SHOW CLUSTER 表示から ERRORS クラス情報を削除する。 |
REMOVE (フィールド) | SHOW CLUSTER 情報の特定のフィールドの表示を削除する。 |
REMOVE LOCAL_PORTS | SHOW CLUSTER 表示から LOCAL_PORTS クラス情報を削除する。 |
REMOVE MEMBERS | SHOW CLUSTER 表示から MEMBERS クラス情報を削除する。 |
REMOVE SYSTEMS | SHOW CLUSTER 表示から SYSTEMS クラス情報を削除する。 |
SAVE | 現在の表示を作成するスタートアップ初期化ファイルまたはコマンド・プロシージャを作成する。このスタートアップ初期化ファイルやコマンド・プロシージャを使用すれば,同じ表示を復元できる。 |
SCROLL | ウィンドウをスクロールする。 |
SELECT | スクロールまたは移動の対象ウィンドウを指定する。 |
SET AUTO_POSTIONING | ウィンドウの自動位置決定機能を許可する。 |
SET (フィールド) | 特定のフィールドの特性を変更する。 |
SET FUNCTION | SHOW CLUSTER 機能 EDIT,MOVE,PAN, SCROLL のいずれかを許可する。 |
SET INTERVAL | 表示更新間隔を変更する。省略時の時間間隔は 15 秒である。 |
SET SCREEN | 最大 511 カラムで構成される表示をターミナルに設定する。 |
WRITE | ハードコピー装置で印刷できるファイルに現在の表示を出力する。 |
SHOW CLUSTER コマンドを格納しているコマンド・プロシージャ・ファイルを実行します。
@ ファイル指定
ファイル指定
実行するコマンドを格納しているファイルの名前を指定します。ファイル・タイプを省略した場合,省略時のファイル・タイプ COM が使用されます。ワイルドカード文字は,ファイル指定に使用できません。
なし
実行プロシージャ (@) コマンドは,1 つのファイルに格納されている複数の SHOW CLUSTER コマンドを実行します。たとえば,SHOW CLUSTER 表示をカスタマイズするコマンド群を,1 つのコマンド・プロシージャ・ファイルにまとめて格納することができます。 SHOW CLUSTER コマンドであれば,どれでもコマンド・プロシージャに含めることができます。コマンド・プロシージャは,16 レベルまでネストすることができます。SHOW CLUSTER は,論理名 SHOW_CLUSTER$INIT が指すディレクトリでコマンド・プロシージャを検索します。SHOW_CLUSTER$INIT が定義されていない場合やディレクトリ指定を含んでいない場合,現在の省略時のディレクトリにおいてコマンド・プロシージャの検索が行われます。
COMMAND> @MYFILE |
この例では,MYFILE.COM というコマンド・プロシージャを実行しています。ファイル・タイプが指定されていないので,COM が使用されています。
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